K’sファイルNO.82:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)バスケ開幕

K’sファイルNO.82NCAA(全米大学競技スポーツ協会)バスケ開幕

2019年新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお付き合い願います。

 

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NCAA加盟1部校のバスケットボール各カンファレンスが一斉に開幕 GO Ducks!

NCAA(全米大学競技スポーツ協会):1部校のバスケット・カンファレンス(日本的にはリーグ戦の意味)開幕。

大学を中心とした州、市、学生、教職員、卒業生、地域住民、官公庁、スポンサー、TV、ラジオ、マスメデイア、等が今フットボール・シーズンを終え、バスケットボール・シーズンに突入し集中!4月上旬までの熾烈な戦いの幕が切って落とされた。

文責:河田弘道

スポーツアドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

K’sファイルNO.81:ご挨拶並びに感謝

K’sファイルNO.81:ご挨拶並びに感謝

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K’sファイル読者の皆様へ

                      20181227日、木曜日

 本年は、例年にも増してスポーツ界に於いて不祥事、事件、事故と沢山の話題、問題が噴出、露呈致しましたが、それ故、スポーツ即ち不祥事というイメージが毎年右肩上がりの傾向にある事も事実です。此れも一昔前とは異なり、競技スポーツの不祥事、事件をTV、スポーツマスメデイアが報道の域を超えた、よりスキャンダラスな編集を加えた番組商品としてビジネス化し、各社が競い合う事から事の次第を一層エスカレートしてしまって居るケースが非常に多く見受けられ、憂慮に堪えない事態を迎えています。

これらの現象もオリンピック大会そのものがビジネスと化し、競技選手もプロ化した副産物であるとみなせば、東京オリンピック開催に向けた便乗商法の一つでもあると言えそうです。特に我が国に於ける競技スポーツ部門は、伝統的な社会構造により育成、指導、運営、管理がなされてきましたが、この構造的な問題がグローバルな国際スポーツ社会において機能しなくなり、大きな曲がり角に差し掛かっている事も問題の根源の一つであろうかと思う次第であります。

2018年のK’sファイルは、NO.34NO.80迄時事の流れに沿った課題、テーマで述べさせていただきました。おかげ様をもちまして、各テーマには、毎週多くの読者の方々からのアクセスを頂きました事を心よりお礼申し上げます。

また拙い文章のため、読者の皆様には、読みづらい箇所、理解しづらい部分が多々あり、多大なるご迷惑お掛け致しましたことをお詫び申し上げます。

何事も問題の本質に目を背けていたのでは、いつまで経っても我が国のスポーツ・アドミニストレーションのレベルの向上に至らないのが現状と現実です。

どうか読者の皆様の勇気あるその一言、その一歩前に踏み出す勇気が今日のスポーツ界、競技スポーツ界の襟を正す道標となる事を忘れないで下さい。

 思えば、20174月より本K’sファイルを執筆致し始めまして、NO.80を持ちまして総文字数は約34万字に達しました。これは筆者にとり、初めての挑戦であり、初めての経験でもあります。振り返りますと、実践トレーニングの一つとして本K’sファイルは始まり、今では毎週の執筆作業がマスメデイアのプロのライターの方々のご苦労をほんの少しですが体験させて頂いている次第となりました。それも読者の皆さんの温かい応援とご理解が在っての事と心より感謝申し上げる次第です。

本年ももう数日で終わりを遂げようとしています。読者の皆様方、本ブログを応援して下さっている方々にとりましては、素晴らしいホリデーシーズンでありますよう、また、やがて訪れます2019が幸多い新年でありますことを心より祈念致しております

                              深謝

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

以下、2018年度K’sファイルのご案内です。ご利用下さい。

2018K’sファイル

NO.特:特別寄稿集:河田教授の講義から~

NO.特:特別寄稿:河田弘道の母校を思う:日本体育大学生の逮捕劇

NO.34K'sファイル:ご挨拶、お知らせ

NO.35:悪魔の囁きに屈したカヌー選手

NO.36:この度のFA問題は両球団の談合か PARTⅠ.

NO.37:この度のFAは両球団の談合か PARTⅡ.

NO.382020東京五輪は何故税金を使う

NO.392020東京五輪の不思議

NO.40東京五輪の不可解なおもてなし

NO.411984ロス五輪の成功とそのキーワードⅠ  

NO.4284ロス五輪の成功とそのキーワードⅡ       

NO.4384ロス五輪はスポーツ電通の基盤 Ⅲ          

NO.4484ロス五輪はスポーツ電通の基盤 Ⅳ         

NO.45:リーダーの比較         

NO.46:米大学競技スポーツ、日系人との出会い編 

NO.47:特別寄稿:レスリング協会の謝罪会見に思う~

NO.48:1周年ご挨拶

NO.49PARTⅠ 82W杯サッカースペイン大会はビジネスの戦場だった

NO.50PARTⅡ ホルスト・ダスラー氏の権力拡大と強引な手法~

NO.51PARTⅢ スペイン大会開催中の電通の利権強奪作戦

NO.52PARTⅣ FIFAW杯サッカー利権獲得への決断と実弾

NO.53PARTⅠ 日大アメフト指導者の指導理念の破綻と犠牲者

NO.54PARTⅡ 限りなく腐敗して行く大学競技スポーツの要因

NO.55PARTⅢ 緊急特別寄稿:大学競技スポーツの本質的な問題

NO.56PARTⅣ 日大vs関学大定期戦の運営管理責任 

NO.57PARTI  大学競技スポーツ・日米の歩みと動向

NO.58PARTⅡ 大学を取り囲む環境の変化     

NO.59PARTⅠ MOVE東京読売G

NO.60PARTⅡ MOVE東京読売G

NO.61PARTⅢ MOVE東京読売G

NO.62PARTⅣ MOVE東京読売G

NO.63PARTⅤ MOVE東京読売G

NO.64アジア大会バスケ選手買春問題

NO.65:第一弾 体操ニッポンの危機

NO.66:第二弾 体操ニッポンの危機 1.2.

NO.67:第三弾 体操ニッポンの危機

NO.68:第四弾 体操ニッポンの危機

NO.69:第一弾 日本バレーボール協会の体質

NO.70:第二弾 日本バレーボール協会の体質 

NO.71G高橋由伸監督辞任に思う

NO.722018秋の読売劇場開演  

NO.73:第一弾企業スポーツ

NO.74:第二弾企業スポーツ

NO.75:第三弾企業スポーツ  

NO.76:第一弾 日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 

NO.77:第二弾 大学箱根駅伝主催は本当に学生の自治体?

NO.78:第三弾 大学箱根駅伝とスポーツ・ビジネス

NO.79:第四弾 大学にとっての箱根駅伝とは              

NO.80:第五弾 もう一つの大学箱根駅伝の疑問と実態

NO.81:読者の皆様へのご挨拶 20181227日、木曜日

K’sファイルNO.80:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

K’sファイルNO.80:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

 

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第五弾 もう一つの大学箱根駅伝の疑問と実態

1.大学と学生選手(Student Athlete)の関係

①大学生である事のステータス・シンボルとは

此処では、「学生とは」が明文化されていない学校教育基本法、また統一されない日本の大学競技スポーツの競技以外での規則、ルール、罰則に付いての実情を取り上げます

このような状況下、大学競技スポーツは、規則、罰則の下で勝敗が決せられます。しかし、競技以外には、規則、罰則が無いに等しい状態の為、学生選手の扱いが公平(フェアー)でない事が最大の問題の一つであります。

特にこの度のテーマの箱根駅伝(他の競技スポーツも同様)では、これが顕著になり学生競技スポーツの根幹を崩壊させてしまっていると申し上げても過言でありません。

問題は、「学生とは」何を持って学生と定義(Definitions)するのか、できるのかを明記したものが我が国の教育法に見当たらない事です

大学競技スポーツ及び学生選手を語る前に、学生とは何を持って学生と認められるかを何故誰もが問題視せず、大学競技スポーツを語ろうとするのでしょうか。

此の事は、教育の一環としての根幹をなすものであると筆者は確信する次第です。筆者の講義授業を受講する学生選手達の多くが、「箱根駅伝に出場する為に本学に来ました」と別に学生の資格が無くとも箱根駅伝にさえ出場できる機会が与えられればそれでよい、その為に自分は特待生で迎えられている。と公言する学生達が増殖している事も事実です。特に学業成績を問わない大学では、このような学生選手が多数存在すると言うことを実体験しました。何故このような貧困な教育機関と学生選手達が我が国の最高学府として存在するのでしょうか。

この事から、日本人学生選手に対しても、外国人選手に対しても、大学法人の経営者の見識如何によりいかようにも本来あるべき「大学学生」の姿を捻じ曲げられているのが我が国の現状と現実です。これらは、まさに大学のスポーツ・アドミニストレーションが皆無に等しい実態と言わざるを得ません。

この事は、日本の大学競技スポーツを運営、管理するに当たり最重要な問題の一つで、キーワードである事を是非理解して頂きたく思う次第です。

例えば、箱根駅伝の主催者規約の出場資格(第4章:本連盟競技者資格、第10条、第11条)には、本連盟の競技者は、次の要件を満たさなければならない。となっています。

①本連盟加盟校の学生でなければならない。

学生の範囲は、学校教育法第90条に定めた学生、及び第91条の・・・本連盟が認めた

    大学等の学生とする。

③前項の加盟校競技者は、その在籍期間中本連盟に登録する事が出来る。

以上が関東学連の競技者資格です。このような大雑把な規則では、活用者側に抜け道もありますよと告知しているようなものです。

②国の教育機関の見解とは

重要なポイントは、この学校教育基本法90条には、「学生とは」何を持って学生と判断するかの物差し、即ち定義が明記されていない事です

この事に付いて、筆者は、複数の大学の最高管理責任者にお伺いしましたが、何方からも回答らしき答えを頂けませんでした。そこで、文科省の関係者に直接お尋ねいたしたところ、その担当者曰く「文科省は、各大学法人に大学設置の許認可を出しているので、その大学の大学法人が、この人物を当大学に入学する事を認める、と承認したらその人間は、その時点でその大学の学生として認められる」とこれが回答でした。

私は、この回答を受けて「文科省は、大学設置の許認可は出すが、あとは知らない」と言っているのと同じであると理解しました。

それでは、各大学法人の最高経営者(各大学の理事長は、現理事会の過半数、及び三分の二の理事を味方に付けている証)が、大学の授業を受ける興味も無い、単位取得の能力の無い、或は、能力が在っても講義授業を受ける意志の無い人達を学生、学生選手にさせたいがために入学を認める事が、多くの大学で常態化している昨今、文科省は、何と回答するかを問い質したら、「文科省は、そこまで手が回りません」との回答でした。

私は、これ以上問い質す気にもなれず呆れ果てた次第です。この現実から、我が国の大学教育及び個々の大学には、大きな格差と偏見を醸成してしまっている因果関係が此処に起因していると思われますが、読者の皆さんはどう認識されていますでしょうか。

 ③個々の大学の資質格差が大きな障害

此れでは、学生、学生選手のレベルのみならず、わが国の大学の資質の格差が各大学の経営者の資質と見識次第で、一層深刻化して行くのは目に見えています。特に今日の大学競技スポーツに於きまして、スポーツ・アドミニストレーションの資質が向上、発展しないのは、「此処に根源」があるからではなかろうかと確信に近付けた思いが致します。

文科省スポーツ庁)は、指導的な役目をなしていない事が明確になりました。これでは、歯止めが利かないわけです。

この重大な「学生とは何を持って学生と認めるか」を明確に規定しない限り、将来の日本の教育、スポーツに光は見えてこない様に思われます。先ず問題の起点は、此処から始まっていると思いますが、如何でしょうか。

 ④此れでよいのか外国人選手と日本人学生選手との不平等

先ず留学生選手問題とこれを模倣した日本人学生選手が急増し、本来の正直で真面目な学生選手達は、アンフェアーな大学競技スポーツ活動を強いられている事をご存知でしょうか。留学生と称されている外国人選手問題に付きましては、決して大学の門を閉ざす事を意味するのでなく、門は大きく開いている事が大前提です。どこが問題なのかを申し上げます。

わが国の外務省(移民局)、文科省、大学当局には、「外国人留学生に対する留学及び、学生の定義(Definitions)」が明文化されていないのです。よって、各大学法人が必要と認めた外国人に対して学生査証(STUDENT VISA)を発行してしまっている事が問題なのです。此れでは、例えばテロリスト或はその予備軍がスポーツ選手として入って来ようとすればいとも簡単に入国し入学できるのです。

事実として、大学箱根駅伝を走らせるために大学法人は、身体能力の高いアフリカの選手を安易に買ってきていると申し上げて過言でありません。留学生に関わる関係大学及び関係者は、アフリカと日本の文化交流だとか、大学スポーツの国際交流だとか申していますが、これらは、全て大学に連れて来る為の建前論(屁理屈)でしかないのです。嘗て、NHKは、本件を美化し、ドラマ化していましたが呆れた話です。

その証として、大多数の外国人選手達は、日本の大学教育を受ける能力のない人達が大半です。当然、大学の講義授業に顔を出しても午後からの練習の為の休息、朝寝、昼寝タイムとしか理解していません。日本人学生選手のマネをしているのか、そのように指導されているのか、授業に出ても講義が子守歌に聴こえるのかは、別問題です。今日では、伝統校までもが手っ取り早いので助け人の導入に手を染めている状態はご承知の通りです。

外国人選手達は、勿論所属大学の特待生で授業料、生活費、小遣い付きで、母国への航空券代も加味されています。また、大学側は、これらの選手を確保する為には、プロの仲介人を介してアフリカから連れてくるのですから、当然ながら仲介手数料として選手一人に対して300万円から400万円が相場である事も業界では知られています。既にこの事は、一昨年、昨年と数回マスメデイで紹介されていたのも事実です。このような外国人選手は、企業スポーツにプロ契約して競技に参加するのであれば何の問題もないのです。留学生と位置付ける事にそもそも無理があるという事です。

このような事は、30数年前から既に始まっていました。それがやがて男子のみならず、女子選手も仲介人経由で日本各地の私学高校に紹介され、そして大学へ、最後は、実業団テイームの会社、企業に売られて行くネットワークが作られるようになりました。1年で日本での生活に耐えられず帰国する選手もいます。しかし、即その大学は、仲介者の手を借りて新たな助け人を10月の箱根駅伝予選会に間に合わせます。

現在の箱根駅伝規則では、外国人を2名登録できるが公式にレースに出場できるのは1名で、もう1名をスペア―と考えているのです。

現在では、箱根駅伝出場に程遠い大学が、アフリカからの選手を同じ手法で購入して走らせるのです。その大きなメリットは、大学の広告塔として、毎年10月の箱根駅伝予選会までもがテレビ実況中継され、先頭集団を走る事で広告価値は、特待生の費用、仲介料の経費を上回るとの試算が成り立つようです。

大学指導者の中には、レベルの高い選手と一緒に練習する事で日本人学生選手の強化になる。と解説する指導者もいます。しかし、これは、体裁の良い唯の言い訳であり元々の身体能力の問題と指導者の勉強不足とコーチングの無さを言い訳にしているにすぎないのです。このような指導者は、外国人選手抜きで勝利している大学テイームに対してどのような言い訳を持っているのでしょうか。

⑤外国人選手は留学生ではなくお金で買われた助け人か

筆者は、留学生を決して拒んでいるのでありません。全加盟大学に共通したルールブックを作成して、各大学は、皆さんで作った規則、ルール、罰則を遵守するための誓約書或は協定書に同意され、違反行為に対しては毅然としたペナルテイーを与え、受託する事が前提であれば、留学生問題、日本学生選手問題も問題なく解決して、皆にフェアーな大学競技スポーツを構築できると確信しております。

但し、日本の大学に留学を希望するなら、大学で講義授業を受けられる最低限度の日本語能力がある事が大前提で、その能力があるかどうかの物差しとなる留学生への日本語検定試験は、必要不可欠である事を先ずルールブックに明記する事が必要であると申し上げます

日本人学生選手には、純粋に箱根駅伝を目指して勉学に練習に取り組んでいる沢山の学生選手達が居ます。このような学生選手達に対して、心無い教育者、指導者、経営者により出場資格枠が奪われ、不公平、不利益を与えている事を何と考えているのでしょうか

2.学生選手へのリクルートとその手法

①大学から学生選手への条件提示

近年は、大学と学生選手の間の需要と供給のバランスが崩れてしまっている状態が続いています。競技力の高い大学側では、リクルートするに当たって学生選手を四段階にランクを決めているようです。

1)特Aランク選手:

何処の大学もが欲しくてたまらない商品価値の高い選手を意味しています。このランクの選手達及び父母達は、プレステイージの高いとされる大学から引く手あまたであり、そうでない大学には目もくれない選手の事です。このような学生選手達は、売り手市場となっているので各大学からの最終オファーにより父母も我が息子、娘の行き先を決めるのです。

オファーの中身は、各大学それぞれです。最後の決め手は、他大学に比べて特別な内容が加味されているかどうかなのです。(此処に置いてもリクルートに関するルールも罰則も協定書も無いワイルドな状態です例えば、近年スキージャンプ競技種目で女子学生選手が「推薦入学、特待生、強化費別途、父親の大学専門職への斡旋と特別待遇で迎え、大学授業は出席しなくても良い、卒業証書も確約、等々」と此のことが事実であるならば呆れ果てる惨状です。このような方々には、大学教育機関の教育者、管理者としての常識、プライドまでを失った方々のように見えるのは筆者だけでしょうか。しかし、このような関係者側に立てば、そこには、このような所業がルール違反であるという明文化された規則も罰則も無いので一概に批判をするのも片手落ちというものです。此れが日本の大学競技スポーツの現実と実態なのです

2)Aランク選手:

多くの大学では、このランクの学生選手をターゲットとしているのが現実です。伝統校と一般に称される大学でも1)の学生選手が手に入る保証は、有りません。よって、次のランクの選手を狙うのは自然な成り行きです。しかし、また、駅伝の場合もこのランクの選手をリクルートするのも至難の業なのです。よって、此処でも大学教育機関としてあるまじきあらゆる手法が乱れ飛んでいるのが現実です。手法は、皆さんのご想像にお任せいたします。リクルートに関する協定書も無いので当然の成り行きです。

3)Bランク選手:

4)Cランク選手:

B,Cランク選手に対しても多くの大学は、特待生扱いをしているのが現実です。まさに売り手市場だからです。

此処で読者の皆様は、お気付きになられたかも知れません。3)、4)のランクの学生選手を抱える多くの大学は、「箱根駅伝予選会出場」の常連校なのです

そこで大学経営者は、本戦出場と大学の売名行為を狙い、手っ取り早い方法と手段に手を出すのです。それが、身体能力の高い外国人を安易に買ってくる手法であり、日本人選手に対しては、特殊な条件提示でプロ野球界顔負けの所業がなされるのです。近年特に他の大学競技スポーツにも蔓延している実態であります。

このレベルの大学は、日本人選手の1)、2)の選手獲得が難しく、日本人選手だけでは大会出場枠に入れないし、目立たないからなのです。勿論、これらの問題は、指導者のコーチング力の低さにも大きな問題があるのも要因の一つです。

筆者の経験からも、近年の学生選手及び父母は、このような状況、環境から大学を選択するに当たってアカデミックや競技スポーツだけでなく、社会的にもプレシテイージが高く、就活に役立つ大学を選ぼうとするのは当たり前です。何故ならば、日本の大学には、推薦による入学制度があり、大部分の強化部所属の学生選手は受験勉強の苦労を経験せずに入学してきているからです

裏口入学した学生選手の卒業前の合否トラブル

私は、ある大学で教授職を務めていました時に、その大学では伝統的に有名な学部の教授から相談を持ち込まれたことがありました。丁度3月の卒業認定教授会の時期です。「毎年3月の卒業認定教授会は、荒れています。その理由は、本学を選ぶ学生選手が法学部を希望する事からです。しかし、この時期が来ても卒業単位を満たしていない酷い状態で、また、このような学生選手が、学部に多く押しかける事で学部の資質のレベル低下も招いています。しかし、大学が入学時に既に卒業を約束している事が判明し、それで教授会が紛糾しているのです。このような問題をスポーツ・アドミニストレーションとアドミニストレーターの専門家としては、どう処理されますか」とのご質問でした。

伝統と威厳を保つ大学が、教授会でこのような件で大問題となっている事は、多くの他大学と比較しまして、まだ真面目で常識ある大学教授会である証拠でもあります

このように、今日の学生選手、父母は、大学選択時にすでに大学側に条件を付けている事に気付かれるでしょう。嘗て、大学側のオファーは推薦入学や特待生が条件でしたが、今や学生選手、父母側は、学部指定、そして卒業証書まで担保させるに至っている事を見逃してはなりません。これは、もう日本の大学には、アウトローOut of Law)の学生選手と大学管理者、経営者が多数いると言われても仕方のない危機的な状況の証しです。

これはもうどちらが良い悪い、の判断レベルの問題ではないと思いますが、如何でしょうか。このような大学に対して、いったい何処の誰が襟を正させるのでしょうか。しかし、教育機関にも運営組織、団体にもこれらに対する規則、罰則が無いのですから、モラルの問題でしかないのです。此れを称して、やり得、やられ損と申し上げるのでしょうか

このような状況から、箱根駅伝で有名選手だったという事だけで卒業単位を取得していないにも関わらず卒業証書を持ち帰る学生選手が社会に出て、やがて教育機関で指導者になった場合、どのような指導者になるのでしょうか。これらは、ほんの一例に過ぎません。

しかし他の多くの大学では、このような事は全く問題とならず経営者、教学責任者が簡単にハンコを押し処理されているのが、実態です。例えば、オリンピックで金メダルを取った水泳選手は、特待生として推薦入学した大学プールで4年間一度も泳ぐこともなく、卒業前には、未修得単位科目が山積、担当教員がこの学生選手に単位を出さないと突き付けたのだそうです。しかし、そこで大学上層部から担当教授に圧を掛けて、この学生選手は、高笑いして卒業して行ったと知る人ぞ知る事実です。もうこの様な教育機関は、日本の最高学府の大学と言える価値もないと思いますが。大学のプライドは、無くしたようです。

私の経験則で申し上げるなら、学業、競技スポーツ共に優秀な学生選手は、全体から致しますとほんのごく僅かですが、日本の大学にいる事も確かです。この学生達は、真の文武両道の学生でありました。しかし、大多数の学生選手、特に強化部所属の学生選手は、大なり小なり共通した問題を抱えているのも事実です。その多くは、その名も体連生(体育連盟学生の略)と称して、キャンパスをジャージ姿で肩で風切って歩き、誰からも注意をされない学生という名の人達です。この呼び名は、戦前、戦中、戦後の名残りなのかも知れません。

まとめ

大学競技スポーツの大学、関連組織、団体は、各大学の代表(有資格者)の法人化された全競技スポーツを統括できる組織・団体の設立が重要且つ急務です。加盟大学と直接的な関係(資格)の無い第三者の介入は、本箱根駅伝主催者同様の不透明な組織、団体となる事を理解頂けたのではないでしょうか。

しかし、設立された組織、団体をフェアーに円滑にアドミニストレートする為には、必要な専門職の人材が不可欠であります。そうする事により、組織は、職責、責務が明確になり、責任の所在が求められるので有給であるべきです。学生の名を借りた組織、団体では、自らをバランテイアと称する人達は責任の所在が明らかにできず、今日のような大人達のBLACK BOXとなると思われます。

大学競技スポーツを、学生の自治と位置付けるには、余りにも無理があると思いませんか。各大学の競技スポーツ(部活)は、教育の一環、延長線上に位置し、「正義JUSTICEと公正、公平FAIRNESS」を基軸とした、強い教育の理念に沿ったアドミニストレーションが必要であると思います

今日のような、状況においてこそ一日も早く全加盟大学には、「共通した規則と罰則を明文化したルールブック作り」が先決である事を提案致します但し、本ルールブックを遵守するに当たりましては、独立した大学スポーツ査察委員会(Infraction Committee)を設立して、全加盟大学が委託する事が前提です

営利を第一とする会社、企業論理では、大学教育機関の本分である学生選手及び学生を健全で在るべき教育環境に於いて、守る事が難しくなっている事に読者の皆様もお気付きになられた事と思われます。

今こそ、大学競技スポーツを健全な姿に戻す為には、皆様方のご理解、ご支援と勇気あるスポーツ・マスメデイアの行動力も欠かせません。大学競技スポーツは、大学生とその地域社会が共有する公共的な財産です。この理解と認識があって初めて、関係者は、教育機関に於ける学生達に明るい未来の光を供与できるのでないでしょうか。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

大学箱根駅伝のシリーズをご笑読頂きいかがだったでしょうか。皆様は、お正月の箱根駅伝を異なる視点で次回観戦される事でしょう。しかし、この真相と現実、問題を知らなかった方が良かったと思われている方々も多くいらっしゃるのでないでしょうか。勿論、誠実に大学生としての志を持ち、卒業単位を取得する事を目し、また、大学院を目して勉学に駅伝トレーニングに日々励んでいる学生選手も沢山居ることも忘れてはなりません。

しかし、このような誠実で努力している学生選手に対する対応が余りにもアンフェアーである事は、純粋に応援されている皆さんは見逃してはなりません。見て見ぬふりをする事は、学生、学生選手達の教育に何の改善も改革にも成りません事を今一度再考下されば幸いです。読者の皆さんのお子さんがこのような環境で苦汁を舐めていたらどうされますか。放って置きますか。

大学箱根駅伝BLOG連載にお付き合い下さり誠に有難うございました。

K'sファイルNO.79:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

 K'sファイルNO.79:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

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 第四弾 大学にとっての箱根駅伝とは

1.大学と箱根駅伝

①大学内に於ける伝統的な部活の昨今

Ksファイルでは、「大学の経営、教育の理念に付いて」の是非を論議する場でない事を最初に申し上げます。

我が国の大学に於ける部活は、1900年前半から当時学生達の余暇活動、課外活動を経て学生達の自治組織が認められ今日に至ったとされています。そして、今日まで昔ながらの学生による自治活動との位置付に特に変更はないようです

この自治組織、活動は、時代と共に大学及び周辺の関係者の利害と利権の温床と化し、伝統的な大学程、大学、法人側と各部卒業生との間での権力闘争があるのも事実です。その理由は、学生達の自治活動としての大義を掲げる大学は大学側の金銭的な支援並びに活動に対する自己責任を長年回避してきたと思われるからです。その為に、部活の運営、管理を維持する為には、部の卒業生達の寄付行為並びに就活支援の物心両面での協力が今日も尚継続している事だと思われます。しかし、実質的に大学側は、専任教授を各部の長として配置し、部活の運営、管理に一定の権限「ポリースマンの役割も」を担っているのが実態です。

よって、部活は完全な学生達の自治活動ではなく、あくまでも大学教育の一環と捉えているかのような人事配置からも窺い知れます。しかし、この部長は、各部活の専門的な知識を兼ね備えているでもなく、特に競技スポーツに無縁な大学当局にとって都合のよい専任教員を大学、法人により任命されている事から、長年形骸化してしまっている様子は否めません。

部活の運営費は、部費の徴収、大学側から学友会費(全学生は、授業料納付時に学友会費が含まれていることすら知らない)分担金、各部のOBOG会からの寄付金により賄われているのが実態です。また、一部大学の部に於いては、民間の遊技組織・団体から支援を受けている大学まで現れている実態です。

日本の大学競技スポーツには、共通した約束事、罰則、即ちルール、罰則が明文化しない為に競技スポーツの本質であるべきフェアネス(公平)を逸脱した運営、管理がなされているのです

②近年の大学・大学法人の傾向

 近年各大学は、教育とは異なる目的で大学競技スポーツをリードする傾向が目立っています。大学の売名行為に一役を担い、受験生の増加による増収にも貢献している実態も見逃せません。このような実態は、もう既にマスメデアに於いても紹介された記憶が蘇ります。

それは、近年ある大学の新入生が突然箱根駅伝で山の神となり優勝、翌年も、その翌年も4年目もと神がかり的な連続優勝を果たしたのです。この大学は、外国人の手を借りず全員日本人選手の努力の賜物として称賛されました。この新人選手の活躍でその年の受験者数が通年より平均10000人、それも4年間その数を維持したようです。これ即ち、経営者側に致しますと、今日の受験生一人の受験料は、35,000円ですから毎年受験料が、35千万円臨時収入が増加、それも4年間と···。関東の多くの大学が箱根駅伝に力を入れるのも理解できます。しかし、逆に長年連続出場していた伝統校の中には、シードを逃したり、予選会で落選したりで、受験生が激減したと嘆いている大学もあるようです。此の事からも、大学箱根駅伝は、大学の広告塔であり収入源でもある証です。

各大学は、競技スポーツ部を幾つかに絞り、学生達には公表せずに特定した部に対してだけ、特別強化費と称して大学法人から資金が重点投下されているのも事実です。大学競技スポーツに力を入れている大学では、特別強化費と称して「年間1億円から5億円」レンジでの投資をしています。この金額は、大学の規模に関わらず、平均的には23億円が投入されていますこのような投資は、何の目的の為に行っているのかは、もう読者の皆さんは推測できる筈です。最終的にどのようにしてこの投資資金を回収するめどを付けているのか、またこの費用対効果から考えた場合の毎年の成果と結果は如何なのか。大変興味深い日本の大学経営のマネ―ジメント手法でもあります。これは、決して教育が目的でない事だけは、確かなようです。

しかし、このような毎年の部活への投資の殆どは、成果と結果を出すためのビジネス・マネージメント手法が計画的、実践的でない為、無駄な投資となっているケースが多々あることも事実です。まさか文科省からの私学助成金補助金が当てられていない事を願う次第です。

③大学教育機関の企業化問題

近年に於いての大学経営は、会社、企業の論理と酷似して来ています。

その大きな要因としましては、大学法人の経理部門の責任者に大学の主要取引銀行からの天下りか、銀行から意を受けた人物が理事、常務理事兼務で送り込まれているケースが多く見受けられます。また、法人事務局長(二号理事として)、大学教学の事務局長、人事部長、職員に企業からの転職部隊が横行しているのも近年の大学経営の特徴です。

教育現場に於きましては、人件費の圧縮が目的で、講義授業については各学部共通科目を増やし、卒業単位(124単位)に加味する手法、ゼミ演習、卒業論文演習は選択科目とし、専任教員、非常勤教員のコマ数を減らす手法です。

これは、即ち所属学部以外での授業単位を卒業単位数に加味し、その学部以外での授業単位を60単位まで認めているのです。

まさに大学経営の生死を賭けた企業論理の導入であり、この論理は、全てのしわ寄せが学生に及んでいるのです。そしてまた、大学職員に於いては、従来の各部門、部署のベテラン職員の雇用を薄くし、人材派遣会社からの人材の雇用に重きを置いた合理化が遂行されている大学が目立ち始めている事です。このことによる弊害は、教学に於いては教員の資質及び人員削減に伴い、本来は学生ファーストであるべき教育機関の本質の喪失と、職員に於いては専門職でない臨時職員として腰掛のような職責の増殖から、学生及び教員に対するサポート体制、情熱を持った支援が成される筈の環境が崩壊して行っている様子が伺えます。

大学教育機関には、企業の論理、体質を持ち込むこと事態に大学経営者、管理者としての適性と資質を問うてしかるべきです。しかし、現在の大学設置に関する許認可基準では、経営者の適性、資質を判別する術がなく、大きな抜け穴と化し、全て学生達に不利益が与えられている次第です。

このような大学に文科省は、何故助成金補助金国税を流し込む必要性があるのでしょう。また、このような大学に於いては、大学競技スポーツに参加する事しか興味がなかったり、全く大学に於いて高等教育を受けうる意志やレベルにない学生選手達をかき集める手段として学内に見せかけの競技スポーツ施設を充実させたりして、このような学生達を集める手法を取っている大学経営者が増えている事も確かです。 言わば、学生達は、大学という看板を掲げ大学教育機関に特定の競技スポーツ施設を使用させる対価として部費、受験料、授業料を払って楽しく毎日元気にキャンパスで過ごしているのです。

④キャンパスに於ける学生選手の認識と実態

このような多くのスポーツ学生達は、毎日遊ばせてもらう事を主たる目的にしている学生、学生選手達の保育所的な現状の大学が近年増殖している事です。汗水たらして働いて授業料、生活費を仕送りしている父母関係者は、この現状、実態を理解、認識されていた上でサポートされているのでしょうか。そうであれば、全く大学経営者と父母との利害、認識が一致している事で筆者がどうこう意見する立場にありません。

しかし、このような若者達を食い物にしている大学経営者は、何と心得て教育者の顔をしているのでしょうか。此の所政府に於いては、労働者不足が叫ばれて外国人労働者の法案迄議論されている中、このような国内の元気な若者達がただ遊びに大学に来ている現状を何故改善、改革しようとしないのか非常に矛盾を感じる次第です。

この健康で体力のある全国の若者達の多くは、生産業に適しています。筆者は、このような大学、経営者の大学を間近で体経験して感じた次第です。何か今日の日本は、教育に対する基本的な概念が崩壊して行って居るように感じるのは筆者だけなのでしょうか。

今日では、大学に陸上競技部も設置しないでいきなり駅伝部を創設し、キャンパス内に宿泊施設ビルを建て、ビルの一階にはコンビニエンスストア―まで入居させるありさまです。学生選手をかき集める事が主たる目的なのです。多くのこのような大学は、教育とは名ばかりであるのはご推察の通りです。

文科省は、何故認可した各大学に対する精査、検証、監査、監督も行わず長年各大学の法人任せにしているのでしょうか。このような最高学府としての教育の看板を掲げる大学に対しては、許認可取り消しの強い姿勢で臨まない限り教育の環境とそれに伴うレベルの低下が否めない事を実体験致した次第です。

此処に於いても、箱根駅伝主催者と同様な何でもありの無責任なスポーツ・アドミニストレーションが大学キャンパスにまで及んでいる事を一般社会の皆さん、そして学生の父母はご存知でないようです。

筆者は、学生、学生選手を1つの集金マシーンと化した大学経営手法に対する大学教育及び経営に今こそ国の強い指針と施策が必要であるとご提案致す次第です。このような経営者、大学教学統括責任者は、いったい何を競技スポーツに期待し、何の為に教育機関を経営、運営、管理しているのかと我が目、耳を疑った次第です。

2.大学と箱根駅伝主催者との関係

①不明瞭な金品の受け渡し

近年の大学競技スポーツは、学生達の自治運営活動でなく、大学と法人の大人の都合による学生集めの広告塔と化し、受験料、授業料を運ぶ集金マシーンのツールと化しているように思えてなりません。特に各大学法人が特定する強化競技スポーツに顕著にみられる特徴です。

大学は、関東学生陸上競技連盟が主催する陸上競技大会に出場する為に関東学連に所属しなければなりません。箱根駅伝競走大会は、その競技大会の一つです。関東学連は、全加盟大学から加盟登録料を徴収している任意団体です。

 此処で素朴な疑問として、箱根駅伝主催者の関東学連は、近年出場権を得た20校に対して各大学個々に毎年2,000,000円(以前は1,500,000円)支給しているのです。勿論、本件に付きましても、主催者には、情報公開の義務がないので大学と主催者の間での閉ざされた取引であり、大学側も一切公開していません。

本金額は、合計しますと毎年40,000,000円となりますが、支給側、受給側、双方でどのような名目処理がなされているのでしょうか。主催者側は、何らかの名目で箱根駅伝出場20校に対してだけでも利益を還元しているとの証を残したいのかも知れません。しかし、これでは、学生選手及び学連生、バランテイア学生達への還元になっていません。何故主催者、大学双方は、本件並びに余剰金の使途を公にしても差し支えないと思いますが、しないのでしょうか

また、これは、信じがたい話ですが、出場校に対して主催者、スポンサーからサッポロビール黒ラベル缶が段ボールで学生選手の合宿所に届けられるとの事を聴き、唖然とした次第です。多分これは、何の他意もなくスポンサーがアルコールの会社、企業なので軽い気持ちで宣伝を兼ねて、祝勝会、残念会、ご苦労さん会で飲んで下さいという意味だと理解したいです。しかし、合宿所には、大学生、未成年学生達が居る事、またその未成年者がアルコールを手にする事を何故、主催者、スポンサー企業、大学関係者は、配慮し止めないのか。もうただただ、関係者達の大人の良識、見識を疑わざるを得ないのです。

②学生・学生選手に対するモラル教育の低下

当然の事ながら、未成年学生選手のユニフォームの胸には、BIBナンバー(ゼッケン)にアルコールスポンサーのロゴを付けさせて14時間もテレビの生中継で露出、また主催者名で告知される全ての出版物の選手のユニフォーム写真には、スポンサー名と共に商品名も掲載されています。主催者規約には、学生選手の肖像権は関東学連に帰属されています。しかし、未成年学生がアルコールの広告塔になる了解は、何処にも明記されていません。

学生選手達をアルコールの広告塔として利用する事の非常識さもさることながら、この状態を長い年月において教育機関の教育者、指導者、経営者の誰もが指摘、止めない、この現実と見識は、如何なものでしょうか。このような関係者と一般社会の常識は、異なるのかも知れません。

ご存知の通り、わが国の法律では、未成年者の飲酒喫煙は禁止されています。勿論大学キャンパスに於ける飲酒喫煙は、殆どの大学で厳しく取り締まっている筈なのですが・・・。先進国に於いて、特に学生選手が出場する競技スポーツ大会では、アルコール、たばこの企業スポンサーは御法度でありますこれは、青少年の心身の健康管理が何よりも優先するからです。此のことからも、大学競技スポーツのアドミニストレーションが遅れている大学、国と称されても仕方のないレベルなのかも知れません。日本国に於ける大学競技スポーツを取り巻く関係者は、もう少し高い志を持ってサポートする品格も必要ではないかと思われます。

 特記事項:

 

筆者は、大学で教授職を賜りスポーツ・アドミニストレーション論の講義授業、付帯専門ゼミを指導致して参りました。大学競技スポーツのスポンサーシップに関する講義、ゼミに於いて、本箱根駅伝のスポンサーが何故アルコールの会社なのか受講生に説明できませんでした。そこで、私は担当教授として、本件に付きましてサッポロビール株式会社の広告宣伝担当統括専務氏宛に質問の書簡を大学名、学部名、担当教授名、講義授業、ゼミ演習科目名を明記して発送致しました。内容は、「御社は、大学箱根駅伝の冠スポンサーとしてサポートされています。付きましては、大学競技スポーツへのスポンサーとしての趣旨、目的をお聞かせください。また、アルコール商品の広告宣伝を何故学生選手に強いるのかも合わせてご説明頂ければ幸甚です。小職は、講義授業、ゼミで説明がつかないので苦慮している次第です」とお願い致した次第です。しかし、残念ながら同統括専務氏からの返信は、8年経過した現在もございません。

サッポロビールとは、そのような見識の会社、企業理念をお持ちの企業なのかも知れません。此処に皆様にご紹介させて頂きます。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

次回は、K’sファイルNO.80箱根駅伝シリーズの最終回として掲載予定しております。最終回は、大学が箱根駅伝にどうしたら出場できるか、そのためには学生選手のリクルート活動はルールも罰則も無いので、その方法論は問われない。TVに多くの時間露出されれば大学経営のメリットになる。それじゃ日本人選手のみならず、外国人選手も買ってくるか方式をご紹介いたします。お楽しみに!

 

K’sファイルから緊急のお知らせ:2018年12月07日、金曜日

 

K’sファイルから緊急のお知らせ20181207日、金曜日

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本年度96日~927日迄、「K'sファイルNO.65666768:緊急連載 体操ニッポンの危機」を連載して参りました。

本件に関する結論は、第三者委員会の委員により個々への任意事情聴取が行われた報告書を参考に公益財団法人日本体操協会が結論付けるものであります。

体操協会は、本年1210日、月曜日に臨時理事会を招集した模様です。よって、本理事会に於いて決議がなされると理解致します。

三者委員会は、非常に長い月日を擁しての事情聴取となったようですが、どのような報告書となったのでしょうか。協会理事の方々は、禍根を残さない決議をされる事を心より願う次第です。

K'sファイルNO.65666768:緊急連載 体操ニッポンの危機」をご参照頂ければ、専門的な観点からより理解し易いかと思います。ご参考までに。

URL

はてなBLOG http://hktokyo2017041.hatenablog.com/ 

YAHOOBLOG https://blogs.yahoo.co.jp/khkk2017051/

 GOOGLEBLOG  https://hkkawada.blogspot.com/

 文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

 

K'sファイルNO.78:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

K'sファイルNO.78:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

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第三弾 大学箱根駅伝とスポーツ・ビジネス

1.スポーツ・アドミニストレイターの視点から

①日本初のスポーツ・アドミニストレーションの講義授業

筆者は、2005年から日本の大学に於いて教授職を賜り、日本初のスポーツ・アドミニストレーション(略:SADの講義授業及びそれに付帯する専門実践ゼミ(河田ゼミ)をスタート致しました。本講義授業は、自ら三十数年間のスポーツ・アドミニストレイターとしての実践キャリを講義で理論を、ゼミで実践演習を主体としたアクテブラーニングを導入致した次第です。

大学でのSADの付帯専門実践演習(河田ゼミ)に於いては、スポーツ・マネージメント、ビジネス、マーケテイング、プロモーション、プロデユース、フィールドオペレーション、等々の活動を主体としたトータルマネージメントを修得する為の実践演習活動を各年異なるテーマで行いました

この年度のテーマは、大学競技スポーツが学生達にとって一番身近で、学生達も関係している事から大変興味深く取り組みました。本調査は、大学箱根駅伝(略:箱根駅伝)がどのようにして運営・管理され、如何にして事業(スポーツ・ビジネス)として成立しているのかを学ぶために必要な基礎演習活動でありました。

しかし、ゼミ生達は、調査段階に於いて何度も大きな壁にぶち当たり段々と関東学連たる組織、団体の運営・管理が学生達の自治活動でなく、外部から何らかの関係で集まり共通した利害と利権興味を持った大人達の閉鎖された集団である事が透けて見え始めたのでした。

この事を実感できたゼミ生達は、ゼミの実践演習活動を通して学内外、社会で得た貴重な「知識と情報」が成果と結果として得られたことでした。そしてこの得られた知識(Knowledge)、情報(Information)を如何にして活用する為の能力(Literacy)をレベルアップして、それらを発展させて行くかを研究するものでした。

このような競技スポーツに関するアクテイブラーニング(実践演習)は、日本の大学で殆ど指導されませんので非常にダイナミックな演習に感じたようでした。また、不可思議な箱根駅伝の経営、運営実態から、筆者は、企業スポーツで得た実体験から引き続き今日までゼミを超えた立場と、スポーツ・アドミニストレーターとしての専門的な視点でリサーチを継続して参った次第です。

この事から読者の皆様には、「本K’sファイルの課題、テーマの問題の本質部分」をお話し致しますので、そこから何が見えて来るのか、是非思考回路を全開にして、洞察して頂ければと思います。先日は、奇しくも箱根駅伝の伝統校の監督と大学学長(大学法人一号理事)の内部問題がマスメデイアで取り扱われ始めていますが、これらは氷山の一角で重大問題のほんの入り口にしか過ぎないと筆者は観察致しております。(20181129日、マスメデイア報道より)

2.関東学連の事業(ビジネス)拡大路線

①ビジネスとしての箱根駅伝

関東学連は、箱根駅伝以外にも複数の事業(関東学連規約:事業第五条)を行っています。しかし、本事業が唯一莫大な収益を上げているビジネであると見受けられます。箱根駅伝を主催する関東学連、共催の読売新聞社は、大学生及び学生選手を商品として、事業(ビジネス)を行っています。そのビジネスの主な収益は、スポンサーシップによるものです。

スポンサーシップとは、大学競技スポーツのCOREである学生選手が出場、出演するスポーツエンターテイメント(此処では箱根駅伝)大会に「金銭的、物的、人的」投資(支援)をする会社・企業を意味します。

 

即ち、主催者、共催者は、その見返りとして、本大会に於いて企業名、商品名、商品を独占的に露出、提供する機会を与えることを意味しています。スポンサー企業は、大会での直接的な観戦者、間接的なマスメデイア(テレビ、新聞、雑誌、等)を通しての視聴者へと取り上げられる事により投資した以上の宣伝効果を期待しているからです。スポーツのマスメデイア価値が高まるにつれて、企業のスポンサー活動は、投資効果を見極めた積極的な投資事業を展開するのです。

これとは逆に、スポンサーシップが投資効果(ROIReturn on Investment)を期待して行われる利潤追求の企業活動に対して、見返りを求めない慈善事業としての寄付活動やバランテイアー活動で、企業の社会貢献を目的として行われる支援活動のフィランソロフィーphilanthropy)があります。しかし、後者は、投資効果を全く期待していないのではなく、長期的ビジョンにおいて投資効果が大いに見込めるのも事実です。

即ち企業がスポンサーをする意味は、投資に対する対価としての見返り、即ち宣伝広告の効果、効率が期待できるからなのです。

また、本大会は、「サッポロ新春スポーツスペシャ箱根駅伝」として、日本テレビ系列により独占生中継番組で放映されています。よって、日本テレビは、放映権料として莫大な金額を主催者側に支払っている筈です。また、日本テレビは、放映権料、製作費、人件費、諸経費の回収をCMスポンサー料によりビジネスを行っている次第です。

箱根駅伝をスポンサーシップする主な会社・企業

特別協賛:サッポロホールデイングス株式会社(サッポロビール株式会社)

協賛  :ミズノ株式会社 トヨタ自動車株式会社 セコム株式会社 

      敷島製パン株式会社

特別後援:日本テレビ放送網株式会社

後援  :報知新聞社

 特別協賛とは、冠協賛とも言われ、冠スポンサー(別名:クラウンスポンサー)と称される本大会(イベント)に一番高額な金銭的な投資をしているスポンサーを意味しています。

冠スポンサーとは、テレビ番組や公演、スポーツの大会(イベント)、多目的施設などの名称に企業名や商品名などを冠することを条件に多額の資金と商品を提供するスポンサーの事です。

例えば、サッポロビール冠番組として、『★SAPPORO新春スポーツスペシャ 第○回東京箱根間往復大学駅伝競走』として告知しています。

協賛とは、箱根駅伝の趣旨に賛同し、大会の成功を助ける事が本来の意味です。通常は、協賛の会社がかなりのお金や物(自社の商品)を提供している。

特別後援は、後援の中で一番金品を出している事が特徴です。此処では、テレビ中継をする事により、本大会を後援し、放映権料を支払う事で主催者に金銭的、放送媒体によるサポートをしている事です。

後援は、多少のお金や物を出す程度、あるいは名義後援と言ってイベントの権威付けのために名前を貸してもらうだけのことも多いです。本大会の場合は、活字媒体を主体とした、後援を行っていると理解するのが正しいかもしれません。

 

3.大会スポンサーとテレビスポンサーとの関係

テレビ局の事業予算の確保と収益確保

本大会は、日本テレビにより2日間約14時間生番組(別枠:特集、10月の予選会生中継)として実況中継されています。

テレビ・ビジネスは、先ず放映するに当たり番組映像を制作、生産しなければ商品になりません。そこで制作する為には、多額の予算の確保が必要となるのです(例:中継の為の衛星回線確保、映像送信回線確保、中継基地確保、機材、運搬、テクニシャン、ゲスト、社内外スタッフの人件費、放映権料、等々)。そして、本大会の権利を得るためには、放映権料として主催者側に支払わなければなりません。

これら全ての諸経費を捻出する為に必要な事業費は、テレビCMTime(コマーシャルの時間枠)を販売する事により事業費を回収し、利益を上げるビジネスコンセプトであります。また、CM時間帯の料金の設定は、前年度の本番組の視聴率が料金設定の目安となっているのです。

よって、本箱根駅伝の大会スポンサーが即テレビのメインCMスポンサーとなっているのです。また、利益を上げる為の方法としては、大会スポンサー以外のスポンサーに営業(セールス)を行い賄われているわけです。

今日、このような人気のある大会(イベント)では、大会スポンサー、テレビスポンサーを広告代理店が独占販売する事が一般的で、この事をパッケージセール(まとめ買い売り)と業界では読んでいます。この方式を取る事で、テレビ局の営業部門へのプレッシャー、負担が軽減される事にもなります。基本的には、オリッピック、ワールドカプサッカー、等のテレビ・ビジネスも同じスポーツ・ビジネスコンセプトなのです。

 

4.主催者とスポンサー各社との関係

此処で素朴な疑問は

本主催者の関東学連は、任意団体であるため情報公開の義務がなく、スポンサーとどのような取り決めを行い、契約を取り交わし契約書にしているかは明らかにされていませんので推測になります。

通常、本大会に類似したイベント・ビジネスでは、主催者とスポンサー会社、企業間で取り決め、主催者・共催者(権利保有主)とスポンサー各社との間で毎年新しい約束事を契約書に盛り込み、双方で担保する事が常識であります。

関東学連は、スポンサーの広告代理店である博報堂が窓口で代理契約をされている事が考えられます。本大会の商品価値から、他の類似大会と比較した業界の試算では、スポンサー料、放映権料を含めて約6億円前後の収入(2日間のイベントとして)が主催者側に入っている、と推測されているようです。

此処で大事な事は、もし主催者の関東学連が広告代理店、スポンサー企業、テレビ放映権料、等を独自でネゴシエーション(交渉)を行っているなら、相手の言いなりの料金でなくハードネゴシエーションを行う事がスポーツ・ビジネスの基本であり鉄則です。しかし、主催者側には、スポーツ・ビジネスの専門家がいるとは考えにくいので広告代理店、テレビ局側の言い値となっているのかも知れません。何故なら、これだけのイベントでは、主催者側にもっと収入が在っても可笑しくないと思えるからです。関東学連は、名前だけの主催者なのかも知れません。

主催者の関東学連は、任意団体であり「権利能力が無い団体」とされていますので、このような権利ビジネスに於いて本来契約の主体となり得るのかどうか疑問に思うのは、筆者だけでしょうか。

しかし、ここで忘れてならないのは、本大学箱根駅伝事業は、公道を使用し、警視庁、県警、交通機関を遮断、国民の税金を使っての公共事業の一つでもある事です。何故任意団体のビジネスに公共の場と公金による人件費を投入するのか、此処にスポーツ・ビジネスアドミニストレーションの未熟さを感ずる次第です。

5.元手0で莫大な収益を得るスポーツ・ビジネス手法

読売新聞東京本社は、共催(主催)であり「箱根駅伝」を商標登録されている会社、企業であります。即ち、本箱根駅伝の商標は、各加盟大学と関東学連から読売新聞東京本社に帰属していると理解するのが自然でないかと思われます。よって、読売新聞東京本社の許可なくして、箱根駅伝名及び商標が使用できないことになっていると思われます。読者の皆様は、どう解釈されますか。

本来、グローバルなビジネス社会での商標は、箱根駅伝と最初に命名した個人、或は組織にその命名権が発生し通常「ファウンダー」として権利が発生していると解釈されます。よって、途中から突然読売新聞東京本社命名権をファウンダーから譲渡されたという告知も無かったので、今後禍根を残すことになるかも知れません。

一体箱根駅伝のファウンダーは、何処の何方であったのでしょうか。新年の大学箱根駅伝TV中継の中の蘊蓄物語で是非この「ファウンダー」を紹介して欲しいものです。

主催者は、読売新聞東京本社と本商標権使用に関する何らかのネゴシエーションが存在し、各加盟大学は既に同意、或は承認している事になります。よって、関東学連は、莫大なスポンサー料から、商標権使用料として読売新聞東京本社に使用料が支払われるのは当然であると思われます。しかし、これでは主催団体が二つあり、形式的には、主催、共催の主従関係に見えるのですが実質は逆のように思えてなりません。現在の姿は、ダブルススタンダートとしての誤解を回避するための姿なのかも知れませんが、読者の皆さんにはどのように写りますか。(ご参考までに:共催の読売新聞社は、2004年からそれまでの後援から共催に変更されています)

私は、加盟大学が商標登録権を既に手放しているなら、その対価として何を得たのか。そうであるなら主催:読売新聞東京本社、共催:関東学生陸上競技連盟が明快で責任の所在も明らかになるのでないかと思います。如何でしょうか。

そして、財務の可視化は、加盟大学の責任に於いて主催者との間で約束事の一つとして取り交わし、公開の義務を明文化すればよいのでないでしょうか。これにより少なくとも財務に関する暗い噂も無くなると思います。

此のことは、学生達の自治団体として、純粋に行動、活動している各大学の学生諸氏がどう理解し、同意しているかが非常に重要なファクターの一つになると思われます。本来は、日本の大学競技スポーツは個々の大学の課外活動の領域を大きく超えているので、学連という名の組織、団体の存在自身が形骸化した砂上の楼閣と化していると思います。

日本に於ける大学競技スポーツ界では、このような不透明なビジネス・アドミニストレーションがあらゆるところで見受けられるのが最大の特徴の様です。

私は、スポーツ・アドミニストレーターとして、主催者がこれほどのビジネスを行っていながら、本大会の商品であり最も大切にされるべき学生選手、バランテイアー学生達に対する、大会期間中の不慮の事故に対する補償が「自己負担と競技規則に明記されている」事が、本主催者達の真の趣旨、目的が透けて見えて来るように思えてなりません。

このような補償は、学生選手及び学生バランテイアー、公共施設、等を使ってビジネスしている方々が真摯に、且つ適切に対応することが望ましいと思います。

この事実から、主催者、共催者は、学生諸氏、学生選手達のCOREを無料で使用して、莫大な利益を学生達からせ占めている事を意味しています。そのCOREの学生達は、授業料を大学に納付しているのです。此れでは、大学教育の一環、延長線上であるべき大学競技スポーツの大義となり得ないのではないでしょうか。これが大学箱根駅伝に関する経営、運営、管理に関するアンフェアーな実態なのです。このようなマネージメントをする時代ではなく、一日も早く日本の大学競技スポーツに「Justice正義とFairness公正」を基盤としたスポーツ・アドミニストレーションが構築される事を願う次第です。

6.まとめ

以上述べました論点に関し、大学経営者、管理者、またスポンサー関係者からも、何方も指摘し、改善の声が聞こえてこないのは、残念でなりません。各大学の代表者がもう少し真の教育者としての視点をお持ちになることや、さらにスポーツに豊かな見識を持たれている人達が、大学箱根駅伝の組織をオーガナイズする構造とシステムの必要性が今問われているのではないでしょうか。

また、主催・共催者は、数年前から新たな箱根駅伝に付帯する事業として、毎年10月に箱根駅伝予選会を日本テレビによる実況中継にスポンサーを付けてビジネスを拡大して行って居るのはご承知の通りです。

毎年主催者には、箱根駅伝による莫大な収入が入って来ている筈ですが、学生、大学に還元される事無く、収益をどのようにされているのでしょうか。これは、筆者の素朴な主催者、共催者への疑問です。これらの現実的な実態に付きましては、次回から述べさせて頂く予定に致しております。

筆者が、学生選手、大学箱根駅伝に興味を持ち始めたころから関東学生陸上競技連盟については、金銭的な暗い噂を常に耳にしてきた記憶が蘇って参ります。大部分の学生選手達の純粋な情熱とは真逆な大人達の思惑と現実の中で、日本の大学競技スポーツの将来に不安とその障壁を強く感じているのは筆者だけでしょうか。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

次回のK’sファイルでは、大学側の経営者、教学管理者が箱根駅伝をどのような位置づけでテイーム編成、学生選手強化を行っているのかをご紹介します。これにより日本の大学競技スポーツが、どのようなご見識の経営者、大学教学責任者により教育されているかの現実を知る事になるかも知れません。

 

K'sファイルNO.77:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

K'sファイルNO.77:日本の冬の風物詩大学箱根駅伝は誰の物 無断転載禁止

 

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第二弾 大学箱根駅伝主催は本当に学生の自治体?                                                                                                 

1.大学箱根駅伝の帰属権が不明確

①問題の序章

箱根駅伝は、毎年正月の2日、3日の両日早朝7時から午後2時まで長時間に渡ってテレビや、ラジオで実況中継されるほか、SNSの動画、記録配信、等々と国民的な行事に発展、注目されている事は読者の皆さんもご承知の通りです。今回は大会を経営、運営、管理している主催団体をスポーツ・アドミニストレーションの視点から観察、洞察して参ります我々は、テレビの実況に気を取られている間に、何時しか重要な実態と真の伝統的な大学、学生、学生選手達の遺産を見失ってしまっているのではないでしょうか。

筆者は、人々を過熱させるこの報道こそが、本大会を主催する実権を本来の加盟大学及び学生達から、スポンサー会社、企業へ移行し、いつの間にか主催者の本来の趣旨、目的から企業ビジネスが主体となり、学生、学生選手達が商品の駒となり、主従関係が逆転してしまっている事に学生及び学生選手を預かる大学も気付かず、今日のような舞台裏が構築されてしまったような気がしてなりません。

教育を趣旨、目的とする筈の大学競技スポーツは、その本質が事業(ビジネス)と言う偏った方向にミスリードされてしまっていると思われます。その意味で、国から私学への莫大な助成金補助金の必要性とその在り方が問われる時期に来ているのではないのでしょうか

本競技スポーツに関わる大学関係者(大学経営、管理者、教員、職員、学生、学生選手)は、教育という本質を見失い、何でもいいからテレビに出て有名になれ的な風潮が極端になってしまった様です。そして、その為には、身体能力のある選手達を手段選ばず安易にお金の力を利用して内外からリクルートして来る次第です。このような学生選手獲得資金は、いったい大学は何処からどのようにして作り出されて行くのでしょうか。まさか公金の私学助成金補助金が流用されていない事を願う次第です。

このような現実は、既に大学競技スポーツの教育秩序を崩壊させている危険な状態である事を誰もが気付かないのが、重要な課題だと思います。

ここ数年大学競技スポーツが突然話題になっていますが、真に論議しなければならない本質的な問題をどう解決、処理して行くのか、避けては通れない事を関係者達がどれほど理解認識出来ているのでしょうか。この問題に大学関係者、国民、社会が全く無関心である様子は、丁度近年の我が国の選挙民と国会議員、国会の運営、管理の関係にも酷似しているように思えます。

帰属権と既得権

箱根駅伝は、「何処に帰属し、既得権は本来何処の誰にある大会なのか」を考えられた事がありますか。勿論、「各加盟大学です」と純粋にまだ思っている大学関係者、読者の皆さんがいる事を願う次第です。この重大なキーワードを各大学の経営者、管理者、また、大学設置を認可した文科省スポーツ庁)の見識者諸兄は、どのように考えられているのでしょうか。

文部省、文科省スポーツ庁は、何故、このような事態になる前に指導、勧告を加盟大学に行わなかったのか、これもまた不可思議な教育機関、省庁と言わざるを得ません。多分何も思考した事がないのだと思われます。或は、インボルブすること事態に興味すら持たなかったのかも知れません。

 

2.主催者としての関東学生陸上競技連盟の真の姿とは

箱根駅伝の主催者としての関東学連

先ず本箱根駅伝がどのようにして運営、管理されているかをスポーツ・アドミニストレーションの視点で述べるに当たり、開催要項から覗いて見ることに致します。

開催要項:

主催  :関東学生陸上競技連盟

共催  :読売新聞社2004箱根駅伝の商標登録済、読売新聞東京本社

特別後援:日本テレビ放送網株式会社

後援  :報知新聞社

特別協賛:サッポロホールデイングス株式会社(サッポロビール株式会社)

協賛  :ミズノ株式会社 トヨタ自動車株式会社 セコム株式会社 

     敷島製パン株式会社

運営協力:東京陸上競技協会、神奈川陸上競技協会、名橋「日本橋」保存会

     箱根町 株式会社陸上競技者(2017年度学連要項より)

警視庁、神奈川県警:通常は、協力、支援として告知するべきですが、名称も告知されていない。尚広告代理店は、博報堂です。

ご参考までに、

公益社団法人日本学生陸上競技連合が主催する大学駅伝大会要項

1) 全日本大学駅伝対校選手権大会(伊勢)(商標登録無し)

       主催:公益社団法人日本学生陸上競技連合 朝日新聞社 テレビ朝日 

                 メ~テレ

  後援:スポーツ庁 愛知県 三重県 名古屋市 伊勢市 日刊スポーツ新

                 聞社 一般社団法人中部経済連合会 中部経済同友会 愛知県商工会議所連 

                合会 三重県商工会議所連合会

      運営協力:東海学生陸上競技連盟 一般財団法人愛知陸上競技協会 一般 財団法

                人三重陸上競技協会 支援:愛知県警察本部 三重県警察本部

       特別協賛:JAバンク

       協賛:興和

       協力:シチズン時計 三重交通グループ ニューバランス ジャパン 

       三菱UFJリース radiko 日清オイリオグループ

       企画協力:アサツーディ・ケイ(広告代理店)

 

2)  出雲全日本大学選抜駅伝競争(商標登録無し)

       主催:主催公益社団法人日本学生陸上競技連合出雲市

       主管: 出雲全日本大学選抜駅伝競走組織委員会

       運営協力:中国四国学陸上競技連盟、一般財団法人島根陸上競技協会、出雲市

                    上競技協会、島根県警察本部・出雲警察署、陸上自衛隊出雲駐屯地

      協賛:  富士通株式会社

      後援: スポーツ庁島根県島根県教育委員会島根県立中央病院、出雲市教育委

                  員会、公益財団法人島根県体育協会、フジテレビジョン産經新聞社、サン

                 ケイスポーツ、ニッポン放送、TSK山陰中央テレビ山陰中央新報社、

                 エフエム山陰

 

3.主催団体の置かれた立ち位置

①主催と共催の関係

箱根駅伝は、関東学生陸上競技連盟(略:関東学連)という団体が主催し、読売新聞社が共催しています。また、主催団体は、法人資格を持たない「任意団体」であり、わが国においては「権利能力なき社団」と解釈されている団体です。しかし、共催者の読売新聞社は、「箱根駅伝」の商標登録(第5565518号)を既に読売新聞東京本社2004年に行い、所有しています本商標登録を加盟大学の同意を得ての登録か否かは不明です。また読売新聞社は、本商標登録をした年に後援から共催になっていますが、何故主催に名をあえて連ねなかったのか、興味深いところです。

公益法人と任意団体の違い

関東学生陸上競技連盟関東学連)は、独自に「関東学生陸上競技連盟規約」を発行しています。それは公益法人と任意団体との違いにおいて、任意団体は、「営利」「非営利」いずれも可能であり、任意団体には任意規約が必要だからです。また、役員の責任に関しては、「任意団体の規約に基づいて誰にどのような義務が課せられているか、その義務に違反した行為があるかどうか等による」との事です(不明瞭)。しかし、関東学連の規約には、役員の責任、責務に関する明文化された詳細な項目が見当たりません。また、余剰金の扱いに於いては、任意規約によるとされ、税制に於いては、収益事業課税対象になっているのだと思われます。(法律専門家の解釈及びアドバイスより引用)

何故、関東学連は、公益法人ではなく、任意団体を選んでいるのか公益法人は、全てに於いて公開を義務付けられているのに対して、任意団体は、規約のみの開示で他の重要な情報の「開示義務なし」だからなのかもしれません。この事からも関東学連が、何故公益法人としないかの理由がこの辺りに潜んでいるような気がするのは筆者だけでしょうか

大学の教育の一環、延長線上に位置するはずの本箱根駅伝の運営、管理が、何故不透明で責任の所在の無い任意団体を今日まで続けているのか。

読売新聞社が途中から「箱根駅伝」の名称を独自に商標登録し共催とした事で、読売新聞東京本社の持ち物として、関東学連読売新聞東京本社に「箱根駅伝」の商標登録使用料として莫大な金額を毎年支払っているのでしょうか。もしそうであるならば、これは重大な問題でないかと危惧致しますが、如何でしょうか。業界では、本関東学連に対して何十年も前から経理に関するグレーな噂が絶えない理由の本質が此処にもあるのかも知れません。

 ■規約第3条の目的には、「本連盟は、関東における学生陸上競技界を統括し、代表する学生自治団体であり、学生競技者精神を尊重して加盟校相互の親睦を深め、互いに切磋琢磨して競技力向上に努め、わが国陸上競技の普及、発展に寄与することを目的とする」となっています。参照URLhttp://www.kgrr.org/about_iuauk/kiyaku.pdf

③学生の自治体とは何なのか

先ず此処で、注目致しましたのは、「学生の自治団体」という文言です。素直にこれを理解致しますと、「関東学連は、加盟大学の学生達の手に寄って運営、管理がされている団体である」、と理解できます。しかし、実態は、上記関東学連規約を拝見致しますと、学生達は、連盟の幹事という肩書を与えられた補助役員、バランテイアー活動的な駒でしかない事が容易に理解できるのです。

その証として、規約に明記されている重要決議の会議、委員会の構造、役員は、大人達によって仕切られており、学生達の入る余地がない仕組みと構造になっているのです。参考:関東学連役員名簿    URLhttp://www.kgrr.org/about_iuauk/member.pdf

 

4.関東学連公益法人日本学生陸上競技連合の違い

  本件の調査から、筆者は、関東学連以外で学連の名を名乗る陸上競技団体に問い合わせをしました。その名は、日本学生陸上競技連合(略:日本学連)です。日本学連の正式な名称は、公益社団法人日本学生陸上競技連合となっています。此処で明快な違いは、日本学連に公益社団法人が付き、関東学連には法人名が付いていな事で。よって、日本学連には、法人定款に基づき全ての情報を開示する義務が課せられています

日本学連から頂いた答えは、「関東学連の上部団体は日本学生陸上競技連合ですが、本連合は8つの地区学連の構成団体であり、関東学連はその一つです。関東学連は、独自に運営しております。」との事です。また異なる期日に質問を致しますと、「関東学連は、下部組織団体ではない」との事を説明されました。私の頭は今なお混乱したままですが、読者の皆さんは、どう解釈されますか。

関東学連の実態

関東学連、今日まで法人化を何らかの理由で避けているように思われます。法人化されていない団体の事を、わが国では「任意団体」と呼び、専門的には、「権利能力なき社団」と解釈されます。それは通常の各種法人に求められている「定款」が無いという事です。では権利の無い団体とは、一体どんな団体なのでしょう。

本任意団体は、大学と言う教育機関とその学生及び学生選手達の大会を主催し、事業(ビジネス)として、経営、運営、管理している団体(有給事務職員2名のみ、全ての役員及び関係者は、無給と規約上は明記)です。

関東学連規約をご確認して頂けたと思いますが、本連盟は、学生の自治により運営、管理される事を目的にしています。しかし、実際に運営、管理に携わっているのは、大人達であり、学生達は、重要な議案、金銭に関わるビジネスは直接的な関与、自治をさせてもらえていないのが実状です(学連担当幹事のコメント)。連盟規約①~⑳迄は、一般大人が全て関与している構造と仕組みになっていますが、これでは、学生の自治団体とは言い難いと思われます。

②学生の自治体と称するなら

筆者は、学生の自治団体を装うならば、最低限の法人資格を取得して運営、管理が行われるべきであると思います。今日、国内の市民マラソン大会(大、中、小)では、NPO法人化され経営、運営、管理を透明化して成果を挙げているのが現状です。法人化する事により、少なくとも組織の責任の所在と情報の公開が義務図けられるわけです。NPO法人は、最小限の責任者や責任の所在が明らかで、事業部門の大事な収入、支出の財務管理問題は、クリーンに各大学、社会、学生達に情報公開できるのでないかと思います。本法人でありましたら、本来の学生達の自治活動として教育的にも素晴らしい実践演習活動及び、インターンシップが十分可能な環境であります。

③規約は重要な約束事(細部明記が必要)

箱根駅伝の組織・団体は日本野球機構などとは違って公共性を最優先されるべきであり、大学競技スポーツのアドミニストレーションに相応しい、透明性のあるクリーンな事業団体であるべきでないでしょうか

何故ならば、本大会は、公道を使用し公的機関である警視庁、神奈川県警が公務として協力、支援している事もその理由であります。これらは、公的資金を利用、活用している事を意味しています。

本事業団体は、大学教育の一環、延長線上の団体だとするならば、あまりにも不透明で複雑化し、規約には大事な大義が明快ではなく、団体の唯一の規約は、詳細が不明確な為に責任の所在すら確認できないのではと思われます。

 

5.関東学連規約書には、関係者の責任の所在が不明

事業(ビジネス)が巨大化したにも関わらず、主催者の組織、団体は、2名の有給職員により賄われ、他の役員全員が無給であると規約には謳われています。この組織、団体には、各大学の学生選手、学生達が参加するに於いての責任の所在と財務管理の全てが情報公開されていません。多くの純粋な学生選手達は、仮に本競技大会参加中に不慮の事故が発生した場合は、競技規則によると自己責任となっています。それでは、学生選手を商品として活用するに当たっての彼らへの対価はなにか。これは、素朴な現実的な疑問です。意団体なので「情報開示の義務なし」とは、なんと無責任きわまる団体に加盟大学は、運営、管理を委ねているのか大きな疑問が発生していますが、誰もが疑問を唱えないのは何故なのでしょう。

このような組織、団体に日本の最高学府である大学法人は、何故このような公共性を欠いた任意団体を認め加盟しているのか理解に苦しむのは筆者だけでしょうか。

BLACK BOXの扉は開かれるのか

箱根駅伝は、大学教育機関とそこに所属、教育を受ける学生達をスポーツ・ビジネスに活用した、大人たちが構築した「BLACK BOXではないかと思えてなりません。学生達の純粋な情熱をサポートする為にもフェアーで透明性のある公益法人に移行し、全てを情報公開できる構造とシステムが教育界に相応しいと思われます。本来我が国の大学競技スポーツ界には、談合文化は不要です。

何れにしましても日本の大学競技スポーツのイベントで一番お金が儲かるイベントである事に違いありません。

公益法人の改善、改革が騒がれ、時代の流れと共に大きく各組織、団体が変革しだした今日、関東学連は、このような任意団体を継続して情報公開を拒んでいる理由が彼らの規約の中に明記されていない事は重大な問題であると思われます。

箱根駅伝の総事業規模は、業界(テレビ、広告代理店、企業スポンサー、等の類似した他の大会と比較して)の試算で約10億円前後、と言われています。次回第三弾では、本スポーツ・ビジネスの裏側を覗きたいと思います。この度は、主催者が公益法人でなく「権利能力なき任意団体」であること、「事業の情報公開義務なし」をご紹介出来た事です。読者の皆様は、大学箱根駅伝がこのような組織・団体により経営、運営、管理が長年に渡りなされている事をご存知でしたか。

文責者:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター   

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

次回第三弾は.皆さんの知らないことをご紹介致したいと予定しています。今後大学の理念、大学競技スポーツの趣旨、目的は、いったいどうなるのでしょうか。

 *引用文献及び資料:今後、関東学連規約(本規約は公開)は、連盟規約を引用させて頂きます。参照URLhttp://www.kgrr.org/about_iuauk/kiyaku.pdf