河田弘道の母校を思う:Ⅰ.日本体育大学生の逮捕劇  2017年10月31日

河田弘道の母校を思う:Ⅰ.日本体育大学生の逮捕劇 20171031日 

無断転載禁止

 

f:id:hktokyo2017041:20190106165155j:plain

1. 日本体育大学が、見識ある高等教育の場と環境である事を願う~

      確か数年前、朝日新聞は、朝刊で、日本体育大学の「体罰、暴力、性犯罪、セクハラ、等」に付いて当時の大学長を取材し、毎年のように学内で繰り返す本件事案の調査報告書を取り上げていたのが、記憶に新しいところです。

    そしてこの度、陸上部駅伝ブロック(陸上部は、短距離、中距離、長距離、フィールド競技、駅伝とブロック別されている意味)に所属する4年生が、「女子寮に侵入、体操部の女子下着を盗み、逃げる所を路上で発見、取り押さえ警察に突き出したのもまた日体大生であった」と、主役が全員日体生であったことをTV、マスメデイア報道で知るに至り、毎度おなじみの報道に心を痛めております。学生ばかりでありません。本学教授が温泉宿の女湯を外から覗き見していたのを取り押さえられ警察に引き渡された事もありました。どうして毎度毎度、このような事件が起きるのか、また起こすのか、改善しないのか、私は不思議でなりません!

  新聞発表の学内調査報告書によりますと、本学内外に於いて起きている上記事件数は、毎年約700件近くと確か公表されていました。これは、もう大学教育機関として常軌を逸脱した件数である、と思うのは私だけでしょうか。この数字の中には、「教職員、指導者が学生に対して行う行為」、「学生と教職員との間で起きる行為」、「学生と学生の間で起きる行為」、「学生と外部の人間との間で起きる行為」が含まれているとの事でした。このような行為が長年常態化し内部では、慢性化してしまっている状態が想像出来る次第です。当時の大学長は、新聞紙上で本件の問題に関して「一掃宣言書」を告知されていましたが、それ以降も事件は途絶えることなく、今日も日々発生している事を聞くにつけ、この告知が掛け声だけで実践及び成果が伴っていなかった事を証明する結果となりました。学内のまともな人達は、肩身が狭く、お気の毒としか言いようがありません。

  通常、このようなケースでは、宣言の裏付けとして、それでは何をどう改善、改革するかのマニュアルを公表する必要があります。そして、その経過と成果、結果を公に公開する事は、宣言者の義務であり責務なのです。教育機関の現場に於いて必要なのは、一例としてスポーツ心理学の専門講座、それに伴う実践演習講座が必修且つ、実践指導が出来る教員の補強が先決です。机上の講義だけではなく、実践を伴ったキャリアのある教員でなければ意味が無く、知識の為の指導では本学のような現体質に成果と効果を求めるのは難しいです。学問では、研究の為の研究でなく、実践成果と効果のある研究でないなら、費用対効果に於いて無駄な投資なのです。また、在学生に見合った、実践カウンセラーの雇用も説得力がありますが、そのような改善、改革を実行しているのでしょうか。

2.本学生を駆立てた要因の解明が急務では~

  私は、これらに関わる「被害者、加害者、そしてその父母、ご家族」に対して高額な授業料、生活費を負担され汗水たらして投資している身内の方々に申し訳ない思いで心が痛みます。勿論、この度も事件を起こした学生選手は、自身に責任と問題があります。しかし、ただそれだけで学生選手を責め全てを被せて事を済ませる事には賛成できません。大学の教学として、法人経営者として何故この学生がこのような事を卒業学年後期に起こしたのか。部活動している駅伝ブロック内では、如何だったのか、日々のトレーニングの中で指導者は、教育的指導、ケアーが行われているのか、等の学生の立ち位置に立った誠実な調査と正直で勇気ある情報公開が必要ではないでしょうか。

  学外の他大学、高校では、日本体育大学の駅伝ブロックの指導者が暴力指導をしているとの噂が昨年から今日まで絶えない事を大学教学、法人管理者は存じているのでしょうか。この度の事件とこの噂の真相との関連に付きましても、真摯な調査と対応が必要でないかと思われます。本件の学生選手が、もしそのような指導下で関係している学生であったなら今回の事件の真相を見逃し、本人のこれからの人生とサポートしているご両親には、どうご説明、償えばよいかを想像するだけでもやるせない気持ちです。

  大学という教育機関は、学生が主体でありCOREなのです。本学は、オリンピック・パラリンピック選手養成、育成機関ではない筈です。どうか常に教育者の立場でこのような事件を起こした学生にも、手を差し伸べて頂き後輩達の成長を情熱と愛情を持って、育てて頂きたく卒業生としてお願いする次第であります。

  このように毎年、本学関係者が事件を起こし、改まらない原因は、何か根幹に本質的な問題があり、教育という大義が失せている事に起因しているように思えてなりません。或は、大学、法人管理者がこのような重大な問題を軽視しているのであれば別問題です。私は「母校は、自浄能力があると信じていました」が、残念でなりません。そして、多くの真面目な「学生、教員、指導者、職員、卒業生」にこれほどの傷と迷惑を掛け、社会的な信用を失墜させている事に対する大学教学、大学法人は、本当に真剣に業務に取り組まれているのでしょうか。

3.本学は、高名な見識ある経営陣に守られて~

  私の知識では、過去10年間の本学の大学アドミニストレーションを振り返りましても、法人では、新しい経営者体制がスタートされ新たに各方面の高名でご見識の高い方々(元警視総監、元総理夫人、元文科副大臣、前文科大臣、等々)をお迎えし、また、経営者の長としては、元文科副大臣経験者をお迎えして改善、改革に乗り出されて今日を迎えられているはずです。またサポーテイブなオブザーバー的な存在では、元総理大臣、元文部大臣、20東京オリンピックパラリンピック組織委員会会長、元農水産大臣が本学に於いて協力をしてくださっているようです。このような政治家経営陣を取りそろえられて、本学の法人、大学教学に於かれては、どのような成果と結果を出されたのでしょうか。毎度事件が起きる度に、経営者の方々は、どのようなご意見とご指導を本学の為に述べられ、取り組まれているのか是非、公に開示して欲しいと思うのは、私だけでしょうか。

  日本体育大学は、本質的に体育教員、教育者を養成、輩出する事を趣旨、目的にした「質実剛健」が伝統の大学教育機関であります。しかし、何故、いかなる理由で、いつから、このように変質した大学教育機関になったのか、卒業生の1人として、毎年毎回このような事件が母校に起きる度にいろいろな思いが頭の中を駆け巡ります。

  本学は、文科省から大学設置の許認可を委託された大学法人の趣旨・目的に立ち返り、国の施策、方針を遵守し、本学の教育に関してのカレッジ・アドミニストレーションを確立し、次に体育のアドミニストレーションと本学の特徴であります競技スポーツのアドミニストレーションに於いて成果と結果が出せる体育教員、スポーツ指導者、社会人を育て世に送り、また社会に還元する事ではないのでしょうか。現在のような名称、肩書のみを付与するだけでは、既にスポーツ・アドミニストレーションのステップを踏み外しています。このような現状と現実では、決して他大学のモデル校になりえないです。日本に於ける大学教育と競技スポーツの原理原則に立ち返り、学生達をCOREとした大学教育の王道に立ち戻って頂くことを心より祈念致しています。

 2008年に本学に招かれ、NCAA(全米大学競技スポーツ協会)、米国大学に於けるスポーツ・アドミニストレーションとアスレテイックデパートメントの必要性を説く講演を致した小生は、あるいみで責任を感じております。

  素晴らしい多くの学生達、常識を兼ね備えられた教職員の方々は、沢山いらっしゃいます。後輩の学生達は、大人の事情に振り回されるのでなく、日々の学生生活に於いて、自ら観察、洞察力を養い、強い目的、目標を持って自分たちの母校の健全化と自身の目標に向かって、日々精進努力を積み重ねて行って下さい。

貴重で優秀な人材(学生達)の為にも、法人、大学教学の各責任者の方々は、ぶれない正論をもってして大学の教育者、指導者としての本分を是非全うして頂き、溺れ行く若者達に情熱の手を差し伸べて頂きたいと願う1卒業生からの思いとさせて頂きます。

宜しくお願い致します。                  深謝

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORT

NO.23 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:無断転載禁止

f:id:hktokyo2017041:20171026110213j:plain

                                                                                                        北川外志廣氏提供

NO.23 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:無断転載禁止

   Ⅱ.企業・組織・団体関係者からの論評・コメント、感想遍~

  (注:本報告掲載は、当日ご来場された方から登壇者に直接メール頂きました論評・コメント・感想の中から幾つか、ご本人のご了解を得て無記名で掲載、ご紹介させて頂きました。皆様方からの貴重なご指摘は、河田弘道BLOGの指針となります。深謝) 

 

 1.ご専門:大手会社・企業統括経営者

      先日は貴重なご講演に、参加させていただきありがとうございました。 当日、ごあいさつをしたく考えておりましたが実現できず、誠に申し訳ありませんでした。 私自身は、約50年にわたる野球ファンで、小学校低学年の時は、王選手が好きで巨人ファン、その後、当時の江夏選手の剛速球にあこがれて阪神ファンとなり、今に至っております。最近では関心の強さは、そのシーズンの阪神の調子にもよりますが、今シーズンは阪神もまずまずの成績なので満足しております。 元々、剛速球投手が好きなので、最近は、ダルビッシュ選手のメジャーリーグでの活躍も楽しみにしておりますし、今後、大谷投手や藤浪投手の活躍も期待しています。  

     ご講演の中で、巨人軍のメイクミラクルを支えた立役者として、当時の1軍トレーナーの斉藤さん、プロフェッショナル・フィジカル・セラピストの市川さんをご紹介され、特に市川さんについては、松井秀喜選手にとっては長嶋監督よりも市川さんが真の師匠としてご紹介していたことが、特に印象に残りました。  

     河田先生のご講演を聞くまでは、メジャーリーグの球団経営と、日本プロ野球の球団経営にご紹介されたような大きな差があるとは知りませんでした。私自身は電機メーカーに28年在籍し、現在、その関連会社におりますが、企業経営の面でも大いに参考になる内容でした。  

     球団経営の両輪であるビジネス部門とオペレーション部門が、異なる利害関係がある中で、どのように円滑に統括していくかは、電機メーカーでも本社部門(企画、経理)とオペレーション部門(営業、技術、工場)のギャップをどう埋めるかなど共通点がありました。 特に球団経営におけるアドミニストレーターの重要性について、今回、改めて認識致しました。プロ野球は、勝利を目指したアスリートの集団であると同時に、個々の選手は、若くして超高校級・県内随一と言われたスター選手(エンターテイメント)的である中で、河田先生のおっしゃった顧客(ファン)への最高の貢献はチームの勝利であり、勝利を積み重ねることを最優先にしないと球団としての成長もないというように理解致しました。また、ビジネス部門とオペレーション部門の円滑な統括なしに、長期的な強いチーム(勝利の積み重ね)もなく、企業においてもアドミニストレーター的な役割の重要性を改めて認識しました。  

  選手の育成やフリーエーゼントについても、企業でも人材育成、会社統合(M&A)などで、共通の課題を感じました。企業においても、人材育成を怠り、M&Aを中心に短期的成果を出そうとすると、中長期的にはひずみが生じ、成長を妨げる要因になるように思います。M&Aも、ある程度積極的に行うべきとは思いますが、そのバランスが重要で、より人材育成を中心とした強化をしなければならないと思っております。

  先週末、NHKスペシャルで、早稲田実業履正社広陵のチーム運営方針や練習風景が紹介されていましたが、従来のしごき的なものから、生徒の自主性を重んじた練習にシフトしている点について、河田先生の啓蒙活動が浸透しつつあるのかと思いました。  

  私の関係者から、河田先生がNECにおいて、NEC SPORTS 8競技のチームを統括され、全て日本一になったと、お聞きし、非常に驚きました。全く異種の競技で、それぞれが日本一の成果を残されたということは、スポーツ・アドミニストレーターの重要性を物語るまさに証拠ではないかと思いました。 今回、初めてご講演をお聞きしましたが、私の知人が、企業のラグビー部長をしており、関心が深いと思われます。次回のご講演の際は、是非、知人をお誘いしたいと思っています。改めて参加させて頂きまして、ありがとうございました。ご連絡が遅れましたこともお詫びいたします。

2.ご専門分野:元大手企業統括役員

  先日は何年振りでしたか(?)お元気なお顔を拝見、ゴルフ焼でしょうか健康色で貫録もかなり増して2時間にも及ぶロングトークを見事にこなされ、活力溢れる健康体であられることに大変嬉しく思いました。

   冒頭にメイクミラクル、ドラマに貢献された斎藤・市川ご両名を指名して来場者に紹介し称賛された河田さんの人柄に改めて敬意を覚えました。

  立派な業績成果を挙げた組織にはそれを推進した影の功績者は必ずおられるはずが、それを正面や前面出さないことが一般的な日本の社会風土とされていますが、これではいけないと警鐘を発せられたことは素晴らしいことでした。

   講演の内容は極めてシンプルな論理構成でまとめられており問題が明快に整理されて河田イズムが大いに感じられました。しかし全体的に時間が足りなかった印象でもう少し具体的な検証事例のお話しも伺いたかった思いもありました。

 今回の挑戦に祝意を表しますとともに今後のご活躍をお祈りいたします。

 

 3.ご専門:グローバル団体関係者

   昨晩は、熱のこもったご講義をありがとうございました!ひょっとして最後にご挨拶できるかと思ったのですが、叶わずに失礼してしまいました。申し訳ございません。

 人として何を感じて生きるべきか、ということ。「生かされている」という実感は、驕りとともに小さくなるものなのでしょうか?英語にならない、この「生かされている」という日本語は、深い内観とともに、実は「感謝」として 表出されるものであるべきなのかもしれません。神社の境内にある絵馬をみていると、外国人の方がそれを素直に表していることがあります。例えば、

I am so grateful for my life...

I am grateful for everyone in my life...

I am thankful for my health & happiness and wish the same upon everyone...

I am mostly appreciate for my happiness...

  日本人はお願いが多いようです。が、それでも、家族への感謝を綴るものも多くみられます。「いつもお見守りくださりありがとうございます」という言葉が出てくる、というのは、神社という「場」の力かもしれません。

それにしても、上記のように英語で書かれている絵馬には感謝の言葉が本当に多いです。支えてくれている人たちへの感謝、一番身近な親への感謝も含めて、日本の子供たちにもしっかり繋いでいかなければならないと思います。

   人材育成に関する4チームの分析は、とても興味深かったです。ドラフト制度への河田先生への提言は素晴らしいと思いました。これを実現させるにあたっての障害は何か、眺めていきたいと思います。

  アメリカのトレードを見ていると、選手は「駒」のひとつ、という気がするし、生え抜きの選手(いるとすれば?)はどうやって生き残っていくのか、と思ったりします。が、恐らく、人材育成の形としては、アメリカの方が理に適っているのですね。スポーツ選手としての寿命の短さ(とリスク)を思うと、「選手」を目指す人が減っていくのではないか、と最近とくに思っていたところなので、とても感銘を受けました。引き続きご指導をお願い致します。ありがとうございました。

 

 4.ご専門:弁護士

  先日は、熱い想いが伝わってくる貴重なトークに触れ、感激しておりました。

  BMGMの視点は、大きな意味で、スポーツ界のコンプアライアンスの問題と思われ、様々な法的な意味も含めたマネジメントの重要性を感じました。機会があれば、そのような場面においてお役に立てれば、と考えた次第です。「キャスター」ならずとも、益々のご発展、ご意見の浸透が進めばと祈念しております。

  良い機会を与えていただき、ありがとうございました。

 

河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使 ”Emissary” of the SPORT

件:澤村投手の医療事故

スポーツ報知担当者様


件:澤村投手の医療事故
       先だっては、上記件の記事を拝読させて頂きました。本件その後どのような結論を球団、治療担当者、選手側は、なされたのでしょうか。

 選手側は、プロの選手として球団及び担当者への損害賠償請求をされましたか。関係者双方でどのような事故処理をされたのでしょうか。記事を読んだ読者に結論を情報公開されて本件のけじめとしては如何でしょうか。これからプロ野球を目指すスポーツ競技者達は、本件の行方を大変注視していると思われます。プロ球団のメンテナンスの運営、管理とそれに対する職責、責務の在り方の情報公開も今後必要且つ重要な責務の時代になっている事をご理解下さい。本件は、大変大事な事ですので記事の結末を掲載して頂きたくお待ちしております。

                           文責:河田弘道

NO.22 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:2017年10月19日 掲載

f:id:hktokyo2017041:20171019010207j:plain

                            北川外志廣氏提供                           

NO.22 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:20171019日 掲載

                           無断転載禁止

(注:本掲載は、10月6日、当日ご来場された方から登壇者に直接寄せられました論評・コメント・感想の中から幾つか、ご本人のご了解を得て無記名で掲載、ご紹介させて頂きました。皆様方からの貴重なご意見は、河田弘道のBLOGの指針となります。感謝)

        Ⅰ.大学関係者からの論評・コメント・感想遍~

        Ⅱ.企業・組織・団体関係者からの論評・コメント、感想遍~

        Ⅲ.ご来場者、マスメデイア関係者からの論評・コメント、感想遍~

        Ⅳ.大学生からの論評・コメント、感想遍~

 Ⅰ.大学関係者からの論評・コメント・感想遍~

 1.ご専門:経営学教授

  河田先生のトーク・ライブ、ナルホドの連続で、大変有意義な時間を過ごさせてい  ただきました。先生のお話を踏まえまして、一介の大学関係者の結論と致しまして、当世の大学、それも、生き残りを迫られる大学、企業経営と大差はないと考えている大学経営フロントで発生しがちな事態に当てはめさせていただくと、以下の様なストーリーになるのではないかと思われます。

  ひとまず“広島カープ的”にマネージメントをアウトソーシングしたのはよいが、「ごく一部の生え抜き学生には白羽の矢をたて、その他の学費回収目的のための要員としての入学生たちのリクルートばかりが目的となってしまい、学力はさておき、資質まで見抜かない(見抜けない)リスクだらけの学生募集=集金活動をしてしまい、“日ハム的”なカケに出て成功すれよいものの、良い結果=ハイリターンには思うように至らないことに悩む、といった落とし穴にはまり込んでしまう状況に例えられるのではないでしょうか。 

  もっと直裁的な表現をすると、「能力が劣る学生からお金を吸い上げ、能力のありそうな学生に優先的に回すと」いった刹那的なアイデアしか浮かばず、より多くの育つポテンシャルを感じる=発展途上の高校生を引き取って育てる長期ビジョンの仕組みづくりには知恵がまわらない。

   河田先生のお話の中の表現では「二軍・三軍を育てるつもりがない、そのような仕組みのない球団では結局、“育つはずの選手”の芽も摘んでしまい」当初の目的すら達成できなくなり、先が全く見えなくなる。といったところでしょうか?  勿論フロント経営陣は、「ほかの大学もやっていること」という言い訳を考えるのでしょうが、「先陣をきって」「【育てる】メソッド」を文科省に先駆けてでも作り上げ、世間に注目されるくらいのことをしない限りは、「ほかの大学と同じことをして=共倒れ」になってしまいますよね。

  あの大学へ行くと、学生が育つ!そんなメソッドを経営方針にリンクさせ、直結させることができるような能力ある、「アドミニストレーター」が必要なことが良くわかります。もちろん、先生のお話にもございましたように、「経営側」からも「教育側」からも、それぞれにそういった人材が必要ということがポイントなのでありましょう。  それにしても、スポーツのことは門外漢ですが、河田先生の言われた、「高校のスター選手を大学一年まで見守る」システムは、【学生が育つ】大学教育改革、経営改革・革新に繋がる本当に素敵なアイデアだと存じます。 非常にうなずけるご講演に心から感動いたしました。ありがとうございました。

 2.ご専門:数学教授

  先生の明快な話し方、切り口は、門外漢でありますが、大変面白く興味深く聞かせていただきました。メモも一杯、とりました。  特に高卒のドラフト指名を1年、遅らせるというのは大変いい案です。 僕も大学で教えていて、多くの学生が1年生から2年生で大きく成長するのを感じます。これは、高校の教育も関係があるとは思いますが。体の成長もこの一年間は大事なのかもしれません。 また、このような機会がございましたら、参加させて下さい。

 3.ご専門:体育学教授

  高校生のドラフトについて河田先生のご提案された新システム大変感銘いたしました。現在の大学教育をNCAAを手本として見直した上で、若い選手を正しく導いて行けるスポーツ界を構築したいものです。

 大学の改革も必須です。大学教育が変わって行けるよう私が出来ることに努めてまいりたいと思います。今日は話の節々に河田先生の熱い思いが伝わってきました。話の内容は私なりによく理解できました。一般の方は、ジャイアンツの話がもっと聞きたかったのでしょうか。本日はありがとうございました。

 4.ご専門:体育学教授   

  昨日は貴重な時間有り難う御座いました。 力強いトーク、聴講者に大きな刺激を与えられたと思います。小生の近くにおられた球団関係者と思われる方、頷き頭をコックリされたり、驚愕の態度、垣間見ることが有りました。 日本のスポーツ(社会)イノベイターとして、真っ向から立ち向われる姿、尊敬いたします。初回大成功され、第2回目を楽しみにしております。 初冠雪や初霜の便りが届く時節になりました、御身ご自愛お祈り申しあげます。

 5.ご専門:運動方法学教授

  「河田弘道氏のトーク・ライブ」に参加し、とても貴重な時間をいただけたことに感謝いたします。これまで表舞台には出て来られなかった河田氏がこのタイミングでトーク・ライブをされたこと、登壇されてお話をするお姿から真意が感じ取れました。

今回のメインテーマはベースボール・アドミニストレーションでありましが、日本版NCAAについての話題も触れられていました。大学に勤める者として、特にこちらの話に考えさせられました。「スポーツ庁から出された日本版NCAA構想は100年早い!」「大学スポーツに対する新たな利権の塊である」と強い口調で警鐘を唱えていらしていましたが、本場アメリカのNCAAの理念や目的、規模やシステムなどを聞かされ、日本にはその準備がまだまだ整っていないと強く感じています。

  • 日本人に対するスポーツ文化「する・観る・支える(育てる)」の教育が届いていない。
  • 大学スポーツ界にスポーツアドミニストレーション出来る人材が育っていない。
  • 大学スポーツ界の指導者らに医学の知識と実践を持った指導者が少ない。
  • 大学ではアスリート達が勉学より競技を優先させられている。
  • 体育系大学及び私立大学では、運動部をアスリート育成よりも大学広告として位置付けている。
  • マスコミもまたスポーツアスリートを芸能人化させ、偏った報道に走ってしまっている。

 「日本のプロ野球界には二軍・三軍は無用!」これらは選手を育成するものではなく、選手を潰す場所になっているのが現状であるという話をデータに基づいて聞かせていただき、なるほどと思いました。この現象はよく考えるとプロ野球界のみならず、他のスポーツ業界でも起こっていることで、当然、大学スポーツ界でも同じことが起こっています。

  プロ野球界の高校生ドラフトについても問題提起されていました。心身の成長がまだ整っていない高校生に関して、球団側は卒業後1年間ドラフト指名できないというルールをつくるべきだと。選手は大学野球部へ進学させて心身を育てる。そして大学側も高校生スター選手をチームに入れることにより大学野球を盛り上げることが出来る。このアイデアはとても共感できました。しかしこれを実現させるためには、アスリートファーストで高卒選手たちが大学での勉学と競技生活を充実させられるような環境が整っていることが条件であると思います。大学スポーツを取り巻く諸所関係者らによって、プロスポーツへの育成機関として場所と期間を提供できる大学の在り方についての考え方が広まる。そして日本版NCAAの制度が正しい形で構築されて行くことを願っています。

  日本の社会において、若手アスリートの育成をアメリカンスタイルの大学スポーツとしての活性化目指していくのか、ヨーロッパスタイルの地域型総合スポーツクラブとして地域の中でユース世代のアスリートを育てていくのか、どちらがベターなのか私にはわかりません。ですが、河田氏のように現在の日本のスポーツ界に危機感を持っていらっしゃる人々が次々に声をあげられ、「スポーツ立国:日本」への希望を唱えることにより、今後日本版NCAAに携わる全ての人々に意識改革が起こるのではないかと期待しております。スポーツ系大学に身を置く者として、私自身もこの一人として行動して行く所存です。

 

河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター 

スポーツ特使”Emissary” of the SPORT

 

 

 

 

河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

                    無断転載禁止

 

大学スポーツと学業の両立は? 苦渋の棄権が投じた一石

今季の関西学生アメリカンフットボールリーグ3部で、9月9日土曜日の試合に「兵庫医大1―0大阪芸大」という記録がある。(朝日新聞デジタル)

 

上記記事を拝読:

 NCAA(全米大学競技スポーツ協会)と日本の大学競技スポーツ(統括団体、組織無し)は、基本的な理念が異なるのです。歴史に於いても100年異なると言っても過言でありません。私は、長年米国大学のアスレテイック・デパートメントでスポーツ・アドミニストレーターとして、NCAAの大学代表の1人として実践活動をして参りました。

 この記事に取り上げられているような件は、日本の大学競技スポーツが大学教育の一環及び、延長線上に位置しているのかいないのかの大義をグレーにしている事が最大の問題なのです。この大義を明確にして明文化し、競技に参加する全大学が明文化した大義を基軸にしたルール・ブックを作成して、ルールと罰則を遵守する事が大前提なのです。

 これにより、文科省スポーツ庁、各大学経営者、管理者、及びその関係者は、何をどうするべきかが自ずとしてフォーカスされると思われます。何故これに気付き立ち上がらないのでしょうか。

 スポーツの関係組織、団体は、大義なき運営、管理を行なおうとする、その大きな要因の一つは利害と利権が主たる目的となり過ぎて、大事な教育に於ける学生選手、学生スポーツを育てる事を置き去りにしてしまっている我が国の現状と現実を見直さなければ、スポーツ・アドミニストレーションのレベルの向上は、難しいと思われます。

読者の皆さんは、いかが思考されていますか。

                              

 

 

NO.21 河田弘道のトーク・ライブ報告:プロ野球界には、二軍、三軍は無用!

 

NO.21 河田弘道トーク・ライブ報告:プロ野球界には、二軍、三軍は無用!

                                       無断転載禁止 

 

f:id:hktokyo2017041:20171011103946j:plain

北川外志廣氏提供

ご報告とお礼

  2017年10月6日、日比谷コンベンションホールにて開催致しました「河田弘道トーク・ライブ」は、無事終了致しました。

 当日夜は、低気圧の関係で生憎の土砂降りの雨となりましたが、熱心な多くの方々には足をお運び頂き感謝申し上げます。

 スポーツ・トークライブは、二時間の限られた時間ではありましたが、演壇と客席間の緊張したインターラクテイブな関係は最後まで途切れることが、ありませんでした。これは、本ライブの趣旨、目的であります貴重な「この時間、この場所、この縁」を共有し、それを肌で感じさせて頂いた何ものにも代えがたい二時間でした。また、登壇者に取りましては、客席の皆様方とのアイコンタクトや、終始メモを取られているご様子とその心地よい音が、一層モチベーションを高めることにつながりました事もお伝えし、心よりお礼申し上げます。

 ご出席の皆様からは、早速、過分な論評、コメント、感想を沢山頂きました。これらは、もし皆さまのご了解が得られましたなら本BLOGSNS上で幾つかご紹介させて頂こうと思います。本論評は、何らかのご都合で出席できなかった方々に当日の様子と内容をイメージして頂く唯一のツールとなります。ご参考にされて下さい。

 最後に、本スポーツ・トークライブは、日本で初めて「アーガスプロダクション株式会社」様により企画、運営して頂きました事を感謝、お礼申し上げます。

 第一回「河田弘道トーク・ライブ」は、皆様方のご協力、ご支援に寄りまして無事終了する事が出来ました。簡単ではございますが、本BLOGを通じて、ご報告ならびにお礼に代えさせて頂きます。                        

                               深謝

河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使 ”Emissary” of the SPORT

 

中田久美監督(バレーボール女子ナショナルテイーム監督)

中田久美監督(バレーボール女子ナショナルテイーム監督)

 

中田監督へ:

 元日立山田監督の秘蔵子時代からよく存じています。確か、初めてお会いしたのは、私がまだ米国大学(BYU)のアスレテイック・デパートメントでスポーツ・アドミニストレーター兼教員をしていた頃、日立女子バレーボールテイームが単独で米国遠征された時のような記憶があります。その後、よく小平の日立体育館で、。監督は、当時高校に通いながら日立のセッターを任されて、ロス五輪を目指されていた頃でした。そして、その後は、私が企業スポーツのNEC SPORTSをお預かりしてからは、NEC対日立で長年競い合いました。

  日本の女子のメジャー競技スポーツで中田さんは、最初のナショナルテイームの監督に就任されました。おめでとうございます。

 山田さんがゼラシーを感じているかもね。女子の競技スポーツは、女性が監督を務める事が理想です。中田さんは、日本の女子競技スポーツ界の将来を託された先駆者的指導者です。与えられたこの機会を自身の信念に基づいて、ぶれない指導とリーダーシップを貫徹して下さい。

 そのあなたには、涙は似合わない。監督は、孤独な仕事、企業バレー部の監督でなく、プロの契約をした監督でないのですか。監督のプロ業務は、涙を見せるのでなく成果と結果だけを求められる世界です。監督は、情と非情を使い分けたトータルマネージメントが出来るか否かです。

 

 監督自身に妥協を見せたら、勝負は、敗けます。日本選手達は、精神力云々の問題でなく、根本的な体幹がひ弱いので徹底した専門のトレーニングコーチが必要かと感じました。勝負するには、個々の選手の体幹を強化、向上する事が監督のやりたいバレーボールが出来ると思います。

やるなら徹底的にやる事です。老婆心ながら苦言を申し上げます。強いリーダーには、涙は不要。健闘を祈っています。

 

                      文責:河田弘道