NO.13 河田弘道の正直な見解:どうした東京読売巨人軍

 

NO.13 河田弘道の正直な見解:どうした東京読売巨人軍

 Ⅰ.東京読売巨人軍読売新聞社の関係

  何故「若手が育たない」と揶揄されるのか:

    此処近年、選手の能力で勝利して来た時代は、終焉してしまったのでしょうか。この所、ジャイアンツが不甲斐ない試合が多くなり、結果が出ないので経営者側が我慢できず動いたのが、先日の代表兼GM(不明確な肩書と職責)の解任でした。小生も1994年~1997年間、似たような責務を背負っていたので、また読売劇場が開演したかと当時を回顧致した次第です。(既にGファイル:長嶋茂雄と黒衣の参謀、文芸春秋社に掲載、紹介、200610月)

     東京読売巨人軍には、伝統的に選手指導、育成に関するコンセプトは存在しないと思います。巨人軍の存在の趣旨、目的は、創設当初から読売新聞社の拡販事業の広告宣伝の主翼と、エンジン部門を担っています。この不動のコンセプトは、嘗て発行部数を1000万部と公言させた主たる原動力であったと思われます。

    読売新聞社は、この原動力を維持、拡大する為に常に秘策と施策を凝らして血のにじむ努力で今日まで経営、運営、管理を維持されて来ているのです。しかし、時代はもうすでにグローバルな時代に突入しているにも関わらず、巨人軍の経営、編成、運営、管理だけは、時計が止まったままのようです。読売新聞社の対巨人軍に対するこのコンセプトは、現代、未来にマッチした方向に舵を切らなければ巨人軍だけが他球団から取り残されて行っているのが実状です。

    日本プロ野球界のリーダーであったジャイアンツは、何処に行ったのかと思うにつけて寂しく感じるのは私だけでしょうか。

 経営者の創造力は、伝統的な組織企業にとって強化と発展の為の原石なのです。本会社、企業には、この創造力と能動的な活力のある若い世代への世代交代が急務でないかと老婆心ながら思わざるを得ない近年のベースボール・アドミニストレーションの実態と状態であります。

  親会社は、日本最大のマスメデイアである事は言うまでもありません。このマスメデイア会社、企業である事は、球団の経営、編成、運営、管理において他球団と比べて大きな違いがあるのです。その違いとは、常に人気のある選手を確保、獲得する事が至上命題なのです。球団は、親会社、自社グループのビジネスに繋がるビジネス・ツール、ソフトとしての特殊な事情を常に背負わされているからです。

 プロ野球球団組織をマスメデイアである親会社が保有する事は、資本主義、グローバル社会に於いても大変珍しい組織・団体と構造なのです。特に、本球団と読売新聞社、グループの構造と関係は、MLBに於いても類を見ないと思われます。此処では、マスメデイアの会社、企業がプロの競技スポーツ球団を持つ事に対しての是か非を議論するものではありません。

 

親会社のメリット:

 我が国のマスメデイアの会社・企業が、プロ野球球団を翼下に持つという事は、球団にマスメデイアに必要な情報、ソフト、ソースを常に提供し続けなければならないソフト生産メーカーとしての使命をも担わせているのです。よって、此処には、公共性の論理が影を潜めて常に親会社・企業の論理が最優先され、それが球団現場へと反映する構造になっています。これらの基礎知識を持つだけで、本球団に対する多くの疑問が一層明快に解かれるのではないでしょうか。

 この度のテーマは、負けが込みだすと他のマスメデイアから「若手が育たないジャイアンツ、等々」と揶揄され、標的にされる事に対する、その根拠を考えるに当たり、親会社がマスメデイアである事が、大きな要因の一つである事を先ず知って頂く事が第一歩だと考えます。読者の皆さんには、何故、マスメデイアが球団の親会社であると、現場選手の育成、指導にまで影響を及ぼすか。という事の推測が、おぼろげながら浮かんでいるところでしょうか。或は、まだ見えて来ませんか。

  このテーマの表現は、「若手が育たない」のでなく、「若手を育てない、育てられない」の表現が正しいかと思われます。本球団を保有する目的、目標は、新聞の拡販に伴う購読料収入とそれに伴う広告料、それに子会社のスポーツ報知新聞社日本テレビ読売テレビ、等のTV視聴率の獲得に伴う、購読、広告料収入、放映権料、等々がビジネス・コンセプトとして長年最優先されてきたわけです。当時より、巨人軍は、グループ企業の中でも最右翼の稼ぎ頭であったのです。

 勿論、ジャイアンツ・ファンは、毎回のホームゲームを観る為に高額なテイケットを買い求めて応援して頂いている事が球団経営の屋台骨を支えて頂いているのです。ファンの一人ひとりは、巨人軍を真に支えるステークホールダー(スポーツ消費者であり投資者)なのです。即ち、会社の株主に当たる一番大切で重要な方々なのです。

 

虚像を維持する為の矛盾との闘い:

 本球団組織は、創設以来今日まで日本の長いプロ球団歴史の中に於いて常にモットーとして掲げている「巨人軍は紳士たれ」、「巨人軍は純血たれ」「我が巨人軍は、永久に不滅です(長嶋茂雄選手の引退の言葉)」等々、どの時代を問わず今日までマスメデイアを通じて語られ、使用されて来ています、ロゴタイプのようなものなのです。

 しかし、これらのモットーは、ご存知の通り現実的に存在するものでありませんでした。これらは、あくまで理想であり現実起きている事実から対極的な関係に位置していると申し上げた方が正直かと思います。

 現実的には、これらモットーは丁度アンダーアーマーの如く、ユニフォームの下に甲冑をまとわされてゲームをさせられているように重く感じてなりませんでした。今日は、まさにスポンサーから提供されたこの甲冑をユニフォームの下に身にまとわされて日々闘っている事が現実となったのも何かの因果なのかもしれません。

                                                      文責:河田弘道

                                                                                                            SPORTSの伝道師

                                                                                                              

 

 

 *次回は、Ⅱ.を予定致しております。眼力のあるスカウトマンを指導、育成して来なかった、その要因と結果?