河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

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大学スポーツと学業の両立は? 苦渋の棄権が投じた一石

今季の関西学生アメリカンフットボールリーグ3部で、9月9日土曜日の試合に「兵庫医大1―0大阪芸大」という記録がある。(朝日新聞デジタル)

 

上記記事を拝読:

 NCAA(全米大学競技スポーツ協会)と日本の大学競技スポーツ(統括団体、組織無し)は、基本的な理念が異なるのです。歴史に於いても100年異なると言っても過言でありません。私は、長年米国大学のアスレテイック・デパートメントでスポーツ・アドミニストレーターとして、NCAAの大学代表の1人として実践活動をして参りました。

 この記事に取り上げられているような件は、日本の大学競技スポーツが大学教育の一環及び、延長線上に位置しているのかいないのかの大義をグレーにしている事が最大の問題なのです。この大義を明確にして明文化し、競技に参加する全大学が明文化した大義を基軸にしたルール・ブックを作成して、ルールと罰則を遵守する事が大前提なのです。

 これにより、文科省スポーツ庁、各大学経営者、管理者、及びその関係者は、何をどうするべきかが自ずとしてフォーカスされると思われます。何故これに気付き立ち上がらないのでしょうか。

 スポーツの関係組織、団体は、大義なき運営、管理を行なおうとする、その大きな要因の一つは利害と利権が主たる目的となり過ぎて、大事な教育に於ける学生選手、学生スポーツを育てる事を置き去りにしてしまっている我が国の現状と現実を見直さなければ、スポーツ・アドミニストレーションのレベルの向上は、難しいと思われます。

読者の皆さんは、いかが思考されていますか。