NO.22 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:2017年10月19日 掲載

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                            北川外志廣氏提供                           

NO.22 河田弘道のスポーツ・トークライブ報告:20171019日 掲載

                           無断転載禁止

(注:本掲載は、10月6日、当日ご来場された方から登壇者に直接寄せられました論評・コメント・感想の中から幾つか、ご本人のご了解を得て無記名で掲載、ご紹介させて頂きました。皆様方からの貴重なご意見は、河田弘道のBLOGの指針となります。感謝)

        Ⅰ.大学関係者からの論評・コメント・感想遍~

        Ⅱ.企業・組織・団体関係者からの論評・コメント、感想遍~

        Ⅲ.ご来場者、マスメデイア関係者からの論評・コメント、感想遍~

        Ⅳ.大学生からの論評・コメント、感想遍~

 Ⅰ.大学関係者からの論評・コメント・感想遍~

 1.ご専門:経営学教授

  河田先生のトーク・ライブ、ナルホドの連続で、大変有意義な時間を過ごさせてい  ただきました。先生のお話を踏まえまして、一介の大学関係者の結論と致しまして、当世の大学、それも、生き残りを迫られる大学、企業経営と大差はないと考えている大学経営フロントで発生しがちな事態に当てはめさせていただくと、以下の様なストーリーになるのではないかと思われます。

  ひとまず“広島カープ的”にマネージメントをアウトソーシングしたのはよいが、「ごく一部の生え抜き学生には白羽の矢をたて、その他の学費回収目的のための要員としての入学生たちのリクルートばかりが目的となってしまい、学力はさておき、資質まで見抜かない(見抜けない)リスクだらけの学生募集=集金活動をしてしまい、“日ハム的”なカケに出て成功すれよいものの、良い結果=ハイリターンには思うように至らないことに悩む、といった落とし穴にはまり込んでしまう状況に例えられるのではないでしょうか。 

  もっと直裁的な表現をすると、「能力が劣る学生からお金を吸い上げ、能力のありそうな学生に優先的に回すと」いった刹那的なアイデアしか浮かばず、より多くの育つポテンシャルを感じる=発展途上の高校生を引き取って育てる長期ビジョンの仕組みづくりには知恵がまわらない。

   河田先生のお話の中の表現では「二軍・三軍を育てるつもりがない、そのような仕組みのない球団では結局、“育つはずの選手”の芽も摘んでしまい」当初の目的すら達成できなくなり、先が全く見えなくなる。といったところでしょうか?  勿論フロント経営陣は、「ほかの大学もやっていること」という言い訳を考えるのでしょうが、「先陣をきって」「【育てる】メソッド」を文科省に先駆けてでも作り上げ、世間に注目されるくらいのことをしない限りは、「ほかの大学と同じことをして=共倒れ」になってしまいますよね。

  あの大学へ行くと、学生が育つ!そんなメソッドを経営方針にリンクさせ、直結させることができるような能力ある、「アドミニストレーター」が必要なことが良くわかります。もちろん、先生のお話にもございましたように、「経営側」からも「教育側」からも、それぞれにそういった人材が必要ということがポイントなのでありましょう。  それにしても、スポーツのことは門外漢ですが、河田先生の言われた、「高校のスター選手を大学一年まで見守る」システムは、【学生が育つ】大学教育改革、経営改革・革新に繋がる本当に素敵なアイデアだと存じます。 非常にうなずけるご講演に心から感動いたしました。ありがとうございました。

 2.ご専門:数学教授

  先生の明快な話し方、切り口は、門外漢でありますが、大変面白く興味深く聞かせていただきました。メモも一杯、とりました。  特に高卒のドラフト指名を1年、遅らせるというのは大変いい案です。 僕も大学で教えていて、多くの学生が1年生から2年生で大きく成長するのを感じます。これは、高校の教育も関係があるとは思いますが。体の成長もこの一年間は大事なのかもしれません。 また、このような機会がございましたら、参加させて下さい。

 3.ご専門:体育学教授

  高校生のドラフトについて河田先生のご提案された新システム大変感銘いたしました。現在の大学教育をNCAAを手本として見直した上で、若い選手を正しく導いて行けるスポーツ界を構築したいものです。

 大学の改革も必須です。大学教育が変わって行けるよう私が出来ることに努めてまいりたいと思います。今日は話の節々に河田先生の熱い思いが伝わってきました。話の内容は私なりによく理解できました。一般の方は、ジャイアンツの話がもっと聞きたかったのでしょうか。本日はありがとうございました。

 4.ご専門:体育学教授   

  昨日は貴重な時間有り難う御座いました。 力強いトーク、聴講者に大きな刺激を与えられたと思います。小生の近くにおられた球団関係者と思われる方、頷き頭をコックリされたり、驚愕の態度、垣間見ることが有りました。 日本のスポーツ(社会)イノベイターとして、真っ向から立ち向われる姿、尊敬いたします。初回大成功され、第2回目を楽しみにしております。 初冠雪や初霜の便りが届く時節になりました、御身ご自愛お祈り申しあげます。

 5.ご専門:運動方法学教授

  「河田弘道氏のトーク・ライブ」に参加し、とても貴重な時間をいただけたことに感謝いたします。これまで表舞台には出て来られなかった河田氏がこのタイミングでトーク・ライブをされたこと、登壇されてお話をするお姿から真意が感じ取れました。

今回のメインテーマはベースボール・アドミニストレーションでありましが、日本版NCAAについての話題も触れられていました。大学に勤める者として、特にこちらの話に考えさせられました。「スポーツ庁から出された日本版NCAA構想は100年早い!」「大学スポーツに対する新たな利権の塊である」と強い口調で警鐘を唱えていらしていましたが、本場アメリカのNCAAの理念や目的、規模やシステムなどを聞かされ、日本にはその準備がまだまだ整っていないと強く感じています。

  • 日本人に対するスポーツ文化「する・観る・支える(育てる)」の教育が届いていない。
  • 大学スポーツ界にスポーツアドミニストレーション出来る人材が育っていない。
  • 大学スポーツ界の指導者らに医学の知識と実践を持った指導者が少ない。
  • 大学ではアスリート達が勉学より競技を優先させられている。
  • 体育系大学及び私立大学では、運動部をアスリート育成よりも大学広告として位置付けている。
  • マスコミもまたスポーツアスリートを芸能人化させ、偏った報道に走ってしまっている。

 「日本のプロ野球界には二軍・三軍は無用!」これらは選手を育成するものではなく、選手を潰す場所になっているのが現状であるという話をデータに基づいて聞かせていただき、なるほどと思いました。この現象はよく考えるとプロ野球界のみならず、他のスポーツ業界でも起こっていることで、当然、大学スポーツ界でも同じことが起こっています。

  プロ野球界の高校生ドラフトについても問題提起されていました。心身の成長がまだ整っていない高校生に関して、球団側は卒業後1年間ドラフト指名できないというルールをつくるべきだと。選手は大学野球部へ進学させて心身を育てる。そして大学側も高校生スター選手をチームに入れることにより大学野球を盛り上げることが出来る。このアイデアはとても共感できました。しかしこれを実現させるためには、アスリートファーストで高卒選手たちが大学での勉学と競技生活を充実させられるような環境が整っていることが条件であると思います。大学スポーツを取り巻く諸所関係者らによって、プロスポーツへの育成機関として場所と期間を提供できる大学の在り方についての考え方が広まる。そして日本版NCAAの制度が正しい形で構築されて行くことを願っています。

  日本の社会において、若手アスリートの育成をアメリカンスタイルの大学スポーツとしての活性化目指していくのか、ヨーロッパスタイルの地域型総合スポーツクラブとして地域の中でユース世代のアスリートを育てていくのか、どちらがベターなのか私にはわかりません。ですが、河田氏のように現在の日本のスポーツ界に危機感を持っていらっしゃる人々が次々に声をあげられ、「スポーツ立国:日本」への希望を唱えることにより、今後日本版NCAAに携わる全ての人々に意識改革が起こるのではないかと期待しております。スポーツ系大学に身を置く者として、私自身もこの一人として行動して行く所存です。

 

河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター 

スポーツ特使”Emissary” of the SPORT