K'sファイル:特別寄稿集:河田弘道教授の講義から~

特別寄稿集:河田弘道教授の講義から~

 題:卒業前の米国大学競技スポーツ観戦旅行を終えて

 この度57日という日程でアメリカ旅行を計画し終えました。

大学では、スポーツ経済学を専攻し河田ゼミに所属、アメリカで豊富な実践経験を積まれた河田教授の下学んできました。この経験から「是非自らの目で学んだことの総復習を」と計画に至った次第です。

 先生は、アメリカと日本の大学スポーツの違いを自らのご経験から語ってくれました。教育という現場においての日米の現状の違いや学生の競技スポーツの現実と現状など細部まで詳しく学ばせて頂きました。このことを踏まえた上で大学最後の実践的学習として現地で大学競技スポーツを観戦しました。

 率直な感想としまして、講義の内容全てそのままでした。今回は、先生の母校の一つでもあります『オレゴン大学』と『UCLA』の大学バスケットボールのシーズン公式戦の1試合、UCLAのホームゲームをUCLAのキャンパスにあるバスケットボール専用アリーナで観戦できました。

 手始めに観客の数、バスケットボールアリーナのクオリテイー、選手のスピード、スキルに圧倒されました。講義の中で散々聞いていました状況ですが、生で観戦した時の興奮を帰国後の現在でもはっきりと体感に残っています。

選手のユニフォームがキャンパス内のブックストア―で普通に販売されていることや、観戦している観客全員が大学のユニフォームを着用していたり、私たちが観戦した席も100ドル(約12000円)を超えていますが、周りは満席状態と初めて尽くしの光景を目の当たりにしました。

 日本の大学競技スポーツとは、いったい何なんだ、何故指導者、教員は、もっと実践に則した指導ができないのか。何か我々学生は、日本の大学教育、専門教育に疑問を抱くようになりました。

学生スポーツで日本のプロスポーツ以上の席料金になっています。アメリカでの大学競技スポーツの注目度、商品価値と日本のそれとは、余りにも格段の差があることが明らかになりました。このショックから現実に戻るのに大変な一日になりました。

 日本の大学競技スポーツを自身が経験したことを踏まえて比較してみても全てに於いて桁外れの規模と現実を確認致しました。

日本版NCAA云々の話題を此の所マスメデイアで語られるようになりましたが、関係者達は、全く大学競技スポーツの日米の現実の差を知らない人達である事が明確になりました。

 日本の大学競技スポーツは、河田教授の講義でも学びました通り、ステップバイステップ、一歩一歩出来ることを改善、改革して行く事であり、米国の大学競技スポーツやNCAAの真似など100年早く、不可能な現実をこの目で確認でき肌で感じる事が出来ました。競技以外の規則、ルールを守らない、守れない我々が、日本版NCAAとは何を考えているのでしょうか。呆れます。

スポーツビジネスとしての規模も人気も、そしてそれらの商品価値も、日本の大学競技スポーツの資質があまりにも低いので比較対象にもならない現実を目にする事が出来ました。

 此れで、河田教授の講義授業は、学内外の教員が机上での資料を集めて講義授業をされているのに対して、先生の長年の実践、実績に基づいた論理的に体系づけられた講義授業で在られた事を社会人になる前に自分で確認できました。

 此の程の両校のバスケットボールを観戦しながら、私は、先生の姿が目に浮かびました。先生は、このような環境で長年それも米国の強豪大学でスポーツ・アドミニストレーターとしてフットボール、バスケットボール、野球、その他、またNCAAに於いても活躍されて来られたので、講義授業におかれても迫力が全く他の授業と異なり、説得力があり僕らを変革して下さった方だったんだ。と帰国の飛行機の中で感謝の気持ちでいっぱいでした。

 先生との出会いは、私の生涯の貴重な宝物であり、財産でした。此処に改めて心より感謝とお礼を申し上げます。

 

文責者 鈴木 善之               2018年3月1日