K’sファイルNO.59:プロ野球-MOVE東京読売ジャイアンツ 無断転載禁止

K’sファイルNO.59プロ野球MOVE東京読売ジャイアンツ

            無断転載禁止

 注:W杯サッカーロシア大会も終了しました。K’sファイルは、NO.59から再会させて頂きます。プロ野球界では、またまた不祥事、事件が勃発しました。折しも熱い高校野球が今年もまた始まっています。この度は、プロ野球選手の不祥事、事件と高校野球との関連に付きまして、東京読売ジャイアンツの選手、球団の出来事を中心に述べさせていただきます。

 PARTⅠ 不祥事、事件が絶えない内向の球団体質

1.東京読売ジャイアンツに今必要なのは変革(Change

嘗ての未来志向は何処に

筆者が、長嶋茂雄氏(当時第二次政権の監督に指名された)から「此のままでは、93年スタートするJリーグに子供達を持っていかれてしまいます。東京読売巨人軍をもう一度強いジャイアンツにしなければなりません。勝てるテイームにしたいので、是非力を貸して下さい。お願い致します」と懇願されたのは1992年の秋でした。そして、それから26年が経ちました。

 現在も尚、同氏は、球団終身名誉監督兼経営者として、また企業の最高責任者には、渡邉恒雄氏が名実ともに健在で在ります。当時の小生への懇願は、いったい何だったのか。彼らの信念とは、目先の勝利という単純なものであったのかも知れません。当時心血を注ぎ、あのメイクミラクル、そしてメイクドラマを成し遂げ、年間平均TV視聴率23.5%を勝ち取ったあの時代の努力とコンセプトは、燃え盛る炎と共に消えて無くなった様です。

 今後何方が東京ドームの屋根を取り除き、青空の下でGファン達が野球観戦を楽しめるベースボールパークへと変革出来るでしょうか。それは、ファンの皆さん一人ひとりの強い意思と能動的な意思表示無くしては本球団の改善、改革は難しいように思えます。或は、ドラステイックに熱烈なファンが、心を鬼にして2、3試合集団観戦を放棄したら体質が変わる可能性が大です。MLBでは、よくある事です。ジャイアンツファンには、このような勇気と情熱のあるファンが居るとは思えないです。皆さんは、大変お行儀のよい伝統的なファンなのでこれは期待薄です。

そして現実は

2018717、東京読売ジャイアンツ球団は、毎度おなじみの辞任会見を開き老川祥一取締役・オーナーが辞任した事を発表しました。また、球団社長、GMは、減給処分となった事を合わせて発表しました。しかし、そこには、当事者であるオーナーの姿が無かったと報じられています。何故?

日本のプロ野球球団のオーナー職は、MLBのオーナー職の肩書を真似ているだけで、球団を自ら所有しているのではありません。彼らは、球団の親会社の取締役会の一員でサラリーマン役員なのです。特に本球団、企業に於ける球団オーナーは、近年親会社の経営者の中でも役員退職前の功労者への名誉的な肩書とされ、不祥事の際は、責任を背負って頂き退職して頂く新システムが構築されているようです。その意味では、何故会見に顔を出してファンの皆様に一言ご挨拶されなかったかが理解できます。よって、18日の朝刊は、何故か小さな扱いであったのも今日の東京読売ジャイアンツへの客観的な商品価値の評価の物差しと捉えられるかもしれません。

 この度の取締役・オーナーの辞職、球団社長、GMの減俸処分に付きましては、丁度今週19日、木曜日のK’sファイルNO.59の「PARTⅠ不祥事、事件が絶えない内向の球団体質」の原稿を書いている最中に辞任の知らせが舞い込んで来た次第です。此れこそが、筆者への虫の知らせ。事が此処に至ってしまっては、蝕まれた病巣は殊の外シーリアスな状態なのでしょうか。

 東京読売ジャイアンツ(略:TYG)は、今もって旧態依然としたプロ野球球団体質の殻から抜け出せず、現在のグローバルな競技スポーツ界の動向と環境に逆行し、活力が全く感じられない球団と化しています。

しかし、このような毎度代り映えのしない付け焼刃的な人事では、事の次第は何も変革しないのです。内向的なベースボール・アドミニストレーションは、決して改善、改革、そして発展への未来志向に向かわない事を何度同じことを経験すれば気付かれるのでしょうか。次なる不祥事を起こす予備軍は、既に現場で醸成されています。

 本球団は、新聞の拡販事業と共に長い球界の歴史を構築、歩んで参りました。しかし、近年新聞業界は、正直に申しまして衰退の一途を辿り、もう嘗ての面影は在りません。グローバルな世界を見据えた真の経営感覚を持たれた経営者は、企業組織内にいらっしゃると確信致しております。企業には、必ず世代交代の時期とタイミングがあるのです。しかし、本球団、企業は、新しい経営理念を持った次世代への変革のタイミングを今日迄逸してしまったようです。他球団、企業に於いては、既にグローバルな世界的企業と肩を並べ、凌ぎ合っている巨大企業もいる事を忘れてはなりません。近い将来、これら巨大企業に飲み込まれないか非常に心配です。

 このような企業の衰退は、球団の近代化が進まない元凶の象徴の様に思えてなりませんが読者、ファンの皆様には、どう映っていますでしょうか。

Gファンは、何を期待してドームにお金を運んでいるのでしょうか。もっと球団を自分のテイームとして、個性や感情を自由に表現したいと願っているのではないでしょうか。

 このままでは、他球団の方が一歩も二歩も将来を見据えた努力をしているように思えてなりません。野球選手を夢見る子供達に嘗てのジャイアンツの輝きと魅力をもう一度見せて挙げて欲しいと願う次第です。

 此れこそが嘗て92年秋に、監督、経営者が筆者に懇願された真意であったのではなかったのか、それなのに何故心変わり(Change Mind)をいとも簡単にされてしまったのかと近年の現状、現実を見るにつけGファイルを回顧せざるを得ないのです。

NEWS

2018718、東京読売ジャイアンツ球団は、新オーナーに読売新聞グループ本社社長の山口寿一氏(61)が就任すると発表しました。同氏は、グループ本社の若手NO.1として近年渡邉恒雄氏にお墨付きを受けている逸材です。本カードを切ったという事は、最後の砦であります。同氏は、企業本体の経営、運営、管理に忙殺される中、ベースボール・アドミニストレーションについては、素人さんと申し上げて過言でありません。それでは、内部の何方が山口オーナーにプロベースボール・アドミニストレイターとしての専門知識とアドバイスを具申できるか大いに注目されるところです。球団は、不祥事に対して慣例を構築しましたので、次の不祥事、事件においては最高責任者としての山口氏を失う事は何としてでも避けたいところです。なぜなら、組織の崩壊を意味するからです。オーナーご就任おめでとうございます。

そしてGOOD LUCK AND YES, YOU CAN DO IT!

 文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

 お知らせ:NO.60は、この度球団において4年連続不祥事、事件を起こした事実から共通する本質的な問題の根源と今後の改善、改革を東京読売ジャイアンツが出来るか否か辛辣に解説できればと予定致しております。