K’sファイルNO.88:2020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる 無断転載禁止

KsファイルNO.882020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる

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第一弾:JOC竹田恒和会長への疑惑とは何!

先ず初めに

筆者は、本件に関し招致活動に関係を持ち合わせていない事をご承知おきください。そこで本件に関しましては、スポーツ・アドミニストレイターとしてこれまでの類似した経験、体験、等を加味して論じさせて頂きます。

このことから一般の読者の方々とは少し異なる視点になるかも知れませんがご了承下さい。読者の皆様には、複雑怪奇になった問題点、人間模様、事の真相、等をできる限り判りやすく、シンプルに述べさせていただき話題と理解を共有できましたら幸いです。また、K’sファイルの過去の原稿をリマインドして頂くために添付させて頂きますので熟読して頂ければ、よりスムーズに理解頂けるかと思います。

 

①疑惑とは

この度、竹田恒和JOC日本オリンピック委員会Japan Olympic Committee)会長の問題は、2020東京オリンピックパラリンピック(略:2020東京五輪)招致活動に於いて、国際オリンピック委員会(略:IOC)委員を買収したのでないかとの嫌疑が色濃くなってきたという報道に端を発したものです。

本件は、2016年五輪招致活動に失敗後、本格的な敗因の究明もなされないまま、2020年五輪招致活動へと突入し、20139月に東京での開催が決まるまでの間に起きた問題でありますことを先ず明記させて頂きます。また、本件は、招致活動当時から、開催都市決定後に於いても我が国及びJOC関係者、招致委員会関係者、政治家達、企業関係者に内外からの疑惑の目が向けられていたのも事実でした。しかし、疑惑の中心人物達は、誰もが自らへの嫌疑は否定しても、その裏付けとなる説明及びエビデンスの情報公開は一切行わず、疑惑は深めても解消には至っていなかった事をご承知おきください。

昨年1210日、フランス裁判所の予備判事は、JOC竹田会長を本件に関わる容疑者として本格調査に乗り出し、本人を事情聴取の為に当局に呼びだしたのです。竹田氏は、「潔白」を主張して帰国したとの事です。しかし、このような事情聴取がフランス当局に呼び出され、在った事すら同氏は国民や社会に報告、開示していませんでした。フランス当局及び海外マスメデイアから事実を明かされて初めて、JOC2020東京五輪組織委員会の担当マスメデイアが色めき出し、全て後追いの報道でありました。

竹田氏は、海外マスメデイアの情報が日本国内に入り、初めて担当記者達に対応せざるを得なくなった。これも口を開かざるを得なくなったというのが本音でしょうか。そして、竹田会長は、苦し紛れに本年115日、東京都渋谷区の岸記念体育会館(日本スポーツ協会本部)に約140人もの内外メデイアを集めて、約30台のTVカメラを前に記者会見を始めたのです。

しかし、この会見も日本のオリンピック委員会、スポーツ界を代表するスポーツ・アドミニストレイターの頂点に位置する人物の記者会見とは、ほど遠い内容であった事を読者の皆さんも既にご存知の通りです。

JOC竹田会長の記者会見内容とは

記者会見は、竹田氏が準備していた一方的なメモ読みのみで、質疑を阻み、たった7分間でお開きとなった次第です。集まったマスメデイアが憤慨したのも当たりまえの出来事でした。

内容は、「この騒動で2020東京五輪パラリンピックの準備に携わる人達への影響を与えかねない状況になり、本当に申し訳ない気持ちです」とのお詫びに始まり、「フランス当局の調査に全面的に協力し、潔白を証明したい」と述べた次第です。

本題は、シンガポールコンサルタント会社への支出(23000万円)の正当性を述べたに過ぎないものでした。また、JOCは、同氏の正当性を裏付ける資料として、JOC調査テイーム(身内で編成した第三者委員会)が、3年前に結論付けた「IOCの倫理規定に違反しない」とした調査報告書を配布したのです

筆者は、JOC調査テイームの最終報告書は身内の調査であり、正当な調査ではなかった事は素人でも判る事であったと思います。これを持って「潔白」だと言われても誰が信じるでしょうか。此れが、日本を代表する人物の本件に関する記者会見であったとは、誠に寂しく、貧しい資質この上ない限りでした。竹田氏は、何処の誰が推薦、任命し、この席に長期に渡り鎮座していらっしゃるのか、重大な問題である事をスポーツ・アドミニストレイターの視点でこれから述べさせて頂きます。

フランス検察当局から竹田恒和氏(JOC会長、71)への嫌疑とは、2020東京オリンピックパラリンピック招致の為に必要なIOC投票権を持った委員への買収疑惑なのです。

③筆者の見解

筆者は、同氏のこの度の会見での対応、資質からしてこの国のスポーツ・アドミニストレイションの縮図を見ているような気がしました。竹田氏は、2001年にJOC会長職に就任17年余りに渡りこのような重要な日本スポーツ界の看板を背負わされ、重責の玉座に鎮座し、実質は神輿を担いでいる人達に操れている構図が透けて見えるような気がするのです。これは、20東京五輪組織委員会に置いても同じ構図にお見受けする次第です。

此の事が事実であるなら、115日の本疑惑に対する「記者会見」での発言は、無理からぬことと理解出来ます。しかし、このような組織構造に於けるスポーツ・アドミニストレーションは、限りない闇取引の温床と化し、疑惑が犯罪へと移行している、極めてリスキーで危険な環境と状態であるように思えてならないのです。

 

④リマインドとしてK’sファイルを再開示  

K'sファイルNO.382020東京五輪の不可解なおもてなし 無断転載禁止

PARTⅠ.~政治家による政治家の為の東京オリンピック大会~

注:河田弘道は、オリンピックが日本で開催される事に大賛成です。しかし・・・

第一弾:スポーツ・アドミニストレイター不在のツケ

①招致活動での建前と招致後の本音

どうして最初から本プロゼクトには、政治家達(現職国会議員、元国会議員、現職都議会議員)がやけに目立つのか。これほど露骨に政治家達が表舞台に顔を出す五輪は日本だけではなかろうか。K'sファイル読者の皆さんは、不思議に思われませんか。

2016東京五輪の招致活動失敗から2020年東京大会開催決定、そしてその後今日迄、これほど開催に関する問題が内外共に起きる、起きた事例が嘗てあっただろうか。

16年招致活動の大義は、1964年東京五輪から半世紀を迎え、「レガシー・プラン」として前回五輪の施設も活用しながら、コンパクトな五輪を掲げました。そして20年招致は、東日本大震災からの復興の加速と世界への感謝をアピールするプレゼンテイションがなされたわけです。費用の掛からない無駄のない、コンパクトなオリンピック・パラリンピック東京大会は、招致の為の旗頭と謳い文句に掲げてきました。しかし、いつの間にか大義の震災復興は、何処かに消え、予算は、とんでもない莫大な公金が実態として流し込まれ続けているのが実状です。

これに対して誰も歯止めを掛けようとしない。確か小池百合子都知事は、選挙で予算費用縮小を訴えて歯止め役を買って出て当選した筈ですが、筋金入りの政治家では無かった事を現在露呈しています。金は、全て組織委員会の御用達の印刷会社がプリントしているかの感覚で湯水のように使っているイメージがしてなりません。

プレゼン当初の予算告知額は、いったい何を根拠に試算された数字であったのかと、ふと頭に疑念が巡ります。いったい当初の予算の何倍の公金を投入すれば気が済むのでしょうか。此れだけの資金があるのなら、何故もっと有効にオリンピックのみならず困っている現実の社会、国民の為に活用するべきであるとは思いませんか。此れでは、限りなく国の借金が膨らむばかりです。関係者達の後は野となれ山となれ的では、此の国のスポーツどころか国が滅んで行く姿が判らないのでしょうか。

このような展開になる事は、当初より予想していた事なのですから、何故五輪招致を思考し始めた時点で「ロス方式」を検討しなかったのか。話題にも出なかった事、出さなかった事が今後大きな禍根を残す事は必至で、既にその階段を一歩また一歩と上がっていっているのです。ロス方式は、公金を1セントも使わず、440億円の黒字を出した素晴らしいプロゼクトモデルなのです。

このような優柔不断なオリンピックプロゼクトから、国外からは、招致活動に関わる裏金問題を指摘され火消しに躍起となり、国内に於いては、オリンピックロゴ・タイプの盗作問題、国立競技場の設計入札疑惑問題、設計者及び関係会社への契約変更、違約金問題、予算の不透明疑惑、そして、その間に開催都市の都知事が本件がらみを含めて3名も不名誉な交代劇を演じ、その都度掲げる公約に一貫性が無く、失言を海外に告知し、現知事は、威勢よく乗り込んできたが政治家同士の利権のつぶし合い、奪い合いを見苦しい程内外に曝し知らしめ、スポーツの祭典がこれでは「品の悪い政治家の祭典」と相成った感じが否めないと感じるのは、私だけでしょうか。

②問題の発端とプロゼクトマニュアルの欠陥

静観して見ていますと一つの方向に問題が偏っている事が透けて見えて来るのです。それは、2020東京オリンピックパラリンピック開催招致活動のプレゼンテイションで公言、公約した予算が全くの招致する為の「飾り予算」で在った事です。これがそもそもの本プロゼクトの「トリックの起点」となって、国民、都民の税金を湯水のように投入するストーリーが仕組まれていたような気がしてならないのです。今は、この描かれていたシナリオに略近い流れで進んでいるので本プロゼクト立案、遂行している執行部達の意味深な笑みが目に浮かびます。

この招致活動初期から、関係省庁及び関係機関、東京都は、種々の思惑の人達が絡み合い複雑怪奇な様相でスタート致していました。これをスポーツ・アドミニストレイターの視点で指摘させて頂きますと、そもそもの最大の問題は、主催者に当たる都知事が本巨大プロゼクトに強い興味を持ち、都民の税金で招致活動に邁進、自身が幕開けから幕閉じまで首を突っ込んで、利権の構図を描きその利権に手を突っ込んだことから今日の限りなく高騰する資金(税)投入に点火したのが発端と思われます。

当時より利権をせしめようとする東京都議与党軍団、都知事とそうさせまいとする文科省OBを中心とした超党派で構成する国会議員連盟団の利権グループが当初より抗争していたように見受けられたのです

嘗て1974年にIOCの「オリンピック憲章」からアマチュアの定義を削除せざるを得なくなったり、1976年カナダ・モントリオール大会が、オリンピック大会史上例を見ない巨額の赤字負債を抱える大会となった事などを契機に、IOCはオリンピックにスポーツビジネスを解禁し、プロ選手の参加に扉を開いたのでした。

しかし、その後この改革の弊害が毎回の開催都市招致に関わる闇の世界を構築、獲得票を集めるための莫大な裏金で買収する暗黒のネットワークを生み、大会の巨大化に伴う主催国、都市に莫大な資金を投入させて大会を肥大化させ、負のレガシー(遺産)を山積みさせて来たのでした。そして2020年東京大会は、最後の巨大化されたオリンピック大会の負のレガシーの終焉であろうと言われるに至っています

本東京大会以降は、大会招致の国が激減し、ついに2024年パリ、2028年米国ロサンゼルス市とプレゼンする競争相手も無く、24,28大会が自動的に同時に決まったのも偶然ではないのです。いったい東京大会招致活動は、何だったのでしょうか

此れは、まさに1976年のモントリオール大会後にオリンピック大会招致に興味を持たなくなった国々が出た時期に戻り、歴史が形を変えて繰り返される事になったのです。この事は、東京大会招致委員会にとっては、因果と言う表現しか見当たらないように思えてなりません。IOC理事達の罠にまんまと日本の政治家達がはめられた事に等しいのです。

東京大会開催組織委員会は、このことを如何に理解しているのか、いや、気にもかけている様子もなく、ただ国税、都税をいくら引き出すか、引き出せるかに奔走している状態が、今尚続いている様子が伺えます。勿論、スポーツ振興機関からの補助金、コマーシャルスポンサーからのスポンサーシップとサポートを受けているのも事実です。本来は、国民、都民の公金を当てにしないで2020年東京大会を招致活動で勝ち得た方法があったのも事実です。

当時、招致関係者達が、公金を使わない大会擁立に誰も興味すら示さなかった理由は何故だったのか。K'sファイルの読者の皆様はその結論に至るかと思われます

 

以上K’sファイルNO. 382020東京五輪の不可解なおもてなし、PARTⅠ.~政治家による政治家の為の東京オリンピック大会~ をリマインドさせて頂きました。

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

 お知らせ:次回Ksファイルは、本当にJOC竹田会長に全ての責任があるのか否かについて述べさせていただきます。