K'sファイルNO.89:2020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる

K'sファイルNO.892020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる

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読者の視点~

K’sファイル88を読ませていただきました。東京2020大会においては、竹田会長の疑惑も含め様々な利権等が複雑に絡んでいるものと多くの国民が思っているものの、それが何なのかよく解らないのが現状ではないでしょうか。今回のファイルを読んだ読者は、「なるほど、そうだったのか」「そうだよな」と感想をもたれたと思います。」読者からの貴重なお便りを頂きましたのでご紹介させて頂きます。

第二弾:五輪招致神輿に担がれた旧宮家三男

竹田恒和氏とは

ご紹介:

竹田恒和(タケダツネカズ)生年月日:1947111 (71)出身地:東京都、学歴:慶應義塾大学  同氏は、旧皇族竹田宮恒徳王の三男。今上天皇のはとこにあたる。 日本オリンピック委員会会長。国際オリンピック委員会委員。2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副会長。国際馬術連盟名誉副会長、日本馬術連盟副会長。 Wikipediaより~

竹田氏は、馬術競技で五輪出場経験を持ち、2001年にJOC会長に53歳で就任。以降17年もの長きに渡り会長職を務め、招致決定時は日本人唯一のIOC委員で、日本に於いては今日に至るまでオリンピックの顔として玉座に鎮座されている方です。

この度の招致疑惑に関する事案は、2020東京五輪招致委員会の事務局、理事、評議員達が知らなかったとするならば、その人達は、何の為に選考され、何の為に招致委員会の要職に就き、何をしていたのか、ただブラジル、リオジャネイロ市にプレゼンテイションにそろいのブレザー姿で公費を使ってのドンチャン騒ぎをする為の要員として集められたわけでない筈なのです。そうでないなら無責任極まりない人たちの集団であったと断罪されても仕方がないと思われます。

筆者は「ことの詳細を存じ上げています」と言う誠実で正直な関係者がいつ現れるかと静観致しておりましたが、今日に至っても未だに誰ひとりとして現れて来ないのが実情です。竹田恒和氏(当時20招致委員会理事長、JOC会長)は、本件に関わる統括責任者である事に間違いありません。しかし、本件は、竹田氏自身が本コンサルタント会社へのアレンジメント、調査、そして契約に至る過程まで、交渉、契約署名、送金に関する全ての行程をただ一人で遂行できたとはとても思えません。

全てを存じている人物は、竹田氏を除いて、この規模の事業から想像するに、恐らく10名以上で、その方々の中には主犯格であるボス(指示を出す人物)が居ると推測されます。その人達は、竹田氏を1人矢面に立たせて、何食わぬ顔でだんまりを決め込んでいるのです。スケープゴート役は、竹田氏の本来のお役目なのか、そうであるならばK'SファイルNO.87で述べました通り、同氏は真に神輿に担がれた操り人形でしかないのです。神輿の担ぎ手は、どのような人達なのか。このような発言をする同氏は、何故この玉座に長年座り続けていられるのでしょうか。此の国では、この様な人物だからこそ座れるのかも知れません。同氏への対価は、何だと読者の皆さんは推測されますか。興味深いですね。

本件に関わった人達は、必ず存在し今尚重要人物としてその後の組織に関わっている事はまぎれもない事実と考える事の方が正しいかと思われます。競技スポーツは、ルールの下で勝敗が決せられますが、このようなスポーツをCOREとしたポリテイカル・ビジネスゲームには暗黒の闇が奥深く底の方に重く垂れ込めているように思われます。

②竹田理事長が知っていた事と知らなかった事

知っていた事:

1.シンガポールのブラック・タイデイングス社(略:BT社)と2020五輪招致委員会 は、コンサルタント契約を結んだ事。

本契約書は、二つのコンサルタント契約が含まれていた事。

1度目の契約(2013年7月):その趣旨、目的は、ロビー活動、関連情報を収集する業

務委託契約書であると説明した事。

2度目の契約(2013年10月):これは、一つ目に対する成功報酬に基く契約であると説明した事。

筆者の疑問:

BT社が契約の趣旨、目的であるロビー活動、関連情報を収集するに相応しい会社である根拠が全く情報公開されていない。この契約内容なら何故契約書を公開して、自身の身の潔白並びに日本国への疑惑を晴らそうとしないのか、或は証明できないのか?

②竹田氏は、1度目の契約は、契約の全容を知らずに署名したと説明した。同氏の常識は、どのような尺度なのか。

2.コンサルタント契約書に同招致委員会理事長として署名、捺印した事。本契約内容は、衆参両院の予算委員会で説明、国会で本件への追及は無かったとの事。

筆者の疑問:

①衆参予算委員会は、何故理事長に本契約書の開示を強制的に求め精査しなかったのか。本件の追及をしなかった理由が不明。

②本件以外にも、異なるルートで同じような契約、作業は、あるのかないのかの確認が委員会ではなされていない不思議。

3.本契約料は、合計2億3000万円であった事(内訳:20137月に第一回目が、10月に第二回目がBT社の銀行口座に入金済、その後BT社は解散)。

筆者の疑問:

①第二回目の入金は、ロビー活動に対する成功報酬(インセンテイブ)となっているようですが、成功報酬は何を持って成功とするかの説明が欠落している。

②竹田氏は、何故この場に及んで契約書を公開できないのか。契約書を公開する事により何を依頼したのか、その成果と結果が明らかになり、何のための成功報酬を契約に明記してあったのかが、明らかになる事を恐れているのか。

知らなかった事:

1.BT社の代表のタン・トンハン氏(36)は、当時名前は知っているが会った事はない。

筆者の疑問:

①竹田氏は、守秘義務を理由に契約書の開示を否定した。しかし、契約相手の代表者は、既に有罪人で収監される人間である。誰を庇っているのか。

②本契約書は、現在何処の誰が預かり保管しているのか。98長野冬季五輪と同様に既に焼却処分して存在していないのでないか。

2.BT社の関係者に当時国際陸上競技連盟(略:IAAF)会長のラミン・デイアク氏(Lamine Diack193367 生まれ、セネガル陸上競技選手、ダカール出身。国際陸上競技連盟5代会長。IOC委員)の息子で当時の国際陸連コンサルタントのパパマッサタ・デイアク氏((Papa Massata Diack)が関係しているとされる事を知らなかった事。

筆者の疑問:

①招致委員会の最高責任者がBT社の代表者がどんな人物でどんな会社、及びその背後関係者も知らないで法人契約をし、莫大な公金を送金したなど信じ難い話です。

②海外の報道では、本契約が本ルートによるアフリカ系のIOC委員10名の票の買収に対する対価であるとも言われている。本契約を開示する事によりその疑いを堂々と否定できる証しとなるはずですが、何故拒むか。

以上が当時から今日までの間、竹田氏が本件に関して自ら認めている発言内容であり、既にマスメデイアによって報道された項目です。

これらの発言内容は、我が国の国会議員及び役人達の都合悪しき時の発言に酷似であるように思えてならないのです。海外のマスメデイアが確かいみじくも、竹田氏は、政治家発言をすると評していましたが、まさに同氏は政治家に向いているのかも知れません。

③筆者の素朴な疑問

此処で見逃してはならない重要なポイントは、通常この規模に於けるビジネス取引、ネゴシエーション(交渉)、契約の詰めに於いて竹田氏の対応発言が非常に幼稚な一面を露呈している事です。

竹田氏は、「BT社との契約に関し、如何なる意思決定プロセスにも関与していない。本件に関与した人達及びその承認手続きに疑う余地など無かった」と断言している事です。それでは、その人達が誰であるかを明らかにする義務があります。

同氏の言葉を借りますと、「本契約に当たり、決断したのは私ではない。署名、捺印してくれと持ってきた人達を信用していました」という事になるのでないでしょうか。関与していない最高責任者が、何故署名、捺印したのか。これは、本業界に於いての自殺行為と言われます。

また、同氏は、「BT社と国際陸上競技連盟前会長とその息子がどう関係していたか、私は知らなかった」とこれも断言しています。

この二つの断言は、今後同氏に最重量級のストレスが圧し掛かってくるような気がします。何故なら、竹田氏の発言は、「同氏が信頼に足りる理事、評議員の複数の関係者、及び委員会外の本件に関わる重要な企業関係者が、BT社及び代表者について、本契約を履行できる人物・法人であると担保したので、私は署名、捺印した」と言いたいのかどうか。

此れが竹田氏の本音であるなら、筆者は、招致委員会の理事会、評議員会がスポーツ・アドミニストレイターとして相応しくない人物を理事長に選任した事の責任が重大であると確信する次第です。当招致委員会の理事、評議委員の役員名簿は、次回ご紹介させて頂きます。

報道によると、このような竹田氏の発言を受けて、招致委員会にいた関係者からは「発言は、自分の保身のために部下切り捨てに聞こえる」との批判がでていることからも、招致委員会の関係者の中には事実を知っている人が多く居ると想定できます。

竹田氏本人は、事の次第を仕掛けた人達から充分に説明を受け、自らも理解と認識の上での署名、捺印したのかも知れません。

何れにしましても、招致委員会の関係者及び関連企業関係者の中に、竹田氏が契約書に署名、捺印するに足る、必要な情報及び資料を提供した人達が居た事に違いないと思われます。よって竹田氏は、情報、資料を担保できたので署名・捺印した。と筆者の経験からも仮説が成り立つ次第です

此処で現実的な問題が明確になった事です。招致委員会が契約をしたBT社・代表者のタン・トンハン氏は、関連事件で本年1月16日にシンガポール裁判所に於いて実刑判決を受け、2月20日に収監が予定されている人物でした。

これにより、竹田氏及び20東京五輪招致委員会が契約した相手は、信頼するに足る人物でなかった。との証明がなされたのではないでしょうか

この様な状態を客観的に見ても竹田氏のみならず、理事会、評議会の関係各位の責任は明らかであり、現時点に於いても限りなく黒に近い状態であるように思えてなりません。問題は、フランス当局が招致委員会から送金した金が、最終的に誰の手(IOC委員)に渡ったかの確証を握っているのかどうかに今後焦点が絞られてくる次第です。

読者の皆様は、K'Sファイルを読み進めて行くに伴い、不可思議な抜け落ちたパズルのピースを埋め込んで行けるかも知れません。

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

この度のK’sファイルNO.89は、如何でしたでしょうか。読者の皆様には、少し本疑惑の本質がフォーカスされて来ましたでしょうか。本疑惑に関する本質的な部分の幾つかをフォーカスしてみたいと思います。ご期待ください。