K’sファイルNO.90:2020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる

KsファイルNO.902020東京五輪招致の暗黒の霧はいつ晴れる

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海外の読者の皆様へ

毎週K'sファイルをご笑読頂き有難うございます。サイトでの翻訳ソフトを活用されてのアクセスでは、本K'sファイルの内容が正確には伝わっていないのでないかと心苦しく思います。毎週10カ国(①合衆国、②ドイツ、③フランス、④英国、⑤スペイン、、、⑩の順です)から大変多くのアクセス、コメントを頂き感謝申し上げます。SNSを通して情報は、オンタイムで世界中に共有される時代となり、これぞグローバル社会の証しでしょうか。機会を見て海外の方々からのコメントをご紹介できる日もくるかもしれません。投稿された方の許可を頂いてからと考えています。深謝

 

第三弾:暗黒の五輪招致シナリオライターは何処に

1.2016東京五輪招致敗戦と無責任な委員達

2016東京五輪招致経過と結果

2016東京五輪招致を目的に、当時の東京都知事石原慎太郎氏を会長とした、特定非営利活動法人東京オリンピックパラリンピック招致委員会は、20073月に設置されました。同委員会には、最高顧問として当時の内閣総理大臣福田康夫首相、特別顧問に全大臣、顧問に全副大臣が就任したのです。本招致委員会のスタートは、国会議員、都議会議員等、オリッピック利権に群がる政治家の集団、招致委員会と称しても過言でなかったのが特徴のようでした。

しかし、2009年のIOC総会で2016夏季五輪開催地は、リオデジャネイロ市(ブラジル)に決定したのでした。結果として、大勢の政治家、役人が大挙したにも関わらず如何なるものでなかった事が理解されたのではないでしょうか。

16東京五輪招致委員会は、2010531日に河野一郎事務総長以下招致委員会全理事が退任。71日に東京五輪招致委員会は、「国際スポーツ東京委員会」に改称して、事実上の敗北を宣言したのです。

その後、本招致活動に関する金銭疑惑が国内に於いて次から次と浮上して来たのは読者の皆様も未だ記憶に新しいのではないでしょうか。

この問題は、先ず東京都議会議員らから、余りにも高額な支出について招致委員会への喚問に端を発したのです。16東京五輪招致総経費は、約150億円(内東京都分担金18億円)であったと報道されています。しかし、当時の招致本部の担当部長は、本招致活動に関して制作費用、制作会社、また、プレゼンテイションに要した莫大な費用が支払われている事に対する明細すら回答出来なかったのです。

此処で出て来たのは、東京都が負担した2009年度のIOC委員へのプレゼンテイション費用の総額2475万円、英国の映像制作会社に依頼した映像製作費が、何と10分間の映像が5億円費やしている事です。招致委員会の理事、評議員が実務に不向きなお飾り的なメンバーで、専門家を選考していなかったからなのか、広告代理店の言いなりの値が付いたと評されても仕方のないことでした。国民の血税がこのように使用されても、誰もそれを止めなかった事は大罪と言えると思います。

2012年に招致委員会の報告書は、報道陣に公開されたようですが、調査報告によりますと、なんと東京都知事石原慎太郎氏)は、16年度招致活動の8事業支出約18億円分の経理書類を保管期間であったにも関わらず、紛失したとして保存していなかったのです。その他莫大な経費の詳細に付いても、資料を紛失してしまったとの回答で、自らの責任を認めず逃げてしまったのです。残念でなりませんでした。

此れらは、またしても「98年長野冬季五輪後の経理の書類を焼却して何もございません」と言っているのと同類の行為と言えます。これらは、全て我が国、社会の無責任制度がその根幹をなしており、法治国家と言い難い体質そのものの様に思えます。今日も未だ改善されない最大の問題は、我が国の制度にあり、その制度を逆利用しているのでないかと筆者は思う次第です。

16年東京招致に関する経理の資料は、保管期限が義務付けられているにも関わらず、このような体たらくの委員会、役人達の責任感とモラルは計り知れず犯罪者の行為なのです。しかし、何の責任も問われず今日まで誰もが結論を求めない不思議な社会と公共組織、団体である事も確かなようです。このような伝統的な手法は、2020東京五輪招致委員会に引き継がれ、そして20東京五輪組織委員会へと継承しているのです。

此処で初めて出て来た民間企業は、「株式会社電通」という名の会社名でした。

 

2016東京五輪招致委員会 役員名簿一覧

会長 都知事 石原慎太郎 

副会長 JOC会長 竹田恆和、副知事 横山洋吉、谷川健次、佐藤広 

理事:都招致本部長 熊野順祥、 荒川満、  建築家 安藤忠雄  猪谷千春

岡野俊一郎、林務、遅塚研一、 福田富昭小谷実可子、市原則之、荒木田裕子 

事務総長: 河野一郎 

日体協会長: 森喜朗 

経団連会長: 御手洗冨士夫 

日商会頭: 山口信夫 岡村正 

都議会議員 山﨑孝明、 高島直樹 

JPC委員長 北郷勲夫 

オリンピアン:室伏広治 

監事 JOC監事 岩楯昭一、都財務局長 谷川健次、 村山寛司 

以上が16東京五輪招致委員会理事並びに役員です。

読者の皆さんは、是非このメンバーをご記憶して於いて下さい。これから20年五輪招致委員会、20東京五輪組織委員会理事、役員名簿をご紹介します。最終的に何方が本招致結果に対して神輿に鎮座し、そしてその担ぎ手は誰なのかをご想像頂けるかもしれません。そして、ポリテイカル・ビジネスゲームの勝ち組、負け組を理解され、読者のパズルの空欄を埋めることになるかも知れません。汚れたパワーゲームのアクセルは、これから一気に踏み込まれて始まるのです。

2.2020東京五輪招致活動に必要な人材は?

2020東京五輪招致創世記

石原慎太郎氏は、東京都知事に4期当選した後、2011410日に再度2020年オリンピック開催地への立候補をしたのです。そして同年915日に特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会(略:20東京五輪招致委員会)を設立。会長には石原慎太郎氏が、理事長には日本オリンピック委員会JOC)会長の竹田恒和氏が鎮座し、第1回理事会が開催されたのでした。

此処で本招致委員会は、何故か活動費の一部として広告代理店の電通から約69,000万円借り入れたとされているのです。本件に関する双方の経緯は、書面での一切の情報公開が国民、社会にはなされていません。

双方の貸し借りへの対価は、何であったのかの情報公開がなされないまま今日を迎えているのです。株式会社電通(略:電通)は、営利の広告代理店企業であり、招致委員会は非営利組織・団体でビジネス実践キャリアの無いいわば素人集団なのです。招致委員会は、電通を利用しようと安易な思考の基に関係を構築して行ったのでしょうか。それ以降は、物心ともに電通を頼らざるを得ない状況が日々醸成されて行ったのだろうと筆者は推測しています。

電通商法は、まさに日本の伝統的な近江商人の商法に酷似したビジネス手法の一つにように思えます。この手法は、丁度筆者が西武・国土計画に於いて堤義明社長から直接学んだ商法に酷似している事から経験値として感じる次第です。

電通は、バランテイアー企業でなく莫大な収益を求める会社、企業であり事業(ビジネス)の立ち位置にある事を本委員会の理事、役員達の何方が認識していたのでしょうか。逆に利用してやるくらいのレベルの思考回路しかなかったのか、或はその時点で電通に公私ともに世話になっていた理事、評議員、役人が多くいたのかも知れません。

呉越同舟の2020年東京五輪招致委員会

20東京五輪招致委員会は、上記のように2011915日に第1回理事会が開催さているのに対して、同年1128日には、政財界などの要人で構成した評議会の第1回会合が開かれ、13年1月には森喜朗副会長が評議会議長に就任した。

此処に20東京五輪招致委員会には、理事会のボスと評議委員会のボスの二頭体制が立ち上がり、これからいよいよ政争、利権闘争が開幕の火ぶたが切って落とされたのです。この招致委員会の構造から理事会、評議会は、何としても招致獲得に勝つ事でパワーゲームの勝者も確定すると読んでいたと思われます。よって、理事会、評議会と二股をかけ先読み委員、役員、国会議員、都会議員達が居たのもうなずけます。

企業電通は、何方が勝利しても利益獲得する為にも両陣営に協力、支援するのは当然のビジネスセオリーという次第です。

そして、委員会は、1130日に「ロゴ・マーク」が制定され、電通をスポンサー担当専任広告代理店として指名、契約を締結するに至った次第です。本契約の経緯は明らかにされていませんが入札でなく、随意契約であったようです

読者の皆さんなら、既にお気付きになったのではないでしょうか。東京五輪利権に関する抗争は、この招致委員会の中で既に繰り広げられていた構造と構図から感じ取れるのではないでしょうか。この招致委員会の理事会と評議委員会の二頭体制のパワーゲームがこの度の20東京五輪招致疑惑への暗夜行路にミスリードされて行くのです。この航路は、暗黒のネットワークへの入り口であったと思わざるを得ないのも無理からぬことなのです。

予知していた人物がいるとするならば、それは、20東京五輪招致活動のシナリオライターが全てを見通していたと思われます。このシナリオライターこそが、ポリテイカル・ビジネスのビジネスアドミニストレイターとしてのプロフェッショナルその人なのです。実践に強い頭脳明晰なシナリオライターは、世の中にいる事を後学の為にも覚えておいて頂きたく思うしだいです。即ち、自分だけが偉い、賢い、知恵者だなどと自己満足しているような方々は、このレベルの仕切りが出来る様な人物ではないのです。

2020東京五輪招致委員会理事会 

★は理事会/評議会の両方 

理事長 日本オリンピック委員会会長 竹田恆和

副理事長/専務理事 同副会長 水野正人

副理事長 同専務理事 同副会長 福田富昭

副理事長 同専務理事 市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会 伍藤忠春

副理事長 東京都副知事 佐藤広

理事 日本体育協会 岡崎助一

理事 日本オリンピック委員会理事 橋本聖子

理事 同国際専門部会員 鈴木大地

理事 パラリンピアン 成田 真由美

理事 日本オリンピック委員会理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 同理事、国際専門部長 野上義二

理事 同理事(元東京2016招致委員会事務総長) 河野一郎

理事 同総合企画・国際部長(元東京2016招致委員会事務次長) 中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長 細井 優

監事 日本オリンピック委員会監事 深津泰彦

監事 東京都財務局長 安藤立美

 

2020東京五輪招致委員会評議会 

★は理事会/評議会の両方

【会長】石原慎太郎 猪瀬直樹

[副会長】森喜朗(議長)竹田恆和★ 米倉弘昌 岡村正

【事務総長】小倉和夫

【事務総長代行】樋口修資

【委員】水野正人★ 河野一郎★ 細井優★ 遠藤利明 猪谷千春 岡野俊一郎

              鳥原 光憲 張富士夫 山田啓二達増拓也 村井嘉浩 佐藤雄平 長谷川閑史 

              槍田松瑩 中村芳夫 上條清文 松本正之 広瀬道貞 秋山耿太郎 古賀伸明 

              福井正興 相川敬 石澤義文 成清一臣 安西祐一郎 島村宜伸 土川健之 

              仲田和雄 松本好雄 石黒克巳 笹川陽平 王貞治 樋口久子 川淵三郎 

              鈴木寛 奥村展三 溝畑宏 

以上2020東京五輪招致委員会の理事会、評議会メンバーをリスト致しました。

 

⑤真必要な実戦部隊の人材は何処に

2020東京五輪招致員会の理事会、評議員会には、まだ株式会社電通の関係者の名前をお見かけ致しません。しかし、電通に通じた代弁者は、複数見当たります。本招致委員会の中には、残念ながら本物のスポーツ・アドミニストレイターの姿は、見掛けられないようです。よって、メンバーには、オリンピック招致に必要不可欠な真の情報収集力を期待するのは難しいのであります

近年の巨大なスポーツ・ビジネスの成否は、情報の入手力、その為のネットワーク力、即ち何処の誰が必要不可欠な情報のイグニッションキー(車のエンジンをスタートさせる鍵)を保有しているか否かにかかってくるという事です。そして、その情報が真の情報か否かを見極める為には、見極めるスキルもあるのです。このように得た高価な情報は、次に如何にして活用するかリテラシーLiteracy)の能力に委ねられると申し上げて過言でありません。

本イベントを勝ち取る為には、上記役員、メンバー達は組織・団体を形成する為の社会、国民、都民への信用担保のような物なのです。これから必要不可欠な莫大な資金集めの為には、如何にして国、都に対して、また民間企業のスポンサーを信用させるための担保として、集金ゲームの準備をする為の顔見世興行と理解された方が理解し易いかも知れません。

真に招致を勝ち取る為には、この時点で既にシナリオライターの構図に基いた真の情報の収集に日夜心血を注いでいる部隊が居たとお見受け致す次第です。

よって、その真の最前線の人達には、このようなお飾り的な委員会、政治家、役人リストは招致を勝ち取るために何の意味もなさない事を百も承知しているのです。勝負は、此の時期既に水面深く潜航して、真のキーを探している企業戦士達の高度な情報収集能力にかかっている次第です。

それは、本招致ゲームに勝利する為に必要なキーを誰が握っているか。そしてその確証を握る人物に如何にして近づき手に入れるか。そこでは、どれ程の軍資金が必要でその確約をどう担保できるか。ゲーム展開からみて、勝敗の分かれ目は、IOC委員の数十票に全てが集約される。それは、リオで見せつけられた開票結果からであったのです。

勿論、本シナリオライターは、勝者リオ招致の分析、IOC委員達の動向、等、全ての情報を入手していたと推測出来ます。要するに、20東京五輪招致の勝利の方程式は、リオ招致成功マニュアルのコピーであった、と言われても不思議ないと筆者は分析致しております。その証は、20東京五輪招致疑惑がリオ五輪招致事件と酷似である事からも、疑われてしかるべきなのかも知れません

此処で、プロのスポーツ・ビジネスアドミニストレイターに近づく情報、手立てを一番よく実践経験を通して持っている組織・団体のコマンド部隊を動かさざるを得なくなるのです。また、勝敗の行方を担保する為には、この度の招致疑惑のルート以外に数本のルートを開発している事は容易に想像できるのです。しかし、現時点では、他の複数のルートに付いては、フランス当局の事件との関わりを持たないためにマスメデイアに曝されて居なのかも知れません

筆者が本プロゼクトGMであったなら、必ず勝敗を左右する為の安全弁として複数の他のルートの開発と担保を確保して置きます。それは、本ゲームのキーを預かる指揮官としての鉄則でありプロとしての当然の戦略なのです。

此れが世界を相手に戦うスポーツ・ビジネスアドミニストレイターの真骨頂で、その真価を問われるこれが勝負どころです。次回ご期待ください。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:

如何でしょうか。頭脳明晰な読者の皆様の脳神経に刺激が与えられ、どんどんと神経細胞が活性化し、脳の各分野にインパルスがエネルギーを運び始めた時期でしょうか。次回は、本招致活動に於ける本論に入れたらと思います。