K'sファイルNO.108:中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

'sファイルNO.108中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

無断転載禁止           注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定

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中大リレーマラソンの閉会式も無事終了。出場選手、大観衆も去り静寂のステージの照明塔の下で三期生17名、聴講生4名は労いの言葉を掛け乍ら集まった。これから、機材等の撤収作業に掛かる前の信頼と絆の証しです。撤収作業は、夜中までかかりました。ご苦労さま。 提供:河田ゼミ三期生

 

                                                         信頼と絆

                                                     中大河田ゼミのモットー

 

Ⅱ.中大リレーマラソン・プロジェクト(後編)

はじめに

私たち河田ゼミ三期生は「スポーツを通じて中央大学を1つにすること」をテーマに中大リレーマラソンの開催と中大スポーツ・カレンダーの作製・無料配布を目標にこの3年間活動してきました。

中大リレーマラソン開催に向けて、様々なマラソン大会に主要ボランテイアとして参加し経験を積み、東京夢舞いマラソン実行委員会の方にも協力して頂き大会運営ノウハウを享受することができました。

カレンダー制作では、河田ゼミの先輩方が残したものを更に迫力のあるものにすることを目指し作成に尽力しました。今回のカレンダーでは、中央大学の47部会全てを記載する事に決め、中央大学スポーツの魅力を多くの方に伝えられるようにしました。

本報告書は、私たち河田ゼミの先輩方から続く「河田ゼミ五カ年計画」の最後の報告書になります。中大リレーマラソンはどのような過程を経て成功に至ったのか、中大スポーツカレンダーの作製方法及び学生への無料配布の2つの大きなプロジェクトの成功の軌跡をありのまま綴りたいと思います。

                  FLPスポーツ・健康科学プログラム 

                                                               河田ゼミ三期生一同  

                                                               ゼミ長:栗山政誠 副長:今田沙梨

 Ⅳ.実地調査・及び報告

1.コニカミノルタランナーズ24時間リレーマラソン 参加報告

参加者:今田、嶺岸、土屋、小林、津原、青山、水谷、森口、石川、篠原、川村、大友、山中、梅村、栗山、古谷

会場:富士北麓公園(山梨県富士吉田市

主催:一般財団法人 アールビーズスポーツ財団、富士吉田市陸上競技協会

コース:一周1.6

結果:228テイーム中81位 175週 走行距離 280

2.東京夢舞いマラソン実習 参加報告 実習終了証

   場所:大会会場(国立競技場)及びマラソンコース

   実習内容:大会準備、大会進行、大会受付及び障がい者受付、荷物あずかり、

                             救護、走路誘導、エイドステーション、スタート&フィニッシュ誘

                             導、救護活動、等。

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東京夢舞いマラソンでお世話になった津田さん(元TBS役員)提供:北川外志廣氏

 

中大スポーツカレンダー 完成報告  

1.企画概要 

  本企画は、初代河田ゼミが2006年に立ち上げたものである。彼らは何もないところから多くのフィールドワークを通して本企画を完成させ、2009年2月~2010年3月までのカレンダーを6300部作成した。私達現河田ゼミ生達は、初代河田ゼミ生が卒業した2009年4月より本企画を引き継ぎ、2010年10月~2011年12月までのカレンダーを6780部完成させた。以下に本企画概要をまとめました。

                     河田ゼミ三期生一同

                     企画責任者:今田 沙梨 副長

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中大カレンダー表紙(47部会)2010年~2011年度  提供:河田ゼミ三期生

(1)企画背景と目的

   河田ゼミは、中央大学での多くの運動部会が素晴らしい戦績を残しているにもかかわらず、一般学生がそれに対してあまり興味を持っていないということに問題意識を持った。運動部会に所属している学生との接点がない、大会日程や試合結果を知る手段が少ないといった事がその原因である。その結果、運動部会の試合の観客動員数が他大学に比べて、極めて少なくなっているのが現状である。河田ゼミでは様々な部会の試合に足を運んできたが、数少ない中央大学側の観客の多くを占めるのは、一般学生ではなく父母や卒業生であった。

そこでこの現状を改善すべく、河田ゼミでは運動部会と一般学生を繋ぐ媒体を作るべく、本企画を立ち上げることとなった。

先ず、本企画により一般学生が運動部会の活躍により興味を持つ事で試合に足を運び、運動部会を応援することで、中央大学のスポーツ全体を活性化させることを目的として掲げた。そしてより多くの一般学生に中大スポーツカレンダーを普及させる為に、無料配布と言う形を取る事にした。

(2)カレンダー構成

(3)カレンダー作成に当たって

 

2.成果・結果報告

  カレンダー6780部 完成(協力:父母連絡会)

   ①6500部・・・父母懇親会の記念品として、

   ②280部・・・封入作業代を得て、作成費に充てる。

  河田ゼミが父母連絡会より頂いた部数 

   ①より200部+1000部(父母懇親会の余り)

   ②より200部

   合計1480~1780部

3.使用用途

  本企画立ち上げ当初は学生への無料配布を想定していたが、父母連絡会より予想以上にカレンダーを寄付して頂けたので、河田ゼミが企画した中大リレーマラソンの参加賞として配布する事が出来た。詳細は以下に記します。

(1)カレンダー作成にあたり、お世話になった方々への配布リスト。

                        文責:今田 沙梨 副長

 

河田ゼミ三期生の総括

3年間の活動を振り返って~

三期生の英知とリスクマネージメントの結集

僕は、常日頃僕なんかがゼミ長で本当に大丈夫かと思っていましたし、今でもそう思います。自信が無いというわけではなくて、単にこれほどまでに個性的な面々と何かを目標に切磋琢磨することが非常に難しいように感じられてからです。個性的と略しましたが、余りに個性的です。僕よりも格段に仕事が早く男女、上下問わずズバズバ物事を言う方。あまり表立っての仕事はしないが、そつなく裏で誰も気付かないことを率先してやる方。パソコンでお絵かきするイケメン。ゼミ中に隙を見ては居眠りする方。考えは正しいものの表現の仕方が独特、いえ、奇抜でいつもひやひやさせる方。

河田ゼミの17人はそれぞれに違った個性が有り、素晴らしい能力があります。しかし、正直申し上げますとゼミ内には温度差がありました。それ故、「リレーマラソン」を成功させるにはその温度差の解消こそが僕がゼミ長として取り組むべき最大の仕事であったように思います

河田ゼミ一期生は、中央大学にスポーツカレンダーを残し中大スポーツの素晴らしさをアピールしました。2期生は、毎年行われるスポーツシンポジウムにて中大スポーツの集客率アップに貢献しました。

果して僕ら3期生は何ができるのか。先輩方の活躍が僕らには大きなプレッシャーとなってのしかかりました。日々「もし、何も残せなかったら」と考えてしまいました。しかし、そのプレッシャーを感じるゼミ生は何人いたのか。

2期生の最後のシンポジウムが終わった後、皆を呼び出しました。先輩が成し遂げたシンポジュウムを見て、何を感じたか。「リレーマラソンを成功させることが僕たちの成功なのではなくて,1人1人の成功のかたちがきっとあるはず」僕は、リレーマラソンが成功しようが、しまいがそれは二の次でいいと思いました。それは今でも正しい考えだと思っています。何故ならば、其々がこのリレーマラソンに対して「成功のかたち」なるものをもって取り組んでいれば結果は自ずと付いてくると信じていたからです。

僕の「成功のかたち」は、「ゼミ生全員が心からこの企画の成功を願う事」でした。単純な事ではありません。多くの苦悩がありましたし、わざと厳しい意見を言う事もありました。やがて、段々と「心から成功を願うゼミ生」の存在は増えていきました。1人、また1人と目を覚ませていくゼミ生が増えることに比例してこの企画の成功のパーセンテージは高くなっていきました。

 2010年11月6日。この成功の日。僕は一生忘れることはないでしょう。共に闘った仲間と支えて頂いた多くの方々に心から感謝したいと思います。

素晴らしい3年間でした。本当に有難うございました

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125周年記念中央大学リレーマラソン終了、夕闇迫る中大八王子キャンパス、3年間の汗と涙と苦悩から解放されて心から「BIG SMILE!やったぜ!」の瞬間! お疲れ様でした。                   提供:河田ゼミ

以上のように私たち河田ゼミは、3年間の活動を通して多くの方々と出会い、支えられ2つの大きなプロジェクトを成功させることができました。

2010116日の「中大リレーマラソン」の成功までの軌跡には、数多くの困難が有りました。何度も関係各所に足を運び、プロジェクトをプレゼンしては、跳ね返された毎日。予算の調達が難しく一時は開催が危ぶまれ、私たちの心は折れる寸前でした

そんな中、飛び込んで来た中央大学125周年記念の学生企画の話は、まるで嵐の中、暗礁に乗り上げた私たちの船に一筋の光を与えるようでした。大学側から予算が降り、開催に向けて本格的に準備をする私たちには既に一点の迷いもありませんでした

なんとかしてこのプロジェクトを成功させるという責任感のもと学生生活の全てを賭けて取り組んだことは言うまでもありません

多くの方々に協力していただき大会当日は107テイーム、ランナー852名を集め、華々しく「中大リレーマラソン」は幕を閉じました。ランナーへの笑顔や苦しそうな表情もまた、今までやってきてよかったと思わせてくれました

閉会式の挨拶でも申し上げましたが、このようなプロジェクトは本来、大学側が企画・運営していく、もしくは大学側が学生にこのような持続可能な実学演習の場を提供するべきであると考えます。どちらの場合でも大学側の協力は必要不可決です。私たち河田ゼミのプロジェクトもまた、大学側からの協力があってこその成功であったと思います。その成功を経て私たちは多くを経験し飛躍することが出来ました。これからのFLPないし、中央大学には、机上の空論のみならず実践に基づく「実学教育」の必要性が求められているのではないでしょうか

先にも述べましたが、河田ゼミが発足して早や五年の歳月が過ぎました。これまで河田ゼミを支えて頂いた方に改めてお礼申し上げます。激励のお言葉も、厳しいご意見も全て、河田ゼミ生の良い経験になり、財産になりました。この経験を活かし、これから飛び立つ世界でもまた、飛躍していこうと思います。

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河田ゼミ三期生:最後の集い、Thank you & Good Luck! そして、ありがとう。

 河田弘道ゼミの「信頼と絆」は、永遠に不滅です。

                    河田ゼミ三期生代表 栗山政誠

 

中央大学OBリレーマラソンに参加して

1. はじめに

 私は2010116日中大リレーマラソンに選手として参加した。晴天に加え、怪我人、病人も出ることは無く大会は大成功のもとに終了したと思われる。このイベントの完成度は非常に高かった。1つの大学が主催した大会でこれほどスムーズに運営されたイベントはこれまで無かったかも知れない。規定の5時間をメンバーと走り終わったとき私はこの大会が大学において通常行うイベントとは異なる雰囲気の下に運営されていると強く感じた。本レポートは私が中大リレーマラソンに参加した1選手として、また中央大学を卒業したOBとしてこの素晴らしいイベントに参加し感じたことをまとめてみた

2.イベントの成功

いかなるイベントも第一回は不測の事態は避けられない。中大リレーマラソン中央大学として初めてのイベントであったはずである。しかしその運営はほぼ完璧だった。選手として不満があるとすれば、荷物を置く場所にスタッフの姿が極端に少なく荷物から目を離したくないために開会式や催しを充分に楽しめなかったことか。しかし、多数のレースでは荷物は自己管理が通常であり、他の部分に問題があまりにも無いために感じた不満とも言える。晴天に恵まれたこと、怪我人、病人が出なかったことは幸運なのかも知れないが、スタッフのプログを見ると救護にもシュミレーションを怠っていなかったようだ。またコースの沿道にはスタッフが多く配置され、不測の事態には備えていたと考える。

選手達にゼッケン、参加賞と一緒に渡された大会の注意事項も徹底されたものだった。また、チアリーデイング・ブラスコア部の演技を初めとする催しによる選手以外の大会を見に来てくれた観客への配慮は大学主体のイベントとしては特筆すべきものである

これらの運営はファカルテイーリンケージ・プログラム(FLP)を受講しているゼミ生を中心に行われていたと聞いたが、大会の段取り、施設の使用方法および催しの企画は有名な大会やレースと比べてもなんら遜色のないレベルである。私は選手として参加したが、この大会は通常大学で行われるイベントとは異なる雰囲気を感じた。其れを次章で考えてみることにする。

3.学生の自治主体でなく、研究機関主体でもないイベント

 中大リレーマラソンは一言で言うなら本章のタイトルのようなイベントだった。大学で行われるイベントは主に2種類あると考える。大学祭のような大学における学生の自治活動が中心で運営される場合と後援会のような研究機関としての大学が中心で運営される場合である。この中大リレーマラソン中央大学創立125周年記念のイベントとして行われたがその雰囲気は前述した2種類とは異なるものであると感じた

大学祭に代表される学生の自治主体のイベントはその独特の大学の自治が主体となって運営される。中大なら中大、上智なら上智、慶応なら慶応といった大学の雰囲気が前面に押し出されることにその特徴がある。そして学生のためのイベントという側面が非常に強い。対象はやはり10代後半から20代前半ではないだろうか。幅広い年齢層が楽しめるというものとは趣向が異なると考える。後援会のような研究機関としての大学が中心で運営されるものはもっと対象が限定される。またこれらはイベントと言うよりも研究における機会・環境の向上のための側面が強い。

中大リレーマラソンは幅広い年齢層が楽しむことができ、かつ大学内を会場とすることで中大の現在というものをより良く知ってもらうことが出来るイベントであった。運営が学生中心であったが前章で述べたようにこれほどの水準は学生のみでは絶対に達成できない水準である。FLPのプログラムで学び経験したことが活かされているといった趣旨が学生のプログで述べられていた

学生中心のイベントであるが大学祭のような学生の自治が中心になった訳ではない。また研究のために人々が集められたものでもない。そこで見られたのは、中央大学FLPのプログラム)で学んだ学生が各自の能力を発揮して1つのイベントを社会人が中心になって行う場合と全く遜色なく行う姿でありそれを心から楽しむ参加者の姿であった

これには非常に大きな意味がある。大学祭のようなイベントでは研究・教育機関としての大学は殆ど関わらない。後援会のような研究機関としてのイベントでは学生が関わることのできる役割は限定される。しかし、中大リレーマラソン教育機関としての中央大学FLPのプログラムとして学生へ彼らの向上する場を提供し、その成果として社会人が主催する場合と遜色の無い水準でイベントを行うことができたからだ。学生に素晴らしい教育の場を提供出来たことに他ならない

そして今回の成功は中大リレーマラソンの根幹は第1回大会をもって既に完成されたと言える。このことはこのイベントが今後様々な発展と可能性をもっていることを意味する。有名人をゲストとして呼びイベントを大きくすることも可能だろう。各運動部と連携して競技に関連する運動教室の開催や地域に密着した活動も可能なはずである。

4.まとめ

 このイベントは成功したと言える。閉会式での参加した皆の晴れやかな顔がそれを物語っていた。そして大学がイベントを行う場合の新たな形も作ることができたのではないだろうか。中大リレーマラソンは今後の中央大学において大学祭以外の秋の風物詩になることができるイベントだと考える。大学は、研究を行うことが主であることは間違いがない。そのため大学の教育機関としての姿を外部に見せることは難しい。しかしこういったイベントを通して大学がどのように教育を行っているのか、学生に接しているかを外部へ発信することは今後の学生がさらにすくなくなる時代に重要ではないだろうか。2011年以降もこのイベントが秋の中央大学を大学祭とはまた違った側面から活気づけることを願ってやまない

                  提供:中央大学OBの投稿記事より~

                     20101122

最後に 

河田ゼミの研究課題と実践演習活動は、スポーツカレンダー、シンポジウム、リレーマラソンと言う三本の矢(課題)を、中大における大学スポーツと競技スポーツの改善、改革、構築を目指す上で、重要な「インフラ整備」事業になると位置付けて来ました一期生、二期生、三期生は、与えられた年月を強い信念と情熱に加え、常に高い志をもって各課題、テーマに当たって参りました。本年11月6日には、河田ゼミ5カ年計画最後の中大リレーマラソンを以って実践演習活動の集大成としました。私は、担当教員として縁あって出会った素晴らしい学生達並びに全ゼミ生達の個々の潜在能力とエネルギーに驚嘆しました。彼ら彼女らに今必要なのは、ポジテイブな心とクリエイテイブなモチベーション、環境であることを教えられました。ゼミ生達の日々の努力と責任ある実践・行動力に対して心から感謝を捧げ、今後の幸運と活躍を祈る次第です。

河田ゼミの実践演習活動は、内外の多くの方々の温かいご協力により支えられて参りました。特に1期生、2期生、3期生と全ゼミ生のご父母の絶大なるサポートにより今日を迎えた次第です。本実践ゼミに於いても、先輩ゼミ生達のサポートは勿論の事、三期生の父母達の献身的なボランテイア活動への参加、父母テイームとしても参加して下さいました。

父母から教員へのご挨拶では、「我が子供達の中大3年間は中大に通っているのでなく毎日が河田ゼミに通っていたようなものですので、我々も河田ゼミ生と申して過言ではありませんでした。子供達は、毎日生き生きと充実した学生生活を終えることができました。心より父母一同感謝致しております。」との過分なご挨拶を賜りまして身に余る思いでした

また、最後に本プロジェクトに対する貴重な中央大学OBの諸氏より沢山の投稿記事を頂きましたので一例として掲載させて頂きました。この場をお借りして心より御礼と感謝申し上げます。

                    河田ゼミ 担当教員 河田弘道

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

 お知らせ:河田ゼミ三期生のプロジェクトは、成果と結果を出してくれました。読者の皆様は、ゼミ生達の大学生活をどのように感じられましたでしょうか。目的・目標が明確な若者達の心と目は、輝いていた事にお気付きになられましたでしょうか。次回NO.109,110では、ゼミ生達の卒業前の心境と卒業後10年経った今の心境をお伝えできればと予定致しております。