K’sファイルNO.135:東京五輪延期の新たなる現実と試練(4)

K’sファイルNO.135東京五輪延期の新たなる現実と試練(

無断転載禁止             毎月第24木曜日公開予定

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お知らせ

この度は、NO.134に於いてスペースの関係でNO.133迄掲載致して参りました、「2020東京五輪リマインド・シリーズ・第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編を掲載させて頂きますのでご笑読、ご了承下さい

                 暗黒の東京五輪招致

 

目次

K’sファイルNO.135東京五輪延期の新たなる現実と試練(4)

前編のあらすじ

2020東京五輪リマインド・シリーズ(5)2019-02-21

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に

後編:2.2020東京五輪招致活動とリンクした権力闘争

                 ①2020東京五輪招致創世記

                ②呉越同舟2020東京五輪招致委員会

                ③2020東京五輪招致委員会理事会メンバー

                ④2020東京五輪招致委員会評議会メンバー

                ⑤真に必要な実戦部隊の人材は何処に

          筆者の素朴な疑問と私見

 

2020611日 木曜日 公開

■前編のあらすじ

主題「暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編に入るに当たりまして、NO.133での前編のあらすじをご紹介させて頂きます。

テーマを①2016東京五輪招致経過と結果、②許されない委員会理事・評議委員の振る舞いに続き、2016東京五輪招致委員会の役員をご紹介し、末尾には、「読者の皆さんは、是非このメンバーをご記憶して於いて下さい」と述べさせて頂きました。

これから2020年五輪招致委員会、20東京五輪組織委員会理事、役員名簿をご紹介するに当たりまして、最終的に誰が本2020東京五輪招致結果に対して神輿に鎮座し、そしてその担ぎ手は誰なのかをご想像頂けるかもしれません。そして、ポリテイカル・ビジネスゲームの勝ち組、負け組を理解され、読者のパズルの空欄を埋めることになるかも知れません。汚れたポリテイカル・パワーゲームのアクセルは、これから一気に踏み込まれて加速し始まるのです。本リマインドをよく理解された読者の皆様は、今日の東京五輪に関連する政治家と東京五輪組織委員会TOCOG)、電通IOCとの人間模様をより論理的に理解されると思われます。行間を読み解いて頂ければ幸いです。

 

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2020東京五輪リマインド・シリーズ(5) 2019-02-21

                                         暗黒の東京五輪招致 

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライ 

              ターは何処に

後編

2.2020東京五輪招致活動とリンクした権力闘争

2020東京五輪招致創世記

概要

石原慎太郎氏は、東京都知事に4期当選した後、2011410日に再度2020年オリンピック開催地への立候補をしたのです。そして同年915日に特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会(略2020東京五輪招致委員会)を設立。会長には石原慎太郎氏が、理事長には日本オリンピック委員会JOC)会長の竹田恒和氏が就任し、第1回理事会が開催されたのでした。

此処で本招致委員会は、何故か活動費の一部として広告代理店電通から約69,000万円借り入れたとされているのです。本件に関する双方の経緯は、書面に一切残されていないのか情報公開が国民、社会にはなされていません。双方の貸し借りへの対価は、何であったのか、またいつ返済したのかこれに付きましたも情報公開がなされないまま今日を迎えているのです。確か電通は、金貸し業も行っている企業とは存じ上げませんでした。

株式会社電通(略:電通)は、営利の広告代理店企業であり、招致委員会は非営利組織・団体でビジネス実践キャリアに於いては素人集団なのです。招致委員会は、電通を利用しようと安易に関係を構築して行ったのでしょうか。それ以降は、物心ともに電通を頼らざるを得ない状況が日々醸成、構築されて行ったのだろうと筆者は推測しています。この貸し借りは、後に東京五輪招致活動に必要不可欠なポリテイカルゲームへの情報の提供、物心の支援と全てを電通に頼らざるを得ない構造へと陥って行く結果となります

電通商法は、まさに日本の伝統的な近江商人の商法に酷似したビジネス手法の一つのように思えます。この手法は、丁度嘗て筆者が西武・国土計画に於いて堤義明社長から直接学んだ商法に驚くほど酷似している事が特徴であることを強く感じる次第です。

電通は、公益法人に対してバランテイアー企業活動をしているわけではなく莫大な収益を求める会社、企業であり本来は広告事業(ビジネス)を主体とした企業です。この事を本委員会の理事、評議委員、役員は、知らないはずがありません。逆に利用してやるくらいの浅はかな思考回路しかなかったのか、或はその時点で電通に公私ともに既に世話になっていた会長、理事、評議員、役人が多くいたのかも知れません

 

呉越同舟2020東京五輪招致委員会

2020東京五輪招致委員会は、上記のように2011915日に第1回理事会が開催さているのに対して、同年1128日には、政財界などの要人で構成した評議会の第1回会合が開かれ、131月には森喜朗副会長が評議会議長に就任したのです。この位置付けは、結果として東京招致が決まるまで同氏の顔(元日本国総理大臣としての)に泥を塗らないとの取り巻きの配慮、気配りであったのかも知れません。

此処に2020東京五輪招致委員会には、理事会のボスと評議会の頭の二頭体制が立ち上がり、これからいよいよ政争、利権闘争が開幕開演の火ぶたが切って落とされたのです。この招致委員会の構造から理事会、評議会は、招致獲得を制することにより、本パワーゲームの勝者も確定すると読んでいたと思われます。よって、理事会、評議会と二股をかけ先読み委員、役員、国会議員、都会議員達が居てもうなずけます。

企業電通は、どちらの勢力が勝利しても利益獲得する為に両陣営に協力、支援するのは当然のビジネスセオリーという次第です。電通は、IOCのパートナーでお墨付きの印籠を持っているのですからそして、委員会は、1130日に「ロゴ・マーク」が制定され、電通をスポンサー担当専任広告代理店として指名、契約を締結するに至った次第です。此処からいよいよ今日のTOCOG(東京五輪組織委員会)ライフライン電通に握られている様子が露骨に出て参る次第です。

本契約の経緯は、明らかにされていませんが入札でなく、当然随意契約であったようです。この事からもオリンピックビジネスには、フェアネスの論理など通じる筈もないということです

読者の皆さんなら、既にお気付きになったのではないでしょうか。東京五輪利権に関する抗争は、この招致委員会の中で既に繰り広げられていた構造と構図が見て取れるのではないかと思われますがいかがでしょうか。

この招致委員会の理事会と評議委員会の二頭体制のパワーゲームがこの度の2020東京五輪招致疑惑へとミスリードされて行くのです。この航路は、暗黒のネットワークへの入り口であったと思わざるを得ないのも無理からぬことなのです。

此の事を予知していた人物がいるとするならば、それは, 20東京五輪招致活動のシナリオライターが全てを見通していたと思われます。このシナリオライターこそが、ポリテイカル・ビジネスのビジネスアドミニストレイターとしてのプロフェッショナルその人なのでしょう。実践に強く頭脳明晰なシナリオライターは、世の中にいる事を後学の為にも是非覚えておいて頂きたく思うしだいです。また、自分だけが偉い、賢い、知恵者だなどと言いふらしているような方々は、このレベルの仕切りが出来る様な人物ではないのです。

この人物は、実在しても完璧なまでにその存在すら明かさない事をビジネスの鉄則としている方の様です。その理由としまして、企業は、この人物を表に出さない方が企業にとって得策であり、次のビジネス獲得への貴重で余人を以ては代えがたい戦力であるからです

2020東京五輪招致委員会理事会 

★は理事会/評議会の両方を兼務 

理事長 JOC会長 竹田恆和

副理事長/専務理事 副会長 水野正人  ミズノスポーツ(株)会長

副理事長 同専務理事 副会長 福田富昭

副理事長 同専務理事 市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会 伍藤忠春

副理事長 東京都副知事 佐藤広

理事 日本体育協会 岡崎助一

理事 JOC理事、国会議員 橋本聖子

理事 同国際専門部会員 鈴木大地

理事 パラリンピアン 成田 真由美

理事 JOC理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 JOC理事、国際専門部長 野上義二

理事 JOC理事(元東京2016招致委員会事務総長) 河野一郎

理事JOC 総合企画・国際部長(元東京2016招致委員会事務次長) 中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長 細井 優

監事 JOC監事 深津泰彦

監事 東京都財務局長 安藤立美

(以上マスメデイア発表より)

 

2020東京五輪招致委員会評議会 

★は理事会/評議会の両方

【会長】都知事石原慎太郎都知事 猪瀬直樹 (都知事は政争に敗れ去る)

[副会長】森喜朗(議長竹田恒和 米倉弘昌 岡村正

【事務総長】小倉和夫

【事務総長代行】樋口修資

【委員】水野正人 河野一郎 細井優★ 

国会議員、遠藤利明(後のオリンピック担当大臣)

猪谷千春 岡野俊一郎 鳥原光憲 張富士夫 山田啓二 達増拓也 

村井嘉浩 佐藤雄平 長谷川閑史 槍田松瑩 中村芳夫 上條清文

松本正之 広瀬道貞 秋山耿太郎 古賀伸明 福井正興 相川敬 

石澤義文 成清一臣 安西祐一郎 島村宜伸 土川健之 仲田和雄

松本好雄 石黒克巳 笹川陽平 王貞治 樋口久子 川淵三郎 鈴木寛 

奥村展三 溝畑宏

(以上マスメデイア発表より) 

以上2020東京五輪招致委員会の理事会、評議会メンバーです。

誰が何の目的で推薦、選考、任命したかの情報公開は一切なされていない。

 

⑤真に必要な実戦部隊の人材は何処に

2020東京五輪招致員会の理事会、評議員会には、まだ株式会社電通の関係者の名前をお見かけ致しません。しかし、電通に通じた代弁者は、姿を変えて同舟している事も見逃せません。本招致委員会の中には、残念ながら真のスポーツ・アドミニストレイターの姿は、お見受けしないようです。よって、メンバーには、オリンピック招致に必要不可欠な真の情報収集力とマネージメント力を兼ね備えた人物は期待できないように思われます。

近年の巨大なスポーツ・ビジネスの成否は、情報の入手力とそのリテラシーを如何に有効活用するか、まとめて判断、決断できるマネージメント力がキーワードとなります。その為のネットワーク力、即ち何処の誰が必要不可欠な情報のイグニッションキー(車のエンジンをスタートさせる鍵)を保有しているか否かにかかってくるという事です。そして、その情報が真の情報か否かを見極める為には、見極める観察・洞察力も必要不可欠であるのです。このように得た高価な情報は、次に如何にして活用するかリテラシーLiteracy)の能力に委ねられると申し上げて過言でありません。即ち、情報を知っているだけでは、その価値は評価できず、何の成果も結果も得られないという事です。それには、アクションが必要であり、アクションを伴う事はリスクをともなう、これがリスクマネージメントなのです。

本イベントを勝ち取る為、上記役員、メンバー達は、組織・団体を形成する為の社会、国民、都民を信用させるいわば担保のような方々なのです。これから必要不可欠な莫大な資金集めの為には、如何にして国民、都民に対して、また民間企業のスポンサーを信用させるための担保であり、集金ゲームの準備をする為の顔見世興行と理解された方が理解し易いかも知れません。日本社会に於いては、実力よりも肩書社会であることがこのメンバーを見てもご理解して頂けるのでないかと思われます。よって、肩書を得たら能力ある人材を登用せず、逆に潰す理由が此処にもあるという事でしょうか。

真に招致を勝ち取る為には、この時点で既にシナリオライターが描いた実践マニュアルに沿った真の情報の収集に日夜心血を注いでいる別働部隊が居たとお見受け致す次第です。そして最前線基地の人達には、このようなお飾り的な委員会、政治家、役人リストは招致を勝ち取るためには意味をなさない事を百も承知しているのです。

それは、既に2016東京五輪招致委員会の活動失敗での経験値から学習しているからでしょうか。勝つための戦略は、此の時期既に水面下で進攻して闘っている企業戦士達の高度な情報収集能力にかかっている次第です。

 

筆者の素朴な疑問と私見

本招致ゲームに勝利する為に必要なキーを誰が握っているか。そしてその確証を握る人物に如何にして近づき票獲得の確約をさせられるか。そこでは、どれ程の軍資金が必要でその確約をどう担保できるか。ゲーム展開からみて、勝敗の分かれ目は、IOC委員の数十票に全てが集約される。それは、リオで見せつけられた開票結果からであったのです。本件のシナリオライターは、リオがモデルと判断し、情報の集約とキーマン達に近づくコネクション作りと闇のルートの構築とその実行に心血を注いだのです。

勿論、本シナリオライターは、勝者リオ招致の分析、IOC委員達の動向、等、全ての情報を入手していたと推測出来ます。要するに、2020東京五輪招致の勝利の方程式は、リオ招致成功マニュアルのコピーであった、と言われても不思議ないと筆者は分析致しておりますその証は、20東京五輪招致疑惑がリオ五輪招致事件の首謀者、中継者、運び屋まで酷似である事からも、疑われてしかるべきなのかも知れません

此処で、プロのスポーツ・ビジネスアドミニストレイターが事を動かせるキーパーソンに近づく為には、最新の情報、手立てを一番よく実践経験を通して持っているIOCの中枢に一番近い組織・団体のコマンド部隊(ロビースト達)を動かさざるを得なくなるのです。また、勝敗の行方を担保する為には、この度の招致疑惑のルート以外に複数のルートを開発している事は容易に想像できるのです。しかし、現時点では、他の複数のルートに付いては、フランス当局が追っている事件(ロシア陸上競技選手のドーピング問題に関するフランスでの資金洗浄に端を発した)との関わりを持たないためにマスメデイアに曝(さら)されていなのかも知れません。

筆者が本プロゼクトGMであったなら、必ず勝敗を左右する為の安全弁として複数の他のルートの開発と担保を確保して置きます。それは、本ゲームのキーとなり裏舞台を預かる指揮官としての鉄則でありプロとしての当然の戦略の1つなのです。

此れが世界を相手に闘うスポーツ・ビジネスアドミニストレイターの真骨頂で、その真価を問われる勝負どころなのす。次回ご期待ください。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

お知らせ:

この度は、2020東京五輪リマインド・シリーズ(5)の第四弾:「暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編を掲載させて頂きました。今日に於いては、東京五輪開催が延期となりました今、本五輪開催の起源となる招致活動が関係者の権力闘争とリンクしていたなど国民、社会は知る由もありません。しかし、この起源は、開催延期となった現在に於いても利害、利権の闘争は次なる権力闘争に向かって行われています

次回NO.136は、引き続き権力闘争が赤裸々に展開されてゆく様をお伝えできれば、読者の皆様には現在の舞台と此れから起きる舞台裏をイメージして頂けるかも知れません。

紹介:「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

小野塚テル氏の読後感をご紹介します。以下URLを貼り付けてご検索下さい。

https://lp6ac4.hatenablog.com/entry/2019/05/30/055