KファイルNO.158:2020東京五輪組織委員会に於ける権力者

KファイルNO.158:2020東京五輪組織委員会に於ける権力者

無断転載禁止                            注:毎週第二、第四木曜日掲載予定

読者からの便り:

KファイルNO.157拝読致しました。東京五輪の招致活動から今日の日本政府、東京都、組織委員会JOC等々の国内五輪関係者に至る諸悪の根源が政治家を中心とした黒い利権集団が関与しての事であった事が鮮明になりました。そして、IOCを動かしている弁護士集団もまた同種の集団であることも明らかとなり、オリンピック理念が形骸化し、今後存続が危ぶまれる様子が伺えます。政治家達がここ迄五輪とスポーツ界に首を突っ込んだことで国内でのオリンピックの本来のイメージが破壊されました。この大罪は今後相当なダメージと禍根を国内のスポーツ界、教育界に負の遺産として残ると思われます。河田先生の残されているこの貴重な史実と事実は、これから将来貴重な資料として次世代に継承されていくことに違いありません。国内の弁護士、有識者には、五輪の理想論を述べ、綺麗ごとしか語らない平和主義者達が沢山います。平素からその人達は、忖度からか厳しい社会に目を背け夢追い人間と化している事も此の度よくわかりました。また、我ら大学で専門家と自称する者達、そして所属するスポーツの各学会、等も貴重で重大な局面のこの東京五輪に関して何の専門的な知見に立った発言、発信も出来ず、大学、社会貢献も出来なかった事は我々の研究が実践にいかに役立たないかを露呈してしまったことを思い知らされました。

先生の誠実な実践に即した論理には、我々指導者に対する指導書とし大変貴重なバイブルです。先生のKファイルを書籍にして頂けたらと読者を代表してお願い致します。 読者より (現大学教授・学部長職)

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目次

心優しき鉄人と不徳なリーダーの思惑

1.心優しき鉄人を苦しめたパワハラ

       輝く太陽の唐突な変心と変身

       室伏広治選手の歩み

       室伏広治氏の不可解な行動と決断

2.筆者の私見と素朴な疑問

       二つのキーワーズ

       筆者の疑問

       筆者の私見

3.室伏広治氏に贈る言葉

  先ず病に打ち勝つ事

  本来の誠実な自分を取り戻して欲しい

  室伏広治は優しい鉄人

 

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2021年5月27日 木曜日    公開

KファイルNO.158:2020東京五輪組織委員会に於ける権力者

心優しき鉄人と不徳なリーダーの思惑

1.心優しき鉄人を苦しめたパワハラ

輝く太陽の唐突な変心と変身

はじめに

読者の皆さんは、「室伏広治」という名前を聞くとどの様なイメージが浮かびますか。陸上競技ハンマー投げ選手、鉄人、五輪、世界陸上大会でのメダリスト、日本人離れした体幹、等とイメージされるのではないでしょうか。筆者には、親子二代に渡るハンマー投げ選手で日本の顔、ミズノMIZUNO室伏広治の強烈なイメージが焼き付いています。そして、オリンピックで金メダルに輝いた時には、確か上位選手が薬物違反行為により繰り上げ1位となった時に室伏選手はクリーンアスリートの象徴としてのイメージを内外に強く印象付けました

室伏広治選手の歩み

 室伏広治氏(Koji Alexander Murofushi)は、1974年10月8日に静岡県沼津市で生まれ、幼少期を愛知県豊田市や米国で過ごし、千葉県成田高校に入学してハンマー投げを始めました。父親は、室伏重信氏で「アジアの鉄人」の異名を持つハンマー投げの名選手でした。母親は、ルーマニアやり投げ選手で欧州ジュニア選手権にて優勝経験のあるセラフィナ・モリツさんです。広治氏は、父親の影響を受けて父の職場である中京大学に1993年に入学。父がコーチを務めての二人三脚でハンマー投げに打ち込んだ姿は長きに渡り人々に感動を与えました。

まさに両親の優秀なアスリートとしての遺伝子を受け継いだ、サラブレッドが日本に誕生したのでした。そしてそれを裏から多くの方々が支え、今日の室伏広治氏があると確信します。

その後、室伏選手は、輝かしい太陽の如く国内競技大会は元より、オリンピック、世界陸上大会と破竹の勢いでメダルに輝き、日の丸を競技会場に掲げてきたのは、皆さんもご承知の通りです。しかし、彼にもアスリートとしての終演が訪れ、2016年6月の日本選手権大会を最後に競技者引退の意向を表明したのでした。

この頃から彼の人生には、大きな転機が訪れていたのかも知れませんアスリートとしてより、名誉職的な肩書を次から次へと背負い込む事が多くなりだしました。2016東京五輪招致委員会の理事として、日本陸上競技連盟の理事として、そしてそれに伴うJOCの陸連代表としての理事に就任するのです。これらは、今は亡き小掛照二氏(元三段跳びメダリスト、大昭和製紙陸上部総監督、日本陸連強化本部長、理事、副会長、JOC理事、早稲田大学卒、等々)の絶大なる支援、指導の下にお世話になったと記憶しています。

 その後、2016年東京五輪招致委員会理事として、2020東京五輪組織委員会の発足と同時に委員会の中枢を担う「スポーツ局長」としての要職が与えられ、次に「スポーツ・デイレクター」という要職を、補佐を付けて業務を遂行されてきたようです。本来、スポーツ局長、デイレクターには、どのような職責、責務と組織委員会では位置付けているかは不明確。同氏のその後の言動、行動から推測しますと、彼は、内外に対する組織委員会の広報部員で広告塔として位置づけられていたのかも知れません。

 選手生活以外、殆ど社会に置ける実践キャリアを持っていなかった為に専門分野以外の重責は、大変なことと推測されます。しかし、彼は、全て引き受けてしまったのでした。この事は、メダリストがオールマイテイーで何でもできると安易な思考がそうさせているのかも知れません何故ならば、昨日までアスリートとしての競技生活のみに従事して来た選手に対して、今日からトップマネージメント能力が要求される肩書を渡すのですから、渡す組織委員会側も不安であった事と思われます。その証として室伏氏の補佐としてスポーツ局長時には、スポーツ用品メーカー(ASICS社)のベテラン重鎮を付けられ、スポーツ・デレクター就任後は、省庁からの役人を補佐としている事からも理解出来ます。それでは、何のために誰が室伏氏をこのポジションに推薦、任命したのでしょうか。

 昨年2020年に室伏広治氏は、何とスポーツ庁長官として突然任命されたのには驚きを隠せませんでした。この人事も前任者の鈴木大地氏と同様に森喜朗氏の推薦で時の文科大臣が任命したことに成っているようです。長官の席は、メダリスト専用の椅子で未来の政治家を養成する為の肩書的な特別席を設けた椅子のように筆者には見えて仕方ありません。

室伏広治氏の不可解な行動と決断

特に、中京大学時代から物心両面でサポートしてもらっていたのはまぎれもない「ミズノスポーツ」でした。大学卒業後は大学院に通いながらの選手生活に於いてもミズノ株式会社の社員として長く役員待遇まで受けて来られたようです。ミズノスポーツは、たぶん商品価値の高いアスリートとしてのみならず、社員として将来の幹部候補生として長期に渡り育てられてきたのかも知れません。

社内に於いては、「輝く太陽」のような扱いを受け、特別扱いをされて来られた様子が目に浮かびます。本人も自ら輝く太陽と自負していたようです。

室伏氏は、長くお世話になった中京大学に別れを告げて「東京医科歯科大学(国立大学)の教授」職に突然就任されました。日本の大学教育機関においては、教授職に課せられる業務は通常週最低7コマの講義授業とゼミ演習が課せられています。本来大学の業務を真面目に遂行しますと教授職は、時間が足りない筈です。これは、筆者の実践経験からもそう思います。

現在の大学での約束された職責、責務は存じ上げませんが、通常特に国立大学の規定は、文科省の直轄教育機関でもありこのような順序を飛び越えた人事は不可能に等しい出来事でした。文科省は、伝統的な国立大学の人事、昇格の規定を超越してまでこのような人事昇格を断行するには相当な圧力が何処かから個人的にあったと推測されるべきでしょうか筆者は、広告塔としての室伏広治氏であって欲しくないと願う次第です。

2020東京五輪組織委会が設立された時には、組織委員会のスポーツ局長(実質の職責、責務は不明)としての位置付けで迎えられたのでした。丁度このような時期を前後して彼の身辺に異変が起きたようです。思えば、中京大学時代から今日までの長きに渡り、ミズノ株式会社の役員待遇として物心ともに支えてもらった会社、そして水野正人氏に別れを告げる日がやってくるとは、誰が予期、想像したでしょうか。多分ミズノ社員達は、驚嘆した事でしょう

2.筆者の私見と素朴な疑問

二つのキーワーズ

 本Kファイルのキーワーズは、二つだと思われます。その一つは2020東京五輪のスポーツ用品カテゴリーのオフィシャルサプライアー権が、株式会社アシックスに決定した事。二つ目は、あれほど長きに渡り物心ともにお世話になったミズノ株式会社の室伏広治氏が突然、それもいとも簡単に自らの手で会社に辞表を提出した事です。

読者の皆さんは、驚かれたのではないでしょうか。この件に付きましては、当時小さく報道されていたような記憶があります。マスメデイアは、何故か報道する事を躊躇(ためら)ったようであります。まさか、組織委員会への忖度があったとは深読みすぎるでしょうか。

筆者の視点は、この二つのキーワーズが互いにリンクしていたのは疑う余地がありません即ち、オフィシャルサプライアー権の判断・決断権を持っているのは、組織委員会の最高責任者の森喜朗氏であり、ミズノ株式会社に辞表を出す判断・決断をしたのは、室伏広治氏です

室伏氏がミズノに辞表を提出したのは、組織委員会のオフィシャルサプライアーが決まった後でした。よって、同氏の判断・決断は、本件に深く関わりがあったと思うのが妥当だと思います。その証しは、その後の室伏氏の行動により明確になるのでした。

それは、室伏氏が何とミズノ株式会社に辞表を提出し、受理された後、同氏は、返す刀で株式会社アシックスと契約をして親子二代に渡りお世話になってきたミズノの看板を自らの手で掛け代えた事実でしたこれに対する自らの説明もなく、ミズノ社に対する感謝の謝辞も見当たらなかったと記憶しています。

■筆者の疑問

筆者の本件の素朴な疑問は、何故このような行為が簡単に彼には出来たのかという疑問です。筆者は、誤解を恐れず幾つかの疑問を項目別に挙げてみました。

1.所属先のミズノスポーツ及びオーナーの水野正人氏は、負け組になったからか。

2.現在の2020組織委のスポーツ・デイレクター(当時はスポーツ局長)の要職に居た いのならば、看板を掛け代えろと強い圧力が掛かって追い込まれたので決断したのか。

3.自身の周りの環境は急変し、自分は、何があっても目先の東京五輪のスポーツ局長のポジションは失いたくないとの思いが優先してしまったのか。

4.長年に渡り後ろ盾となって指導して頂いた、小掛照二氏亡き後自身に尊敬する指導者を失い、陰湿な誘惑と圧力に屈したのか。

しかし、後に結果としては、このポジションは失いデイレクターのみの肩書となった。筆者は、以上が素朴に頭に浮かんだ室伏氏の心中ではなかったかと推測する次第です。これらは、どれも当を得た素朴な疑問ではないでしょうか。

ここで見逃してはならない重要なポイントは、若しも筆者の素朴な疑問の2.3.項目がミズノ退社のトリガー(引き金)であったならば、これはまさしく現在我が国のスポーツ界に於いて社会問題となっている「パワハラ行為」即ち暴力が組織委員会の内部で起きた由々しい出来事なのではないかと推測する次第です。残念ながら室伏氏が長年物心共にお世話になったミズノスポーツに突然辞表を出し、ミズノスポーツの室伏広治氏として社会とファンにも何の説明も無いのは、誠に筋の通らない彼の行動と思われます。室伏選手は、アスリートとしてクリーンであったので、是非社会人としてのクリーンな室伏氏を貫いて欲しいと願う次第です。

筆者の私見

これは、筆者の私見としてお聞き頂ければ幸いです。

室伏広治氏は、自身の中で現在の自分の本業は何かという事を明確にして欲しいという事です。室伏氏の心の中には、いつまでも自分は、輝く太陽で在り続けたいとする過去の栄光から抜け出せないでいるのかも知れません。これらの現象は、嘗てのプロ野球のスター選手にもよく見受けられます。

筆者は、室伏氏がミズノスポーツと縁を切り、ライバル企業のアシックスと契約する事の重大さを十分熟知し、思慮あっての行動とは思えませんでした。なぜならば、彼自身には、その判断をするに十分な社会的な知識と経験がなかったと思うからです。ミズノスポーツを去って彼に残ったのは、組織委員会の理事、評議委員ではなく大会の1広報担当者のように思えてならないのは私だけでしょうか。彼は、東京医科歯科大学(国立大の教授職)の要職との掛け持ち等不可能に近いと思われます。まさか国立大学では、講義授業、ゼミ、研究の業務も無く、大学のパーテイーでの顔出しが業務であるなど信じたくもありません。

朝日新聞朝刊(2019・3・13掲載)の記事には、某トーク・セッションで、室伏氏は、「スポーツの裏にこそ大切なものがある」と講演されているようです。彼には、何が本当に大切なものに見えたのでしょうか

室伏氏は、これからの長い人生の中でこの度の判断と決断がどうだったのかの答えを得る時が来ると思います。彼は、政治家ではありませんので誠実にそして正直な人生を歩んで行って欲しいと願うのは筆者だけでしょうか。或いは、現在彼の後ろ盾となっている方は、将来彼を国会議員にと思いをはせて派閥の頭数を文科省にまた増やそうと考えているのかも知れません。筆者は、何があってもいつも個人的に室伏広治氏を応援しています。

3.室伏広治氏に贈る言葉

先ず病に打ち勝つ事

 この度貴殿が病と闘っているとの事は、先月報道を通して知ることになりました。あの頑強で鍛え抜かれた身体に病などに取り付かれるチャンスをどうして与えてしまったかと理解に苦しみます。順風満帆な人生を歩まれている様子とお見受けしていましたが、心の何処かに疫病神に取り付かれる隙を与えたのかとふと思いを巡らしています。

■本来の誠実な自分を取り戻して欲しい

 貴殿が過去にご恩になった会社関係者、経営者への礼儀を逸脱した行為は許されるものでないと、私は今も思っております。貴殿には、どうしようもない事情があったのでしょう。私は、貴殿が家族思いの優しい心の持ち主である事は十分に承知しています。そして、誰よりも誠実で正直な心を持って生きて来られた事も理解しています。その貴殿が人の道を誤った判断により行動をされたことには、それ相応の理由が当然あったのでしょう。しかし、それをあなた自らの口で説明しない限りは他人には理解されません。私は、多分あなたの優しい心からして、どなたか権力のある方に何かをやって頂いた過去があるか、或いは自身が東京五輪組織委員会の要職に居たかったので、自らを戒めることが出来なかったのでないかと危惧しています。

室伏広治は優しい鉄人

 小掛照二氏が存命であれば、貴殿には、礼節を通すことを諭された事と思います。どうか一日も早く健康を回復される事が先ず大切です。そして、あなたは、「輝く太陽」の笑顔と心優しい誠実な室伏広治さんに戻ってください。水泳の池江瑠花子選手は、不治の病から立ち直り復活されて「輝く月」の笑顔を取り戻されました。どうかポジテイブな心を持って、日々の回復に努めて下さい。そして、あなたがお世話になった内外の指導者、関係者の皆さんに元気な姿を見せて下さい。

あなたが大切にして来たオリンピック東京大会は、どのような形であれ終演します。これを持って、室伏広治の新しい第二の人生のスタートとして下さることを心より願っております。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

お知らせ:

本シリーズは、現在の東京五輪の危機的な状態を鑑み、リマインドとして加筆させて頂きました。読者の皆様には、何も知らなかった方が良かった、と呟かれている方もいらっしゃる事でしょうか。次回、Kファイルは、クリーンな招致活動でフェアーな五輪開催に成功した例を「リマインド」として再公開させて頂く予定です。これは、また、広告代理店「電通がスポーツ電通」として世界にパワーを轟かせる「礎」となった今日の電通五輪ビジネスであります。

 

 

KファイルNO.157:2020東京五輪からミズノスポーツが抹殺/その理由

KファイルNO.157:2020東京五輪からミズノスポーツが抹殺/その理由

無断転載禁止                     毎月第二、第四木曜日掲載予定

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筆者からの便り

ワシントンポスト紙の真の女性ジャーナリスト・記者をご紹介

彼女は、嘗てピューリッツアー賞のファイナリストにまで名を連ねた超有名なベテランライターです。

5月5日付け(EST)のワシントンポスト紙(略:WP)の東京五輪開催の問題点を大変リアルに表現され全世界に報道がされました。筆者は、この記事に同意します。この記事は、そのタイトルがまたセンセイショナルで「ぼったくり男爵(日本語訳)」とIOCのT・バッハ会長をこのようなキャッチコピーで表現され非常に強烈なインパクトを読者に与えました。今や世界中で、流行語大賞にノミネートされる勢いでマスメデイアが扱っています。此の旨は、同記者に伝えて置きました。彼女からの返信は、「Wow. Really? I hope the article does good. Thank you for letting us know.」だそうです。原文の表題は、「Japan should cut its losses and tell the IOC to take its Olympic pillage somewhere else」となっています。IOCのT・バッハ会長以下幹部達は、この報道を読みどのような反応をしたのでしょうか。内心は、きっと血液が血管を逆流しそうになってドイツビールをあおった様子が瞼に浮かびます。

東京五輪組織員会(略:TOCOPG)は、IOCのバッハ会長が5月17日に日本訪問する事を以前より告知し、内閣府まで緊急事態宣言を極端に短縮し、国民社会の生命を犠牲にしてまで、バッハ氏一行を迎える為の準備をして来ていたのは事実の様です

しかし、ワシントンポスト紙の報道後、IOCは、バッハ会長の日本訪問を急遽取り止めの発表を5月7日に伝達して来たのだと思われます。

TOCOPGの橋本会長は、急遽IOC会長の訪問が中止になった事を他の理由に置き換え、苦し紛れの発表をしたのが印象的でした。本来東京五輪の主体は、何処の誰にあるのでしょうか。日本側には、その自浄能力が今や無いに等しいのでこの度もワシントンポスト紙が本件の問題とその処理、解決方法、手段まで手取り足取り指導して頂いた記事内容であったと筆者は理解致しております。

ワシントンポスト紙のこの記者(Columnist)氏は、昨年の確か3月下旬にも優柔不断な態度で開催か延期か中止かの結論が出せない日本側、IOCに対して、強い発信記事を世界に投下しました。その後、日本側の政治家達とIOCのバッハ氏の密室での会合で「延期」を選んだ次第でした。

この度は、只「開催します」との優柔不断な言葉だけで内外に何の公式な告知も根拠も示さない日本側とIOCに対してトマホークを打ち込んできたと理解するべきです。二度に渡る重大な東京五輪に関しての日本側の取るべき判断と決断を世界に発信した勇敢な記者は、サリー・ジェンキンズ記者(Sally Jenkins)でした

S・ジェンキンズ記者は、米国テキサス州フォートワースで1960年10月に誕生した女性記者です。彼女は、スタンフォード大学で英文学を専攻、父親のダン・ジェンキンズ氏も有名なライターでありました。サリーは、長くスポーツイラストレイテッド誌に所属していましたが、後に現在のワシントンポスト紙に移籍し、同紙のエースColumnistの一人として活躍されています。

この原稿から、筆者は、ワシントンポスト紙がIOCのバッハ氏に「文句があるなら我々を告訴しなさい。あなたにその勇気があるなら」と喧嘩を吹っかけている印象を強く抱きました。彼女の勇気ある正論記事により、現在東京五輪開催、中止の是非が世界に大きなトルネードを巻き起こした事は明らかです。また、機会がありましたらサリー・ジェンキンズ記者に付いて改めてご紹介させて頂ければ幸いです。

日本では、森喜朗氏の度重なる暴力発言からこの度はジェンダー論が俄(にわか)に巻き起こっています。しかし、私は、サリーさんのような世界に通用する真の日本人女性ジャーナリストが先ず一日も早く日本に出現して、日本のジャーナリズムとジャーナリストをけん引して欲しいと願う次第です。Kファイルの読者の皆様は、どう本記事の一部を受け止められましたでしょうか。残念ながら日本のマスメデイアでは、本記事の全文が日本語訳されないので読者の皆様には真の情報と内容が公開されないのが至極残念であります。

本WP記事は、日本のマスメデイアに対しての「あなた方ジャーナリストの使命は何なんですか、しっかりしなさいよ!」と問われているような気がしてなりません。

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読者からの便り~

Kファイルを毎日ワクワク、ドキドキしながら次回を待ちきれない思いで拝読させて頂いています。私は、既にTV業界の一線からは退きましたが、河田さんの信念を後輩たちに学んで欲しいと拡散させて頂いています。また、このところのマスメデイア記事に対する河田さんのComment by Hiromichi Kawadaの鋭い切れ味のコメントには、我々読者の心のストレスを代弁して下っている思いです。Kファイルを読み始めてから他のマスメデイア報道、新聞メデイアの報道が物足りなく、何か忖度ばかりの様に感じてならないのは私だけでしょうか。それらは、みな当たり障りない報道、記事ばかりの様で個々の個性が感じられません。どうして報道機関は、Kファイルのように情報を誠実、正直に我々に公開してくれないのか。これでは国民、社会は情報操作された情報しか与えられていない様に思えてならないのです。私は、過去の自分の言動、行動を今更ながらに反省しています。Kファイルは、一種独特な人を引き付ける求心力とカリスマを兼ね備えています。それらは、無数の修羅の刃がここかしこと眼光鋭く光っているからかも知れないと思います。このような書き手の作品は、私の生涯で後にも先にも最初で最後の実践者ならではでないかと思います。Kファイルを読むと自身の心の弱さ、醜さに気付かされます。

読者より (大手TV企業の元役員)

 

目次

KファイルNO.157: 2020東京五輪からミズノスポーツが抹殺/その理由

公益財団法人2020東京五輪パラリンピック組織委員会

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える!

  先ず初めに

   ①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

   ②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック組織委員会(2018年11

    月28日現在)

2.IOCスポンサーと国内スポンサーとは

   ①国内五輪協賛スポンサーに本命登場

筆者の素朴な疑問と私見

 

=======================================2021年5月13日 木曜日   公開

KファイルNO.157: 2020東京五輪からミズノスポーツが抹殺/その理由

公益財団法人2020東京五輪パラリンピック組織委員会

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える!

先ず初めに

前回は、2020東京五輪招致の勝利報告、それに伴う2020東京五輪パラリンピック組織委員会(略:TOCOPG)に絡む人事抗争の一環に於いて、招致委員会で活躍され、誰もが次なる組織委での活躍を期待した水野正人氏(当時:20東京五輪招致委員会、副理事長、事務総長、専務理事、JOC副会長)が、突然の退場勧告を受けた模様について述べました。

そして、水野氏は、その後全ての役職から姿を消し、JOCの副会長のポジションも退任された次第です。当時よりJOC会長で招致委員会の理事長として、水野氏と両輪で闘ってきた竹田恒和氏は、何故水野氏を擁護されなかったのでしょうか。同氏には、その力がなかったか。或いは、ご自身を守るのに精一杯で事の次第を見て見ぬふりをされたのかも知れません。まさか、この時竹田氏は、今日の20東京五輪招致に関するIOC委員達の買収疑惑の矢が自らに向けられていることを察知していたのかも知れません。

この度の招致活動の旗振り役は、最初は東京都知事だった石原慎太郎氏であり、次に猪瀬直樹氏、さらに舛添要一氏へとバトンが引き継がれて行きました。しかしどの知事も身辺がクリーンでなかった為役職を追われることになりました。そして、献身的に活動された企業家の水野氏も姿を消し、竹田氏もまた招致買収疑惑の責任を問われ、JOC会長職の任期延長が取り沙汰されていたにも関わらずこの後不本意ながら退いて行かれたのです。此処に負け組の顔触れは、略出そろった事になるのでしょうか。しかし、国会議員、都議会議員達は、招致の勝利に沸き立ち、利害利権を期待していたのでしたが、組織委員会の人選が進むに連れて声一つしなくなったのもこれまた政治家としての処世術の一つなのかも知れません。

そのような不穏な空気が淀む中、20東京五輪組織委員会の設立に向かっての選考人事、予算案、協賛スポンサーシップ、等の作業が準備会議を中心に粛々と進行されて行くのでした

①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(略称:TOCOPG The Tokyo Organizing Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、2014年1月24日に発足し、2015年1月1日付で公益財団法人となりました。此処で読者の皆様は、組織委員会が公益財団法人である事をしっかりと記憶して於いて頂ければ幸いです

20東京五輪組織委会・会長には、森喜朗氏(内閣総理大臣、元文部大臣)が就任し、副会長には、何と現役衆議院議員遠藤利明が就任されたのです。それでは、政府に居る五輪担当大臣の桜田義孝は、何をする為の大臣で遠藤氏は何のための衆議院議員なのか。これでは、政治家の為の政治家による東京五輪である事を歴史に負のレガシーとして刻んだ事を意味すると筆者はスポーツ・アドミニストレイターとして申し上げて置きます。

そして事務方のトップには、事務総長として武藤敏郎(元日本銀行副総裁、現大和総研名誉理事、森喜朗氏の推薦、任命)が就任したのですまた、理事には、複数の国会議員が顔を揃えています。しかし、16年招致委員会で失敗した事務総長の河野一郎氏が副会長に入り、20年招致委員会で勝利した事務総長、専務理事、副理事長、JOC副会長の水野正人氏の名前は、最後まで外されていたのです

これは、本来スポーツ・アドミニストレイターが行うフェアーな人事ではありません。本件に付いては、一切の情報公開は成されていないのでないかと思われます。読者の皆様は、このような密室での人事が成された理由をご存知でしょうか。まさにこれは日本の政界の総理総裁、閣僚人事の伝統的な人事手法そのもので、スポーツ界に取っては暗黒の組織委員選考人事のような気がしますが、クリーンで清潔な人物は居なかったという事の様です1つ政界とは異なるのは、野党が居ないので反対、反論する立場の人間が誰ひとりとして居ない事です。

そして委員会の役員の皆さんは、皆本業から所得を得、組織委員会からも莫大な報酬を受け、諸経費も付帯され、バランテイアー活動者の顔をした高額所得者なのです。組織委員会は、法治国家に相応しい公益財団法人の組織・団体とは言い難い構造的な問題を抱えながら文科省は許認可を出しているのです

また、2014年4月17日には組織委員会は、国内の協賛企業獲得を行なうマーケティング専任代理店を公式に株式会社電通(略:電通)を指名しました。そして、電通の代理として高橋治之氏(元電通専務、現株式会社コモンズ代表取締役会長)を組織委員会理事として迎え入れたのです。此処で森喜朗氏は、自身の神輿の担ぎ手キャビネットのお披露目をした次第です。その後、複数の理事等の不思議で意味不明な交代が在り今日に至っています

 

②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック 組織委員会(2018年11月28日現在)

評議員 名簿

https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/structure/councillor/

■役員理事 名簿

名誉会長

一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長

キヤノン株式会社代表取締役会長CEO       御手洗 冨士夫

会長:森 喜朗 元内閣総理大臣 公益財団法人日本スポーツ協会最高顧問      

副会長:遠藤 利明 衆議院議員 2020年東京オリンピックパラリンピック大会推進

          議員連盟幹事長 公益財団法人日本スポーツ協会副会長

   :津賀一宏 パナソニック株式会社代表取締役社長        

   :河野 一郎 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構理事長   

         国際オリンピック委員会委員

   :竹田恆和 公益財団法人日本オリンピック委員会会長(JOC)      

        国際パラリンピック委員会理事  公益財団法人日本障がい者スポー

        ツ協会

   :山脇 康 日本パラリンピック委員会委員長          

   :猪熊 純子 東京都副知事                   

 専務理事(事務総長):武藤敏郎 株式会社大和総研名誉理事   

 常務理事(副事務総長):布村幸彦  元文部科学省スポーツ・青少年局長       

 常務理事:平岡英介 JOC副会長兼専務理事

理事:作詞家                      秋元 康

   麻生セメント株式会社代表取締役会長        麻生 泰

   公益財団法人日本オリンピック委員会理事      荒木田 裕子

   公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事   泉 正文

   東京都オリンピック・パラリピック準備局長     潮田 勉

   福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長    王 貞治

   一般財団法人世界少年野球推進財団理事長      

   日本政府代表 中東和平担当特使          河野 雅治

   東京都議会議員                  小山 くにひこ

   JOC副会長                    齋藤 泰雄

   スポーツ庁長官                  鈴木 大地

   東京都議会議員                  髙島 なおき

   株式会社コモンズ代表取締役会長(元電通専務)   高橋 治之

   オリンピアン(体操)               田中 理恵

   オリンピアン(柔道)               谷本 歩実

   トヨタ紡織株式会社取締役会長           豊田 周平

   公益財団法人日本障がい者スポーツ協会       中森 邦男

   日本パラリンピック委員会事務局長        

   パラリンピアン(水泳)              成田 真由美

   写真家 映画監督                 蜷川 実花

   衆議院議員(現文科大臣)             萩生田 光一

   参議院議員                    橋本 聖子

   公益財団法人日本オリンピック委員会副会長     

   東京都議会議員                  東村 邦浩

   公益社団法人関西経済連合会会長          松本 正義

   住友電気工業株式会社取締役会長

   近畿陸上競技協会副会長              松本 正義

   公益財団法人日本スポーツ協会常務理事   ヨーコ ゼッターランド

   公益財団法人日本陸上競技連盟会長         横川 浩

   国際オリンピック委員会委員            渡邉 守成

   国際体操連盟会長               

監事

    公益財団法人日本オリンピック委員会監事     黒川 光隆

    東京都会計管理局長               土渕 裕

 

2.IOCスポンサーと国内スポンサーとは

 IOCのスポンサーシップに関する規定では、1985年から新しい規約、規定が設けられました。それらは、IOCの協賛スポンサーとして最高位(TOP)のスポンサー価値を意味するものです。その為には、一業種一社方式、即ちIOCのスポンサーに成れるのは、例えば自動車メーカーを選ぶ場合、1メーカーを選定すると他の自動車メーカーはスポンサーには成り得ない事を意味するのです。これは、IOCのTOP(The Olympic Partners)と称される所以なのです。これにより、IOCは、協賛スポンサーをリスペクトすると共にIOCの唯一のスポンサーとしての評価価値を最高位に維持する事を目的としているわけです。

開催国の組織委員会が獲得できる国内に限るスポンサー権は、これまたIOCのスポンサーの一業種一社のコンセプトに基づいたスポンサーであり、IOCのスポンサーの評価価値を下げない事が明記されているのです。しかし、この度国内に於ける大会スポンサー契約は、これまでのIOCのコンセプトの慣例を破る「一業種2社」の契約が特例として認められたのです。マーケテイング担当者の発表では、2015年4月の時点で目標収入額の1500億円を突破したとの事でした。そこで、契約枠には、1社150億円以上の契約金の設定が新たに設けられたのです。

本国内スポンサー契約に関しては、2019年2月19日の朝日新聞朝刊に寄りますと、現在3200億円のスポンサー収入を見込んでいるとの事で、これも広告代理店電通の力によりIOCの慣例を特例にした様子が伺えます。

また、この朝刊記事によると、大会組織委員会会長の森氏の記者会見では、森氏が両脇に日本航空JAL)社長と全日空ANA)社長を従え「こうやって仲良くね。オールジャパンの象徴だ」と得意満面な笑顔でしたが、このお方にはスポーツマンシップが必要な環境、組織には似合わないと思うのは筆者だけでしょうかこれは、代理店電通にとっても莫大な手数料が入るのでこの上ないIOCの慣例破りとなった次第です。この森氏の得意満面な笑顔を読者の皆さんは、記憶の片隅に置いておいて頂ければ、同氏の政治家論理は、言行の不一致が後に明らかになるのです

この特例は、IOCがよく許可をしたと筆者は驚いている次第です。何故ならば、IOCの商品価値を低下させ、IOCのTOP精神を否定する事に繋がるからです。これは、IOCのパートナーであり、組織委員会のマーケテイングパートナーである電通の力がIOCを動かした事に繋がるのです。しかし、これによりIOCの商品価値が崩れ出した第一歩となる気配が漂い始めたと申し上げても過言でありません。今後のIOCのビジネスコンセプトに禍根を残すことになりそうです。

①国内五輪協賛スポンサーに本命登場

ここで日本を代表する選手達、役員達が使用する公式ユニフォーム、開閉会式に使用される公式ブレザー、シューズ、等のスポーツ用品・スポンサーサプライアー権の指名が行われたのです。その内容に付いては、明らかにされていませんがどうも最終的に国内2社(ミズノ、アシックス)が競合し、最終的に組織委員会は、20東京五輪のスポーツ用品のオフィシャルスポンサーサプライアーとして、株式会社アシックス(略:アシックス=ASICS)を指名したのです

これでスポーツ用品部門のカテゴリーは、ASICSとなったのでした。しかし、本入札の詳細に付いての情報公開は、勿論なされていないのです。聞こえてくるのは、2社の中でアシックスの提示価格が最高額であったという噂だけです。

しかし、国内スポンサー権の最終権限は、組織委員会・会長の森氏に委ねられているのですから、決定はいか様にも操作できる事は誰も理解できない人は居ない筈です。これにより、大会の国内スポンサーの最高位(ゴールドパートナー)の中で、唯一のスポーツ用品メーカーがアシックス(ASICS)と決定したのです

アシックスは、既に創業者の鬼塚喜八郎氏の生誕100周年記念で、アシックス会長兼CEO(最高経営者)の尾山基氏は、本オリンピック開催でのスポンサーとなる事は創業者、鬼塚喜八郎氏の夢・悲願であったかに歓喜極まる中で挨拶されたかに聞き及んでおります。悲願の夢が創業者にとっても、会社・企業にとってもかなった事に対して、筆者は心よりお喜び申し上げます。片や、ミズノ株式会社の経営者の心境はいか程の物であったか計り知れません。

筆者の素朴な疑問と私見

本件に関しては、本ファイルの「③IOCスポンサーと組織委員会スポンサーとは」に於いて述べさせていただきました。本国内協賛・スポンサーに付きましては、IOC電通の協力により特例として1業種2社枠が設けられ、組織委員会設置後多くの協賛を得ているのは、既にご紹介致しました。そして、その中で森氏は、1業種2社のスポンサーを従えて記者会見を行いました。

それでは何故この度このようなスポンサー規定が1業種2社の方向に当初より動いていた事を承知しながら、長年日本スポーツ界の屋台骨に尽力し、支えて来られたスポーツ用品メーカー2社のアシックス社とミズノ社に対して差別的な振る舞いをされたのか。何故仲良く協力したスポンサー契約を図れなかったのかと筆者は、組織委員会会長のアンフェアーな裁定(言行不一致)に政治家の計算高い心の動きを感じざるを得ないのです。このような裁定では、日本国民が納得しないまでもなく、メイクセンスしない一貫性の欠落した論理を通したようです。このようなことからも、今日一大問題を起こしている東京五輪は、政治家達により国民、社会の分断の起因は既に起こされていたように思う次第です。この事に関連して、また新たなる被害者が出現。

 

文責:河田 弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:Gfile「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著武田頼政

お知らせ:本Kファイルでは、「水野正人氏」御退場に付いて述べさせて頂きました。これには、森喜朗氏の腹案が在っての事でした。この事は、東京五輪の国内スポンサーシップ選考に大きな影響を及ぼしている事でした。森氏は、折角電通の力でIOCより許諾を受けた「一業種二社」の規定を有効に活用し、アシックス社とミズノ社と両社にご協力を得るという配慮に欠けていた事が最大の問題だったと思われます。或いは、同氏は、そこに至るまで裏でアシックス社にコミットしていたのかも知れません。これもまた、リーダーの資質と器の問題でしょうか。次回は、さらにリーダーの醜い一面をご紹介しなければならないかも知れませんが、これもKファイルの使命であります。

Kファイル特別寄稿:高橋 潤氏(元朝日新聞記者)の最終原稿より

Kファイル特別寄稿:高橋 潤氏(元朝日新聞記者)の最終原稿より

無断転載禁止                                    Kファイル特別寄稿 不定期便

お知らせ

 現在Kファイルでは、東京五輪が本年7月23日に延期開催となりましたことから東京五輪リマインドシリーズを掲載中であります。この度は、シリーズのインターミッションを頂きまして筆者の古い友人、元朝日新聞運動部記者の高橋潤さんを紹介させて頂く事にしました。同氏は朝日新聞を退職後、2013年2月から8年余り、月刊誌「マスコミ市民」に「新聞の日本語  ここがおかしい」のタイトルで連載を寄稿されていましたが、本年度4月号を持って筆を置く決心をされました。

付きましては、その記念原稿を同氏、同月刊誌編集長のご了解を頂きKファイルの読者の皆様にご紹介させて頂く事になりました。  筆者より 

筆者との出会い~

この度僭越ながらご紹介させて頂きます高橋 潤氏は、筆者が尊敬する友人の一人で、日本人ジャーナリストです。同氏との出会いは、1984年ロサンゼルス五輪以前にさかのぼります。丁度、時期は、私が米国の大学勤務から完全に帰国し、西武鉄道(株)の堤義明社長秘書(野球事業特務)であった時と記憶しています。知人のオーラン・キャッセル氏(当時TAC、全米陸上競技連盟専務理事)が来日し、同氏の記者会見が確か赤坂の某ホテルで行われた時にキャッセル氏から個人的に協力要請を受け同席し、同時通訳を致した会場で初めて高橋氏にお目にかかった次第です。キャッセル氏の記者会見後の質疑応答の時に、多くのマスメデイア担当諸氏の中の一人として手を上げられ大きな声で質問された高橋記者(当時朝日新聞、運動部)を鮮明に覚えています。 

この記者会見後、高橋記者から私にホテルの喫茶室で名刺を頂きました、その名刺を今も大事に保管しています。この時から今日までの間に約十数年の空白の時期を経てもいつも変わらぬお付き合いをさせて頂いている事に心より感謝致しております。

この程、高橋氏からお便りを頂き初めて知る事が多く、同氏がご苦労された数々の体験は、小生が経験したことに重なります。高橋氏のご苦労とそのご努力は、誰よりも理解させて頂き、その痛みはいつまでも共有させて頂きます。

高橋 潤氏からのお便り

■記者時代の思い出から

横浜ではサツ回り・港湾関係、広島では市政・原爆関係、京都では遊軍・

国際会議場などを担当。運動部では陸上競技、テニス、卓球、スキーなどのいわゆるマチュアスポーツや体協・JOC関係、オリンピック関係を担当した。1984年ロサンゼルス五輪を取材。企画第2部はスポーツイベント担当で、東京国際女子、福岡国際両マラソンをはじめ、スーパー陸上アメフットのライスボウルやバスケットのジャパン・クラシックなどの企画・運営に当たった。

こどもの国の「業務部」は催事・広報およびプール・スケート場や遊具などの管理・運営、自然環境の整備・改善等の担当部局である。

※広島在勤が1年余と短かったのは、大阪万博の年に京都国際会議場ができたため、上の方で「英語屋が必要だろう」と馬鹿げた発想で私を異動させたらしい。国際会議はその都度担当の専門記者が取材するのだから、「会議場担当」など無意味である。

沖縄・那覇支局への異動も同じ発想で、沖縄の基地問題に関心を持って希望していた記者を拒否して私に決めたらしい。

週刊朝日も私が希望したわけではない。運動部で、アマチュア問題や冠大会問題で私が批判したデスクが企画第2部長席に座り、煙たい私を追い出すため、旧知の週刊編集長に「高橋が書ける場所(記者活動ができる部署)に行きたいと希望しているから」とまったくのウソを吹き込んで異動が決まったらしい。これはその編集長から直接聞いた話で間違いない。新聞社もニセ情報が結構通る世界なのだ。

 幼少期の思い出~

 私の父は山形県南置賜郡山上村の農家の末っ子で、米沢市山形県立米沢工業学校の機械科を出て海軍に入り、海軍技手養成所で勉強した後広島・呉、横須賀、山形・真室川の飛行機操縦訓練所などで勤務したようです。真室川で敗戦を迎え、毛布2枚配られたときに、「これはお国のものだから、いただくわけにいかない」と断ったという、クソ真面目な世間知らず。母は同じ村の農家出身で米澤高等女学校の国文教師をしていた、これまた熱血漢の娘に生まれ、周囲が決めた結婚で顔も見たことのない男の嫁に行ったら(福島県の温泉地)、これがとんでもない遊び人で妾がいたとか。

やはり近所に嫁に来ていた女学校時代の友だちが同じような境遇で、2人で示し合わせて逃げ出し、東京に出てきたといいます。父と母の実家が姻戚関係になっていた関係で、2人が東京でくっついちゃったらしいのですが、これで両方の家から勘当されたそうです。終戦で行くところがなくなり、実家に頭を下げて田舎の役場に勤めたのですが、赤貧洗うが如しの貧乏暮しでした。物置のような家に住み、冬には寝ていると煙抜きから雪が顔に降ってきました。

 中・高・大の思い出~

 中学校では英語の先生にかわいがってもらい、参考書や問題集をもらって勉強しましたが、あとはNHKの松本亨の英会話を聴くぐらい。この先生に教会のアメリカ人牧師さんに何度かつれていってもらった程度です。AFSの選考面接によくぞ通ったものです。米国イリノイ州のホームステイ先でも話が通じず、host mother はよく紙と鉛筆を持って来て「これに書きなさい!」といら立っていました。高校でも宿題が相当出ますから、泣きながら毛布をかぶって勉強していました。

まあ、そんなわけで、大学に入ったときも、親からもらったのは入学金と半年分の授業料だけ。あとはバイトと奨学金でなんとか生きのびました。授業の出席率は5%もなかったかなあ。「まだ卒業できないよう!」という悪夢に長いことうなされました。

学生はやはり勉強が必要ですね。まあ、いろいろ考えると、まずまずの人生なのだろうと思っています。

高橋  潤・プロフィール

氏  名:たかはし・じゅん

生年月日:1941年10月10日

■教  育

1957年 山形県米沢興譲館高校入学

1958年  American Field Service 高校生交換留学制度で米国イリノイ州Rock Island市へ。59年5月、同市Rock Island 高校卒業。

1961年  山形県米沢興譲館高校卒業/東京大学文化1類入学

1964年  東京大学法学部休学(1年間)

1966年  東京大学法学部卒業。同学部政治コースに学士入学。

同学部中退/ 朝日新聞入社(11月)

■職  歴

(学生時代)

1962年~63年 外国人観光客の案内ガイド

1964年7月~65年6月 米国政府〈国務省及び労働省〉招待の米国視察

日本人のための通訳・添乗員(公的雇用主は米国務省外郭団体のMeridian House Foundation)

1966年~67年  サイマル・インターナショナル国際会議同時通訳

(国際消化器学会東京大会、国際包装協会東京大会、OECDパリ会議など)

(社会人)

1966年11月   朝日新聞社入社・横浜支局。

1972年5月    大阪本社社会部

1979年 7月   東京本社運動部

1986年11月   東京本社企画第2部

1991年 10月  週刊朝日編集委員

1993年  3月  出向・こどもの国業務部長

 

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K'sファイル特別寄稿:高橋 潤(元朝日新聞記者)の最終原稿より 

無断転載禁止         Kファイル特別寄稿 不定期便

新聞の日本語 ここがおかしい(99)

月刊誌「マスコミ市民」    マスコミ市民連載 2021年4月号   

朝日新聞東京本社紙面から―    高橋 潤(元朝日新聞記者)

はじめに

8年余、この連載を本誌に書かせていただいた。認めて下さった理事会、編集部の方々、そして読者の皆様に心から感謝申し上げる。きれいでわかりやすい日本語を、特にメディアの世界で大事にしたいという不遜な願いから思い立ったことだが、浅学菲才の身ゆえ、的外れも誤りもあったかと思う。お許しを乞う。気力、体力も衰えたので、今回で終わりにする。 

「言葉は変化するものだ」というのは無論正しいが、ある識者が嘆いていたように、昨今の日本語の変化は激しすぎる。テレビや新聞を見ていても、意味が取れない表現がますます増えている。意味や用法を考えずに、頭のどこかの引き出しにある言葉を引っ張り出して並べているとしか思えないことが。感覚を研ぎ澄まし、いろんな角度から言葉の意味を、表現の適不適を考えてほしいと思う。一つの例を紹介して最終回とする。

NCAAは「全米大学体協」か

数年前、畏友、河田弘道氏から問い合わせのメールがきた。

日本のマスメディアでは「NCAA=全米大学体育協会」と訳していますが、根拠・理由はどこにあるのでしょうか。先日朝日に掲載された某大学教授のコメントでも「全米大学体育協会」とあったので問い合わせたら、大学事務局から〈教授は「全米大学競技スポーツ協会」と申し上げた。朝日の記者に確認したら、「表記のルールがそうなっている」という回答だった〉とのことでした。

河田氏は、日本体育大学卒業後渡米、オレゴン大大学院で学びながら競技スポーツ部門の助手を務め、続いてブリガムヤング大学の大学院体育学修士課程を修了して、同大学競技スポーツ部門のコーチ、監督兼スポーツ・アドミニストレーターとして活躍した。米国オリンピック委員会(USOC)と日本オリンピック委員会(JOC)の橋渡し役も担った。その後は西武鉄道グループやNEC日本電気のスポーツ活動の強化や各種スポーツ・イベントのコーデイネーターとして活動した。94年から4年間、プロ野球東京読売巨人軍長嶋茂雄監督の黒衣の参謀として仕えた裏の物語は、武田賴政氏との共著『Gファイル』(文藝春秋)に詳しい。05年~11年中央大学客員教授。13年~17年東京国際大学客員教授。17年4月からブログ「Kファイル」でスポーツの諸問題を発信中。特に箱根駅伝の運営面については参考になる。

メディア数社の「新聞用語集」を調べたが、見つけたのは朝日新聞「取り決め集」92年版のみで「全米大学体育協会」とあった。日本新聞協会に「新聞用語懇談会」があり、文科省常用漢字表を変更する場合などに用語幹事が集まって「懇談」する。強制力はない。問題の訳語はずっと以前に決まったもののようだ。ウィキペディアも「全米大学体育協会」の名で解説し、「コトバンク」(デジタル大辞泉)も「全米大学体育協会」である。

近年、「アスリート」(athlete)というカタカナ語が日本語として認知されるようになった。「競技者」の意味である。「NCAA」の3文字目の「A」は Athletic 。まさしく大学の「競技スポーツ」の統括団体なのだ。大学の体育授業ではない。NCAAについては河田氏が「Kファイル」で詳しく論じているので、ぜひ読んでほしい。

私がファイルした過去の切り抜きでは、「全米大学スポーツ連盟」もあり、「現代オリンピックの発展と危機1940‐2020」(石坂友司著、人文書院、2018年1月)にはアメリカのスポーツは、全米大学競技協会(NCAA,全米大学体育協会とも訳される)……。という訳もある。だが、「競技スポーツ」がわかりやすい。

新聞用語の問題点を知りながら。「決まりだから」と古い規則に従い、問題提起さえしない記者が増えているのか。

日本体育協会が「日本スポーツ協会」に名前を変え、2年前誕生したスポーツ庁が主導して「大学スポーツ協会」を発足させたのに(中身は問題だらけ)、真似させてもらった本家を「体育協会」と呼び続けるのは、日米で余りに違う中身を国民に知られたくないからか大学スポーツ協会のウェブサイトに「全米大学体育協会」の訳語が載っているのは救われない

朝日新聞今年1月7日朝刊オピニオン面のインタビューで、韓国出身、大阪在住のラッパー、モーメント・ジューンさんが、日本の社会をこう語る。

「日本の社会が信じている価値は、民主主義や人権や公正ではなく、平穏なのではないかと思います……静かで平穏であることが何よりも大事にされている」

※河田氏の経歴やブログの内容は許可を得て引用しています。ブログは「Kファイル  河田弘道」で検索して下さい。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:Gfile「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:

筆者は、米国から帰国して間もない時期に知人の記者会見の同時通訳者として同席したがために、高橋 潤氏にお目にかかりこのようなご縁を頂きました事に感謝いたしております。高橋氏は、常に誠実で正直な裏表の無い方なので大変信頼できる方です。私が大変リスペクトするところは、取材に於いても記事に於いても忖度がない所です。読者の皆さんは、どのように感じられましたか。このような貴重な人材こそ、今日に必要なスポーツジャーナリストだと確信しています。私は、同氏から沢山の事を学びました。

次回KファイルNO.157は、予定通りに5月13日、木曜日に公開を予定しております。ご期待ください。

KファイルNO.156: 非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

KファイルNO.156: 非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

注:無断転載禁止          毎月第二、第四週木曜日公開 

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筆者の視点~

我が国のスポーツ界は、政治家から独立していない。スポーツ界に政治力がないので政治家を頼るのか。或いは、政治家がスポーツ界を食い物にしたがるのか。読者の皆様は、何故これ程政治家達が本分を疎かにしてまでスポーツ界に進出してくると思われますか

私は、単刀直入に申し上げて「政治家としての力が無いので本業では目立とうとしても目立たない。そこでアドミニストレイション力の低いスポーツ界に顔を出し目立とうとする」とするのでないかと思います。そしてその本音は何かと申しますと「政治家に必要な名誉、スポーツ利権(金)、スポーツ界で名をはせる事による知名度と票集め」とこれらが主たる彼らの欲目的であろうと推察いたす次第です。

嘗て50数年前から日本の大学教育機関には、体育学(Physical Education)という分野に運動生理学(Physiology of Exercise)という学問があります。この体育学部には、勿論運動生理学(現:スポーツ生理学、Sports Physiology)の専門科目が在ります。この科目は、専門科目を専攻し将来専門家としてこの道を極めて行く優秀な人材、及び体育教員を目指す為の専門教養として学ぶ学生達が履修する科目です。しかし、この環境に医学部を卒業し医師の免許を持った中高年の医師達が大学教授として入り込んで来る事に対して、筆者は非常に違和感を感じていた次第です

これら中途半端な教員と称する医者は、この部門は医者でなければ駄目だろと言わんばかりの言動と態度を持って専攻、履修学生達にネガテイブな烙印を植え付ける状況を醸し出していた気がしてなりませんでした。これでは、体育、スポーツ界からスポーツ生理学者は育ちません。

このことは、即ち政治家がスポーツ界に参入したがる関係に酷似であると申し上げたいのです。このような医師は、医学界では相手にされず唯一医師免許を印籠よろしく、体育、スポーツ教育の場ではこれが見えぬか、お前たちは「医師じゃないだろう」と上から目線で見下し、利権をあさり、教授職を得て医学界と体育、スポーツ界をまたがった中途半端な医師と教授が、丁度政治家(国会議員、元国会議員)がスポーツ界に参入したがる状況と重なる次第です。読者の皆様には、この筆者の視点を思い出して頂きながら是非Kファイルを熟読して頂けましたらより分かりやすいかと思います。

 

目次

KファイルNO.156:非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

政治家とスポーツ利権の癒着は日本スポーツ界を崩壊へと導く

先ず初めに

1.悪魔の誘惑から始まった2020東京五輪

2.オリンピック開催地、東京に決定!

3.本招致活動に心血を注いだ人物

  ■水野正人氏の存在が何故特異であったか

4.2020東京五輪招致活動を終えて帰国

筆者の素朴な疑問と私見

1.2020「東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧告

  ■東京五輪組織委員会評議員、理事の推薦、任命権者は

 

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2021年4月22日 木曜日   公開

KファイルNO.156:非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

政治家とスポーツ利権の癒着は日本スポーツ界を崩壊へと導く

 

先ず初めに

この度は、前回迄のシリーズを継承し2020東京五輪招致委員会から2020東京五輪組織員会への移行時に起きる、起きた様々な報道されない陰湿事件を含めた権力者の暴力行為が素面(しらふ)の会議室で行われたと言われる理不尽極まりない出来事をご紹介させて頂きます。東京五輪開催とは、一体どんな意義のある競技スポーツ大会なのかとこの事件から読者の皆様も読み解く事が出来ると思います。

これらの出来事は、招致活動当初から組織の派閥の陣取り合戦が既に始まっていた事を読者の皆さんにはお伝えして参りました。しかし、内部利権の思惑がこれ程まで露骨に表面化するのも東京五輪組織に関する特徴の一つである思われます。この内部人事に関する争いは、以後開催か延期かとなった今日にも大きな悪しき暗い影を残して参った事を皆さんは気付かれているのではないでしょうか。

読者の皆様は、昨年2020年に安倍晋三氏(元首相)による「2021年の東京五輪は安心、安全で完全な状態で開催します」との公約をされました。その後延期、中止問題は、政治家達のみでの密談で決められましたのもご承知の通りです。2021年に起きた森喜朗氏の舌禍事件は、その後スキャンダル問題としてその後始末、そして新会長選出に於ける院政誇示、新たな理事とその光景は全て政治家達がオリンピック・スポーツに政治家論理を持ち込んで参った象徴の証なのです。これからKファイルを紐解くにつれて、そのパズルの抜けた穴をKファイルから読み解かれて行かれると思われます。

1.悪魔の誘惑から始まった2020東京五輪

 KファイルNO.152から155までの中では、竹田恒和氏(20東京五輪招致委員会理事長、JOC会長)の疑惑とは何か、竹田理事長が知っていた事知らなかった事、2016年東京五輪招致敗戦、2020年東京五輪の招致の勝因、暗躍する闇のネットワークの存在、等々について述べて参りました。

今回は、20東京五輪招致成功の裏には、招致疑惑が深まっていく中、日本国内に於いては招致決定後に不可解な出来事が起きていた事を殆ど語られず触れられずに葬り去られるのではないかと、筆者はふと素朴な疑問に行き当った次第です。これらは、日本に於ける今日の政治家とスポーツ利権の特殊な構造的な問題と関係なのかも知れません。 

この不可解な出来事は、国民、社会に大切な情報公開がなされていないという密室での歪んだスポーツ・アドミニストレイションが成されてきたことであり、今回その根幹を解りやすくお伝えできればと思います。

2.オリンピック開催地、東京に決定!

筆者は、この一報(NEWS 2013年09月07日 17時22分JST)を現地ブエノスアイレス(アルゼンチン)からのTV報道で知り、心より関係者の皆さんのご努力にお疲れ様と述べたい衝動にかられました

しかし、次の瞬間TVカメラが日本のデリゲーション席に振られると、飛び上がり、抱き合っている歓喜の瞬間の幾重もの渦の中に、何か違和感のある映像が飛び込んで来たのでした。その一コマは、真ん中に安倍晋三首相、左に東京都の猪瀬直樹知事、右に森喜朗氏(元首相、元文部大臣、石川県選挙区、早稲田大学ラグビー部)の構図の写真。そしてもう一コマは、安倍氏を中心にやはり左に猪瀬氏、右には水野正人氏(20東京五輪招致委員会副理事長/専務理事 JOC副会長、ミズノ株式会社)の最高経営者(CEO))が歓喜を極めていたのでした。水野氏と安倍氏は肩を抱き合って喜びの絶頂にありました。

この世界最大のスポーツイベントの招致活動に勝利し、歓喜がほとばしる表舞台とその裏側では、「抱き合い、歓喜している人達」、「抱き合い、涙していた人達」、「裏での約束を果たし、プロの仕事を完了してホテルのバーの片隅で、TV映像を観ながら静かに苦笑いしている人達」・・・と、それは悲喜こもごもの情景が筆者の脳裏と瞼に浮かびました。ただ、筆者の脳裏を何か釈然としない、素直に喜べない疑念を直感したのでした。その時脳裏にインパルスが走ったのは、多分長年多岐に渡り競技スポーツ業界に於いての修羅場を経験してきたスポーツ・アドミニストレイターとしての直感だったのだろうと思います。今後、明日の朝から始まるであろう生臭い戦いの後処理が思い浮かんだのです。この時、竹田恒和氏(招致委員会理事長、JOC会長、IOC委員)を主犯とされた招致委員会に対する招致疑惑が世界中を駆け巡る事になろうとは一体誰が予想したでしょうか

歓喜は、一瞬にして起き、一瞬にして現実の世界に引き戻されるのです。あの歓喜の最前列に居て、TVの映像に入っていた人達、入りたかった他の政治家達、JOC関係者達は、どんな思いでその情景を眺めていたのでしょうか。直接的には、関係のない政治家達がどのような理由と公費であの場に大挙して押しかけていたのか知る由もありません。この様にして、約数百億円と言われるプレゼンテイション・ショーは、一夜にしてシャンペンの泡と化したのでした

その後、国内に於けるポリテイカル・パワーゲームは、いよいよ最終戦の火ぶたが切られるのですが、この2枚の映像写真の中で歓喜に酔いしれている方々がこれから主人公を演じ、そしてその勝ち組と、負け組が、今日の東京五輪組織委員会(略TOCOG)、及び政府自民党、東京都、JOC、そして東京五輪は醜い関係者の権力争いの現実へと向かったのでした。もちろん、勝ち組の頭領は、神輿の玉座に鎮座し、権勢を思いのままに振るっており、一方、負け組は、先ず初めに猪瀬直樹東京都知事が選挙に於ける不正金銭問題を指されて場外退場となりました。

3.本招致活動に心血を注いだ人物

此処で読者の皆さんには、注目して頂きたい人物がいます。下記の2020東京五輪招致委員会の役員名簿をご覧いただきますとお気付きになられるかと思われます。理事会メンバーの殆どの顔触れは、何らかの形で日本オリンピック委員会JOC)、各競技団体(NGB)に関係されている方々です。この方もJOCの副会長の肩書を持たれているのですが、唯一民間企業の経営者で在られる事がその特徴です。その方は、「水野正人」です。

筆者は、一般企業経営者の水野氏がどのような経緯でJOCの理事、副会長に、また、20東京五輪招致委員会の事務総長、専務理事となられたのかの経緯を知る由もありません。しかし、この人事は、他の役員メンバーと比較しまして少し特異な存在に感じた次第です。これが後に同氏に大きな災いをもたらすことになるとはご本人、及び同氏の企業の重鎮達、関係者は、予想していなかったのかも知れません。

水野正人氏は、日本スポーツ界に多大な貢献をされて来られた人物であり、ミズノスポーツとして企業経営者で在る事は既に読者の皆さんもご承知のはずです。

水野正人氏 略歴:

2001年(平成13年)日本オリンピック委員会理事。

2004年(平成16年)藍綬褒章を受章。

2006年(平成18年)ミズノ株式会社 代表取締役会長就任。

2007年(平成19年)日本オリンピック委員会副会長就任。

2011年(平成23年)2020東京オリンピックパラリンピック招致委員会事務総長就

    任。職に専念するためミズノ代表取締役会長を退任。後に、副理事長兼専務理

    事に役職変更。

2013年(平成25年)第125次IOC総会での最終プレゼンテイションで大きな身振り手振りを交えたスピーチを行い、東京オリンピック招致の立役者の一人となった。以上Wikipediaより~

上記略歴の通り、水野氏は、株式会社ミズノの最高経営者(CEO)であったのです。

2020東京五輪招致理事会 役員名簿リスト

理事会  http://token.or.jp/magazine/e201205.html

理事長  日本オリンピック委員会JOC)会長 竹田恆和

副理事長/専務理事  JOC副会長        水野正人

副理事長        同副会長        福田富昭

副理事長        同専務理事       市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会     伍藤忠春

副理事長 東京都副知事            佐藤 広

理事 日本体育協会              岡崎助一

理事 日本オリンピック委員会理事       橋本聖子

理事 同国際専門部会員            鈴木大地

理事 パラリンピアン             成田 真由美

理事 日本オリンピック委員会理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 同理事、国際専門部長          野上義二

理事 同理事(元東京2016招致委員会事務総長)河野一郎

理事 同総合企画・国際部長(元東京2016招致委員会事務次長)中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長         細井 優

監事 日本オリンピック委員会監事       深津泰彦

監事 東京都財務局長             安藤立美

2020東京五輪招致委員会 評議会名簿

 招致委員会評議員(余りにも膨大な人数の政治家諸氏の為スペースに限り有、URLをご利用下さい。http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/3/2h231220goriniinnmeibo.pdf

以上2020東京五輪招致委員会サイトより~

水野正人氏の存在が何故特異であったか

筆者のスポーツ・アドミニストレイターとしての視点から誤解を恐れず申し上げます。私は、水野正人氏が2001年にJOCの理事に就任された時に既に違和感を持ったのは確かでした。しかし、JOC評議員会は、執行機関の理事会の人事について異議も無く承認している事、そして、やがて同氏は、2006年にミズノ株式会社の代表取締役兼会長に、即ち最高経営者(略:CEO)に就任、翌年にJOC副会長に就任された次第です。

筆者は、この状況に違和感を持ちながら静観していましたが、残念ながら同氏に企業内からも何の異議を唱える方が居ない事に驚きました。僭越ながら私の推測では、水野氏の企業役員会もこれまたイエスマンの集団だったのでないかと推測を抱いた次第です。今日のグローバルな会社・企業に於いては、特にこのような特殊な外部での重責、活動には企業内外から慎重な意見と対応を求められ、ブレーキがかかる筈なのです。

何故ならば本JOCは、公益財団法人であり特に日本国内のオリンピック・競技スポーツに関する経営、運営、管理の頂点にある組織・団体の1つなのです。この組織・団体の理事、副会長氏が「総合スポーツ用品・販売・メーカーの最高経営者」である事は、常識的に考えて「忖度及び利益誘導、相反」の疑いを招く恐れがあると思われて仕方ない状況とポジションなのです此の事は、公益財団法人の長に「国会議員、政治家」がなるのと同じ利害、利権問題並びに倫理的問題が生じるのです。1970、80年代、世界に於いてあの権勢を振るっていた故ホルスト・ダスラー氏(アデイダス社の最高経営者)ですら、IOC、IGB(国際競技連盟)、等々に名を連ねる事はしなかったのです。

いわば本業界の最高経営責任者が公的表舞台に立つ事は、同業他社を敵に回すことであり、元来業界に於いてはタブー視された行為だったのです。よって、筆者は、やられるぞとの直感が作動したのはこの事なのです

本業界には、国内に於いても同業他社の存在があることからもJOC評議員会、また20東京五輪招致員会、評議会が何故ブレーキを掛けなかったか。まさか招致委員会の評議会は、同氏に対して招致成功か否かの責任を背負わせ、敗戦の時のスケープゴートの準備をしていたのでないか、或は、成功した時には他意を持って失脚させる、との穿った見方をしたくなるような対応、姿勢であったような気がしてならないのは筆者だけでしょうかやはり評議員会、理事会は、意見を持たない形式的な集団なのかも知れません。この件に付いては、何の異議も裁定もなされなかった事が、後に陰湿な事件を招く最大の要因になって行くのです

JOC、20東京招致委員会の理事会、評議員会が何も異議を唱えない、つまり構造的に機能していないと判断される場合、指導的役割を担う内閣府文科省スポーツ庁は強制的な介入を行い「Justice正義&Fairness公正」を根拠に指導、改善する責任と使命があったはずです。しかし、この政府機関の機能不全も、今日のスポーツ界の不祥事、事件を鑑みれば、推して知るべしです。此処に於いても、我が国のスポーツに関する公共の組織・団体に特別査察機関(Infraction Committee)を設置しない理由は、誰かに取って不都合、不利益が起きるからなのかも知れません。

結果として、水野正人氏は、JOCの副会長として2011年に2020東京オリンピックパラリンピック招致委員会(略:TOCOG)事務総長に就任。本役職に専念するためミズノ代表取締役会長を退任。後に、副理事長兼専務理事に役職変更したのでした。此処で「職に専念する」為を理由に、即ち水野氏自身がお気付きになられたのかどうかはさて置き、1私人として公益財団法人の副会長として、また20東京五輪招致委員会の実務権を持つ副理事長兼専務理事に就任されたのです。しかし、ミズノ株式会社の代表取締役・会長職を退任するも、会社の大株主である事も放棄したとの情報公開はされていません。(中途半端な対応)

筆者は、此処での仕切りの甘さに水野氏の会社重鎮の方々の脇の甘さを感じずにはいられませんでした。勿論、JOC、招致委員会の理事会、評議会のいい加減さを既にこの時点で露呈していたのです。このような構造的な問題は、即ちこの度のあらゆる疑惑の温床となっている事を読者の皆さんにご紹介させて頂きます。

4.2020東京五輪招致活動を終えて帰国

国内に於いては、連日連夜と招致関係者は元より、TVマスメデイアを通してブエノスアイレス(アルゼンチン)での映像が視聴者にサブミラルを起こしかねない強烈な勢いで、テレビ画面から溢れている頃、既に招致を勝ち取るまで情勢を見極めながら様子を窺っていた政治家、その関係者達は、一気呵成に2020東京五輪組織委員会の陣取り合戦のマニュアル作りに夜を徹して会合しエネルギーを消費していた事が想像できます

招致に邁進し成功した理事達、関係者は、組織委員会の重鎮に当然迎え入れられると期待していたのも至極自然な成り行きではなかったでしょうしかし、20東京五輪組織委員会設置に対する予備会議が重ねられていくに従い、段々と雲行きが怪しくなり事件が勃発したのです

筆者の素朴な疑問と私見

1.20東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧

  告

筆者の理解するところによりますと、東京五輪招致決定後、次の五輪組織委員会発足に関わる予備会議が重ねられていく中で、地位名誉を既に確保した某権力者が、水野正人氏(JOC副会長、20東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事)に非常識極まりない暴言を吐いたとの情報が、マスメデイアを通じて耳に届いたのですその暴言とは、マスメデイア関係者曰く「何でこの会議に運動具屋がすわっているのか」との事であったようですもしこの言動、態度が事実であるなら私は、これ程貢献された方に人としての尊厳及び名誉を深く傷つける何物でもないと憤懣やるかたない思いに駆られた次第でした。しかし、言った本人の資質を考えると「さもあらんか」と改めて人間性を疑った次第でした。これは、いよいよ直接攻撃開始かと思わずにはいられませんでした。

もしもこれが事実としたら、この人物には、既に他意が在りこの機会をうかがっていたとしか考えられない事です。この人物は、常々品位の無い暴言、失言を吐き人の尊厳を傷つけても何も感じない特殊な脳みその持ち主であるようです。このような人物が我が国の根幹をなす国政、教育機関、スポーツ組織、団体の最高責任者に携わったり、クリーンであるべきスポーツ界で人事権を握って来ている事は、我々国民、社会にも重大な責任と問題があったと思います。

水野氏のこれまでのスポーツ界への献身的な貢献、そしてこの度の20東京五輪招致に関しては、個人的な利害を度外視して心血を注いで来られ招致という勝利を副理事長、専務理事、事務総長として担当責務を全うして成果、結果を残された事実をどのように評価されたのでしょうか。

このような言動、行動ができる権力者は、いったい何方だったのか。読者の皆さんならご想像できるのでないでしょうか。このような方が、国民、社会に対して「スポーツマンシップは何たるか、アスリートファーストースト」を述べられても如何なものか。これはまさに2020年東京オリンピックパラリンピックは、何たるかを象徴する日本版:スポーツ・アドミニストレイターの現実とレベルなのかも知れません。ここがロス五輪(LAOOC)委員長のP・ユベロス氏との資質と才覚の違いなのでしょうか。

東京五輪組織委員会評議員、理事の推薦、任命権者は

残念な事は、2020東京五輪招致に貢献され、成果を上げたJOC副会長でもある方を20東京五輪組織委員会発足手前に何故退場させたのか。それであるなら、同氏が20招致委員会の理事、評議員である時に何故異議を申し立て理事会に評議会の決議を申し立てなかったのか。自由民主主義国家、社会の一員として、この人物は、余りにも私情を挟んだ陰湿な対応でなかったかと疑わざるを得ない。もしこの方が、本当にそのような暴言を水野氏に吐いたのなら、真のスポーツ・アドミニストレイターには、最も相応しくない人物であると指摘させて頂きます。この心無い発言の方には、更なる利権への腹案があったのではと思わずにはいられませんでした。利権の巣窟の中心人物なのでしょうか。

もしこのような暴言、態度をしたのであれば、その会合に居合わせた周りの人達が、誰も諭されなかった事は、まさに組織委員会は親分・子分のイエスマンの集団である証で決して国民、社会の為に招致した五輪組織委員会と言い難いのではないでしょうか。勿論、マスメデイア、関係者は、本事件の実態をご承知のようです

このような言動と判断には、ビジネスを伴う利害、利権が裏で絡んでいた個人的判断と決断だったのかも知れません。今後本件の様子を静観して参ると自然にこの真意が浮上しするのでないかと思われます。

水野正人氏への悲劇は、さらにこれから始まって行くのです。差し支えない範囲で、次回この結末をお伝えできればと思います。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:G File 「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:

本Kファイルでは、暗く悲しい話題となりました。しかし、このような現実に目や耳をふさぎ、触らぬ神に祟りなしとして、国民、社会に情報を提供しない、できない社会構造は、まさに談合社会の文化そのものが64東京オリンピック以降も何も変革できていない村社会と呼ばれる所以なのかも知れません。

次回は、目も耳もさらにふさぎたくなるような話題も出て参りますが、読者の皆さんは、決して顔を背けず正面から受け止めて頂く勇気も必要です

Kファイル:特別寄稿 祝 松山英樹選手の偉業

Kファイル:特別寄稿 祝 松山英樹選手の偉業

今日本人に必要な「無言実行」の実践

 

先ず初めに

松山英樹選手(29=LEXUS)は、「米男子ゴルフ・マスターズ・最終日」(11日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)で彼の夢であった念願の優勝という偉業を成し遂げました。これでUSPGAには、新しいスターが誕生しました。交通事故から復帰されるであろうタイガー・ウッズ選手との出会いが楽しみです。彼は、きっと「英樹おめでとう」と抱擁されるでしょう。

松山英樹選手

祝 夢のマスターズ優勝おめでとうございます。

 貴殿はデスティニー(destiny、運命)を持って日本に誕生、そしてゴルフ競技との出会い、偉業への道程を歩む人物であったのだと思われます。この偉業を成すためには、ご両親をはじめあなたの新しいご家族と真にあなたの事を思い支えて下さる方々の努力ははかり知れないと思われます。

私は、あなたが数年前に進藤大典氏(40)キャデイーと別れ、そして結婚された事を公表されたのが、貴殿のゴルフ人生の転機であったのではないかと勝手に想像していました。それまでは、何かと母校の東北福祉大の名前、関係者がマスメデイアに出られていましたが、この時期を境に松山英樹選手は、プロゴルファー松山英樹に脱皮されて独り歩きをはじめました。そして、そこで自分には、客観的なアイ「眼」の必要性、プロのコーチの必要性を開眼されたのかも知れません。その後松山選手は、苦しみながら実践を積み重ねる中で確かな頂点を目すプロゴルファーに必要な心技体のピースが揃い始めたのではなかったのでしょうか。

勿論その為には、貴殿の真骨頂の「無言実行」の日々の努力が最大の武器でした。それを支えられたのがご両親から頂いた人並外れた強靭な身体能力(体幹)です。

この度のマスターズゴルフ大会での偉業達成には、改めて「心技体」のみならず貴殿の持ち前の強運、幸運(Good Luck)を天の神様が与えて下さったおかげであると思います。多分貴殿もそう感じている事でしょう。

それもこれもあなた様の日ごろの「無言実行」の強い精神力がこの度の見えない力となって支えて下さったと確信する次第です。日本の競技スポーツのアスリート達、指導者達には、見習ってほしい生きた教材を体現して頂けました。

貴殿は、プロゴルファーです。次なる貴殿に課せられたデステイニーは、既にあなたは認識されています。それは、新しい大会種目の五輪ではない筈です。貴殿が信ずる志を貫いて下さい。健闘を祈ります。

 スポーツ・アドミニストレイター 河田弘道

 

KファイルNO.155:2020東京五輪招致は今日の泥沼に入る序章

KファイルNO.155:2020東京五輪招致は今日の泥沼に入る序章

注:無断転載禁止          毎月第二、第四週木曜日 公開 予定

読者からの提案~

TwitterFacebook池江璃花子さんへのコメント拝読いたしました。彼女が地獄の淵から這い上がって目標にたどり着いた軌跡の結晶に何とも言い様のない感動を覚えました。さらに、それに対する河田さんのコメントに感激しました。この河田コメントには、河田ブログの読者が同じような気持ちで感動を共有しているのではないかと思いますので、是非とも次回ブログでは、改めて冒頭で「河田コメント」を、例えば「池江璃花子選手(さん)お帰りなさい!」の見出しで?、是非とも掲載されては如何でしょうか。読者のささやかな提案です。宜しくお願い致します。読者より、

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時事の話題から~ 4月5日 Comment by Hiromichi Kawada

「池江瑠花子選手お帰りなさい!」

私は、あなたに贈る言葉が見つかりません。あなたの素直な喜びは、あなたと身内の方々にしか理解できない大変重く掛け替えのないことです。あなたの今日までの出来事と苦しみは、計り知れなかった事と思います。

昨日あなたが見せた涙は、誠実で正直な心の結晶です。その感謝の心は、今我々日本人が一番見失っているものでした。それをあなたは、地獄から持ち帰って下さり伝えて下さいました。あなたは、この乱れたスポーツ界、教育界、政界、世の中に道標を与えられました。私は、心より感謝と敬意をあなた様にお届けいたします。天は、あなた様に新しい生命を与えられました。あなたは、水泳界のみならず全スポーツ界の「輝く満月」として健康の大切さを最優先されて輝き続けて下さい。自身の心と身体を大事にされて下さい。深謝

 

読者からの便り~

河田様

 今朝(3月28日)のTBSのサンデーモーニングで「リレー聖火消すべき」のNBCの報道に言及していました。日本の体質は80年前と全く変わっていないようです。太平洋戦争の開戦1年前に陸海軍、外務省、商工省などのエリートが集められ、対米戦に勝てる見込みがあるのか、をテーマに研究・分析したそうです。その答えは「完全に負け、勝てる見込みなし」だったそうです。にもかかわらず、「すでに中国で命を落とした数十万の英霊に申し訳ない。今更後戻りはできない。」と戦争に突入、あれほどの惨禍をもたらしてしまいました。今回もすでに投じた1兆数千億円の金が無駄になる、やるしかないでしょう。この論理です。更に電通利権に群がる菅総理など亡者たち。情けない話です。 読者より (元文部省高官)

)投じた総額は、約3兆数千億円が正しいかと思います。(筆者)

 

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目次

KファイルNO.155:2020東京五輪招致は今日の泥沼に入る序章

1.2016リオ五輪招致活動と2020東京五輪招致の疑惑が酷似と揶揄される所以

リオ五輪招致勝利の秘策とは

■企業電通が巨大スポーツ電通に変身したその礎

■企業電通IOCをクライアント(顧客)として

2.企業電通国際陸上競技連盟との親密な関係

電通のさらなる野望

リオ五輪招致に関する勝利の方程式

2016リオ五輪招致関連報道

2020東京五輪招致関連報道

3.筆者の素朴な疑問と私見

■フランク・フレデリクス氏の出現と現金運搬ルート

■F.フレデリクス氏の苦渋の決断

筆者のF・フレデリクス氏への期待と願い

 

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2021年4月8日木曜日          公開

KファイルNO.155:2020東京五輪招致は今日の泥沼に入る序章

1.2016リオ五輪招致活動と2020東京五輪

  招致の疑惑が酷似と揶揄される所以

 

リオ五輪招致勝利の秘策とは

リオ五輪招致委員会の勝利には、幾つかの要因があったと思われます。大きな要因の一つは、ブラジル・オリンピック委員会(略:BOC)のカルロス・ヌズマン会長と国内企業の強い関係が挙げられます。もう一つは、BOCとIOC国際オリンピック委員会との関係に於ける日本企業電通との関係にあると推測されます。前者の要因は、至極当然の関係であります。読者の皆様には、解りづらいかも知れませんので少し解説させて頂きます。

IOCは、全世界のオリンピック活動に関する全ての権利を有する唯一の大会を経営、運営、管理をする組織・団体です。よって、IOCは、世界各国のオリンピック競技大会に参加する国々(現在206カ国が加盟)に対して、国内オリンピック委員会(略:NOC National Olympic Committeeの設置を義務付け、IOCは各NOCにオリンピック活動に関する個々の国内の運営、管理、代行を委託し、その構造とシステムが確立されているのです。

例えば日本オリンピック委員会(略:JOC)は、それぞれIOCから委託を受けた国内のオリンピックに関する唯一の運営、管理を行う組織・団体でIOC翼下の直轄団体なのです。よって、国内外のオリンピックに直接関係をしない諸問題、行事には、関わるべき団体で本来はありません。

企業電通が巨大スポーツ電通に変身したその礎

 それでは、企業電通が何故IOCNOCに関係しているかという疑問が読者の皆様は持たれるのではないでしょうか。

企業電通は、1984年ロスサンゼルス・オリンピック大会組織委員会(略:LAOOC)の公式広告代理店として、世界で初めて組織委員会が開催に必要な予算額をギャランテイー(金銭的保証)してスポンサー広告に関する全権利を組織委員会から買い取ったのです。これは、当時画期的な出来事でした。

当時LAOOCの会長のピーター・ユベロス氏はIOC総会での招致に関するプレゼンテイションで「84ロス五輪は、国、州、市の公金を一切使用しないオリンピック大会にする」と公言したのは、今日も語り継がれている名言です

LAOOCは、開催予算額を企業電通が保証し、民間資本(当時90%以上のスポンサーは、日本企業)の投入により大成功を収めたのです。その上にLAOOCは、約440億円のオリンピック歴史始まって以来の黒字決算となりました。ユベロス氏は、公約通りに440億円をカリフォルニア州、市の社会施設に全てを還元し、成功裏にLAOOCの任務・責務を果したのでした。このユベロス氏こそが、真のスポーツ・アドミニストレイターの姿として当時も今日もリスペクトされている所以なのです。このような人物は、2020東京五輪組織委員会には見当たりません。

企業電通は、このビジネス・サクセスストーリーがスポーツ電通を世界に轟かせている礎となっているのです。LA五輪実績を基盤にスポーツ電通として巨大化していく様子が描写できるかと思われます。本スポーツ電通の実践現場の様相は、本シリーズ後に「リマインド」としてご紹介できればと思います。是非ご一読下されば幸いです。

企業電通IOCをクライアント(顧客)として

もちろん、LAOOCでの民間資本導入の成功を横目で眺めていた当時のIOCのアントニオ・サマランチ会長は、そのような甘い蜜を見逃すような人物ではありませんでした。

1984年以降のオリンピック大会をロス大会よりもっと金の儲かる巨大なビジネスにしようと、サマランチ会長は、IOCの独占広告代理店(Excusive Advertising Agency)として株式会社電通(略:電通)を指名し、長期契約を成立させ今日に至っている次第です。よって、企業電通は、IOCのビジネスパートナーでありIOCが委託している各国NOCも莫大な恩恵をIOC経由で受けている関係である事を此処にご紹介し、読者の皆様の心の片隅に置いて頂ければこれからのKファイルの展開がより解りやすいかと思います。

このようなIOCNOC、広告代理店電通の関係から、企業電通にとっては、オリンピック大会が何処の国に招致されようと電通本体のビジネスに何の支障も起きないシステムが構築されているのです即ち、オリンピック関連のスポンサービジネスに関しては、全て何処で大会が開催されようとも電通を通さない限りオリンピックスポンサーになり得ない構図が完成されているのです。 

 

2.企業電通国際陸上競技連盟との親密

  な関係

 電通のさらなる野望

此処でIOCだけが美味しいパイにあやかっているのではありません。企業電通は、IOCは世界最大のオリンピック・イベントを保有している一つのクライアントでしかすぎないのです。

LAOOCでのビジネス実績、IOCのビジネスパートナーとしての信頼を担保に次に大きなマーケットを保有している国際競技連盟(略:IGB International Governing Body)でその加盟団体の一つである国際サッカー連盟(略:FIFA、Federation International of Football Association)ワールドカップ・サッカー(略:W杯サッカー)の権利を手に入れるためにLAOOCの利権を得ていた当時、同時に作業が進行し、結果1982年のW杯サッカー・スペイン大会の会場で「スペインの嵐=電通は他企業が保有していた権利を強奪」と呼ばれるドラマを演じたのです。これにより企業電通は、FIFAの独占広告代理店としてこれまた長期契約を結んで今日に至っているのです。

次に企業電通がターゲットとしたのが、皆さんも記憶にある「91世界陸上東京大会」でおなじみの国際陸上競技連盟(略:IAAF、International Association of Athletics Federations)で現在は本連盟の名称を改名し世界陸連(略:WA、World Athletics)と独占代理店契約を締結し、今日に至っているのです。電通が契約した当時は、IAAF第4代会長のプリオ・ネビオロ氏(イタリア)で、本五輪招致疑惑に関わったのは第5代会長のラミン・デイアク氏(セネガルでした。よって、電通は、デイアク氏とはビジネスパートナーの間柄であり、この親密な関係に於いて、内部情報は手に取るようにオンタイムで把握できる立ち位置にいたのです

読者の皆様は、パズルのピースが段々と正しい位置にセットされ、隠されていた疑惑の絵模様が浮き彫りになってきたのではないでしょうか。

リオ五輪招致に関する勝利の方程式

リオ五輪招致委員会は、最終的な票集めのキーとなる勝負の分かれ目はIOC委員の数十票と結論付けていたと推測されます。リオ五輪招致委員会の実力者は、ブラジル五輪委員会(BOC)会長のヌズマン氏と言われていました。

最終的にIOC総会の数日前に、ヌズマン会長は、ブラジル企業から得た資金を国際陸連(IAAF)のデイアク会長とその息子(パパマッサタ・デイアク氏)に買収資金を渡し、IOC委員の確かな票(主にアフリカ大陸の委員達)の買収を実行に移すため仲介役になったと言われています。その模様は、既に海外マスメデイアが当時から報道して来た通りで、カルロス・ヌズマン氏はブラジル当局により逮捕されました

フランス検察当局は、兼ねてよりロシア選手の薬物疑惑隠ぺいに関わっていたデイアク氏と息子のフランス国内での資金洗浄に端を発した捜査から、リオ五輪招致に関わる確証を得、一気にリオ五輪招致の不正を解明。その過程に於いて2020東京五輪招致不正の事実を押さえたので、本格的な捜査に踏み切ったと思われます

2016リオ五輪招致に関する報道

1)2017年3月3日(仏ルモンド(Le Monde)紙):

リオ五輪招致の不正疑惑で検察が捜査

2016年に行われたリオデジャネイロ五輪の開催地決定に絡み、賄賂が支払われた疑いがあるとして、フランス検察が捜査を行っていることが明らかになった。

国際オリンピック委員会IOC)は、仏検察当局とコンタクトを取る意向を示すとともに、2009年に開催地がブラジル・リオデジャネイロRio de Janeiro)に決定する以前に、IOCメンバーのフランク・フレデリクス(Frank Fredericks、ナミビア)氏に金銭が支払われていたとして、倫理委員会が調査を行っていると述べた。

ルモンド紙は、仏検察の捜査官が「2016年大会の開催地がリオデジャネイロに決定したプロセスを疑う証拠を固めている。リオは不正を行っていた疑いがある」と報道。 

2)2017/10/6(日本経済新聞配信【サンパウロ=外山尚之】

ブラジル連邦警察局は5日、2016年リオデジャネイロ五輪の招致に関する贈賄容疑で、ブラジル・オリンピック委員会のヌズマン会長を逮捕した国際オリンピック委員会IOC)委員ら関係者を買収するための賄賂は少なくとも200万ドル(約2億2500万円)にのぼるという。

ヌズマン会長はIOC委員らに対し、開催国を決める投票の見返りに、ブラジルの実業家などから集めた資金を渡すスキームに関与していたという。リオ五輪を巡っては競技場の建設費が水増しされており、その一部が政治家への賄賂の原資になるなど、政官財が一体となって裏金を捻出していたことが明らかになっている賄賂を受け取ったとされるIOC委員のひとりは2020年の東京五輪を巡る招致活動でも金銭の授受があったとされ、名前が取り沙汰されている

2020東京五輪招致の関連報道

1)2017.9.13(英紙ガーディアン(電子版)):

五輪招致の不正疑惑…東京、リオで買収と結論 

2016年リオデジャネイロ五輪と20年東京五輪招致の不正疑惑を巡り、ブラジル司法当局が両五輪の招致委員会から、当時国際オリンピック委員会(IOC)委員で国際陸連会長だったラミン・ディアク氏(セネガル)を父に持つパパマッサタ・ディアク氏に対し、多額の金銭が渡った可能性があると結論づけたことが分かったガーディアンは昨年、同氏と関連のある業者の口座に東京招致委から多額の送金があった事実を報じた。東京側は不正を否定している

以上本件に関わる内外の報道を一部ご紹介させて頂きました。

 

3.筆者の素朴な疑問と私見

フランク・フレデリクス氏の出現と現金運搬ルート

読者の皆様は、上記Kファイル及びマスメデイア報道内容から2016リオ招致の決定的シナリオのキーが何処にあったかを想像できるのではないでしょうか。筆者が一番驚いたソースは、フランク・フレデリクス(Frank Fredericks、ナンビア)氏の名前です。何故驚いたか、筆者は、F.フレデリクス氏が米国の大学に留学していた頃から学生選手として大変よく存じていたからです。彼が、このような事件に関与しているなど驚くよりショックであった事の方が正直な気持ちです。確か、2017年3月でしたか、フランスのルモンド紙、英国のガーデイアン紙がフレデリクス氏の名前をリークした報道を米国の友人達から送られて来た時でした。時を同じく、米国の陸上関係者、及び大学関係者より連絡を受けその時最初に彼の本件への関わりを詳しく知った次第です。彼を知る多くの米国の関係者達は、私同様に信じませんでした。それ以降私は、海外の報道並びにフレデリクス氏と親しい、本件をよく熟知している筈の米国、英国の陸上競技関係者達からの情報で事の成り行きを把握できました。

フレデリクス氏は、学生選手時代からアカデミックに於いても学業優秀で何度もオールアメリカンに選ばれた優秀な留学生選手でした。アスレテイックに於いては1991年のNCAA(全米大学競技スポーツ協会)主催の全米大学陸上選手権に於いて、室内200メートル、屋外100、200メートルのNCAAチャンピオンに輝き、オリンピック大会、世界陸上大会に於いても多くのメダルを獲得したカール・ルイス選手と共に、名実ともに世界のトップスプリンターの1人であったのです。世界のスプリンター関係者、スプリンターファンなら知らない人はいません。

米国の大学競技選手に贈られる「オールアメリカンの称号」は、文武両道に於いてその栄誉と敬意を後世まで伝えられる名誉ある勲章

人物に於いては、誰もが認める大変温厚で物静かな人柄、冷静沈着、世界中の選手達からもリスペクトされていました。その証として、フレデリクス氏は、嘗て室伏広治選手がIOCのアスリート代表委員に立候補し違反行為をして立候補を取り消されたアスリート委員にも満場一致で選ばれた人物であったとも聞いています。彼ほど実直で軽はずみな行いを慎み、曲った事を好まなかった彼が、何故このような事件を起こしたかにわかに信じがたい話でした。

F.フレデリクス氏の苦渋の決断

 フランク・フレデリクス氏は、米国の大学を卒業後母校の指導者として仕事のオファーを受けたにも関わらず、彼は母国ナミビア(アフリカ)に帰国したのです。此処からは、筆者が彼と親しかった方々からの情報を基に私見及び推測に成ります事を先ず理解して頂ければ幸いです

彼は、母国に帰っても英雄だったと聞いています。それは、彼が将来のナミビアの大統領との噂も米国には流布して来ていた事から想像できるかと思われます。また、彼は、親日家でもあり彼の選手時代のスポンサーは日本のスポーツ・メーカーであった事からも日本大好きな方であった事が伺えます。

そして、彼は、アフリカ諸国のIAAF加盟国、IOC加盟国の重鎮達からも尊敬し慕われる人物で在った事は事実です。既に当時IAAF(国際陸連)の会長であったデイアク氏(セネガル)は、フレデリクス氏の人徳を十二分に知っていた事は言うまでもなかったと思われます。一方、デイアク氏親子は、アフリカ諸国に於いてあまりリスペクトされる人物でなかったようです。デイアク会長にとって、フレデリクス氏は政治的に利用できる貴重な存在であったに違いないと推測する次第です

その証として、デイアク会長は、年若くしてフレデリクス氏をIAAFの重要ポジションに迎え入れ、同時にIOCの委員に推薦し、重要なポジションを与えていたのです。また、フレデリクス氏も、デイアク会長を後ろ盾にIAAF、IOCの表舞台に立つようになりました。そこでまた、彼を将来のIAAF会長に、IOCの会長にとの噂が欧米にまで広まっていたのも事実です。このような事から、同氏とデイアク氏の関係は、抜け差しならない状態になっていたのだろうと推測せざるを得ないのです。

そこで、16年リオ五輪招致に関するアフリカ諸国のIAAF、IOC関係委員達の買収に手を染めてしまったのではなかったか。外電では、彼はデイアク会長の息子から約3000万円が手渡されていたと報道されています。フランスの検察当局も認めています。フランス検察当局は、フランク・フレデリクス氏を起訴し本格的な聴取、捜査を決断しました。確か2018春にフランス検察当局との間で司法取引(plea bargaining)に応じ、既に証言(testify)を行い、確か昨年(2018年)秋ごろには母国ナミビアに帰国したと思われます

彼の性格からしても、この司法取引は、大変苦渋の決断であったと推測致します。現在彼は、母国ナミビアで家族(二人のお子さんと妻)と平穏に生活しているとの事を風の便りで聞きます。今後さらなる証言に戻らなければならないようなので、許可なく外国への渡航が出来ない状態が続くのかも知れません。時系列から致しますと、竹田恒和氏(JOC会長)がフランス検察当局から呼び出されたのは、2018年12月10日であったので、丁度フレデリクス氏が母国に帰国した後だった事が伺われます

筆者の同氏への期待と願い

彼が、2020東京五輪招致にリオと同じルートと手順で関わったかどうかの証言を司法取引で行ったかどうか、筆者は知る由も在りません

彼と彼の家族が平和で健康的な生活に一日も早く戻れる事を遠い日本から願ってやみません。犯した罪は、自ら償わなければなりません。勿論、米国の大学関係者、指導者、友人、知人達は、如何なる手を差し伸べる事もいとわない思いで彼の反省と再起を心より願っているに違いありません。

筆者は、フレデリクス選手が2020東京五輪招致にどれ程関わったか、そうであるならデイアク氏親子以外に日本の誰に頼まれたのか、何故断れなかったのかの事実を直接確認したい気持ちもあります。何故なら、彼はそのような学生選手でなかったので今日も信じられないからです

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:G file「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:フランク・フレデリクス氏の件は、積み重ねて来た若者の努力と栄光が、自身の心の隙間に忍び寄る悪魔の手により一瞬にして失ってしまった例ではないでしょうか。これは、他人事でなく誰にも起こりうる近年のスポーツ界に於けるアスリートの環境である事を教えてくれました。今日、本件は他人事でありません。日本にも恩義、忠義を忘れて人を裏切り、私欲を優先するアスリートは、沢山居ます。次回は、2020東京招致委員会から2020東京五輪組織委員会への移行に起きる、起きた様々な報道されない陰湿な出来事を素朴な疑問、現実としてお伝えできれば幸いです。

KファイルNO.154: 東京五輪招致活動は偽りのプレゼンに始まった

KファイルNO.154: 東京五輪招致活動は偽りのプレゼンに始まった

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

読者からの便り

私は、いつも河田さんのスポーツアドミニストレイターとしての貴重な知的財産を無料で社会還元して頂いている事に心より感謝致します。

河田さんが書いておられるように、東京五輪招致委員会の二つの組織の大部分の方々は、会議で「異議なし」と発するだけの何も知らない人と、既に忖度を受けていた人達の寄せ集めなので口を閉じている人なのだと思います。そもそもこの評議委員会と理事会との関係は、可笑しな公益財団法人なのです。通常、理事会は実務の執行機関で、その決定は評議委員会の承認を受けて正式決定になりますから、評議会は理事会が正しく活動しているかチェックする上位機関のはずです。しかし、招致委員会の評議会議長は何と、理事会の長その人ではありませんか! 

実際に物事を動かしている人たちは裏にいて、これら表の組織はおっしゃっているように形式的なものになっていることを示しているようです。議事に参加するメンバーたちにも問題意識はなく、メンバーになって肩書が付き、ハクが付いたくらいか、ボスのおこぼれを待っている人達だと思います。内部から正しいことを言うとか改革するなどとてもとてもという感じだったのだと思います。我が国では、他の組織でもそうですが、大半の委員、役員はその体制のイエスマンしか推薦、任命しないので内からの改革は難しいです。この国の致命的な組織構造と体質がここにあるのだと思います。これは、近年第三者委員会を作る時のコンセプトも同じだと思います。河田さんにお願いがあります。このKファイルは、これから未来の日本のスポーツ界、教育界、社会の指針となる貴重な資料です。KファイルをGfile同様にドキュメント書籍にして頂けませんか。私の信頼できる出版社(教科書も扱う)の経営者をご紹介致したいのですが、ご一考下さい。 

読者より (元省庁の重鎮)

 

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筆者からのお知らせ

筆者は、本招致活動に関係を致していない事を先ずご承知おきください。そこで本件に関しましては、スポーツ・アドミニストレイターとしてこれまでの類似した巨大大会に関係した経験、体験、等を加味して論じさせて頂きます。

このことから一般の読者の方々とは少し異なる視点になるかも知れません事をご理解ください。読者の皆様には、複雑怪奇になった問題点、人間模様、事の真相、等をできる限り判りやすく、シンプルに述べさせていただき話題と理解を共有できましたら幸いです。また、Kファイルの過去の掲載記事をリマインドして頂くために添付させて頂きますので熟読して頂ければ、よりスムーズに理解頂けるかと思います。

目次

KファイルNO.154: 東京五輪招致活動は偽りのプレゼンに始まった

東京五輪招致の失敗と成功の舞台裏

1.2016年東京五輪招致敗戦と無責任な委員達

      ■2016東京五輪招致経過と結果

         莫大な招致費用の証拠を全て隠蔽破棄

    2016年東京五輪招致委員会 役員名簿一覧

2.2020年東京五輪招致活動に再度挑む

     ■2020年東京五輪招致創世記

     ■2020東京五輪招致委員会は二派閥により構成

     2020年東京五輪招致委員会理事会名簿

     2020年東京五輪招致委員会評議会名簿

    ■実戦部隊は何処に

 まとめ

 

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2021年3月25日      公開

KファイルNO.154: 東京五輪招致活動は偽りのプレゼンに始まった

東京五輪招致の失敗と成功の舞台裏

1.2016年東京五輪招致敗戦と無責任な委員達

 

2016東京五輪招致経過と結果

2016年東京五輪招致を目的に、当時の東京都知事石原慎太郎氏を会長とした、特定非営利活動法人東京オリンピックパラリンピック招致委員会は、2007年3月に設置されました。同委員会には、最高顧問として当時の内閣総理大臣福田康夫首相、特別顧問に全大臣、顧問に全副大臣が就任したのです。本招致委員会のスタートは、国会議員、都議会議員等、オリッピック利権に群がる政治家の集団が招致委員会と称しても過言でなかったのが特徴のようでした。しかし、2009年のIOC総会で2016年夏季五輪開催地は、リオデジャネイロ市(ブラジル)に決定したのでした。結果として、大勢の政治家、役人が大挙したにも関わらずどうなるものでなかった事が理解されたのではないでしょうか。16東京五輪招致委員会は、2010年5月31日に河野一郎事務総長(現2020東京五輪組織員会副会長)以下招致委員会全理事が退任。7月1日に東京五輪招致委員会は、「国際スポーツ東京委員会」に改称して、事実上の敗北を宣言したのです。

 

2016東京五輪招致に関する金銭疑惑発生

莫大な招致費用の証拠を全て隠蔽破棄

本招致活動に関する金銭疑惑は、当時も既に国内に於いて次から次と浮上して来たのは読者の皆様も未だ記憶に新しいのではないでしょうか

この問題は、先ず東京都議会議員らから、余りにも高額な支出について招致委員会への喚問に端を発したのです。16年東京五輪招致総経費は、約150億円(内東京都分担金18億円)であったと報道されています。しかし、当時の招致本部の担当部長は、本招致活動に関して制作費用、制作会社、また、プレゼンテイションに要した莫大な費用が支払われている事に対する明細すら提示回答出来なかったのです。

此処で出て来たのは、東京都が負担した2009年度のIOC委員へのプレゼンテイション費用の総額2億475万円、英国の映像制作会社に依頼した映像製作費が、何と10分間の映像が5億円費やしている事です。招致委員会の理事、評議員は、実務に不向きなお飾り的なメンバーで、専門家を選考配置していなかったからなのか、広告代理店の言いなりの値が付いたと評されても仕方のないことでした。都民、国民の血税がこのように使用されても、誰もそれを止めなかった事は大罪と言えると思います。

2012年招致委員会の報告書は、報道陣に公開されたようですが、調査報告によりますと、なんと東京都知事石原慎太郎氏)は、16年度招致活動の8事業支出約18億円分の経理書類を保管期間であったにも関わらず、紛失したとして保存していなかったのです

此れらは、またしても「98年長野冬季五輪後の経理の書類を焼却して何もございません」と言っているのと同類の行為と体質と言えます。全て我が国、社会の無責任制度がその根幹をなしており、自由民主主義国家と言い難い体質そのものの様に思えます。今日も未だ改善されない最大の問題は、我が国の制度にあり、その制度を逆利用しているのでないかと筆者は思う次第です。

16年東京招致に関する経理の資料は、保管期限が義務付けられているにも関わらず、このような体たらくの委員会、役人達の責任感とモラルは計り知れず犯罪者の行為なのです。しかし、何の責任も問われず今日まで誰もが結論を求めない不思議な社会と公共組織、団体である事も確かなようです。このような伝統的な手法は、2020東京五輪招致委員会に引き継がれ、そして2020東京五輪組織委員会へと継承しているのです。此処で初めて出て来た民間企業は、「株式会社電通」という名の会社名でした。

 

2016東京五輪招致委員会 役員名簿一覧

会長 :都知事 石原慎太郎  

副会長:JOC会長 竹田恆和、副知事 横山洋吉、谷川健次、佐藤広 

理事:都招致本部長 熊野順祥、

荒川満、  建築家 安藤忠雄、  猪谷千春岡野俊一郎、林務、遅塚研一、 福田富昭小谷実可子、市原則之、荒木田裕子 

事務総長: 河野一郎 

日体協会長: 森喜朗 

経団連会長: 御手洗冨士夫 

日商会頭: 山口信夫、 岡村正 

都議会議員: 山﨑孝明、 高島直樹 

JPC委員長 :北郷勲夫 

オリンピアン:室伏広治

監事 :JOC監事 岩楯昭一、

都財務局長 谷川健次、 村山寛司 

以上が16年東京五輪招致委員会理事並びに役員です。

読者の皆さんは、是非このメンバーをご記憶して於いて下さい。これから2020年五輪招致委員会、20年東京五輪組織委員会理事、役員名簿をご紹介します。最終的に何方が本招致結果に対して神輿に鎮座し、そしてその担ぎ手は誰なのかをご想像頂けるかもしれません。そして、ポリテイカル・ビジネスゲームの勝ち組、負け組を理解され、読者のパズルの空欄を埋めることになるかも知れません。汚れたパワーゲームのアクセルは、これから一気に踏み込まれて加速が始まるのです。

 

2.2020年東京五輪招致活動に再度挑む

2020東京五輪招致創世記

石原慎太郎氏は、東京都知事に4期当選した後、2011年4月10日に再度2020年オリンピック開催地への立候補をしたのです。そして同年9月15日に特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会(略:20東京五輪招致委員会)を設立会長には石原慎太郎が、理事長には日本オリンピック委員会JOC)会長の竹田恒和氏が鎮座し、第1回理事会が開催されたのでした。

此処で本招致委員会は、何故か活動費の一部として広告代理店の電通から約6億9,000万円借り入れたとされているのです。本件に関する双方の経緯は、書面での一切の情報公開が国民、社会にはなされていません。双方の貸し借りへの対価は、何であったのかの情報公開がなされないまま今日を迎えているのです。

株式会社電通(略:電通)は、営利の広告代理店企業であり、招致委員会は非営利組織・団体でビジネス実践キャリアの無いいわば素人集団なのです。招致委員会は、電通を利用しようと安易な思考の基に関係を構築して行ったのでしょうか。それ以降は、物心ともに電通を頼らざるを得ない状況が日々醸成されて行ったのだろうと筆者は推測しています。

電通は、バランテイアー企業でなく莫大な収益を求める会社、企業(広告代店)である事を本委員会の理事、役員達の何方が認識していたのでしょうか。逆に利用してやるくらいのレベルの思考回路しかなかったのか、或はその時点で電通に公私ともに世話になっていた理事、評議員、役人が多くいたのかも知れません。その事は、これからだんだんと関係が明らかになるのでこの件をご記憶して頂ければ幸いです。

 

2020東京五輪招致委員会は二派閥により構成

本20東京五輪招致委員会は、上記のように2011年9月15日に第1回理事会が開催さているのに対して、同年11月28日には、政財界などの要人で構成した評議会の第1回会合が開かれ13年1月には森喜朗副会長が評議会議長に就任した

此処に20東京五輪招致委員会は、理事会のボスと評議会のボスの二頭体制が立ち上がり、これからいよいよ政争、利権闘争が開幕の火ぶたが切って落とされたのです。この招致委員会の構造から理事会、評議会は、何としても招致獲得に勝つ事でパワーゲームの勝者も確定すると読んでいたと思われます。よって、理事会、評議会と二股をかけ先読み委員、役員、国会議員、都会議員達が居たのもうなずけます。

企業電通は、何方が勝利しても利益獲得する為にも両陣営に協力、支援するのは当然のビジネスセオリーという次第ですそして、委員会は、11月30日に「ロゴ・マーク」が制定され、電通をスポンサー担当専任広告代理店として指名、契約を締結するに至った次第です。本契約の経緯は明らかにされていませんが入札でなく、随意契約であったようです。

この招致委員会の理事会と評議委員会の二頭体制のパワーゲームは、2020東京五輪招致疑惑への暗黒の世界へとミスリードされて行くのです。この航路は、闇のネットワークへの入り口であったと思わざるを得ないのも無理からぬことです。このことを予知していた人物がいるとするならば、それは、2020東京五輪招致活動のシナリオライターが全てを見通していたと思われますこのシナリオライターこそが、ポリテイカル・ビジネスのビジネスアドミニストレイターとしてのプロフェッショナルその人なので。このような方は、実践に強く頭脳明晰で人前で目立つような事はしないし、政治家、スポーツ関係者のように目立とうとも思わないのです。自社企業のビジネスと繁栄の為に業務を遂行するのです。

2020東京五輪招致委員会理事会名簿 

 ★は理事会/評議会の両方 

理事長 JOC会長 竹田恆和

副理事長/専務理事 同副会長 水野正人 ★ ミズノスポーツ株 会長

副理事長 同専務理事 同副会長 福田富昭

副理事長 同専務理事 市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会長 伍藤忠春

副理事長 東京都副知事 佐藤広

理事 日本体育協会 岡崎助一

理事 JOC理事 橋本聖子

理事 同国際専門部会員 鈴木大地

理事 パラリンピアン 成田 真由美

理事 日本オリンピック委員会理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 国際専門部長 野上義二

理事 元東京2016招致委員会事務総長 河野一郎

理事 同総合企画・国際部長 元東京2016招致委員会事務次長  中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長 細井 優 ★

監事 日本オリンピック委員会監事 深津泰彦

監事 東京都財務局長 安藤立美

 

2020東京五輪招致委員会評議会名簿

★は理事会/評議会の両方

【会長】石原慎太郎猪瀬直樹

【副会長】森喜朗(議長)竹田恆和★ 米倉弘昌 岡村正

【事務総長】小倉和夫

【事務総長代行】樋口修資

【委員】水野正人★ 河野一郎★ 細井優★ 遠藤利明 猪谷千春  岡野俊一郎 

              鳥原 光憲 張富士夫 山田啓二 達増拓也 村井嘉浩 佐藤雄平 長谷川閑史

           槍田松瑩 中村芳夫 上條清文 松本正之 広瀬道貞 秋山耿太郎 古賀伸明

           福井正興 相川敬 石澤義文 成清一臣 安西祐一郎 島村宜伸 土川健之

           仲田和雄 松本好雄 石黒克巳 笹川陽平 王貞治 樋口久子 川淵三郎 

              鈴木寛 奥村展三 溝畑宏 

以上2020東京五輪招致委員会の理事会、評議会メンバーです。

実戦部隊は何処に

2020東京五輪招致員会の理事会、評議員会には、まだ株式会社電通の関係者の名前をお見かけ致しません。しかし、電通に通じた代弁者、忖度者は、多く見当たります。本招致委員会の中には、残念ながら本物のスポーツ・アドミニストレイターの姿は、見掛けられないようです。よって、メンバーには、オリンピック招致に必要不可欠な真の情報収集力を期待するのは難しいのです。

近年の巨大なスポーツ・ビジネスの成否は、情報の入手力、その為のネットワーク力、即ち何処の誰が必要不可欠な情報のイグニッションキー(車のエンジンをスタートさせる鍵)を保有しているか否かにかかってくるという事です。そして、その情報が真の情報か否かを見極める為には、見極めるスキルもあるのです。このように得た高価な情報は、次に如何にして活用するかリテラシー(Literacy活用)の能力に委ねられると申し上げて過言でありません

本プロゼクトを勝ち取る為には、上記役員、メンバー達は組織・団体を形成する為の社会、国民、都民への信用担保なのです。これから必要不可欠な莫大な資金集めの為には、如何にして国、都に対して、また民間企業のスポンサーを信用させるための担保として、集金ゲームの準備をする為の顔見世興行と理解された方が理解し易いかも知れません。

招致を勝ち取る為には、この時点で既にシナリオライターの構図に基いた真の情報の収集に日夜心血を注いでいる部隊が居たとお見受け致す次第です。真の最前線の人達には、このようなお飾り的な委員会、政治家、役人リストは招致を勝ち取るために何の意味もなさない事を百も承知しているのです。勝負は、この時期既に水面深く潜航し真のキーを探している企業戦士達の高度な諜報、情報収集とそのリテラシーにかかっている次第です

それは、本招致ゲームに勝利する為の重要不可欠なソースなのです。そしてその確証を握る人物に如何にして近づき手に入れるか。そこでは、どれ程の軍資金が必要でその確約をどう担保できるか。ゲーム展開からみて、勝敗の分かれ目は、IOC委員の数十票回収に全てが集約される。それは、リオで見せつけられた開票結果からであったのです。筆者は、この理事会、評議員会のメンバーの中にはこのような能力がある人物がいるとは思えませんでした。

まとめ 

シナリオライターは、勝者リオ招致の分析、IOC委員達の動向、等、全ての情報を入手していたと推測出来ます。要するに、20東京五輪招致の勝利の方程式は、リオ招致成功マニュアルのコピーであった、と言われても不思議ないと筆者は分析致しておりますその証は、20東京五輪招致疑惑がリオ五輪招致事件と酷似である事からも、疑われてしかるべきなのかも知れません。この件に付いては、次回その生々しい取引とそれらの人物が登場してくることにより鮮明に理解できるかと思われます。

此処で、プロのスポーツ・ビジネスアドミニストレイターに近づく情報、手立てを一番よく実践経験を通して持っている組織・団体の部隊を動かさざるを得なくなるのです。また、勝敗の行方を担保する為には、この度の招致疑惑のルート以外に数本のルートを開発している事は容易に想像できるのです。しかし、現時点では、他の複数のルートに付いては、フランス当局の事件(①ロシアドーピング疑惑、②トーピングに関わるマニーロンダリング、等)との関わりを持たないためにマスメデイアに晒されなかったのかも知れません。

筆者が本プロゼクトの参謀であったなら、必ず勝敗を左右する為の安全弁として複数の他のルートの開発と担保を確保して置きます。それは、本ゲームのキーを預かる指揮官としての鉄則でありプロとしての当然の戦略なのです。

此れが世界を相手に戦うスポーツ・ビジネスアドミニストレイターの真骨頂で、その真価を問われるこれが勝負どころです。次回ご期待ください。

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:Gfile 「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:

NO.154は如何でしたでしょうか。読者の皆様の脳神経に刺激が与えられ、どんどんと神経細胞が活性化し、脳の各分野にインパルスがエネルギーを運び始めた時期でしょうか。今日の東京五輪組織委員会JOCIOC、政府関係者の動向、時事の事件、人事舞台、等々が透けて見えているのでないでしょうか。次回は、本招致活動に於ける本論とその闇をご紹介できるかと思います。