KファイルNO.148:企業に横取りされた大学箱根駅伝の商標権(2)

KファイルNO.148:企業に横取りされた大学箱根駅伝の商標権(2)

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

 筆者からのお知らせ

 2020年度Kファイル掲載は、本NO.148号を持って最後となります。本年も根気よくお付き合い頂き有難うございました。読者の皆様のご健康と平和なHoliday Seasonであります事を心より祈念致しております。次回Kファイルは、予定通りに掲載を予定致しております。深謝

読者からの便り

1.河田先生

ブログ147号、拝読いたしました。箱根駅伝に出るような大学生ランナーが実業団に対しプロ契約を迫る図式、高校野球強豪校が中学生をスカウトするあの悪しき伝統がもとになっているのかなと、中学の硬式野球クラブチームと10年お付き合いをして見えてきたところです高校野球連盟は、現場の選手の非教育的な事実に何故目を背けて改善しようとしないのか、マスメデイアは何故事実を報道しないのでしょうか。

スカウトに来るのが高校の監督とは限らず、普段何をされているのかわからないブローカーのような方が来られ、寮費免除だとか、学費半額、だとか、どんな立場で権限を持っておられるのかわからないような人が、その場でどんどんお金の話をされているのが聞こえてきます。まだ中学生(それも2年生の秋を迎えたばかりの)選手が聞いたら大きな勘違いをするような…。高校野球のファンが知ると目を背けると思いますが、これが現実です。

入試に関しても完全にフェアネスを欠くと学校側も承知したうえでの活動でしょうから、水面下で行われるのだと思います。進学して、約束と違った、という話も時折耳にしますが敢えてその話は聞かないようにしています。今や私学のみならず、公立高校に於いても公立のマスクをした県立高校が岡山、兵庫、岐阜、等で増殖し始めています。新聞社は、見て観ぬふりですが大学箱根駅伝のアンフェアーな行為で選手獲得するのと酷似なようです。

私は選手の進路等には全く関わりを持たないようにしていますが、高校側は私がその選手を入学までに調子を整えてくれていることをアテにしているのは感じます。いつものことですが、「この世界は昔も今も全く変わらず、コレで回ってきているのだから」と変化を拒む大人達(父母を含む)がこのような方向に導いてしまっていると思います。それも大きな利権をお持ちの方々が上にいますので、打ち崩すのは難しいです。まったく違う価値観の別の組織をスクラッチビルドする方がはるかに簡単かもしれません。しかし、それでは、このような関係の方々の利害、利権が消えるからかも知れません。教育界は、どうして皆にフェアーなルールを作って、それを皆が同意して遵守する倫理観が育たないのでしょうか。 読者より(中学の現場を預かる指導者)

 2.河田弘道

 いつもKファイルを拝読いたしております。ファイルは、質、量ともにスポーツに関する論文、論考の中でもこれ程群を抜いた迫力ある内容は過去に例がないと敬意を表します。先だってもKファイルの話題が我々の仲間内でもありました。僭越ですが、Kファイルの読者は、内外に渡り月間数万人の読者がアクセスされている事も存じ上げています。しかし、毎回数えるくらいの方々しかKファイルに「いいね」のクリックがされていない不思議が話題になっています事をご存じでしょうか。そこで我々は、この現象に興味を持ち我々の広報分析室で分析させてみましたので、お気を悪くされないで下さい。

統計的には、読者の大多数は、毎回の論文、論考を真摯に拝読している事も確かに分かりました。また、毎回首を縦に振りながら拝読しています。このKファイルは、多分膨大な数の人達が吸い込まれるように熟読している事を誰もが想像できます。しかし「いいね」をクリックする事に至らない、それは自分自らの実名が公になる事を恐れているからです。心の狭い自己中的な人間が増殖している今の世の中を象徴していると私は思います。

恥を忍んで申し上げますと私も私の仲間達もみんなKファイルのファンですが「いいね」クリックに躊躇する一人です。河田様は、多分熟慮されて勇気を出して公開して下さっているのに自分自身が情けないです。

この時節、世代の国民、社会の政治への不信は、日々増幅するばかりです。しかし、Kファイルは、多くのマスメデイアの報道、記事では満たしてくれない人々に正義と誠実さ、公平さの必要性を一貫してスポーツの世界を通して教えて頂いているように思います。Kファイルが多くの読者に共感を与えてくださるのは、河田様が実践経験を基にした事実を書かれているからだと思います。「いいね」をクリックできない読者を代表してこの度勇気を持ってご報告させて頂きました。河田様の勇気と決断の足元にも及びませんが、ご理解下さい。このような時節柄、毎回のKファイルの公開日を指折り数えてお待ちしている国民も居る事をご理解下さい。更なるご健筆を期待致しております。TV界がいつ河田様をご紹介するのか楽しみにしています。一般読者は、河田氏があの長嶋ジャイアンツのMr.Kとはご存じでないでしょうね。  読者より(TV報道関係者)

 

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目次

KファイルNO.148:企業に横取りされた大学箱根駅伝の商標権(2)

Ⅱ.BLACK BOX化した大学箱根駅伝

1.此れでよいのか大学箱根駅伝の帰属・既得権

■はじめに

■問題の序章

■学生の教育を疎かにする教育者と外部の大人達

■帰属権と既得権

2.関東学生陸上競技連盟の真の姿とは

箱根駅伝の主催者としての関東学連

3.主催と共催の関係

公益法人と任意団体の違い

関東学連の実態

4.関東学連とはBLACK  BOXか

筆者の素朴な疑問と私見

 

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2020年12月24日木曜日       公開日

KファイルNO.148:企業に横取りされた大学箱根駅伝の商標権(2)

Ⅱ.BLACK BOX化した大学箱根駅伝

1.此れでよいのか大学箱根駅伝の帰属・既得権

■はじめに

毎年12月が来ると年末年始の到来を告げる大学駅伝シーズンの話題がマスメデイアをにぎわします。Kファイルは、この時期に大学箱根駅伝をリマインド連載でお届けしておりますが、この度もまた多くの読者の皆様からのリクエストの声が届いています。

今年も各テーマに修正と加筆をして、読者の皆様にはより内容を濃く理解し易すく改善に努めたいと思います。本Kファイルが日本の大学競技スポーツ、学生選手、大学に取りまして少しでも健全な方向に向かう事を祈念致しております。

■問題の序章

箱根駅伝は、毎年正月の2日、3日の両日早朝7時から午後2時まで長時間に渡ってテレビや、ラジオで実況中継されるほか、SNSの動画、記録配信、等国民的な行事に発展、注目されている事は読者の皆さんもご承知の通りです。

近年日本は、複数の隣国が現在まさに国土を侵食しようと足元に迫って来ています。筆者は、箱根駅伝を正月に視聴しマスメデイアに酔わされている国民、社会を肌で感じるにつけ、我々は、東京五輪箱根駅伝どころでない差し迫った亡国の危機をどうするか真剣に若者達の次世代を思うにつけ、我が国の政治、政治家、社会、教育界の危機感と緊張感の欠落が気がかりです。

筆者は、米国内の事情から日米安全保障条約がこのままいつ迄も継続されるとは思いません。米国の駐留軍が我が国を引き上げたら、この国はどうなるのだろうと現実味を帯びてきた昨今を思うにつけて心配の種は増幅するばかりです。日本国民は、如何するのか。この議論を国民、社会、国会、マスメデイアは、積極的に語ろうとしない、論議もしようとしないで日本国の防衛装備増強の購入議論などは、目先の誤魔化しにしか過ぎません。「歴史は流転」と申します。「平和日本」は、既に政治家、政治力の貧困から狂い崩れ始めているのはスポーツ界同様なのではないでしょうか。侵略国は、現在日本の領土に上陸する事を虎視眈々と戦略から戦術に移行している事に正面から向き合う事が正論です。香港、台湾の次に差し迫った現実です。

学生選手の教育を蔑ろにする教育者と外部の大人達

今回は大会を経営、運営、管理している主催団体をスポーツ・アドミニストレイションとアドミニストレイターの視点から観察、洞察して参ります。我々は、テレビの実況に気を取られている間に、何時しか重要な実態と真の伝統的な大学、学生、学生選手達の遺産がビジネス企業の手に渡ってしまったのではないかと危惧致します。これらは、まさに我が国の国民、社会が平和で浮かれている間に隣国に領地を奪われて行く構図に酷似の状態のように思えてなりません。 

 筆者は、日本の大学競技スポーツ・アドミニストレイションの貧困の弱点を狙った利権の略奪行為が行われた現実を見せられた思いがします。もしこの行為に加担した教育界関係者、大人達が居るとするならば、学生達を食い物にした大罪人と言わずして何と申しましょうか。この大人達の行為により、学生、学生選手達は、商品となり、主従関係が逆転してしまっている事に学生及び学生選手を預かる大学も見て観ぬふりなのか、今日のような舞台裏が構築されてしまったような気がしてなりません。

教育を趣旨、目的とする筈の大学競技スポーツは、その本質が事業(ビジネス)に偏った方向にミスリードされてしまっていると思われます。その意味で、国から毎年私学への莫大な助成金補助金の必要性とその在り方が問われる時期に来ているのではないのでしょうか 

本競技スポーツに関わる大学関係者(大学経営、管理者、教員、職員、学生、学生選手)は、教育という本質を見失い、何でもいいからテレビに出たい、有名になれ的な風潮が極端になってしまった産物の様です。そして、その為には、身体能力の高い選手達を手段選ばず安易にお金の力を利用して内外からリクルートして来る次第です。このような学生選手獲得資金は、いったい大学は何処からどのように捻出されているのでしょうかまさか公金の私学助成金補助金が学内で流用されていない事を願う次第です。しかし、その断言はできません。

このような現実は、既に大学競技スポーツの教育秩序を崩壊させている危険な状態である事を誰もが気付こうとしないのが、重要な課題と問題だと思います。 ここ数年大学競技スポーツが突然話題になっていますが、真に論議しなければならない本質的な問題をどう解決、処理して行くのか、避けては通れない事を関係者達がどれほど理解認識出来ているのでしょうか。この問題に大学関係者、国民、社会が全く無関心である様子は、丁度近年の我が国の選挙民と国会議員、国会の選出、運営、管理の関係にも酷似しているように思えます。

帰属権と既得権

読者の皆様は、本箱根駅伝が「何処に帰属し、既得権は本来何処の誰にある大会なのか」を考えられた事がありますか。勿論、「各加盟大学です」と純粋にまだ思っている大学関係者、読者の皆さんがいる事を願う次第です。この重大なキーワードを各大学の経営者、管理者、また、大学設置を許認可した文科省スポーツ庁)の見識者諸兄は、どのように考えられているのでしょうか。

文科省(元文部省)、スポーツ庁は、何故、このような事態に至る以前に指導、勧告を加盟大学に行わなかったのか、これもまた不思議な教育機関の省庁と言わざるを得ません。多分何も思考した事がないか、政治力により省庁は、何ももの申せないのかだと思われます。或は、インボルブ(首を突っ込む事)することを避けてきた様子も伺えます。これも省庁、官僚達の大学への天下りの悪循環が支えている利権の構造的な弊害なのかも知れません

2.関東学生陸上競技連盟の真の姿とは

箱根駅伝の主催者としての関東学連

先ず本箱根駅伝がどのようにして運営、管理されているかをスポーツ・アドミニストレイションの視点で述べるに当たり、開催要項から覗いて見ることに致します。

開催要項:

1)大学箱根駅伝

主催  :関東学生陸上競技連盟(略:関東学連) 任意団体

共催  :読売新聞社(2004年、箱根駅伝の商標登録権を読売新聞東京本社が獲得し後援から共済に移行)

特別後援:日本テレビ放送網株式会社(略:NTV)

後援  :報知新聞社

特別協賛:サッポロホールデイングス株式会社(サッポロビール株式会社)

協賛  :ミズノ株式会社 トヨタ自動車株式会社 セコム株式会社 

     敷島製パン株式会社

運営協力:東京陸上競技協会、神奈川陸上競技協会、名橋「日本橋」保存

     会箱根町 株式会社陸上競技者(2017年度学連要項より)

注:警視庁、神奈川県警:通常は、協力、支援として告知するべきですが、名称も告知されていない。尚広告代理店は、博報堂

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ご参考までに、

公益社団法人日本学生陸上競技連合が主催する大学駅伝大会要項

2)全日本大学駅伝対校選手権大会(伊勢)(商標登録無し)

主催:公益社団法人日本学生陸上競技連合 朝日新聞社 テレビ朝日 メ~テレ

後援:スポーツ庁 愛知県 三重県 名古屋市 伊勢市 日刊スポーツ新聞社 

   一般社団法人中部経済連合会 中部経済同友会 愛知県商工会議所連合会 

   三重県商工会議所連合会

運営協力:東海学生陸上競技連盟 一般財団法人愛知陸上競技協会 一般財団法人三重

     陸上競技協会 支援:愛知県警察本部 三重県警察本部

特別協賛:JAバンク

協賛:興和

協力:シチズン時計 三重交通グループ ニューバランス ジャパン 

   三菱UFJリース radiko 日清オイリオグループ

企画協力:アサツーディ・ケイ(広告代理店)

3)出雲全日本大学選抜駅伝競争(商標登録無し)

主催:主催公益社団法人日本学生陸上競技連合出雲市

主管: 出雲全日本大学選抜駅伝競走組織委員会

運営協力:中国四国学陸上競技連盟、一般財団法人島根陸上競技協会、出雲市陸上

     競技協会、島根県警察本部・出雲警察署、陸上自衛隊出雲駐屯地

協賛:  富士通株式会社

後援: スポーツ庁島根県島根県教育委員会島根県立中央病院、出雲市教育委員

    会、公益財団法人島根県体育協会、フジテレビジョン産經新聞社、サンケイ

    スポーツ、ニッポン放送、TSK山陰中央テレビ山陰中央新報社、

    エフエム山陰

3.主催と共催の関係

箱根駅伝は、関東学生陸上競技連盟(略:関東学連)という団体が主催し、読売新聞社が共催していますまた、主催団体は、法人資格を持たない「任意団体」であり、わが国においては「権利能力なき社団」と解釈されている団体です。しかし、共催の読売新聞社は、「箱根駅伝」の商標登録(第5565518号)を既に読売新聞東京本社が2004年に行い所有しています。本商標登録を加盟大学の同意を得ての登録か否かは不明です。また読売新聞社は、本商標登録をした年に後援から共催に格上げになっていますが、何故主催に名をあえて連ねなかったのか、興味深いところです。共済は主催と同格とされ名称が異なるだけです。

公益法人と任意団体の違い

関東学生陸上競技連盟関東学連)は、独自に「関東学生陸上競技連盟規約」を発行しています。それは公益法人と任意団体との違いにおいて、任意団体は、「営利」「非営利」いずれも可能であり、任意団体には任意規約が必要です。また、役員の責任に関しては、規約に明記されておらず不明瞭な文体で「任意団体の規約に基づいて誰にどのような義務が課せられているか、その義務に違反した行為があるかどうか等による」との事です。読者の皆様は、ご理解できますか。筆者は、上記内容に関しては意味不明です。余剰金の扱いに於いては、任意規約によるとされ、税制に於いては、収益事業課税対象になっているのかどうかも公開しないので不明です

何故、関東学連は、公益法人ではなく、任意団体を選んでいるのか。公益法人は、全てに於いて公開を義務付けられているのに対して、任意団体は、規約のみの開示で他の重要な情報の「開示義務なし」だからなのかもしれません。この事からも関東学連が、何故公益法人としないかの理由がこの辺りに潜んでいるような気がするのは筆者だけでしょうか。大学の教育の一環、延長線上に位置するはずの本箱根駅伝の運営、管理が、何故不透明で責任の所在の無い任意団体を今日まで続けているのか

読売新聞東京本社は、2004年から「箱根駅伝」の名称を独自に商標登録し、後援から共催と格上げしました。これは、読売新聞東京本社の持ち物であることの証です。関東学連は、読売新聞東京本社に「箱根駅伝」の商標登録の使用許可を受けなければならない主催者となったのです。よって、読売新聞東京本社は、関東学連に対して「箱根駅伝」の使用料を請求できる立場と権利を持っているのですこの事を名目として関東学連は、莫大な金額を毎年支払っているのかも知れません。もしそうであるならば、これは重大な問題でないかと危惧致しますが、如何でしょうか。業界では、本関東学連に対して何十年も前から経理に関するグレーな噂が絶えない理由の本質が此処にもあるのかも知れません。

規約第3条の目的には、「本連盟は、関東における学生陸上競技界を統括し、代表する学生自治団体であり、学生競技者精神を尊重して加盟校相互の親睦を深め、互いに切磋琢磨して競技力向上に努め、わが国陸上競技の普及、発展に寄与することを目的とする」となっています参照URL:http://www.kgrr.org/about_iuauk/kiyaku.pdf

先ず此処で、注目したのは、「学生の自治団体」という文言です。素直にこれを理解致しますと、「関東学連は、加盟大学の学生達の手に寄って運営、管理がされている団体である」、と理解できます。しかし、実態は、上記関東学連規約を拝見致しますと、学生達は、連盟の幹事という肩書を与えられた補助役員、バランテイアー活動的な駒でしかない事が容易に理解できるのです。

その証として、規約に明記されている重要決議の会議、委員会の構造、役員は、大人達によって仕切られており、学生達の入る余地がない仕組みと構造になっているのです。参考:関東学連役員名簿URL:http://www.kgrr.org/about_iuauk/member.pdf

関東学連の実態

本任意団体は、大学と言う教育機関とその学生及び学生選手達の大会を主催し、事業(ビジネス)として、経営、運営、管理している団体(有給事務職員2名のみ、全ての役員及び関係者は、無給と規約上は明記)です

関東学連規約をご確認して頂けたと思いますが、本連盟は、学生の自治により運営、管理される事を目的にしています。しかし、実際に運営、管理に携わっているのは、大人達であり、学生達は、重要な議案、金銭に関わるビジネスは直接的な関与、自治をさせてもらえていないのが実状です(学連担当幹事のコメント)。連盟規約①~⑳迄は、一般大人が全て関与している構造と仕組みになっていますが、これでは、学生の自治団体とは言い難い実態と思われます。

筆者は、学生の自治団体を装うならば、最低限の法人資格を取得して運営、管理が行われるべきであると思いますNPO法人は、最小限の責任者や責任の所在が明らかで、事業部門の大事な収入、支出の財務管理問題は、クリーンに各大学、社会、学生達に情報公開できるのでないかと思います。本法人でありましたら、本来の学生達の自治活動として教育的にも素晴らしい実践演習活動及び、インターンシップが十分可能な環境であります

4.関東学連とはBLACK  BOXか

 事業(ビジネス)が巨大化したにも関わらず、主催者の組織、団体は、2名の有給職員により賄われ、他の役員全員が無給であると規約には謳われています。この組織、団体には、各大学の学生選手、学生達が参加するに於いての責任の所在と財務管理の全てが情報公開されない多くの純粋な学生選手達は、仮に本競技大会参加中に不慮の事故が発生した場合は、競技規則によると自己責任となっています。それでは、学生選手を商品として、またバランテイアーとして活用するに当たっての彼らへの対価はなにか。これは、素朴な現実的な重要な疑問です。任意団体なので「情報開示の義務なし」とは、なんと無責任な団体に加盟大学は、学生達の大会運営、管理を委ねているのか大きな疑問ですが、誰もが疑問を唱えないのは何故なのでしょう。

このような組織、団体に日本の最高学府である大学法人は、何故このような公共性を欠いた任意団体を認め加盟しているのか理解に苦しむのは筆者だけでしょうか。

箱根駅伝は、大学教育機関とそこに所属、教育を受ける学生達をスポーツ・ビジネスに活用した、大人たちが構築した「BLACK BOX」ではないかと思えてなりません学生達の純粋な情熱をサポートする為にもフェアーで透明性のある公益法人に移行し、全てを情報開示できる構造とシステムが教育界に相応しいと思われます。本来我が国の大学競技スポーツ界には、談合文化は不要です。何れにしましても日本の大学競技スポーツのイベントで一番お金が儲かるイベントである事に違いありません。

公益法人の改善、改革が騒がれ、時代の流れと共に大きく各組織、団体が変革しだした今日、関東学連は、このような任意団体を継続して情報開示を拒んでいる理由が彼らの規約の中に明記されていない事は重大な問題であると思われます

 箱根駅伝の総事業規模は、業界(テレビ、広告代理店、企業スポンサー、等の類似した他の大会と比較して)の試算で約10億円前後、と言われています。次回Ⅲでは、本スポーツ・ビジネスの裏側を覗きたいと思います。この度は、主催者が公益法人でなく「権利能力なき任意団体」であること、「事業の情報開示義務なし」をご紹介出来た事です。読者の皆様は、大学箱根駅伝がこのような組織・団体により経営、運営、管理が長年に渡りなされている事をご存知でしたか。

筆者の素朴な疑問と私見

KファイルNO.148:企業に横取りされた大学箱根駅伝の商標権(2)には、主に大学箱根駅伝の主催、共済の関係とその現実、現況に付いてご紹介、説明をさせて頂きました。筆者は、特にこの論考の中で何故これまで後援であった読売新聞東京本社が突然2004年に「箱根駅伝」名を商標登録して企業財産とされたのか。この所業は、任意団体の関東学連(権利能力を持たない)の誰が承認したのか。加盟大学は、オーソライズし承認したのか。読売新聞東京本社は、独自に商標登録をしたのか。本件は、筆者ならずとも各加盟大学経営・管理者、学生、学生選手、教職員、卒業生達はこの重大問題をどのように理解しているのか。素朴な疑問を持たざるを得ない商標権登録に関する疑問であります

筆者の私見として申し上げますと、此れでは、大学箱根駅伝読売新聞東京本社に伝統的に構築、使用してきた「箱根駅伝」名を売却してしまったと同じ事になってしまっているのではないのでしょうか読売新聞社の了解なしに「箱根駅伝」名は、使用できないことを関東学連の大人たちは理解している事になります。そして、大学箱根駅伝の営業収益の莫大な余剰金は、箱根駅伝の商標権料として読売新聞東京本社に支払っていても全く不思議でない構造が構築されてしまっている事を意味します。加盟大学は、このような学生選手をCOREとした大学競技スポーツ・ビジネスを何故コマーシャル企業の手に渡してしまったのか。この莫大な毎年の資金を何故文武両道で努力する加盟大学の優秀な学生選手達の支援金(奨学金)として活用する知恵を持たれなかったのかと残念至極と申し上げざるを得ないのです。この構図が事実であるならば、「箱根駅伝」の商標登録を許可した方々は、大学箱根駅伝を構築してこられた各大学の諸先輩方に対して大罪を犯したと申し上げても過言でないと思われますが、読者の皆様はこの現実を理解し同意されますか。或いは、無関係だと無関心を装いますか。

 

文責者:河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター   

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:Gファイル(長嶋茂雄と黒衣の参謀)文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:次回(3)のⅢでは.皆さんの知らないことをご紹介致したいと予定しています。今後大学の理念、大学競技スポーツの大義、趣旨、目的は、いったいどうなるのでしょうか。

注:引用文献及び資料:今後、関東学連規約(本規約は公開)は、連盟規約を引用させて頂きます。参照URL:http://www.kgrr.org/about_iuauk/kiyaku.pdf