KファイルNO.156: 非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

KファイルNO.156: 非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

注:無断転載禁止          毎月第二、第四週木曜日公開 

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain

 

筆者の視点~

我が国のスポーツ界は、政治家から独立していない。スポーツ界に政治力がないので政治家を頼るのか。或いは、政治家がスポーツ界を食い物にしたがるのか。読者の皆様は、何故これ程政治家達が本分を疎かにしてまでスポーツ界に進出してくると思われますか

私は、単刀直入に申し上げて「政治家としての力が無いので本業では目立とうとしても目立たない。そこでアドミニストレイション力の低いスポーツ界に顔を出し目立とうとする」とするのでないかと思います。そしてその本音は何かと申しますと「政治家に必要な名誉、スポーツ利権(金)、スポーツ界で名をはせる事による知名度と票集め」とこれらが主たる彼らの欲目的であろうと推察いたす次第です。

嘗て50数年前から日本の大学教育機関には、体育学(Physical Education)という分野に運動生理学(Physiology of Exercise)という学問があります。この体育学部には、勿論運動生理学(現:スポーツ生理学、Sports Physiology)の専門科目が在ります。この科目は、専門科目を専攻し将来専門家としてこの道を極めて行く優秀な人材、及び体育教員を目指す為の専門教養として学ぶ学生達が履修する科目です。しかし、この環境に医学部を卒業し医師の免許を持った中高年の医師達が大学教授として入り込んで来る事に対して、筆者は非常に違和感を感じていた次第です

これら中途半端な教員と称する医者は、この部門は医者でなければ駄目だろと言わんばかりの言動と態度を持って専攻、履修学生達にネガテイブな烙印を植え付ける状況を醸し出していた気がしてなりませんでした。これでは、体育、スポーツ界からスポーツ生理学者は育ちません。

このことは、即ち政治家がスポーツ界に参入したがる関係に酷似であると申し上げたいのです。このような医師は、医学界では相手にされず唯一医師免許を印籠よろしく、体育、スポーツ教育の場ではこれが見えぬか、お前たちは「医師じゃないだろう」と上から目線で見下し、利権をあさり、教授職を得て医学界と体育、スポーツ界をまたがった中途半端な医師と教授が、丁度政治家(国会議員、元国会議員)がスポーツ界に参入したがる状況と重なる次第です。読者の皆様には、この筆者の視点を思い出して頂きながら是非Kファイルを熟読して頂けましたらより分かりやすいかと思います。

 

目次

KファイルNO.156:非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

政治家とスポーツ利権の癒着は日本スポーツ界を崩壊へと導く

先ず初めに

1.悪魔の誘惑から始まった2020東京五輪

2.オリンピック開催地、東京に決定!

3.本招致活動に心血を注いだ人物

  ■水野正人氏の存在が何故特異であったか

4.2020東京五輪招致活動を終えて帰国

筆者の素朴な疑問と私見

1.2020「東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧告

  ■東京五輪組織委員会評議員、理事の推薦、任命権者は

 

===================================

2021年4月22日 木曜日   公開

KファイルNO.156:非力な政治家ほどスポーツ利権を欲しがる要因

政治家とスポーツ利権の癒着は日本スポーツ界を崩壊へと導く

 

先ず初めに

この度は、前回迄のシリーズを継承し2020東京五輪招致委員会から2020東京五輪組織員会への移行時に起きる、起きた様々な報道されない陰湿事件を含めた権力者の暴力行為が素面(しらふ)の会議室で行われたと言われる理不尽極まりない出来事をご紹介させて頂きます。東京五輪開催とは、一体どんな意義のある競技スポーツ大会なのかとこの事件から読者の皆様も読み解く事が出来ると思います。

これらの出来事は、招致活動当初から組織の派閥の陣取り合戦が既に始まっていた事を読者の皆さんにはお伝えして参りました。しかし、内部利権の思惑がこれ程まで露骨に表面化するのも東京五輪組織に関する特徴の一つである思われます。この内部人事に関する争いは、以後開催か延期かとなった今日にも大きな悪しき暗い影を残して参った事を皆さんは気付かれているのではないでしょうか。

読者の皆様は、昨年2020年に安倍晋三氏(元首相)による「2021年の東京五輪は安心、安全で完全な状態で開催します」との公約をされました。その後延期、中止問題は、政治家達のみでの密談で決められましたのもご承知の通りです。2021年に起きた森喜朗氏の舌禍事件は、その後スキャンダル問題としてその後始末、そして新会長選出に於ける院政誇示、新たな理事とその光景は全て政治家達がオリンピック・スポーツに政治家論理を持ち込んで参った象徴の証なのです。これからKファイルを紐解くにつれて、そのパズルの抜けた穴をKファイルから読み解かれて行かれると思われます。

1.悪魔の誘惑から始まった2020東京五輪

 KファイルNO.152から155までの中では、竹田恒和氏(20東京五輪招致委員会理事長、JOC会長)の疑惑とは何か、竹田理事長が知っていた事知らなかった事、2016年東京五輪招致敗戦、2020年東京五輪の招致の勝因、暗躍する闇のネットワークの存在、等々について述べて参りました。

今回は、20東京五輪招致成功の裏には、招致疑惑が深まっていく中、日本国内に於いては招致決定後に不可解な出来事が起きていた事を殆ど語られず触れられずに葬り去られるのではないかと、筆者はふと素朴な疑問に行き当った次第です。これらは、日本に於ける今日の政治家とスポーツ利権の特殊な構造的な問題と関係なのかも知れません。 

この不可解な出来事は、国民、社会に大切な情報公開がなされていないという密室での歪んだスポーツ・アドミニストレイションが成されてきたことであり、今回その根幹を解りやすくお伝えできればと思います。

2.オリンピック開催地、東京に決定!

筆者は、この一報(NEWS 2013年09月07日 17時22分JST)を現地ブエノスアイレス(アルゼンチン)からのTV報道で知り、心より関係者の皆さんのご努力にお疲れ様と述べたい衝動にかられました

しかし、次の瞬間TVカメラが日本のデリゲーション席に振られると、飛び上がり、抱き合っている歓喜の瞬間の幾重もの渦の中に、何か違和感のある映像が飛び込んで来たのでした。その一コマは、真ん中に安倍晋三首相、左に東京都の猪瀬直樹知事、右に森喜朗氏(元首相、元文部大臣、石川県選挙区、早稲田大学ラグビー部)の構図の写真。そしてもう一コマは、安倍氏を中心にやはり左に猪瀬氏、右には水野正人氏(20東京五輪招致委員会副理事長/専務理事 JOC副会長、ミズノ株式会社)の最高経営者(CEO))が歓喜を極めていたのでした。水野氏と安倍氏は肩を抱き合って喜びの絶頂にありました。

この世界最大のスポーツイベントの招致活動に勝利し、歓喜がほとばしる表舞台とその裏側では、「抱き合い、歓喜している人達」、「抱き合い、涙していた人達」、「裏での約束を果たし、プロの仕事を完了してホテルのバーの片隅で、TV映像を観ながら静かに苦笑いしている人達」・・・と、それは悲喜こもごもの情景が筆者の脳裏と瞼に浮かびました。ただ、筆者の脳裏を何か釈然としない、素直に喜べない疑念を直感したのでした。その時脳裏にインパルスが走ったのは、多分長年多岐に渡り競技スポーツ業界に於いての修羅場を経験してきたスポーツ・アドミニストレイターとしての直感だったのだろうと思います。今後、明日の朝から始まるであろう生臭い戦いの後処理が思い浮かんだのです。この時、竹田恒和氏(招致委員会理事長、JOC会長、IOC委員)を主犯とされた招致委員会に対する招致疑惑が世界中を駆け巡る事になろうとは一体誰が予想したでしょうか

歓喜は、一瞬にして起き、一瞬にして現実の世界に引き戻されるのです。あの歓喜の最前列に居て、TVの映像に入っていた人達、入りたかった他の政治家達、JOC関係者達は、どんな思いでその情景を眺めていたのでしょうか。直接的には、関係のない政治家達がどのような理由と公費であの場に大挙して押しかけていたのか知る由もありません。この様にして、約数百億円と言われるプレゼンテイション・ショーは、一夜にしてシャンペンの泡と化したのでした

その後、国内に於けるポリテイカル・パワーゲームは、いよいよ最終戦の火ぶたが切られるのですが、この2枚の映像写真の中で歓喜に酔いしれている方々がこれから主人公を演じ、そしてその勝ち組と、負け組が、今日の東京五輪組織委員会(略TOCOG)、及び政府自民党、東京都、JOC、そして東京五輪は醜い関係者の権力争いの現実へと向かったのでした。もちろん、勝ち組の頭領は、神輿の玉座に鎮座し、権勢を思いのままに振るっており、一方、負け組は、先ず初めに猪瀬直樹東京都知事が選挙に於ける不正金銭問題を指されて場外退場となりました。

3.本招致活動に心血を注いだ人物

此処で読者の皆さんには、注目して頂きたい人物がいます。下記の2020東京五輪招致委員会の役員名簿をご覧いただきますとお気付きになられるかと思われます。理事会メンバーの殆どの顔触れは、何らかの形で日本オリンピック委員会JOC)、各競技団体(NGB)に関係されている方々です。この方もJOCの副会長の肩書を持たれているのですが、唯一民間企業の経営者で在られる事がその特徴です。その方は、「水野正人」です。

筆者は、一般企業経営者の水野氏がどのような経緯でJOCの理事、副会長に、また、20東京五輪招致委員会の事務総長、専務理事となられたのかの経緯を知る由もありません。しかし、この人事は、他の役員メンバーと比較しまして少し特異な存在に感じた次第です。これが後に同氏に大きな災いをもたらすことになるとはご本人、及び同氏の企業の重鎮達、関係者は、予想していなかったのかも知れません。

水野正人氏は、日本スポーツ界に多大な貢献をされて来られた人物であり、ミズノスポーツとして企業経営者で在る事は既に読者の皆さんもご承知のはずです。

水野正人氏 略歴:

2001年(平成13年)日本オリンピック委員会理事。

2004年(平成16年)藍綬褒章を受章。

2006年(平成18年)ミズノ株式会社 代表取締役会長就任。

2007年(平成19年)日本オリンピック委員会副会長就任。

2011年(平成23年)2020東京オリンピックパラリンピック招致委員会事務総長就

    任。職に専念するためミズノ代表取締役会長を退任。後に、副理事長兼専務理

    事に役職変更。

2013年(平成25年)第125次IOC総会での最終プレゼンテイションで大きな身振り手振りを交えたスピーチを行い、東京オリンピック招致の立役者の一人となった。以上Wikipediaより~

上記略歴の通り、水野氏は、株式会社ミズノの最高経営者(CEO)であったのです。

2020東京五輪招致理事会 役員名簿リスト

理事会  http://token.or.jp/magazine/e201205.html

理事長  日本オリンピック委員会JOC)会長 竹田恆和

副理事長/専務理事  JOC副会長        水野正人

副理事長        同副会長        福田富昭

副理事長        同専務理事       市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会     伍藤忠春

副理事長 東京都副知事            佐藤 広

理事 日本体育協会              岡崎助一

理事 日本オリンピック委員会理事       橋本聖子

理事 同国際専門部会員            鈴木大地

理事 パラリンピアン             成田 真由美

理事 日本オリンピック委員会理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 同理事、国際専門部長          野上義二

理事 同理事(元東京2016招致委員会事務総長)河野一郎

理事 同総合企画・国際部長(元東京2016招致委員会事務次長)中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長         細井 優

監事 日本オリンピック委員会監事       深津泰彦

監事 東京都財務局長             安藤立美

2020東京五輪招致委員会 評議会名簿

 招致委員会評議員(余りにも膨大な人数の政治家諸氏の為スペースに限り有、URLをご利用下さい。http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/3/2h231220goriniinnmeibo.pdf

以上2020東京五輪招致委員会サイトより~

水野正人氏の存在が何故特異であったか

筆者のスポーツ・アドミニストレイターとしての視点から誤解を恐れず申し上げます。私は、水野正人氏が2001年にJOCの理事に就任された時に既に違和感を持ったのは確かでした。しかし、JOC評議員会は、執行機関の理事会の人事について異議も無く承認している事、そして、やがて同氏は、2006年にミズノ株式会社の代表取締役兼会長に、即ち最高経営者(略:CEO)に就任、翌年にJOC副会長に就任された次第です。

筆者は、この状況に違和感を持ちながら静観していましたが、残念ながら同氏に企業内からも何の異議を唱える方が居ない事に驚きました。僭越ながら私の推測では、水野氏の企業役員会もこれまたイエスマンの集団だったのでないかと推測を抱いた次第です。今日のグローバルな会社・企業に於いては、特にこのような特殊な外部での重責、活動には企業内外から慎重な意見と対応を求められ、ブレーキがかかる筈なのです。

何故ならば本JOCは、公益財団法人であり特に日本国内のオリンピック・競技スポーツに関する経営、運営、管理の頂点にある組織・団体の1つなのです。この組織・団体の理事、副会長氏が「総合スポーツ用品・販売・メーカーの最高経営者」である事は、常識的に考えて「忖度及び利益誘導、相反」の疑いを招く恐れがあると思われて仕方ない状況とポジションなのです此の事は、公益財団法人の長に「国会議員、政治家」がなるのと同じ利害、利権問題並びに倫理的問題が生じるのです。1970、80年代、世界に於いてあの権勢を振るっていた故ホルスト・ダスラー氏(アデイダス社の最高経営者)ですら、IOC、IGB(国際競技連盟)、等々に名を連ねる事はしなかったのです。

いわば本業界の最高経営責任者が公的表舞台に立つ事は、同業他社を敵に回すことであり、元来業界に於いてはタブー視された行為だったのです。よって、筆者は、やられるぞとの直感が作動したのはこの事なのです

本業界には、国内に於いても同業他社の存在があることからもJOC評議員会、また20東京五輪招致員会、評議会が何故ブレーキを掛けなかったか。まさか招致委員会の評議会は、同氏に対して招致成功か否かの責任を背負わせ、敗戦の時のスケープゴートの準備をしていたのでないか、或は、成功した時には他意を持って失脚させる、との穿った見方をしたくなるような対応、姿勢であったような気がしてならないのは筆者だけでしょうかやはり評議員会、理事会は、意見を持たない形式的な集団なのかも知れません。この件に付いては、何の異議も裁定もなされなかった事が、後に陰湿な事件を招く最大の要因になって行くのです

JOC、20東京招致委員会の理事会、評議員会が何も異議を唱えない、つまり構造的に機能していないと判断される場合、指導的役割を担う内閣府文科省スポーツ庁は強制的な介入を行い「Justice正義&Fairness公正」を根拠に指導、改善する責任と使命があったはずです。しかし、この政府機関の機能不全も、今日のスポーツ界の不祥事、事件を鑑みれば、推して知るべしです。此処に於いても、我が国のスポーツに関する公共の組織・団体に特別査察機関(Infraction Committee)を設置しない理由は、誰かに取って不都合、不利益が起きるからなのかも知れません。

結果として、水野正人氏は、JOCの副会長として2011年に2020東京オリンピックパラリンピック招致委員会(略:TOCOG)事務総長に就任。本役職に専念するためミズノ代表取締役会長を退任。後に、副理事長兼専務理事に役職変更したのでした。此処で「職に専念する」為を理由に、即ち水野氏自身がお気付きになられたのかどうかはさて置き、1私人として公益財団法人の副会長として、また20東京五輪招致委員会の実務権を持つ副理事長兼専務理事に就任されたのです。しかし、ミズノ株式会社の代表取締役・会長職を退任するも、会社の大株主である事も放棄したとの情報公開はされていません。(中途半端な対応)

筆者は、此処での仕切りの甘さに水野氏の会社重鎮の方々の脇の甘さを感じずにはいられませんでした。勿論、JOC、招致委員会の理事会、評議会のいい加減さを既にこの時点で露呈していたのです。このような構造的な問題は、即ちこの度のあらゆる疑惑の温床となっている事を読者の皆さんにご紹介させて頂きます。

4.2020東京五輪招致活動を終えて帰国

国内に於いては、連日連夜と招致関係者は元より、TVマスメデイアを通してブエノスアイレス(アルゼンチン)での映像が視聴者にサブミラルを起こしかねない強烈な勢いで、テレビ画面から溢れている頃、既に招致を勝ち取るまで情勢を見極めながら様子を窺っていた政治家、その関係者達は、一気呵成に2020東京五輪組織委員会の陣取り合戦のマニュアル作りに夜を徹して会合しエネルギーを消費していた事が想像できます

招致に邁進し成功した理事達、関係者は、組織委員会の重鎮に当然迎え入れられると期待していたのも至極自然な成り行きではなかったでしょうしかし、20東京五輪組織委員会設置に対する予備会議が重ねられていくに従い、段々と雲行きが怪しくなり事件が勃発したのです

筆者の素朴な疑問と私見

1.20東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧

  告

筆者の理解するところによりますと、東京五輪招致決定後、次の五輪組織委員会発足に関わる予備会議が重ねられていく中で、地位名誉を既に確保した某権力者が、水野正人氏(JOC副会長、20東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事)に非常識極まりない暴言を吐いたとの情報が、マスメデイアを通じて耳に届いたのですその暴言とは、マスメデイア関係者曰く「何でこの会議に運動具屋がすわっているのか」との事であったようですもしこの言動、態度が事実であるなら私は、これ程貢献された方に人としての尊厳及び名誉を深く傷つける何物でもないと憤懣やるかたない思いに駆られた次第でした。しかし、言った本人の資質を考えると「さもあらんか」と改めて人間性を疑った次第でした。これは、いよいよ直接攻撃開始かと思わずにはいられませんでした。

もしもこれが事実としたら、この人物には、既に他意が在りこの機会をうかがっていたとしか考えられない事です。この人物は、常々品位の無い暴言、失言を吐き人の尊厳を傷つけても何も感じない特殊な脳みその持ち主であるようです。このような人物が我が国の根幹をなす国政、教育機関、スポーツ組織、団体の最高責任者に携わったり、クリーンであるべきスポーツ界で人事権を握って来ている事は、我々国民、社会にも重大な責任と問題があったと思います。

水野氏のこれまでのスポーツ界への献身的な貢献、そしてこの度の20東京五輪招致に関しては、個人的な利害を度外視して心血を注いで来られ招致という勝利を副理事長、専務理事、事務総長として担当責務を全うして成果、結果を残された事実をどのように評価されたのでしょうか。

このような言動、行動ができる権力者は、いったい何方だったのか。読者の皆さんならご想像できるのでないでしょうか。このような方が、国民、社会に対して「スポーツマンシップは何たるか、アスリートファーストースト」を述べられても如何なものか。これはまさに2020年東京オリンピックパラリンピックは、何たるかを象徴する日本版:スポーツ・アドミニストレイターの現実とレベルなのかも知れません。ここがロス五輪(LAOOC)委員長のP・ユベロス氏との資質と才覚の違いなのでしょうか。

東京五輪組織委員会評議員、理事の推薦、任命権者は

残念な事は、2020東京五輪招致に貢献され、成果を上げたJOC副会長でもある方を20東京五輪組織委員会発足手前に何故退場させたのか。それであるなら、同氏が20招致委員会の理事、評議員である時に何故異議を申し立て理事会に評議会の決議を申し立てなかったのか。自由民主主義国家、社会の一員として、この人物は、余りにも私情を挟んだ陰湿な対応でなかったかと疑わざるを得ない。もしこの方が、本当にそのような暴言を水野氏に吐いたのなら、真のスポーツ・アドミニストレイターには、最も相応しくない人物であると指摘させて頂きます。この心無い発言の方には、更なる利権への腹案があったのではと思わずにはいられませんでした。利権の巣窟の中心人物なのでしょうか。

もしこのような暴言、態度をしたのであれば、その会合に居合わせた周りの人達が、誰も諭されなかった事は、まさに組織委員会は親分・子分のイエスマンの集団である証で決して国民、社会の為に招致した五輪組織委員会と言い難いのではないでしょうか。勿論、マスメデイア、関係者は、本事件の実態をご承知のようです

このような言動と判断には、ビジネスを伴う利害、利権が裏で絡んでいた個人的判断と決断だったのかも知れません。今後本件の様子を静観して参ると自然にこの真意が浮上しするのでないかと思われます。

水野正人氏への悲劇は、さらにこれから始まって行くのです。差し支えない範囲で、次回この結末をお伝えできればと思います。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:G File 「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著 武田頼政

お知らせ:

本Kファイルでは、暗く悲しい話題となりました。しかし、このような現実に目や耳をふさぎ、触らぬ神に祟りなしとして、国民、社会に情報を提供しない、できない社会構造は、まさに談合社会の文化そのものが64東京オリンピック以降も何も変革できていない村社会と呼ばれる所以なのかも知れません。

次回は、目も耳もさらにふさぎたくなるような話題も出て参りますが、読者の皆さんは、決して顔を背けず正面から受け止めて頂く勇気も必要です