KファイルNO.170:私大教育機関で増殖する悪代官と越後屋達

KファイルNO.170:私大教育機関で増殖する悪代官と越後屋

無断転載禁止             毎月第一、第四木曜日掲載

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読者からの便り

河田弘道

 この度お便りさせて頂くのは、二度目です。前回はKファイルにご紹介下さり身に余る思いで感激しました。小職は、現在スポーツ紙に勤務しデスクの顔色を見ながら原稿を書くサラリーマン記者です。デスクは、その上の編集責任者の顔色を伺いながら媚びへつらっている様子が今も目に入ってくる仕事場から自分のスマホでお便りをさせて頂いています。この様なことからジャーナリストとは程遠い自分に嫌悪感さえ抱いて居ました時、丁度数年前でしたかKファイルなるスポーツBLOGにSNSを通して出会った次第です。

 Kファイル、即ち河田様は、スポーツ記者として長年社内で葛藤を続けていた自分に明快な指針を与えて下さいました事に先ず感謝申し上げます。どうして自分達が書く、書いた原稿と河田様の原稿の表現、語彙の選択、強烈なパッション、人を引き付けるカリスマ的な魅力、等々と真似できるレベルでない事を思い知りました。私は、毎回Kファイルを拝読させて頂いております。また、今日では、日々発信されています「KファイルNews、 Comment by Hiromichi Kawada」なる短いコメントは非常に鋭く研ぎ澄まされた刃をポイントに鋭い手斧を打ち込む非情さも加味され、非常に人を魅了する筆力にのめり込んで行きます。僭越ですが、河田様はこのような文才力をお持ちであられる事をご自身はいつお気づきになられたのでしょうか。

ファイルは、質、量ともに毎回スポーツに関する論文、論考の中でもこれ程群を抜いた迫力ある内容は過去に例がないと敬意を表します。先だってもKファイルの話題が我々の仲間内でも語り合いました。Kファイルの読者は、内外に渡り月間数万人、いや数十万人の読者がアクセスされている事も存じ上げています。しかし、毎回数えるくらいの方々しかKファイルに「いいね」のクリックがされていない不思議が話題になっています事をご存じでしょうか。そこで我々は、この現象に興味を持ち社内広報分析室で分析させてみましたので、お気を悪くされないで下さい。

統計的には、読者の大多数は、毎回の論文、論考を真摯に拝読している事も確かに分かりました。また、毎回首を縦に振りながら拝読しています。このKファイルは、多分膨大な数の人達が吸い込まれるように熟読している事を誰もが想像できます。しかし「いいね」をクリックする為にカーソルを当てるに至らない、それは自分自らの実名が公になる事を恐れているからである事が分かりました。心の狭い自己中的な人間がこの国には増殖している今の世の中を象徴していると私は思います。

私も仲間達もみんなKファイルのファンですが、恥を忍んで申し上げますと「いいね」クリックに躊躇する一人です。河田様は、多分熟慮されて意図あって公開して下さっているのに自分自身が情けないです。我々のような類の人間が日本のスポーツジャーナリストだと肩書を持っている事事態が、河田さんのスポーツ・アドミニストレイション、アドミニストレイターの邪魔をしているんだと思う今日です。それは、マスメディアの組織で禄をはむサラリーマンの悲しい会社の飼い犬だからです。ご理解ください。

この時節、国民、社会の政治への不信は、日々増幅するばかりです。しかし、Kファイルは、多くのマスメデイアの報道、記事では満たしてくれない人々に正義とフェアネスの必要性を一貫してスポーツの話題を通して誠実に教えて頂いているように思います。

Kファイルが多くの読者に共感を与えてくださるのは、河田様が幾度もの修羅場を通して実践キャリアを基にした史実に基づいた事実を書かれているからだと思います。「いいね」をクリックできない読者を代表してこの度勇気を持って二度目のご報告とさせて頂きました。何もお役に立てないのが悔しいです。

河田様の勇気と決断の足元にも及びませんがご理解下さい。このような時節柄、毎回のKファイルの公開日を指折り数えてお待ちしている国民も居る事をご理解下さい。更なるご健筆を期待致しております。

新聞社、通信社、週刊誌記者、TV関係部署、等々は、河田様の発信原稿を目を皿にして覗いています。また、教育界の大学教員達は、それぞれ姑息な手段で貴兄の知的財産を勝手に自分の言葉に替えて学生達、自身の寄稿文、論文にパクリしている始末です。それでも河田様は、自身の知的財産を惜しげもなく公開されて我々に分け与えて下さり学ばせて下さることに感謝申し上げます。

一般読者は、河田さんがあの長嶋ジャイアンツのメイクミラクル、メイクドラマの黒衣の参謀であられたなど知る由もないのがまた不思議です。

読者より(スポーツ新聞記者氏)

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紹介~

KファイルNews  Comment by Hiromichi Kawada​

スポーツ・アドミニストレイター

福岡国際マラソン:75回大会は2021年12月5日幕を閉じた

関係者の皆様は、大変お疲れ様でした。今回を持って福岡国際マラソン選手権大会は、長い伝統と歴史に幕を降ろしました。筆者は、何度も小雪の舞うこの季節に福岡にお邪魔したあの頃が懐かしく思い出されます。当節は、お世話になりました。

此の主因は、主催者、後援者、関係者達がエリート選手のみの大会への思いとステイタスを重視し、長年の伝統にしがみ付き、時代の流れと価値観に大きな読み違いをされた事だと思います。世界の主要マラソン大会は、既に半世紀前から市民マラソンが主流となり、一般参加者から参加料を取り日本の伝統的なマラソン大会(男女別のマラソンエリートのみがエントリーできる)とはコンセプトを異にしていたのです

主催者の日本陸上競技連盟 朝日新聞社 テレビ朝日 九州朝日放送は、本イベントを支える財政的な担保を失い支援ができなくなった事です。そして、この競技大会は男子のみのレースであった事です。ご存じの通りその昔からマラソンは、優秀な持久力を主体とする選手達の競技スポーツの代表格がマラソン競技でした。しかし、本競技もスピード化へと大きく舵が切られた競技となった次第です。そのことから日本人選手のスポーツ生理、解剖学的な知見からスピード化なるマラソン競技に着いて行けなくなりました。それにもまして、日本式トレーニングは、欧米のスポーツ医科学を主体としたトレーニングに対して、伝統的な根性(精神)論主体の指導方法が長年指導者にも選手達にもしみ込んでいるのです。

今日では、大迫 傑(すぐる)選手のように国外のスポーツメーカーのスポンサーを得て、トレーニングに於いてもそのスポンサーの現地トレーニング施設で医科学的なサポートと新開発された厚底シューズの最新試作品を着けてのレースで、日本人でありながら次々と日本新記録を打ち立てたのはつい昨年、一昨年と日本人選手も出てきている今日です。しかし、殆どの選手達は、国内レベルでの競い合いで国際での成果、結果が難しいのも事実です。

この様な現実から、本福岡国際マラソン大会に出場する日本人選手は、明らかにアフリカ選手の後追いとなり、TV、スポンサーの評価価値をカバーするに至らなかったのも大きな要因の一つでもあります。全ては、複数の因果関係が重なり合いこの度の幕が降ろされた結末であったと思います。

その他の主な要因は、本大会を放映するTV局の視聴率がじり貧となった事です。即ち視聴者が興味を持たなくなったことです。それに伴いスポンサー(TV局、特別協賛スポンサー)は、その商業価値を見いだせなくなったことです。もう日本の競技スポーツは、新聞社、TV局が主催する時代は既に過去の歴史となっている事に早く気付くべきであったと思うのは筆者だけでしょうか

第75回福岡国際マラソン選手権大会

主催: 日本陸上競技連盟 朝日新聞社 テレビ朝日 九州朝日放送

後援: 福岡県 福岡県教育委員会 福岡市 福岡市教育委員会

国土交通省福岡国道事務所 日刊スポーツ新聞社

主管: 福岡陸上競技協会

支援: 福岡県警察 陸上自衛隊第4師団・福岡駐屯地

特別協賛:マイナビ

協賛: ホカ オネオネ

協力: シチズン時計、SUBARU

注)伝統ある琵琶湖毎日マラソンは、第76回を持って幕を降ろしました。尚、同マラソンは、大阪マラソンに2022年より統合されました。

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目次

KファイルNO.170:私大教育機関で増殖する悪代官と越後屋

箱根駅伝は受験生争奪の広告塔化

Ⅰ. 理念無き大学競技スポーツ

  ■はじめに

  ■スポーツを囲む社会情勢

  ■学生選手の教育を蔑ろにする経営・教育者と利権を漁る政治家達

  ■帰属権と既得権

まとめ

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2021年12月9日 木曜日 公開

KファイルNO.170:私大教育機関で増殖する悪代官と越後屋

Ⅰ. 理念無き大学競技スポーツ

箱根駅伝は受験生争奪の広告塔化

■はじめに

本年もまた師走が訪れました。毎年12月が来ると年末年始の到来を告げる大学駅伝の話題がマスメデイアをにぎわします。Kファイルは、この時期に大学箱根駅伝をリマインド連載でお届けしておりますが、この度もまた多くの読者の皆様からのリクエストの声が届いています

今年も各テーマに修正と加筆をして、読者の皆様にはより内容を濃く理解し易すく改善に努めたいと思います。本Kファイルが日本の大学競技スポーツ、学生選手、大学に取りまして不健全な実態から少しでも健全な方向に向かう事を祈念致しております。本Kファイルでは、毎年警鐘を鳴らしていますが主催者、共催者、所属大学では全く馬耳東風の様です。

■スポーツを囲む社会情勢

箱根駅伝は、毎年正月の2日、3日の両日早朝7時から午後2時まで長時間に渡ってテレビや、ラジオで実況中継されるほか、SNSの動画、記録配信、等国民的な行事に発展、注目されている事は読者の皆さんもご承知の通りです。

近年日本は、複数の隣国が現在まさに国土を侵食しようと機会を伺い足元に迫って来ています。筆者は、箱根駅伝を正月に視聴しマスメデイアに酔わされている国民、社会を肌で感じるにつけ、我々は、大学箱根駅伝どころでない差し迫った亡国の危機をどうするか真剣に若者達の次世代を思うにつけ、我が国の政治、政治家、社会、教育界の危機感と緊張感の欠落が気がかりです

私は、米国内の事情を鑑み日米安全保障条約がこのままいつ迄も継続されるとは思いません。米国の駐留軍が我が国を引き上げたら、この国はどうなるのだろうと現実味を帯びてきた昨今を思うにつけて心配の種は増幅するばかりです。我々日本国民は、如何するべきか。この議論を国民、社会、国会、マスメデイアは、積極的に語ろうとしない、論議もしようとしないで日本国の防衛装備増強の購入議論などは、目先の誤魔化しにしか過ぎません。「歴史は流転する」と申します。「平和日本」は、既に政治家、政治力の貧困から狂い崩れ始めているのはスポーツ界同様なのではないでしょうか。侵略国は、現在日本の領土に上陸する事を虎視眈々と戦略から戦術に移行している事に正面から向き合う事が正論です。香港、台湾の次に差し迫った現実です。嘗ての侵略国は、これからは侵略される立場に今立たされようとしているのです。

■学生選手の教育を蔑ろにする経営・教育者と利権を漁る政治家達

今回は大会を経営、運営、管理している主催団体をスポーツ・アドミニストレイションとアドミニストレイターの視点から観察、洞察して参ります。

我々は、テレビの実況に気を取られている間に、何時しか重要な実態と真の伝統的な大学、学生、学生選手達の遺産がビジネス企業の手に渡ってしまったのではないかと危惧致します。これらは、まさに我が国の国民、社会が平和で浮かれている間に隣国に領地を奪われて行く構図に酷似の状態のように思えてなりません

 

 筆者は、日本の大学競技に必要なスポーツ・アドミニストレイションの貧困の弱点を狙った利権の略奪行為が行われた現実を見せられた思いがします。もしこの行為に加担した教育界関係者、大人達が居るとするならば、学生達を食い物にした大罪人と言わずして何と申しましょうか。この大人達の行為により、学生、学生選手達は、商品となり、主従関係が逆転してしまっている事に学生及び学生選手を預かる大学も見て観ぬふりなのか、加担してしまっている現実、今日のような舞台裏が構築されてしまったような気がしてなりません。

大学競技スポーツが学生達の自治活動、自治運営とするこの隠れ蓑的な看板は、即外す事が正直で必要ではないでしょうか

教育を趣旨、目的とする筈の大学競技スポーツは、その本質が事業(ビジネス)に偏った方向にミスリードされてしまっていると思われます。その意味で、国から毎年私学への莫大な助成金補助金の必要性とその在り方が問われる時期に来ているのではないのでしょうか。文科省は、先ずこの私学助成金補助金とは何なのか、そして各私大への毎年の交付金額を情報公開する必要が不可欠です。この情報公開により、文科省内、各私大内での活用と不正に襟を正す事が重要です。また、文科省は、長年の本助成金補助金に絡む私大への「天下り人事」は即禁止すべきです。本件に関する事件は、この人事にも大きな大罪が隠れているのです。

近年に於いては、大学教育機関に事業部と称する株式会社を設立して、営利事業を始めている事はマンモス日本大学の此の度の事件により、漸く国民社会の知るところになった次第です

競技スポーツに関わる大学関係者は、教育という本質を見失い、何でもいいからテレビに出たい、有名になれ的な風潮が極端になってしまった産物の様です。

そして、その為には、身体能力の高い選手達を手段選ばず安易にお金の力を利用して内外からリクルートして来る次第です。このような学生選手獲得資金は、いったい大学は何処からどのように捻出されているのでしょうか。まさか公金の私学助成金補助金が学内で流用されていない事を願う次第ですしかし、そのような事は、無いと断言できないのは誰も助成金補助金の詳細の意味を理解しない、公開しないからです。このような現実は、既に大学競技スポーツの教育秩序を崩壊させている危険な状態である事を誰もが気付こうとしないのが、重要な課題と問題だと思います。

ここ数年大学競技スポーツが突然話題になりましたが、現在はこの話題も消滅してしまいました。真に論議しなければならない本質的な問題をどう解決、処理して行くのか、避けては通れない事を関係者達がどれほど理解認識出来ているのでしょうか。この問題に大学関係者、国民、社会が全く無関心である様子は、丁度近年の我が国の選挙民と国会議員の関係とその選出、運営、管理の関係にも酷似しているように思えます

■帰属権と既得権

読者の皆様は、本箱根駅伝が「何処に帰属し、既得権は本来何処の誰にある大会なのか」を考えられた事がありますか。勿論、「各加盟大学でしょう」と純粋にまだ思っている大学関係者、読者の皆さんがいる事を願う次第です。この重大なキーワードを各大学の経営者、管理者、また、大学設置を許認可した文科省スポーツ庁)の見識者諸兄は、どのように考えられているのでしょうか。

文科省(元文部省)、スポーツ庁は、何故、このような事態に至る以前に指導、勧告を加盟大学に行わなかったのか、これもまた不思議な教育機関の省庁と言わざるを得ません。彼らは、多分何も思考した事がないか、政治家への忖度からか省庁は、何も言いたがらないかだと思われます。或は、インボルブ(首を突っ込む事)することを避けてきた様子も伺えます。これも省庁、官僚達の大学への天下りの悪循環が支えている利権の構造的な弊害なのかも知れません

まとめ

 この度のNO.170では、最初に「読者からの便り」、「KファイルNews」を紹介させて頂きました。東京五輪の終了、疫病の下火と国民・社会は、ホッと一息する間もなく、私学日大の背任、脱税事件での逮捕劇に火が点き国内のマスメディアが一斉に、堰を切った如く報道を始めました。これも日本のマスメディアの特徴で、今まで全く話題を避けてきた本件に対して「皆が一緒に渡れば怖くない」的な心理状態の様です。情けない限りです。日大問題は、教育機関のタブー視されてきた問題、事件でこれに酷似の現在日本の中小規模の私学には質の悪い教育者を名のる悪代官とそれを補佐する越後屋さんが星の数ほど増殖していいる現実を見逃してはなりません。これらは、国の根幹に必要で不可欠な「JusticeとFairness」の欠落が大学アドミニストレイションを悪の組織に走らせている大きな要因となっているように思えてならないのです

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使:Emissary of the Sports

紹介:G file「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著:武田頼政

   Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada

お知らせ:本年も残りわずかです。北京冬季五輪は、国際情勢に翻弄されています。読者の皆様は、どうか問題の本質を見失う事の無きようお願い致します。次回をお楽しみに。