KファイルNO.186: 政治家達と電通に汚された2020東京五輪

KファイルNO.186: 政治家達と電通に汚された2020東京五輪

無断転載禁止                毎月第二、第四木曜日掲載

スポーツ・アドミニストレイター

日本にスポーツ・アドミニストレイション論

日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者

(プロフィールは別途ご検索下さい)

 

筆者からの残暑お見舞いとお知らせ

残暑お見舞い申し上げます。と申しても近年は、季節感が全く異なり残暑ではなく、これから猛暑、酷暑が9月半ばから下旬にかけて更に遣ってくるのが通年です。どうか体調管理は、十分お気を付けてお過ごしください。

さて、読者の皆様には、いつもKファイルをご笑読頂き感謝申し上げます。2017年4月17日にNO.01をスタートし、走り続けて早や5年と4カ月が過ぎようとしています。此れも皆様のご支援とご指導の賜物です。小生は、幼い時から勉強大嫌い、特に読み書き、算数大嫌い、その人間が何を思ったか自身の経験、体験を記憶の確かな時に書き残して置こうと思い立ったのが5年前でした。 

その思い付きが、この度のKファイルNO.186を持ちまして、100万字を突破いたしました。あったという間の5年4カ月でした。人は、その気になればできるんだ、成せるんだと確信を新たにした次第です。また、Kファイル公開の間に2020年11月7日よりデイリーでのKファイルNews Comment by Hiromichi Kawadaを時間を見ては、短文を掲載させて頂いております。本デイリーNewsコメントもこの度57万546字を数えるに至りました。そして、Twitterでのアクセス件数は、一カ月で42万件を記録致したのが過去最高数値でしたことを読者の皆様にご報告、セアー申し上げます。此れも偏にKファイルの読者の皆様が礎となって下さっているお陰であると感謝致しております。

この度は、本NO.186公開後、暫く夏休みを取らせて頂こうと考えております。暫くの間リフレッシュさせて頂き、読者の皆様には、涼しくなったころに紙面にてお目にかかれることを楽しみに致しております。情報の多くは、常に私の手元に国内外から集約されて参ります。現在起きています難題の多くが、1つでもポジティブに解決されて行かれます事を心より祈念して、ご挨拶に替えさせていただきます。 深謝

文責:河田弘道

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Ⅰ. 筆者のスポーツ・アドミニストレイターとしての視点から

昨夜(2022年8月22日、月曜日)は、久しぶりに午後9時のNHKニュース9を1時間拝見しました。読者の皆様もよくご承知の番組であると思います。本番組の構成は、大きく分けて内外の政治、経済、社会の時事とスポーツの1時間番組でした。昨夜は、確か国内に於いては岸田首相とコロナに関する話題、東京五輪での高橋治之氏(理事、元電通専務、コモンズ代表)の自宅収賄逮捕事件、萩生田議員(政調会長、元文科大臣)を先頭に自民党議員、内閣大臣の百数十人の旧統一教会関連の疑惑問題、etc. 海外に於きましては、ウクレイン問題、食糧危機問題、中国・台湾問題と米国の関係、露プーチン大統領側近の娘の爆死事件、etc. そしてスポーツは、夏の全国高校野球選手権大会勝戦(私立仙台育英高校対私立下関国際高校)を中心とした盛り沢山の内容でした。しかし、どれもこれもニュースという性格からか表面のみでした。 

また、私は、時々民放のBSTBS(午後7時30分からの番組)、BSフジの(午後8時からの番組)を拝見させて頂いております。両番組は、固定されたMCが居て、毎回のテーマに特化されたと考えられるゲストを迎えての討論番組です。勿論その各番組には、ノイズ役として耳障りなゲストを座らせています。他局に於いても本番組を模倣した番組が多くなった事は、ご承知の通りです。

 

此処で再度昨夜のNHKニュース9から

NHKは、ご承知の通り国民視聴者から視聴料を徴収と国民の税金に寄り成り立っている日本で唯一の公共放送(マスメディア)であります。よって民放と異なり視聴率、CM料、スポンサー及びその広告代理店への忖度の必要性は皆無の筈です。しかし、残念ながらNHKは、国民から視聴料を徴収して居ながら国民の税金も使っている関係から日本政府、内閣、省庁の権力構造の傘下にある事も否定できないのです。

私の専門分野・部門のスポーツ・アドミニストレイションの視点で申し上げますと、東京五輪収賄事件、夏の全国高校野球選手権大会の決勝戦に致しましても、あまりにも取材力が乏しく、或いは番組担当者達(プロデユーサー、ディレクター、等)の専門知識、ソースの欠落か、偏重した番組構成による一方的な視聴者への記者原稿マニュアル通りの番組である事に気付いた次第です。これでは、バランスの取れたフェアーな報道とは言い難い内容でした。

例えば、東京五輪収賄事件で逮捕者が多く出始めているにも関わらず、ただ上辺だけのニュースとして取り扱い、誰一人として深堀しないで只ソースを映像と共に流すだけでは、NHKは権力に萎縮し、権力に忖度した姿そのものであるように思えてならないのは私だけでしょうか。

また、夏の全国高校野球選手権大会の決勝戦の両私立高校(私立仙台育英高校、私立下関国際高校)へは、過大評価の賛美のみで、大多数の全国の公立高校により底辺が支えらされていることなど興味も無いかのような感情移入でした。この私立高校2校は、日々どの様な環境と部活で運営、指導、管理がなされているのかをスタジオのMC達、プロデューサー、ディレクターは、どれ程理解できているのか。これら甲子園に出場している私立高校野球部の現状、現実をどれ程ご存じで賛美のみで終えるのか。多分何も知らないので記者原稿マニュアル通り演じているのでしょうか。 

これら野球部は、私学の広告塔であり特待生で全国からかき集められた子供達なのです。その子供達は、只野球選手としてだけの価値と存在であり、また指導者、監督は、公立高校のそれとは異なり数千万円で年俸契約し、成績に寄りインセンティブが与えられている事等を知っていてNHKは賛美しきっているのでしょうか。私学経営者、指導者は、どのような理念で未成年者を広告塔として営利目的で利用しているのか、NHKは、一度としてインタビューした事はおありか。

これら私学の部活、野球部は、教育の一環、延長線上などに位置するものでなく、

授業にも出さず出ず招待試合ばかりの遠征で全国を行脚する旅芸人の様相なのです。勿論ティーム、指導者には、交通宿泊費のみならずご祝儀もでる指導者に取っては稼ぎの場にもなっているのです。これらは、言わば野球の専門学校と位置づけ、各大学に売り渡し、社会人ティームへは私学の就活コネクションの一つなのです。

これでは、公立高校における環境及び現状を鑑みても比較対象となり得ず、余りにも格差が大きくアンフェアーな高校野球である事を誰もが指摘しないのは放映権を持つNHKも大罪を犯していると言わざるを得ないのです

 

筆者の実体験より

此処で私の実体験をご紹介致します。私が日本の大學で教鞭をとっていた時に一人の野球部所属学生選手が講義授業及び河田ゼミを履修していました。ある日、同学生がアポを取り研究室を訪ねて参りました。この学生は、仙台育英高校出身で甲子園でも活躍した捕手でした。よって、大学には、特待生で迎えられ大学1年生からエース捕手として試合に出場。しかし、監督と折り合いが付かず野球部を退部、しかし、4年間大学側と特待生(全額大学奨学金保証)である事から、部も大学経営者も退学させられず、大学には在学できるという約束事が交わされていた次第でした(日本の大學にはルールも無し)。しかし、同学生は、仙台育英高校時代に学業をした形跡もなく、大学の授業にもついて行けず部活所属でもなく、よって大学の特別なサポートも無くなり、父母共々困り果てていました。この様な状態から野球部は、彼が特待生を辞退して退学をすることを期待、大学経営者は、退学して欲しい様子が露骨にみられる中で苦しんでいた時の研究室訪問でした。丁度この学生も仙台育英高校野球部出身でしたので、ふと昨夜記憶が蘇りました。NHKの番組は、もっと高校球児に彼らの主体は何かを報道を通して賛美のみだけでなく、華やかな甲子園出場の後に訪れる悲劇の側面もバランスよく紹介する義務と使命が報道関係者には忘れないで戴きたい。ましてや、公共放送のNHKは、少なくとも教育機関の未成年者達で行われているイベントに対するミスリードなど、許されるものではありません事を加味させて頂きます。

NHKは、このような現実と実態、環境の私立高校野球部を熱狂的に賛美しかできないのか。大多数の公立高校、選手、指導者達が現実に対面している私立高の野球部との格差に対して、アンフェアーな実態を国民とその社会に情報公開しない限り、今後一層歪な体質は改まらないのではないかと危惧致します。 

NHKのキャスター達よ、あなた方はジャーナリストですぞ!

これでは、私立高校野球部と公立との現実格差が更に増大している事に高野連文科省スポーツ庁はただ傍観している事態を鑑みるにつけ、高校野球選手権大会(甲子園)の弊害の側面を本Kファイルは取り上げざるを得ませんでした。大多数の公立高校の野球部指導者、生徒選手、父母は、ネガティブなモチベイションしか与えられず、急速な公立高校野球部、生徒選手が激減しています。

これらは、人口減少と相まって、私立高校野球部への越境入学、黒いリクルート活動、等がそれに輪を掛けて、ティーム編成すらできず、休部、廃部、統合が急増している現実をNHKは報道の義務があるのでないか。

ましてやアンカーマン、キャスター達が、スタジオで大はしゃぎしする様子を拝見しながら、大多数の公立の高校球児に伝える内容が皆無でしたので胸が締め付けられる思いをしたのは筆者だけだったのでしょうか。 

日本のマスメディアは、「事なかれ主義である」と言われる所以なのかも知れません。昨夜、NHK番組を拝見しながら公共放送の使命とは何かを考えさせられた次第です。

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目次

KファイルNO.186: 政治家達と電通に汚された2020東京五輪

2020東京五輪リマインド・シリーズ

東京五輪の闇で利権を漁る悪人達

■我々国民は国難に結束できているか

マスメデイアの真の使命は何か

パンドラの蓋を開けた勇気ある米国紙

マスメデイア企業の忖度の使い分け

筆者の素朴な疑問

筆者の私見

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2022年8月25日 木曜日                 公開

KファイルNO.186: 政治家達と電通に汚された2020東京五輪

無断転載禁止

2020東京五輪リマインド・シリーズ 

東京五輪の闇で利権を漁る悪人達

■我々国民は国難に結束できているか

マスメデイアの真の使命は何か

我が国の社会、国民は、正義(Justice)と公正・公平(Fairness)の筋を通す(to make sense)倫理観を見失ってしまっている感が致してならないのですが読者の皆さんはどの様に感じられますか今日の国政、スポーツ組織、団体を司る責任者の多くは、社会に於けるモラルの一線を越えてしまっていてもその閾値が何処でそれが何を意味しているかを理解、認識されていない方々を多く見受けられます 

この様な重要且つ危機的状況下に於いても、日本の大手マスメデイアは、東京五輪の中止、延期、強行の是非の論調を掲載、議論することさえタブー視され避けて居た様で、つい先日まで一切を語ろうとしなかったのです。

此れでは、日本のマスメデイアは何処かで暗黙の情報操作がなされていると海外から揶揄されても返す言葉もないのでしょうか。これは、まさにグローバル世界のジャーナリズムに逆行する社会主義国の管理体制のように感じられてなりません。マスメデイアが自由な口を塞がれたのであればこれでは国難に立ち向かえるはずもありません。新聞、TVにお務めの記者、報道の皆さんは、社内での抑圧とストレスの日々ご苦労様です。マスメデイアの記者、報道関係者の皆様は、決して虎になれども羊にならぬよう使命を全うして下さい。それは、権力に立ち向かい「Justice&Fairness」を全うされてこそ皆様の本来の専門職(ジャーナリストの姿)であり使命なのです 

世界中の目は、今やコロナウイルスの次に東京五輪の動向に対する情報を静視しているのです。特に世界のスポーツファン、アスリート、関係者達は、日本のマスメディアがいつ本件に関する誠実で正直なニュースを発信されるのかと今か今かと待ち望んでいた次第です。しかし、海外メデイアは、もうこれ以上日本のマスメデイアの発信を待つことはできないと判断し、独自の取材攻勢を仕掛けて来たのが米国の経済紙ウオールストリート・ジャーナル(略:WSJ)であったと思われます。この度は、米国のブルーム・バーグ通信社の先手を打ったのでしょう。海外メデイア(英国の複数のマスメデイア)は、東京五輪招致活動に関する買収疑惑、Nike厚底シューズの報道同様常に競争の原理原則に立って取材活動が行われています。 

パンドラの蓋を開けた勇気ある米国紙

2020年3月11日:

森喜朗氏(東京五輪組織委員会会長)は、同委員会の理事で元電通専務の高橋治之氏が、ウオールストリート・ジャーナル紙の取材に応じ「新型コロナウイルスの感染拡大により五輪開催が難しい場合、1、2年延期が現実的」と回答した事に対して、「正直、驚いた。とんでもないことをおっしゃったな」と、憤慨した様子をマスメデイアに話したのです。また、同会長は、高橋理事に電話で確認した結果本人から「ちょっと口が滑った。大変申し訳ないことを言ってしまった。大事な時期に軽率な発言で、ご迷惑をおかけした」と言っておられたとフォローをしたのでした。そして、「予定通りに開催する方針に変わりない」、と報道内容を打ち消されたのです。この一連の丁々発止が組織委員会内のガス抜きの為のデキレースでなかった事を願う次第です

大多数の日本国民、社会は、大手マスメディアと東京五輪組織委員会が利害、利権の関係にあるなど知る由もないと思われます。ましてや、世界の人達は、日本の大手マスメデイアが東京五輪組織委員会(TOCOG)のスポンサーとなっている関係で、組織委員会の意に沿わない情報は発信できないなど知る由もありません。このような社会のモラルに反する構造と仕組みは、業界に於いても社会に於いても常識では考えられない関係である事は言わずと知れた事ですこの様な非常識で隠蔽された構造的な問題は、やがて東京五輪終演と共にインチキ東京五輪の舞台裏を露呈しなければよいのですが、バレる嘘は語らない、やらないのが賢明ですぞ 

先日、痺れを切らしたWSJ紙(米国ウオールストリート・ジャーナル社)は、TOCOGの理事職にある高橋治之氏(元電通専務取締役)を単独取材し、インタビュー内容を掲載しました。その内容たるは、TOCOG、IOC、日本政府が一番神経をとがらせ、封印している内容に触れていた事です。

内容は、既にご紹介致しました通り組織委員会の重鎮達が目くじらを立てる程の内容ではなく、誰もが感じているごく当然な疑問に触れただけだったのです。この外電の掲載記事の後を追って、日本のマスメデイアは、本ジャーナル紙を引用する形で初めて各社一斉に重い腰を上げ報道し始めたという報道姿勢と内容も二番煎で在った次第です。しかし、国内マスメデイアにとっては、日本政府、TOCOG、IOCが封印しているパンドラの蓋を開けたのが、事もあろうか組織委員会の理事で元電通専務であった事に感謝しているかも知れません 

マスメデイア企業の忖度の使い分け

東京五輪組織委員会の忖度を受けているかのような日本のマスメデイアは、海外マスメデイアが火を付けない限り、担当記者は書きたくともデスク、整理部、等に書かせてもらえなかったのが実態です。この様な海外メデイアの後追い記事を常に配信、掲載するマスメデイアにしてしまった業界経営者達は、日本国、国民、社会に取っては本当に国を危うくしているのかも知れません。

 我が国のマスメデイアのジャーナリストとしてのプライドは一体どこに消え失せたか、或は、元々無かったのか、是非JUSTICE(正義)を持った強いジャーナリストが出現することを今こそ国民、社会が待ち望んでいる筈です。此れでは、若者達がジャーナリストを目す興味が段々と失せているのは、ただ単に大学に於ける専門学部、学科の指導の問題のみならず、マスメデイア企業に於いて今日尚改まらないJustice無き、真実を封印したスポーツ・マスメデイアだからかも知れません。

 東京五輪は、日本国で行われる世界最大のスポーツイベントで在り、これに関するニュースソースを最初に入手できる環境にありながら、海外のマスメデイアに先を越されてしまったのです。それも組織委員会のキーマンの1人で理事でもある高橋治之氏(元電通専務)の取材に成功したWSJ紙に日本マスメデイア界は、9回の裏にサヨナラホームランを許したわけです。これにより国民、社会は、一気に中止か、延期かの選択の流れに向かい始めています。先日は、通信社の調査によりますと国民の約70%が東京五輪を開催するべきでないと回答しています。しかし、2020年3月19日現在、自民党総裁安倍晋三氏、東京都知事小池百合子氏、TOCOG会長の森喜朗氏は、「東京五輪は通常通り開催します」と強硬な姿勢を崩していません。その根拠は、全く説明しない無責任な表明です

それにしても、この度の高橋氏は、自身の立場も弁えずWSJ社の取材を受けたことは、「東京五輪に高橋電通有り」と最後の花火を挙げたかったのかも知れません。このような人物をTOCOGの理事として推薦、任命されたのは、他でもない森喜朗会長その人でしたので、国会議員が致命的な一大失言をして任命権者が責任を取らない我が国の政府と同じ構造とシステムであるまさに日本の政治家手法と申し上げた方が、解りやすいかも知れません。

筆者の素朴な疑問

東京五輪組織委員会は、組織を束ねる強力なトップスポーツ・アドミニストレイターとしての真のリーダーが必要であったと思われます。

 森喜朗会長は、組織内に

他の重鎮達を従え、理事会内を牛耳って来ています。しかし、本件に関する危機管理に於けるメディア対策のすり合わせができていなかったのもこれら政治家達の脇が甘かったのかも知れません。

大変お気の毒なのは、順天堂病院の治療室で日夜治療を継続して受けて居る森喜朗氏を急遽背広に着せ替え病院から一時抜け出させ、慌てふためいた血相で緊急記者会見の場に立たせる事自体が、危機管理体制が全く出来ていないとお見受け致した次第です。スポーツのコンセプトは、人の健康が第一でありスポーツ組織のリーダーたるは身心が健康であることが大前提で非常に重要であると思います

高橋治之氏(TOCOG理事、元電通専務)は、米国のウオールストリート・ジャーナル紙のインタビューで組織委員会の理事としての立場でなく、電通企業の代表としての論理を述べたと考えるのが自然でしょうか。この電通の試案がやがてIOCのバッハ思案へと移行して行っているのではないかと危惧する次第です。

TOCOGの森会長を取り巻く重鎮達は、この発言に対して「けしからん」と言いながら、自らは矢面には立とうとせず、重病で入退院を繰り返している病人の森氏を記者会見させる為に毎度引っ張り出す所に東京五輪組織委員会の構造とその本質、そして取り巻きの力量が透けて見える気がしてならないのは筆者だけでしょうか。

彼らは、森氏に高橋氏に電話をさせ、高橋氏の発言内容の火消しに駆けずりまわし、行きあたりばったりで肩書だけの素人の運営・管理者達の姿のように思えてなりませんこのことからも、世界最大のスポーツイベントの統括責任者(会長)に森氏(病人)を推挙する所に組織委員会理事達の見識と思惑が最初から疑われ、東京五輪の問題の本質が此処に潜んでいると思われる次第です。これでは、TOCOGの理事、評議委員達は定款を満たすためのお飾で、職責、使命が果されていないまさに我が国の談合文化のお手本なのかも知れません

筆者の私見

東京五輪開催の有無は、嘗ての五輪歴史の中でも異例の状況下に於いて決断を迫られているのです。

此処で整理して於きたい幾つかの事項があります。それらは、

IOC会長の告知です。同会長は、「本五輪開催の是非に付いては、WHO(国際保健機関)の指導、指示に従う」と明言を既にしました。この事から同会長は、IOCとして独自の判断で決断することを避けているのです。

②開催都市の東京都知事は、「開催しないなど全くありえない」と明言。

東京五輪組織委員会の会長は、「予定通りに開催する方針に変わりない」と明言しています。

  • 開催国日本政府の安倍首相は、「完全な形で開催します」と真意不明な言い回しで公言しました。完全とは、何を定義として語っているか意味不明。

 此処で各組織・団体、機関の最重要責任者代表は、何方もが公言した事に対する「根拠」とその「責任の所在」を明確にしていない事です

 日本国内に於いては、約70%の国民が「五輪開催はやめるべき」と意思表示をしています。これら国民は、現在のマスメデイアの報道内容、社会の状況を鑑みての回答であると確信します。しかし、②③④の都民、運営組織委員会、日本国民、社会を代表する人達は、国民の心情と真逆なリードをするのであれば、何故国民を説得させる、できる根拠を具体性を持って説明をしようとしないのか。

国民の代表者達は、国民が知り得ない「重要な根拠」があるので、国民の意思を無視してまで突き進もうとしていると誤解が生じていることすら気付かないアドミニストレイター達なのかも知れません

 その方々が幾ら「アスリートファースト」と語ろうとも誰も信じていないのが寂しい限りでもあります。②③④の代表責任者達は、真にオリンピック大会の理念、趣旨、目的をご存知なのか。ここで、何の為に日本に五輪を招致したのかの強い理念とコンセプトが欠落していたので、自らの判断すらできなくなるのです。

スポーツの原点は、人々の健康、安全、平和があってこそ成立するのです。このような国内外の状況を鑑みて、代表責任者達は、今一度私的な野望、誘惑、欲望を捨て、スポーツに関わる全ての人達をミスリードすることなく、万民の声に耳を傾けられる度量と人間で在ってほしいと願うのは筆者だけでしょうか

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文藝春秋社 著 武田頼政

   Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada

お知らせ:

如何でしたでしょうか。リマインドシリーズを再読されて思い出されましたでしょうか。当時Kファイルは、東京五輪に関して警告を鳴らし続けて参りましたが、五輪終演一周年を迎える前に在ってはならない問題が堰を切ったが如く安倍晋三氏の暗殺事件と共に吹き出して参っています。今後何処まで解明されて参るか地検の「JusticeとFairness」に期待する事に致しましょう。

 筆者、夏休みを取らせて頂きます。お休み期間に思い出して頂ければ過去の原稿記事を再読して頂ければ幸いです。深謝