K'sファイルNO.66;緊急連載 体操ニッポンの危機 NO.2
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=緊急連載 体操ニッポンの危機=
NO.2
3.暴力指導者に関する筆者の素朴な疑問
本件に関しまして日本体操協会は、8月8日に懲罰委員会と称して特定の委員を招集し、その後同日に常務理事会を開いております。8月15日には、速見コーチに対して無期限の登録抹消処分を発表。8日の常務理事会は、公開されていませんが、漏れ聞こえてくる話では、両会議に於いて皆さん(常務理事)無関心を装っていたようで、塚原光男と具志堅幸司両氏以外のもう一人の副会長、新体操代表の方は両会議欠席。此れもまた、無関心で無責任な1人なのかも知れません。
副会長と速見コーチの関係
次なる疑問は、副会長の具志堅氏と速見コーチとの深い関係についてです。この関係についてマスメデイアを通して日体卒の体操関係者の誰もが述べていないのは、非常に不自然です。速見コーチは、日本体育大学体操競技部出身の卒業生です。彼らは、全てを知っていると思うのが自然でしょう。
具志堅氏は、日体大体操競技部に於いて速見学生選手を4年間特に手塩に掛けて指導した事は誰しもが認める事です。速見学生選手は、有望視された選手であったようです。その事からも具志堅氏は、日体大体操競技部と深い関係のある「徳洲会体操クラブ・元体操協会会長、徳田虎雄氏」に卒業後就活の世話までされた関係のようです。しかし、運悪く、手塩に掛けて育てた速見選手は、北京オリンピック代表選手に成れず現役を退いたようです。これは、指導力の問題であったのか、選手にそこまでの資質がなかったのか原因は不明です。
このような関係であればなおの事、具志堅氏は、この度の暴力問題に立たされている同コーチが、気が気でなかったのではと胸の内を察します。協会の副会長でもある具志堅氏は、何故同コーチの暴力指導を止められなかったのか。何かアドバス、指導をしてあげられなかったのか。速見コーチの指導経歴の紹介は、何故されなかったのか。今日は、SNSを通じてどんどんと速見コーチを知る古い関係者達が宮川選手との出会いから当時の状況を紹介しているようです。
8月15、29日、30日とJGAの同コーチに関する記者会見、そしてその後の宮川選手の弁護士を従えての単独会見の後半に於いて、塚原夫妻にパワハラが有った旨(協会側からとして)の訴えがありました。この後、確か30日の体操協会二木会長との記者会見には、具志堅副会長が満を持したかのように同席会見されました。
この席での発言では、速見コーチとの関係に付いて、一切コメントをされませんでした。その後、具志堅副会長はマスメデイアに対して、塚原千恵子強化本部長は指導者として失格、との烙印を押され、マスメデイアを通して断言、告知しました。
本発言は、重大な故意の発言のように思えてならないのは筆者だけでしょうか。
何故ならば、二木会長、具志堅副会長、山本専務理事、複数の常務理事、渡辺事務局長が中心になり、第三者委員会を設置、その裁定を仰ぐ事を承認しているのです。第三者委員会の選考の発表前に、何故具志堅副会長自ら、塚原千恵子女子強化本部長に対し、指導者として失格の烙印を押す必要性が何処にあったのか。これは、軽率で済ませる言動でありません、特に同氏の社会的地位を考えるとこのような思慮、分別で大学でも学生達を教育しているかと思うと絶句してしまいました。しかし、ご本人は、何も感じていないようです。
これは、塚原千恵子氏、宮川選手、双方に対してもフェアーでなく、副会長が述べる言葉では在りません。この発言は、既に第三者委員会のメンバーの耳にマスメデイアを通じて入り、具志堅副会長が断言した。との情報がインプットされたことの重大性を本人は、理解できない筈がありません。これは大変な確信犯となり、禍根を残すと考えられます。具志堅幸司氏は、体操協会副会長、日本体育大学学長として余りにもTPOを弁えない人物なのでしょうか。
また、会見では、「18歳の宮川選手が嘘はつかない」とも断言しています。
18歳の人間は、嘘つかないとは何処からそんな論理が彼には成り立つのでしょうか。此の事も最高学府の教育者として、学長として何とも思慮の浅い人物と見られても仕方ない発言でした。日本体育大学教授会は、このような人物を大学学長に推薦し、大学法人は、任命したのかと思うにつけ考えさせられます。
その後、先日具志堅氏は、速見コーチとの師弟関係に付いてマスメデイアを通して述べたと伺っています。重要なポイントは、具志堅氏は、それまで無関心を装いながら何故、女子強化本部長への宮川選手からのパワハラ問題(協会側として)の提起が有り、体操協会内、世論、マスコミの状況に変化が生まれた後に、速見コーチとの師弟関係を公表したのか。これらは、筆者の素朴な疑問であります。
具志堅幸司氏を次の日本体操協会の会長にと既に画策している人物がいる事を知り、本権力闘争は、此のままではエンドレスのようです。
4.余談話として
筆者は、具志堅副会長を擁護するわけではありません。
このような副会長は、重責を担う日本体操協会に於いて、この度のような問題を処理するのが不得手なタイプなのかも知れません。本業に火が付いている事から本来なら体操協会の暴力、ハラスメントどころの騒ぎではない筈です。
何故ならば、同氏が学長を務める日本体育大学は、本K'sファイルで既に何度かご紹介しましたが、年間に700件近い暴力(セクハラ、パワハラ、喧嘩、窃盗、脅迫、強姦、等々)事件が多発している大学であると嘗て新聞朝刊に紹介され、それを認めております。本件数から割り出しますと毎日、2件、キャンパスの何処かで発生している割合になります。これらは、学生達だけではありません。教員で逮捕者も出ていますし、職員にもいるようです。
もうすでに、今週は、次なる暴力事件として大学箱根駅伝の監督による不祥事、事件が週刊誌で取り沙汰され始めています。本駅伝指導者は、読者の皆様の御記憶にある県立豊川工業高校駅伝部に於いて、暴力指導の常習教員であり懲戒解雇されてまもなく、日本体育大学の経営者、大学管理者が、大学の教員、指導者として雇用した人物です。そして、この人物は、2015年3月に大学に就任と同時に練習後の選手に暴力を振るって大問題を起こしたようですが、大学経営者、管理者に守られ、弱い立場の若手コーチ達、優秀で実績のある学生選手達がスケープゴート化され、深い傷を負わされて大学を去ったようです。大学法人日本体育大学とは、いったいどんな経営者、管理者によって教育、指導、管理がなされている大学なのでしょうか。具志堅氏は、その教学の最高責任者であり、経営陣のトップの1人でもあるのです。
一案として、TVマスメデイアは、日本体育大学にワイドショースタジオを常設されたらソースに事欠かないし、製作費のコストカットにもなるのでないでしょうか。しかし、TVマスメデイアが日体大に何故か目を向けようとしないで、美化しようとする理由は、何なのか。これもまた、寂しい話です。
このような大学で日々忙殺されているはずであっても、具志堅氏は、この度の速見コーチの暴力指導の有無に付いても、同コーチの指導者としての資質も指導力も知り尽くしている事と思われます。それを承知で今迄無関心を装い、塚原夫妻が窮地に立たされ、風向きが変化したとたんに突然前面に出て来て、塚原千恵子強化本部長に指導者失格の烙印を自らの口から公共の場で行った。その重さをどれほど認識されているのでしょうか。具志堅氏は、常に自分は教育者であり、体操界では、オリンピック総合金メダリストと自慢している人物です。
筆者の私見
「具志堅さん、覚えていますか。貴殿は、仲間達と会合を持ち小生を招いて下さり、私の前で正座して涙ながらに、先生教えて下さい『僕と監物先生は、何方が偉いですか。僕はオリンピック総合金です。監物先生は、世界選手権総合金です』と当時監物永三氏が副学長の時にあなたは、私に裁定を求めました。あの時既に貴殿と監物氏が学生時代から不仲であった事は、伝え聞いておりました。その理由は、学生時代から陰湿ないじめ(現在のパワハラ行為)を受けていたとの事を涙ながらに私に訴え、答えを求めた夜の事を。私は、貴殿の教育者として、人としての本質に触れる事になりました。貴殿には、「具志堅さん、人の評価、価値観は、大会、メダルの色で判断するもので在りません。それは、別問題ですよ、と諭しましたですね。忘れてしまったのですか。当時のあなたの仲間達は、皆貴大学の教授で在籍しています。彼らにもう一度確認してみたら如何ですか。人の評価、価値観に付いて、あなたは、まだ理解できていないのが残念です。肩書は、人を作るとは行かなかったのでしょうか。
この度の体操協会の副会長として、日本体育大学長として、教育者として、見識のあるべき貴殿が、大先輩で日本体操界の為にバランテイアーとして多大な貢献をされている塚原千恵子女子強化本部長に対して公共の場で、「指導者として失格」の烙印を押した事は、即あなた自身、協会副会長として、日本体育大学の学長として、器械体操のオーソリテイーとしての見識と教育者、指導者としての「失格」の烙印を自らの額に焼き印を押したに等しいと私は思います。誠に残念な事です。
勿論、塚原千恵子女子強化本部長には、沢山の功と罪の罪もあります。その事は、次回のパワハラ問題で取り上げる予定にしています。先ずは、貴殿の大学の山積された暴力問題の処理、改善が先決ではないのでしょうか。
スポーツ、競技スポーツ、体育界での教員、指導者の暴力問題の多くは、日本体育大学の教育、指導の欠落から発し、国民、社会、教育界に多大な不信とご迷惑を与えている現実と事実に正対して勇気を持って取り組まれて下さい。
貴殿の大学内の暴力を起こしている学生、学生選手、教員、指導者に先ず「失格の烙印を押し、勇気ある学長としての決断とその処理」をしては如何でしょうか。貴殿は、大学学長として法人経営者でもあり、文科省から認められた1号理事であり、発言力、決断力を備えているのをご存知でないのですか。貴殿だけでも、誠実で、クリーンな日本体育大学の経営理事で在って欲しいと願っています。体操協会の副会長の重責を兼務する時間もエネルギーも貴殿には、無い筈です。
この事を肝に銘じて一人でも多く社会で貢献できる学生達を輩出して下さる事をお願いします。K'sファイルの日大問題で貴殿の大学に問題が飛び火する事は、時間の問題と記しましたファイルを読まれていますか。大学の広報室には、送ってありますのでご参考にされて下さい。老婆心ながら申し添えさせて頂きました。
まとめ
これらの疑問からも、速見コーチの暴力事件と宮川選手のパワハラの発言は、リンクしていないと言い切れないのは、個々の関係がスッキリしないからです。もしかして、一連のシナリオは、あるシナリオライターにより描かれているような気がするのは不合理解釈かも知れません。
まだ若く社会経験も乏しい18歳の宮川選手にプロ宣言までさせて、あのような原稿を作成して読み上げる事は、非常に不自然な様子が伺えます。また、会見では、未成年の宮川選手の保護責任者として保護者が同席されなかったのも非常に考えさせられました。宮川選手は、既にプロ選手のようですが、プロとしての意味と自覚が理解できていない様に思えてなりません。
宮川選手の立ち位置と記者会見は、大人達の神輿に担がれていない事を切に願う次第です。本当に不敏でなりません。
此れも時間と共に真相が明らかになるのでしょうか。何はさておき、宮川選手は、心と身体の健康を取り戻される事が今現在の最大の課題と問題なのだと思われます。オリンピック最終予選会場に笑顔の宮川選手の姿を待っています。
第2弾を爽やかなエンデイングで結べませんでした事をお詫びいたします。
時事の動向:
1.速見コーチの謝罪会見がありました。暴力の存在を認めました。
2.第三者委員会の5名のメンバーが決定した。メンバーの選考は、公益財団法人日本
体操協会によるものです。
3.具志堅副会長が、塚原千恵子女子強化本部長を「指導者失格」と断定した。
4.第三者委員会委員長の岩井氏に対して、朝日生命と関係あるのでは、とのクレーム
が宮川選手の弁護士からありました。岩井氏は、それを否定。
5.速見コーチと宮川選手の間での暴力現場の映像が公開されました。視聴者は、衝撃
を受けているようです。社会は、それほど競技スポーツ界の暴力の現場、迫力をご
存知でなかった証です。此処で今迄のマスメデイアの流れに、少し変化の兆しを見
せている。
6.塚原光男副会長、塚原千恵子女子強化本部長に対して、協会は、職務一時停止を告
知した。
文責:河田弘道
スポーツ・アドミニストレイター
スポーツ特使(Emissary of the SPORTS)
お知らせ:NO.67は、塚原千恵子女子強化本部長へのパワハラ問題に付いて述べさせていただきます。スポーツ・アドミニストレーションからの視点では、どのように理解し、どのようにするべきか、マスメデイアからの情報を基に述べたいと予定しております。