KファイルNO.146: 都の西北早稲田の森に起きた事件の行方

KファイルNO.146: 都の西北早稲田の森に起きた事件の行方  

無断転載禁止                                   毎月第二、第四木曜日掲載予定

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目次

KファイルNO.146: 都の西北早稲田の森に起きた事件の行方  

友添秀則氏に依存した早大、省庁、スポーツ団体、マスメディア

1.変わりゆく大学経営者と教員の実態

■はじめに

■近年の大学教員、経営者の傾向

■時代と共に伝統的固定観念にも変化、対応が必要か

2.早大スポーツ倫理学者友添秀則教授の倫理と実態

■事件の発端とその経緯

■教育・スポーツ界に問われる教員、指導者倫理

■友添秀則氏紹介(資料:早稲田大学、各マスメディア、関係機関より)

■友添秀則氏の特徴

■学外での活動例

3.筆者の素朴な疑問と私見

  • キーポイント
  • 筆者の素朴な疑問
  • 筆者の私見

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2020年11月26日 木曜日     公開

KファイルNO.146:都の西北早稲田の森に起きた事件の行方

無断転載禁止

友添秀則氏に依存した早大、省庁、スポーツ団体、マスメディア

1.変わりゆく大学経営者と教員の実態

 はじめに

人は、皆完成された神仏ではありませんので失敗もあって当然であります事を先ず前置きさせて頂きます。

友添秀則氏のような優秀なスポーツ倫理学者が、所属する自らの大学で、あろうことか暴力事件を同僚に対して起こしたとされ、自ら退場を余儀なくされた事を知り誠に残念です。本件は、突然起きた問題では無い筈、なぜ大学教学の管理者、法人経営者の何方かが諭されなかったかと残念でなりません。友添秀則教授のスポーツ倫理学を受講する学生達、卒業生達の気持ちを察すると複雑な思いであると理解します。

長年積み重ねてこられた友添氏のご努力を無駄にすることの無きよう、大学、研究室、学生達は、本件を生きた教材として、是非スポーツ倫理学の発展の為に今後も精進努力して欲しいと切に願う次第です。 

近年の大学教員、経営者の傾向

私立大学経営者は、講義、演習授業、ゼミ、研究を主体とした専門教育指導者として教員を雇用するケースが主流であると思われます。しかし、近年では大学の広告塔を目的とし、学外でTV等のマスメデイアに出演し、コメンテイターとして活動をする事を安易に許可された大学教員が目立つのも特徴の様です。このような環境下では、大学及び自身の売名行為兼サイドビジネスに走る教授等が横行しているのも時代の変化と傾向であるようです。

読者の皆様は、近年特にTVの報道番組、バラエティー番組に出演し、OO大学教授、准教授、客員教授、特任教授、等々と紹介され、入れ代わり立ち代わり各局が競い合う中で登場している実態を既にお気づきのことと思います。その中の多くは、あまり耳慣れない私大の教員、有名な大学の教員と日替わりで出演されているのが印象的です。また、有名でない大学での肩書で出演していた教員が、TV出演し始めて半年もしないうちに有名大学に移籍されて出演を続けている様子がよく目立ちます。これらの裏舞台は、また別のドラマの様です。

TVに代表されるマスメディアでは、教員をタレント化する事でTV番組自体の品位を向上させようと番組プロデュサーが安易に画策しているものの、そのことにより、かえってタレント志望教員が番組の品位を下げている事も確かです。にもかかわらず、大学、教員側からは、我も我もと自画自賛の売り込みが、テレビ局関係者に直接的、間接的殺到しているのも確かのようです

筆者がお世話になりました大学にもこのようなテレビ芸能タレントさんが大学教員名簿に名を連ねていましたが、このような肩書の教員は、授業講義もゼミも持っていない教授職名でした。大学の理事長は、政治家、芸能、TVタレントさんを殊の外好まれ広告宣伝に利用し、その見返りとして当の本人には大学教育機関の教授職の肩書を提供する、云わば「Give & Take」の関係と割り切った私大及び経営者が増殖しているのも確かです筆者は、このような実態を目の当たりにして、今日の新しい呆れたスタイルの「フェイク教授」がこの国の私大の品位と教育現場の資質を低下させ、やがて教育界の崩壊を招く事を危惧しています。

勿論、私大経営者の中には、積極的に商品として活用する為かTVで名の売れた外国籍TVタレントさんに安易に語学教授職、その他教員職を与えて雇用するケースが増えているのも事実です。これでは、TV出演が主体である為に大学で学生達に教授する為の準備や研究に向けた時間の捻出が物理的に不可能なので学生達は授業料の運び屋さん程度にしか考えていないのだと思います。

このような私立大学の実態と、この度の早稲田大学の2名の助教による大学当局への内部告発に発展して行った様子からは、学外で名声を得て多忙を極める教員の、学内での本来の業務負担がこの助教達に掛かっていた経緯が透けて見えてくるのです

時代と共に伝統的固定観念にも変化と対応が必要か

また、国民、社会にとっては、教育者に対する固定観念の変革が必要でないかと思えてなりません。読者の皆様には、昔から言われる「教育者は聖職者」だという考えが迷信に等しい事を先ず念頭に置いて頂きたいのです本件の様な教授は、長年に渡り大学教育機関という特殊な状況と環境下で、自身の人生行路を設計し、またそれを培い、自らを誘導して今日のような状況に至った気配が否めないように思えてなりません。そして、学外に於ける文科・スポーツ省庁、スポーツ組織・団体に身を置くことにより自尊心を味わうことが、殊の外、同氏としては更なる上昇志向を駆り立てて行く、大きな動機付けとなったのであろう様子が伺えます。

我が国独特な名刺、肩書社会に於いて、友添教授は、人から高評価を得るためのノウハウを身につけられて行ったのでないかと洞察させて頂く次第です。此れも日本社会では、プライドとブランドを求める人にとっての手法、手段なのかも知れません。特にこの度は、日本の伝統的な社会慣習がこのような「肩書モンスター」の出現を後押ししたような気がしてならないのですが、如何でしょうか。

Kファイルでは、このような「時事の出来事」を中心にスポーツ・アドミニストレイターの視点で解説、分析させて頂ければ幸いです筆者は、当事者、関係者と直接的な面識はありません。Facebookを通して友添氏には、大学スポーツ協会設立に於いての日本版・NCAAに関して、「大義無き大学スポーツ協会の設立は実践に役立たないです」と意見させて頂いた時に「よく考えます」との返信を頂いた事がありました

 

2.早大スポーツ倫理学者友添秀則教授の倫理と実態

事件の発端とその経緯

先ず本事件は、マスメディア各社の報道によると2019年11月に早稲田大学スポーツ科学学術院(旧スポーツ科学部に大学院研究科が加えられ名称を新たにした学部)内に於いて、友添秀則教授(64)が日ごろから助教達(嘗ては助手と呼ばれていた)にパワーハラスメント行為(暴力)を加え、それを不満とした二人が学部(学術院)、大学教学本部、大学法人に内部告発した事に端を発したものでした

本件は、本年11月07日の朝日新聞朝刊の社会面に掲載されましたスクープ記事により最初に明るみに出されました。記事に関わり日々ご努力をされています記者諸氏には、その熱意と正義感に心より敬意を表します。そして同日午後からは、マスメディア各紙、NHK、通信社、等を経由して全国の地方紙に翌日拡散された次第です。

教育・スポーツ界に問われる教員、指導者倫理

この度の「友添事件」とその周辺の出来事が、近年の日本社会の病的な出来事の話題、特に教育界、スポーツ界に於ける大学経営者、教員、競技スポーツ指導者、管理者による暴力行為の実態を象徴するように感じたのは筆者だけでしょうか。つい数か月前に、Kファイルでは、馳浩元文科大臣(自民党国会議員、細田派、石川県2区選出、公益財団法人東京五輪組織員会新理事、公益財団法人日本レスリング協会副会長、専修大学レスリング部出身)の10代女子への暴力(セクハラ行為)が発覚して、安倍首相が国政の場で謝罪したばかりでした。

今回は、また早稲田大学教授(スポーツ倫理学専門)、かつ学外でも文科省スポーツ庁JOC、日本スポーツ協会、大学スポーツ協会、全柔連の役員等、数々の要職に就かれている高位な権威・権力者が学内で起こした暴力(パワハラ行為)でした

多くの読者の皆様が、個々それぞれに異なる思考、価値観、見識をお持ちの事は十分に理解できます。本件は、国内大学機関に於いてはほんの氷山の一角と言っていい出来事であると申し上げます。この度は、加害者と称される友添氏が異常なほどの多くの肩書を有され、能動的に長年活動されていましたのでマスメデイアに目立ちスクープされたのかも知れません。同氏は、いわば「肩書コレクターか権威主義」なのかもしれません

此れだけ同教授が、学外で肩書を持っていた事に鑑みれば、早稲田大学に於ける本業のティーチング業務に支障を来したのは当然であったのではと思われます。筆者は、日本の大学で教鞭を執った経験者として学生の皆さんへの教授としての責務はどうであったのか、研究室の助教の皆さんへの負担は如何程であったかと思わずにはいられません

■友添秀則氏紹介(資料:早稲田大学、各マスメディア、関係機関より)

本件に関わった関係者並びに関係組織、委員会

早稲田大学法人 理事長、総長、スポーツ・科学学術院長(学部長)

②友添秀則教授(加害者) 

③2名の助教(被害者、氏名名乗らず)

④調査委員会(大学、法人が推薦、任命した委員会、メンバー極秘)

⑤調査委員会報告書(極秘報告書、開示拒否)

友添秀則氏の肩書とプロフィール

1980年:筑波大学、研究科卒

1996年:香川大教育学部教授

2000年:早稲田大学人間科学部教授

2003年~2020年 10月 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授

2012年~2016年 早稲田大学スポーツ科学学術院長(学部長)

2018年~2020年 学校法人早稲田大学 理事

                               9月辞任退職(理由:自己都合) 懲戒処分無し

2020年:10月25日 大学教授職 退職(理由:自己都合)懲戒処分なし

2020年:11月13日 JOC常務理事辞任

❷所属学会及び役職

日本体育学会(副会長、次期会長予定)

日本スポーツ教育学会(会長)

日本体育科教育学会(会長)

日本体育・スポーツ哲学会

(財)日本学校体育研究連合会常務理事

➌国の教育機関、スポーツ機関及び組織・団体役職

 文部科学省スポーツ庁):スポーツ審議員会 会長代理

       各種諮問委員会 委員長、座長、等々

 公益財団法人:日本オリンピック委員会JOC) 2019年6月常務理事就任

        2020年11月13日 常務理事辞任

公益財団法人:日本スポーツ協会 理事

公益財団法人:全日本柔道連盟 理事  

その他

友添秀則氏の特徴

友添氏は、早稲田大学スポーツ科学学術院に教授として20年間在籍されていましたが、学内での講義授業よりも学外での活動に多忙を極めていたと言わざるを得ない事が上記プロフィールからもご理解頂けると思われます。

特に同氏は、自ら周辺に自称「御上(国の機関)に傅く御側用人(おそばようにん)」と公言して憚らない人物としても有名であったとよく耳にします。これが事実なら、この表現からも友添氏の人物像が読者の皆様にもイメージしやすいかもしれません。国の機関、公益法人、スポーツ組織、団体、そしてマスメディアに受け入れやすい人柄であったのかも知れません。それでも、筆者としては、ポジテイブな視点から「友添氏が自ら学外での活動を、教育界、スポーツ界への犠牲的な活動(Sacrificial service)と位置付けていたのでは」と捉えるにはやはり少し無理があるかも知れないと考えます。

学外での活動例

同氏の専門分野はスポーツ倫理学、スポーツ教育学で教育機関に於いては生徒、学生達の人間形成にいずれも不可欠な学問を究められた方とお見受けします

よって、学外での活動も、本専門分野に即して教育界、スポーツ界に於ける暴力(ハラスメント行為を含む)に強い関心を持たれて範囲を広げていました。特に印象的でしたのは、ご自身の専門分野を超えた、例えば筆者のスポーツ・アドミニストレイションの分野にも専門的なご意見、指針指導を述べられていたことです。

★特に、近年では、スポーツ界のガバナンス問題に於いて高い関心を持たれ、全日本テコンドー協会と選手との対立に於いては外部有職者として直接的な介入をされていました。

★大相撲の八百長問題、レスリングの伊調馨選手へのパワハラ問題、等々には強い関心を持たれて、マスメディアへの露出度も特化していたように記憶します。

友添氏は、筑波大学時代に柔道部に所属されていた背景からか、現在は何と全日本柔道連盟の理事という要職にまで就かれており、格闘技にも殊の外、強い関心があるのかも知れません

同氏が2019年6月にJOC常務理事の要職を手にしたのは、新会長に山下泰裕氏が就任されて間もなくのことで、山下会長が全柔連会長、友添氏が理事である事も影響しているかも知れません。何れにしましても、このように手に入る要職は1つでも多くという同氏の生き方が肩書という形で証明されているのは、実に分かりやすい表現と個性であると言えるでしょうか

読者の皆様には、このようなアンフェアーな人事や人選が許される日本の教育界、スポーツ界の構造とそれらに特化された悪しき伝統的社会の縮図を、友添秀則氏のこの度の事件を通じて改めて実態としてご覧いただいているのではないでしょうか。

 

3.筆者の素朴な疑問と私見

本件の発端は、既に読者の皆様にご紹介させて頂きました通りです。

読者の皆様もご存じの通りパワハラ行為とは、「基本的に通常強い立場側が弱い立場の側に対して相手に同意を得ずに従わせる行為」とされています。そして、「それにより弱い立場側がパワハラと理解、認識した場合に本行為が成立する」とされています

本件のパワーハラスメントは、本来暴力行為であることです。暴力行為は、①精神的な行為、②身体的な行為に大きく二分されます。パワハラは、精神的な行為に入り暴力と定義付けられているのです。そして、友添教授のこの行為は、学生に向けられたのでなく、同学術院の同僚助教二人に対するものでありました。これに対して助教達は、耐えがたい行為を受けたとして大学側に告発という手段を決意したのでした。これに対して助教が一人であれば、加害者、大学により告発は潰されていた可能性が大ですが、2名もの助教スクラムを組んで告発したことにより、大学側も事態を捨て置けなくなるに至ったものと思われます。大学側にも二人を擁護する教職員達が強くガードしていた為か一切報道に姿を現さないのも本件の特徴でしょうか。

大学側は、2020年明けから内部調査員会を設置し、招集(メンバーは公表せず)、約10カ月の月日を経て10月上旬に調査報告書が本委員会から大学側に提出された次第ですこの間、調査委員会は、被害者、加害者、関係者への事情聴取を行った上で報告書を作成したものと理解します。加害者側の代理人(弁護士)の存在が報道で伝えられていますが、いつの時点で加害者側が代理人を立てたのか、被害者側には代理人が存在するのか、大学側も代理人を立てたのか否かの報道は一切なされていませんでした。 

キーポイント

加害者(友添氏)が、告発者の二人の助教に対して反論し、事実を否定した事は容易に推測できます。しかし、筆者が、先ず疑問を覚えるのは、大学の調査委員会の結論が出ていないにもかかわらず、本年9月になぜ早稲田大学法人理事を辞任したのかについて、です。二つ目は、加害者の友添教授が委員会の調査報告書が出た10月上旬以後に、なぜ大学スポーツ科学学術院の教授職まで辞したのか、についてです。三つ目は、このような状況下で早稲田大学(大学法人、大学教学、学部)が、調査報告書の結論を「悪質なパワーハラスメントとして認定」したにもかかわらず、なぜ何の罰則(例:懲戒処分)も下さないまま、加害者の辞表を受理したのか。これらは、本件のキーとなるポイントであると確信します。

筆者は、此処に本事件の教育機関としてあるまじきグレーで陰湿な取引があると疑わざるを得ないのですが、読者の皆様は如何でしょうか。友添氏が、常識では考えられないほど学外に重心を置いた立ち振る舞いと活動を長年行っていたことは事実だとしても、それにより学内本来の業務である教育に支障が無かったのかどうかについては、非常に疑問が残る次第です。

筆者の素朴な疑問

友添氏が、大学側の調査報告書を見もせず、認定を否定し、身の潔白を公言するのであれば、何故大学側、及び、二人の告発者に対して「名誉棄損」で自身の潔白を証明しないのか。この問いに対して答えられないなら、調査報告書を頑なに開示しない大学側同様に、本件は、正義(Justice)と公正(Fairness)の下に大学規約、規則に法り裁かれたカレッジ・アドミニストレイションには程遠い、まさに談合による手打ちによってなされた早稲田の森劇場と揶揄されても反論は出来ないのでないかと思われます。

これでは、友添教授のスポーツ倫理学、教育学を受講した学生達に対する矛盾(倫理学教授の論理と自ら起こした暴力の実践行為の矛盾)について、大学側はどう説明責任を果たすつもりか。スポーツ・アドミニストレイターの視点で申し上げると、スポーツの教育の現場では、このような事件に対する処理は後に遺恨を残さない事が重要です。それは、また被害者と加害者が最終的に握手をしたか否かです。

筆者の私見

大学当局が、加害者に対して何の懲罰をも行っていないことから見て、加害者は高額な退職金の受給資格も有しているのでないかと考えることも可能です。また、加害者は、報道機関の取材に対して「私は、ハラスメントは無かったと思っている。調査報告書は見ていない。辞職理由は、自己都合、もう疲れたから」と何とも無責任、且つ歯切れの悪い対応をし、また、大学の調査報告の結論についても「見ていない」発言に終始している点が、倫理学者として適格、適正があるかどうかも、重要な評価ポイントでもあります。同氏が、長年倫理学者として「高潔」を通されたと思われるのであれば、このような言動、態度は指導した学生達の為にも改めて頂きたいと願う次第です。友添氏は、ご自身には甘かったののかも知れません。自らを律する事が出来る人物でなければ、とても倫理学を教授する事は難しいものと思われます。

友添秀則氏に依存した早大、省庁、スポーツ団体、マスメディアは、多くの優秀な人材が国内にいる事に気付こうともせず、同氏の肩書と言動、態度に乗っかり、手っ取り早く利用していたという事ではないでしょうか

筆者は、最終的には友添氏の元々の個人的な上昇志向が更なる上昇へと自らを駆り立てて行ったことが、2018年大学法人早稲田大学理事就任にもつながり、今回の事件の少なくとも遠因にはなっていたように思えてならないのです。

そして、2019年11月に二人の助教内部告発されたのは、同氏が理事職を足場にして、更なる夢の実現化の為に何らかのアクションを起こそうとしたことで、強い内部の力が二人の助教の心に勇気を与え、トリガー(trigger銃の引き金)に指を掛けたのではと危惧する次第です。彼の夢は、大学の中枢には「思い上がり」と取られたのかも知れません。もしもそうであるとするならば、この早稲田劇場の終演は、時間と共に調査報告書の内容と友添氏が大学の認定を認めていない理由が明らかになる日も近くあるのかも知れません。真実は、必ず時間と共に露呈するのが世の常です。本件は、またまた政治家の助け舟が出てくるのかもと推測するのは筆者だけでしょうか。

このような矛盾と暴力問題が教育機関で日常茶飯事として繰り返し起きる現状を前にして、一刻も早く、我が国で契約雇用制度の改革と断行が実現されるべきであると断言させて頂きます。この制度導入により大学人事担当部署は、雇用時の身辺調査の再確認、契約更新に伴う評価と契約内容の見直しが容易になるのです。契約更新に際しては、契約期間中の業績、倫理規範の遵守状態、大学、学生にとって有益か否かの判断を常に最新の情報に基づいて行うことができ、仮に劣化が生じたとしても、学生達、社会への被害拡大を防止できることが最大の利点であることをご紹介し、本論を閉じさせて頂きます。

注:友添氏は、自らの判断でJOCの常務理事職について11月12日に辞任届を提出し、翌13日に山下泰裕会長が受理、JOCも辞任告知していますが、これも理由は不明。さらに、それ以外の要職には現在も留まっています。

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社、著:武田頼政

お知らせ:

読者の皆様にとってNO.146は、如何でしたでしょうか。本件の被害者、加害者双方にとりましては、大変悲しい出来事だったと思います。筆者は、加害者にもう少し誠実さがあったならば、自制心が作動して、結果もここまで大変な事態には至らなかったのではと残念に思います。