K'sファイルNO.107:中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

'sファイルNO.107中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

無断転載禁止           注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定

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中大リレーマラソン・ポスター(第一弾キャッチコピーより) 提供:河田ゼミ三期生

                                                     信頼と絆

                                                  中大河田ゼミのモットー

 読者からの便り~

これまではゼミの活動経過の事実関係がメインでしたが、この清水さんの報告を読んで、鈍い私は河田ゼミの根幹にようやく触れたような気がします。特に人としての弱い面、「飽き」や「指示待ち」などに気付き、ポジティブ、ネガティブ、心の揺れも余すところなく把握しながら目的をしっかり遂げていくプロセスには感動しました。もうこの年になり、自分は「報連相」が足りなかったなあと恥ずかしくなりました。これは人生の一つの教科書ですね。何度も繰り返し読ませていただきます。NO.107以降は社会での実践編でもあり、ますます楽しみです。

筆者からのお知らせ:

貴重な読後感を頂き感謝申し上げます。ご指摘して下さった方は、元省庁のトップ官僚経験者です。この様な方もK’sファイルを読んで下さっています。鋭い洞察力は、筆者の励みと糧にさせて頂きます。このような方が今日文科省スポーツ庁に在職されて居ましたら日本の教育界、スポーツ界の改善、改革は変革されていたのかも知れません。

 

Ⅰ.中大リレーマラソン・プロジェクト(前編

はじめに

私たち河田ゼミ三期生は「スポーツを通じて中央大学を1つにすること」をテーマに中大リレーマラソンの開催と中大スポーツ・カレンダーの作製・無料配布を目標にこの3年間活動してきました。

中大リレーマラソン開催に向けて、様々なマラソン大会に主要ボランテイアとして参加し経験を積み、東京夢舞いマラソン実行委員会の方にも協力して頂き大会運営ノウハウを享受することができました。

カレンダー制作では、河田ゼミの先輩方が残したものを更に迫力のあるものにすることを目指し作成に尽力しました。今回のカレンダーでは、中央大学の47部会全てを記載する事に決め、中央大学スポーツの魅力を多くの方に伝えられるようにしました。

本報告書は、私たち河田ゼミの先輩方から続く「河田ゼミ五カ年計画」の最後の報告書になります。中大リレーマラソンはどのような過程を経て成功に至ったのか、中大スポーツカレンダーの作製方法及び学生への無料配布の2つの大きなプロジェクトの成功の軌跡をありのまま綴りたいと思います。

                  FLPスポーツ・健康科学プログラム 

                                                               河田ゼミ三期生一同  

                                                               ゼミ長:栗山政誠 副長:今田沙梨

担当教員からの補足

河田ゼミ三期生は、FLPのゼミ生選考基準に従い選ばれた学生達により構成されました。当時45名の河田ゼミへの希望者の中から7名の選考委員により選考され、最終的にFLP事務局より担当教員にリストを頂いたのは25名でした。本年度もまた受け入れ許容範囲の15名MAXを超えていた事に驚きました。担当教員は、再三に渡る事務局側との話し合いにも関わらず、最終的には20名のゼミ生を受け入れざるを得なかった次第です。また、河田ゼミは、第三期生を持って募集を終了しますが、大学側の告知・通知の不手際により、既に高校時代に大学ガイドブックを通して中大河田ゼミに入る事を夢見ていた新入生が居る事の報告を教務課から受けました。担当教員は、他のゼミへの配慮と了解の下、新入生を河田ゼミ聴講生として1年に限り受講を許可した次第です。FLP河田ゼミに登録した学生は、20名中3名が途中脱落、4名の聴講生を合わせて21名が河田ゼミ三期生として一大プロジェクトに挑んだ次第です。

担当教員 河田弘道 

専門分野 スポーツ・アドミニストレイション論、スポーツ科学

 

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                                              中央大学創立

                  125周年記念企画 中大リレーマラソン

                              (三期生:3年目の最終報告書より)

課題:「中大リレーマラソン

テーマ:ALL CHUO MIND の醸成

中大リレーマラソンは、日頃中大スポーツに興味のある人もない人も年に一度キャンパスに集まり、それぞれの健康と母校の現状を確かめ合い、自ら競技に参加して汗を流して語り合って戴く為の「場」です

そして参加者には、一人でも多く、スポーツ活動の楽しさ、爽やかさを味わっていただきたいのです。ゼミ生は、参加者達と励まし合い、愛校心と母校へのロイヤルティーをお互い確認し合い、協調性を醸成する場と環境を提供する。

またそれは、「コーディネーター」の役割をも担っているのです。この中大リレーマラソンは、中大スポーツの変革の象徴として125周年を記念して今後毎年晩秋の多摩キャンパスで継続開催することが、大学全体にとっても大変重要な意義を持つと思われます

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中大美女軍団は品がある!                                                               提供:北川外志廣氏

Ⅰ.運営班

2008年:「中大マラソン」の企画、制作に着手。オリジナルは、フルマラソンの企画でした。

2009年:中大リレーマラソン企画書作成・検討会議

       予算案の作成・検討会議

スポンサーセールス企画案作成・検討会議

スポンサーリスト作成・検討会議

       スポンサーセールス開始(各営業担当班別)

中大創立125周年記念事業の学生企画応募可能の情報を入手

  河田ゼミ情報シンクタンクの組織編成に着手

  記念事業の趣旨・目的を精査分析

  記念事業の予算の概算情報を入手

  ①記念事業用の運営企画書の作成

  ②記念事業用のスポンサー・セールスシートの作成

  ③①のプレゼンテイションの準備、プレゼンターの選出

  ④②のプレゼンテイションの準備、プレゼンターの選出

  ⑤各プレゼンターの模擬プレゼンテイション

中大創立125周年記念事業の学生企画に正式に応募

運営、広報・制作班からそれぞれ代表者を任命、ゼミ長・副長のリーダーシップにより①②のプレゼンテイションを無事終了、企画書の提出、審査委員からの質疑に対応し、予定通り終了した。

結果判定中大創立125周年記念事業の学生企画は、FLP河田ゼミの中大リレーマラソンに決定。河田ゼミの企画書通り、大学記念事業部は、河田ゼミに本事業を委託し、業務委託契約を交わし各種同意書を交す事とあいなった。

業務委託契約書作成、各種同意書作成

大会スポンサー:中央大学125周年記念事業部

河田ゼミと大学記念事業部間での委託契約、各同意書成立

スポンサー確保に成功!

2009年:中央大学創立125周年記念企画「中大リレーマラソン」の企画、制作、運営に着手

運営班の主な役割は、大会当日に必要となる業務(安全面を除く)全ての準備を整えることでした。プロジェクト3年目の4月~7月は大会までまだ日数があり、確定事項として取り決めることが少なくなかった(備品のレンタル業者や計測委託業者が未定だったため)こともあり、主な業務としては大会当日に中大OB,OGの有名人をゲストとして迎えるためのアポ取りやリストアップに時間を費やしました。

しかし、結果として中大OB,OGゲストを迎える事が難しかったため、夏休みに突入した8月からは大会当日のマニュアル作りが始まりました。マニュアル作りに関しては、運営班8人(聴講生2人を含む)で受け付け、更衣室、コース、イベント、開閉会式表彰、計測委託業務とそれぞれ分担が分かれていたので、各々が大会当日を想定したマニュアル作りや業者とのやり取りに専念しました。(その他の業務に関しては時間が空いている者に随時時間を振り分けて行きました)

大会開催が初めてだったこともあり、マニュアルの内容に関しては何度更新したかわからない程内容が更新されました。其の為、この後に記載されている工程表の作業日程に関してはその業務内容に付いて考え始めた時期であると付記します。最終的に全てのマニュアルが出来上がったのは大会前日であり、時間いっぱいまでマニュアル作成には時間を費やしました。

時間はかかったものの、結果としてこのマニュアルを作成したことで常に大会当日を頭の中で想定しながら作業する事が出来た事が大会成功の要因の一つになったと考えています。また、運営班は特に大学側(今回は特に教務総合事務室)とのホウレンソウ(報告、連絡、相談)が大切でした。空き教室の確保や、備品の申請、業者の選定など教務総合事務室の協力がなければ今回の大会の成功はありえませんでした。この大会以外にも仕事がある中で多大なる時間を割いて頂いた教務総合事務室をはじめとする大学関係者の方々には大変感謝しています。特に武地さん、藪さんには、お世話になりました。ありがとうございました。

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早朝のレース直前のセレモニー&準備体操の風景        提供:北川外志廣氏

①大会概要

大会名:中央大学125周年企画FLP中大リレーマラソン(以下中大リレーマラソ

               ン)

主催:中大リレーマラソン実行委員会

企画・運営:中央大学FLPスポーツ・健康科学プログラム 河田ゼミ

テーマ:All CHUO MINDの醸成

目的:本企画のテーマであるAll CHUO MINDとは、中央大学に関わる全ての人々(在学生、学員会、父母会、教職員等)の愛校心と連帯意識のことである。他大学では、自校教育と称し、自分の大学の歴史などを学ばせる授業が行われている。それに対し本学では、残念ながらその様な教育があまり知られておらず、その結果ALL CHUO MINDの希薄化につながっていると考えた。普段の学生生活では、学生は「大学生」という意識はあっても、「中大生」という意識をほとんど持たないのが現状であるように思うこの様な現状を打開すべく、本学が125周年を迎えるにあたり、私達河田ゼミはALL CHUO MINDの醸成を目的とし、中大全体が一体となるようなリレーマラソン大会を開催する

日時:2010116日(土曜日)8:30AM~16:00PM.

場所:中央大学多摩キャンパス構内

エントリーチーム数:107チーム

参加者数:852人

②大会規約

1条:競技方法

2条:注意事項

3条:反則事項

③運営班業務内容

コースマップ、会場マップ、当日大会ランナースケジュール、緊急時大会関係者連絡網、大会各業務責任者名簿・連絡先、備品管理リスト、ボランテイアリスト、大会時の自動車誘導マニュアル、等~

大会本部マニュアル:担当責任者―栗山、今田

受付マニュアル:担当責任者―篠原、嶺岸

更衣室マニュアル:担当責任者―川村

コースマニュアル:担当責任者―青山

第一ブロックリーダー:小林 他12

第二ブロックリーダー:石川 他9

第三ブロックリーダー:古谷 他13

救護・誘導ボランテイア組織図

エイド(給水)マニュアル:担当責任者―梅村 他4人

委託業者マニュアル:担当責任者―土屋 他ランナーズスタッフ1人、他3人

開会式・閉会式マニュアル:担当責任者―山中 他5人

イベントマニュアル:担当責任者―森口 他3人

ごみ箱について:担当責任者―今田 他5人

最終撤収:担当責任者―津原、梅村、篠原、栗山、川村、他ボランテイア

参加賞・賞品:担当者―大会本部

④競技責任者:レースデイレクター 青山忠文

 

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我先にと先頭を狙う出場者達(レーススタート直後正門前)提供:北川外志廣氏

 

Ⅱ.広報・制作班

広報・制作班の主な仕事は、大会の告知、参加者の募集、管理、それと制作物の作成です。先ず、現役生、OB・OG、職員、地域の方々など中大に関わる全ての人々に大会の存在を知って頂くために大会の告知をしました。ポスターを作成し、学内に限らず多摩キャンパス付近の飲食店などあらゆる場所に掲示させて頂きました。また定期的に中大のペデ下で、チラシ配布いたしました。参加者の募集期間の3カ月間で3000枚近く配布したと思います。学生の参加が思わしくなかった時期には、学内の電光掲示板で参加を呼び掛ける動画を流したり、HPやブログの更新をしたり、OB・OGの方々に参加して頂くために、学員支部会にて企画の説明をさせて頂いたり、学内の広報誌に記事を掲載させていただいたり、できる限りの努力をしました。

努力の甲斐あって、大会へのエントリー数は107チーム、総勢1000人近くの方々に興味を持って頂く事が出来ました。エントリーして頂きたい皆さんに、本大会に対する興味、関心を高めて頂くために、毎週メールマガジンを送りました。また、ランナー変更など大会当日まで、大会に関する問い合わせについても、広報・制作班が受付・対応しました。

ランナー、ボランテイアの募集が締め切られた後は、参加者全員に大会の誓約書に関する同意書を送付し、それを提出して頂き、その集計、管理を行いました。同意書の回収締め切り日を過ぎてもなかなか全部集まらず苦労しましたが、未提出の方々にどうにか連絡を取り、なんとか全て集める事が出来ました。

本大会が近づくにつれて、ゼッケン・タスキなどの大会当日に使うものの制作に取り掛かりました。制作物は、ゼッケン、タスキ、スタッフジャンパー、完走賞、賞状など、大会運営の業務の一部を委託した業者と相談しながら作成しました。その他に、大会当日の会場を盛り上げるためのバルーンアーチの装飾やイベントステージの背景作成なども行いました。そして大会終了後には、当日来ていただきプロのカメラマンに撮っていただいた写真を使って写真展も開催しました

大会当日は、とてもたくさんの方々に参加して頂きました。参加者の方々の笑顔を見て、この大会を企画運営して良かったと心から思いました。参加して頂いたランナーの皆様、ボランテイア―の皆様、そして大会を作り上げていく中で厳しくも温かくご協力して頂いた教務総合事務局をはじめとする大学関係者の皆様にこの場をお借りして御礼を述べさせて頂きたいと思います。本当にありがとうございました

                                       河田ゼミ三期生一同

                                        担当責任者:津原 祐貴

 

広報・制作に関するPC整理、処理 文書処理業務

                                                                              担当責任者:嶺岸 英匡 森口 真菜

 

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朝もやの大観衆の中継地点でタスキを渡す走者・受ける走者 提供:北川外志廣氏

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わしはまだまだ若い者には負けんぞ!        提供:北川外志廣氏

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おい!母校のキャンパスは何年ぶりかな?学生時代が懐かしいよ。提供:北川外志廣氏

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未来の中大生。お父さん、僕このキャンパスに戻ってくるよ! 

提供:北川外志廣氏

Ⅲ.救護班

救護班は安全な大会を開催する事を目指し、十分な準備を行う事を目指しました。4月~7月にかけては安全な大会を開催する為にはどのような準備が必要か。この命題に対応するためマニュアルの作成や必要備品のリストアップ、適切なマラソン保険の選定に概算見積もり及び保健センターへの協力を依頼する為に必要な資料作成を行いました。

しかし、当初予算が正式に確定していいなかったため、具体的に活動することがあまりできませんでした。8月末の夏合宿の前日に追加予算が認められたことにより、救護班の動きも加速し始めました。各々の仕事を明確にし、各人に担当を割り振る事で、自分の仕事に責任を持って取り組むと言うように全員が心掛けることとしました。

先ず、合宿明けの9月上旬には保険業社の方に来校して頂き契約に向け説明を受け、契約する運びとなりました。9月下旬には学内にある備品の借用願いを教務総合事務室に提出し、事務室から学内の各部署に連絡して頂き、借用の手続きを取ることができました。

また、10月中旬にはマラソン大会のサポートをして頂くこととなった保健センターの方と当日どのように救護を行うか業務の確認をしました。その際、特に業務時間を超えての多大な協力体制を取っていただける旨のお話がありました。

10月下旬に東京夢舞いマラソンの事務局を訪問し、同大会の看護師である鈴木富子さんから救護に対するアドバイス及び当日の業務の確認を行いました。

大会当日は天候にも恵まれ、絶好のマラソン日和となりました。また参加者の皆様に大けがも無く無事大会を終えることができ、救護班としては大変安堵しました。

救護班は学校側の各部署との仲介役を申し出て下さった教務総合事務室の皆様、安全面への配慮から追加予算の計上を後押ししてくださった125周年事務局の皆様、業務時間を超えてご協力下さった保健センターの皆様、トランシーバーや拡声器などの備品を快く借用させて下さった学内部署の皆様、マラソン大会マスターの鈴木さんをはじめとする東京夢舞いマラソン実行委員会の皆様、文章に書ききれない皆様の多大なご協力により活動する事が出来ました。本当にありがとうございました。

                                     救護班一同 

                                                                                                         責任者:橋場 彩那

 

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エイドステーション(給水所)、中大駅伝選手!怠けていたら青学の蜂さんに刺されるよ!他大学からの応援部隊(青山学院大から)、ゼミ生の高校時代の友人達。

提供:北川外志廣氏

 

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エイドステーション(給水所)、ゼミ生:梅村、大友、教務総合事務室スタッフ

救護班業務内容及び責任者一覧

救護班年間スケジュール 工程表

保険について:水谷 和也

保険の説明:橋場 彩那

業者選定作業:橋場、水谷、大友

救護備品について:大友 

トランシーバー状況別マニュアル:大友

ブロック・ミーテイングマニュアル:水谷

救護マニュアル:水谷

緊急対応マニュアル:救護班全員

契約書・同意書、誓約書に関して:津原 祐貴 (総務関係責任者)

保健センターとの打ち合わせ議事録、報告書作成:大友、橋場、水谷

        出席者:センター 田柳さん、田辺さん教務総合事務室 武地さん

                                                                                 救護班総括:責任者 橋場 彩那

 

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忘れないで!私は中大女子NO.1の健脚よ!      提供:北川外志廣氏

K'sファイルNO.107は、膨大な資料の為全てを掲載することは不可な状況となりました。つきましては、K'sファイルNO.107は、前編とさせて頂き後編は、NO.108に掲載させて頂きますので悪しからず。尚、NO.109では、三期生ゼミ長、副長の10年前と10年後の生の声を、そしてNO.110では、二期生ゼミ長、総合プロデユーサーの卒業時と10年後の生の声をお伝えすることを予定しています

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:如何でしたでしょうか。河田ゼミ三期生のプロジェクトをお楽しみ頂けていますでしょうか。学生達、ゼミ生達のパワーは、計り知れないです。個々のゼミ生達は、得意な分野、得意な創造力を沢山秘めています。コーチングは、それを引き出してあげる事のように思いますが、如何でしょうか。次週後編をご期待下さい

K'sファイルNO.106:中央大学に於けるSAD講義授業・実践ゼミ活動

K'sファイルNO.106中央大学に於けるSAD講義授業・実践ゼミ活動

無断転載禁止              注:K'sファイルは、毎週木曜日

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              信頼と絆

                                                中大河田ゼミのモットー 

読者からの便り~

河田弘道様  

魚料理に「活造り」と言うのがありますが、河田ゼミの再現を読みながらいつの間にか私自身がゼミ生の一人になったつもりで学修していました。物凄いパワーと質を作り(産み)出す大学スポーツの河田ゼミ授業に改めて圧倒され感動を覚えておりました。大学のゼミ教員、学生達は、このような真の実践ゼミが在る事を知らないと思います。こうあって欲しいと思うのは私だけではないと思います。もっと、K’sファイルの存在を知っている教員、経営者達は、自身の資料に留めず学生達、教員達に告知する事で多くの人達が救われます。

 

はじめに

中央大学に於いてスポーツ・アドミニストレイション論(略:SAD)の講義授業に付帯した実践河田ゼミは、強い「信頼と絆」をモットーとしてスポーツ・アドミイストレイションを机上の論理のみならず、担当教員の長きにわたる実践キャリアを基に何かを会得する事を趣旨、目的と致しました。

K’sファイルNO.105では、第二弾・河田ゼミ二期生の課題・テーマに付きまして3年間の成果と結果に至った内容をコンパクトにご紹介しました。ゼミ生達の成果・結果からは、強烈な河田ゼミ生達の個々の個性が大きな熱量の塊となる一方、フレッシュで爽やかな写真からは、ゼミ生個々の笑顔が彼ら彼女らのひかり輝く未来を指し示す道標のようにも思えて来るのは筆者だけでしょうか。

読者の皆様からは、今日の大学教育機関に於いて「想像を絶する教育的なゼミ活動の実践」をご紹介した事に、「感激と興奮」「気が付けば河田ゼミ生に成り切っていた」とのお褒めの読後感を沢山の方々から頂きました。此処に感謝とお礼を申し上げます。

さて、K'sファイルNO.106に於きましては、読者の多くの皆様から共通した興味とリクエストを頂いております。それは、活動した河田ゼミ生達が本プロゼクトを通して、現在社会の最前線で何を思い、何を感じて、実践経験を活かし、活かされているのかを聞きたい、聞いてみたい―、との質問です。

そこで、NO.106では二期生プロゼクトの総括として、統括プロデユーサーだった清水翔太さんの当時の報告書をご紹介したいと思います。また、清水さんには、NO.108で、ゼミ長の柏葉麻実さんと合わせて社会に出て今感じる心を生の声で伝えてもらおうと期待致しております。

NO107では、第二弾・三期生の巨大プロゼクトを紹介させて頂き、NO.108では三期生の統括プロデューサー兼ゼミ長でありました栗山政誠さんの社会に出ての生の声も、副長の今田沙梨さんと共にご紹介できればと思います。ゼミプロゼクトの統括プロデユーサー及び、ゼミ長さん方には、日々お仕事で多忙且つお疲れのところではありあますが協力を快く引き受けて頂けましたので楽しみにしております。スペースの関係でゼミ生達の氏名、活躍内容を全て掲載できますかどうか不安ですが、最大限の努力を致しますので、読者の皆様のご理解を切に願う次第であります。それでは。

                         

統括プロデューサーの総括 (担当任務報告書)

「第3回中大スポーツシンポジュームを終えて」

                                                                              中央大学・経済学部・産業経済学科

                                                                              FLPスポーツ健康科学プログラム

                                                                               FLP河田ゼミ所属、4年 清水翔太       

                                                                               2009年12月18日

 

1.はじめに

 第1回シンポジウム、第2回シンポジウムで、私は企画班に所属しプロデューサーとして活動を行った。第1回は中央大学初となるイベントを自分達の力でやり切ったという達成感を得た。しかしながら、聴衆の興味・関心を十分に惹きつけられなかったという実感が私には伴った。第2回では第1回の経験を踏まえ、活動に力を注いだ。内容はアンケートから判断する限り、改善出来た。ただ、第2回シンポジウムに足を運んでくれた人は第1回目より少なくなってしまった。この集客に関しては第2回を経験した事で自信というものを失ってしまった。

2.決意

 第3回目のシンポジウムを行うのか否か。第2回シンポジウムが終了し、ゼミ内での論点はそこに集中した。正直な所、私自身としては「飽き」と「自身の欠如」が心の中にあったため、第3回に関しては前向きな姿勢ではなかった。

3年目も同じようにシンポジウムを行うとすると、また同じように企画書を作成して、パネリスト交渉をして、企画を練って・・・」とシンポジウムを行う心構えとして、ルーティン作業とまでは言わないが、ある種の飽きを感じている自分がいた。また、人生の節目の1つである就職活動と並行してシンポジウムを行わなければいけない中で、「果たして本当に満足のゆくシンポジウムを創りあげることが出来るのだろうか。中途半端になるだけなのではないか。」とも考えてしまっていた。つまり、怠惰で弱気になっていたのだ。

ゼミ全体の流れとしても第3回目に関して、どこか消極的な空気が漂っていたように思う。しかしながら、優れた代替案などが出るわけでもなく、全体としてフワフワしたまま時が流れていく一方だった。

そんな折、河田先生からシンポジウムの目的、そしてこのゼミの活動の目的・意義がゼミ全体にメールで送られた。これを見て私はハッとしたのを覚えている。「たかだか2回のシンポジウムで中央大学が劇的に変わるような土壌が中央大学にはない。ここで第3回シンポジウムを行わなかったら今までの活動の意味はなく、中央大学スポーツには何の刺激も与えられずに終わってしまう。また、スポーツ・アドミニストレイションの一環でもあり、中央大学スポーツを盛り上げる事にも繋がるシンポジウムの集客に関して、自分は本気になれていない。」このように感じ、悔しさと情けなさがこみあげてきたのだ

そこで私はどんなに大変であろうと第3回シンポジウムを行い、目標集客を何としても達成して卒業しようと決意した。

3.実践したこと

3回シンポジウムを行い、集客目標を500人に設定する事がゼミの話合いで決まった。今回は何としても500人を集めたいという気持ちが強く集客班として私は活動をする事にした。集客班のリーダーとなったが、個人的には「先生とのパイプ役」「全体がどのような状況か把握し、活動が滞った時に打開策を考えよう」くらいの心構えでしかなかった。というのも、あれやこれや指示をすると皆の中に「指示待ち人間の心」が宿ってしまうのではないかと考えたからだ。全員が自発的に努力し、頑張らなければ集客目標を達成する事は絶対に出来ない。自発的に全員が活動するように、言うなれば全員が「私がリーダーとして集客を引っ張っていかなければ」といった自覚を持つくらいの組織になるようにしなければと思った企画に関しては、薄情かもしれないが、企画班を信じきることにし、任せきった。(勿論、困った時や相談がある時は協力するが。)

集客班として私が実際に活動したものは、

①学員時報

②草のみどり

③ゼミ内で試合観戦を組む

④各体育連盟へのコンタクト

⑤地域へのポスター貼り

⑥集客班のスケジュール調整

⑦長期休み時の先生への連絡

⑧授業告知

S-COOP

⑩校内でのビラ配り

⑪校内でのポスター貼り

⑫個人での集客

⑬装飾品造り、その他に細かい仕事などがある。

活動した全ての事から何かしらの気づきや、学ぶべきことを得ることが出来たが、特に①、②、⑦、⑧、⑫に関しては学ぶべきものが特に多かったように思う。

4.集客活動、シンポジウムから得たもの

集客活動を通して大きく学んだことは「地道な活動の大切さ」、「報連相を密に」「人との繋がり」である。「地道な活動の大切さ」であるが主に上記の②、⑫で強く感じた。②の草のみどりに関して、例年はビラの同封をお願いするだけであったが、今年は1人でも多くの人に河田ゼミの活動と清水翔太の思いを知ってもらおうと草のみどりに原稿を掲載して頂けるようお願いしたしかし、正直なところ「時間をかけて書いたけれども、本当に効果はあるのか」と半信半疑であった。ところが、⑫の個人集客にて草のみどりは目に見える形で効果を発揮した。

サークルの後輩や友達、両親までもが草のみどりを通して私の思いを自然と知ってくれ、シンポジウムには50人以上もの知人が足を運んでくれた。特に両親が私の河田ゼミの活動に興味を示してくれたのは今回が初めてであり、私自身も嬉しく思った。草のみどりに関しては他のゼミ生はあまり効果を実感出来なかったかもしれないが、私は非常に効果を感じ、「地道な活動の大切さ」を実感するに至った

報連相を密に」であるが、⑦の先生への連絡を通して実感した。「報告・連絡・相談を密にしろ」なんて昔からよく言われているから、重要性くらいわかっているよと思いがちだが、なかなか出来ていないからこそ世間では頻繁にその事が言われているのだろう。私はリーダーとして先生へ活動報告するために、全員の活動進捗状況を確認していた。つまり「報連相を密に」しようとしていたのだ。すると、どこの作業が遅れていて、どこの作業が進んでいるのかが整理出来、今後の見通しを立てることが出来る。班で活動をしている以上、仕事というものは繋がっているのだから、遅れている仕事をそのままにする訳にはいかない。遅れているところがあるのであれば助け合わなければいけない。社会に出る前に全員の進捗状況を把握し、仕事を進める事の重要性を再認識出来た事は非常に有意義であった

また①、②、⑧を通して「人との繋がり」の大切さも実感した。浦野さんをはじめとする学員ネットの皆さま、斎藤さんをはじめとする父母連絡会の皆さま、小峯先生をはじめとする授業告知を手伝っていただいた教員の方々、多くの人がシンポジウムに対して理解を示し、協力を快くしてくれた。卒業された河田ゼミの先輩たちから引き継がれる人脈はシンポジウムにおいても大いに役立ち、シンポジウム成功の一端を担った。このような「人との繋がり」は本当に大切にしなくてはいけないと実感することが出来た。

プロゼクト成功のキーワード

そして、3回シンポジウム全体を通して学び得た事は「①目的を見失わないこと」「②諦めないこと」「③仲間の大切さ」である

 「①目的を見失わないこと」何のために活動をしているのか、その本質を頭に刻み、目的を見失わないことは何かを成し遂げようとする時にはとても重要になってくる。今回、第3回シンポジウムを行う前にはその重要性に気づけていなかった。しかしながら、先生のメールのおかげで本質、目的を頭に刻みこんでからは、悩んだ時は原点に立ち返る事が出来、ぶれずに活動を続けられたように思う。

「②諦めないこと」これをゼミ全体で実践する事ができたから、目標人数の達成、シンポジウムを終えた後の達成感を味わう事が出来た。

途中、いつ誰が「やっぱ無理じゃない」と本気で言ってもおかしくない状況の時もあったが、誰1人として諦めることはなかった。これは私自身も含めゼミ生皆が精神的に成長した証しでもあると思う。

「③仲間の大切さ」これが1番学び得た事である。河田ゼミ生は個性様々であり、ムラっ気があるが、全員が心の底では「シンポジウムを成功させたい」と強く思っている。それ故に、私自身疲れている時や、やる気が低下しそうな時でも仲間の活動、思いを見る事で、「自分も頑張ろう」と思えた。(今回の第3回シンポジウムでは特に、佐々木の活動、努力に尊敬し、刺激を受けた。)このような刺激的な仲間がいる事はとても幸せであり、今後も大切にしていきたい仲間と巡り会えた事は非常に喜ばしい。

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中大クレセントホールにて、(撮影のため高井さんが入っていません)                           写真提供河田ゼミ

5.最後に 

もうすぐ長いようであっという間だった大学生活も終わりを告げようとしている。何年後かに私が大学生活を振り返ってみると、まず間違いなくこの河田ゼミの事を最初に思い出すであろう。つらいことや面倒くさい事も勿論沢山あったが、それ以上に有意義で充実し、学生として非常に貴重な経験ばかりをした。他のゼミでは決して経験出来ない事だったであろう。

そして、このような貴重な経験を数多くさせてくれ、本当は口を出したい事も沢山あったのだろうが、私達ゼミ生の成長のために温かく見守ってくださった河田先生には心から感謝している。河田先生が中央大学客員教授として在籍をしている間に、入学出来、先生のゼミ生として3年間活動を続けられた事を誇りに思う。本当にありがとうございました。心から感謝したい。

 私はこれから河田ゼミで得た経験を基に社会人として、先生の名に恥じぬよう、活躍をしていきたい。期待していただきたい

これからも河田ゼミ、河田先生のご活躍、中大スポーツを応援していきたい。

 

                                河田ゼミ二期生 清水 翔太  

                                 シンポジュウム統括プロデユーサー

 お知らせ:清水翔太さんは、この時期既に第一志望の「KDDI株式会社」に就職先を決 め、卒業式を待つだけ。卒業式では、2009年度中央大学主席、総代という輝かしい足跡を残して卒業。FLPプログラム開講以来初、そして河田ゼミから栄誉ある主席、総代を輩出した事は、河田ゼミ、ゼミ生達の誇りです

 文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:このようにして河田ゼミ二期生のプロゼクト、活動は、本総括を持って無事終了する事が出来ました。次回河田ゼミ三期生は、中央大学でのスポーツ・アドミニストレイションの講義授業に付帯するFLP河田スポーツゼミの5カ年計画の最終章へと進めて参ります。此れが日本の大学教育機関で実践した実践ゼミの正体を覗いてみて下されば幸甚です。それでは、次週お会い致しましょう

K'sファイルNO.105:中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動


K's
ファイルNO.105中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

無断転載禁止           注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定 

f:id:hktokyo2017041:20190606001014j:plain中大スポーツシンポジュウム報告書表紙から~      写真提供:河田ゼミ二期生

読者からの便り~

河田様

いつも興味深く、拝読させて頂いております。今シリーズは、前回までのスポーツ界の暗部に楔を打ち込むコラムから、一転して、アカデミックな世界に読者を招き入れ、斬新な感じが致します。特に写真が素晴らしく、爽やかさと活気に満ちた学生さん達と河田さんのお姿は誠にほほえましく、すさんだスポーツ界に手を振り、一服の清涼剤となっているように感じました。大学でたくさんの学生達と共有された時間が、とても充実したものであったとご推察致します。また、河田ゼミ生にとっても多くの思い出が蘇ってくるのではないでしょうか。

 

              信頼と絆

              中大河田ゼミのモットー

 

 中央大学に於いてSAD講義授業に付帯した実践河田ゼミは、強い「信頼と絆」をモットーとしてスポーツ・アドミイストレイションを机上の論理のみならず、担当教員の長きにわたる実践キャリアを基に何かを会得する事を趣旨、目的と致しました

個々のゼミ生達は、実践演習を通してその一端を肌で感じる事が先ず大事と位置付けました。この度は、第二弾「二期生」の実践成果と結果を基に本プロゼクトをご紹介します。

膨大な3年間のゼミ生達の汗と涙の結晶の素晴らしい資料、報告書をご紹介致したいのですが、この度は限られた紙面のためご紹介出来ないのが残念です。この度は、本プロゼクト企画の推進者であります総合プロデユーサー、ゼミ長を中心とした報告内容となります事をご理解して頂けましたら幸いです。読者の皆様もご一緒に河田ゼミ二期生になってプロゼクト企画を推進して下さい。

担当教員 河田弘道 

専門分野 スポーツ・アドミニストレイション論、スポーツ科学 

 

先ず初めに                    (河田ゼミ二期生作成)

Faculty Linkage Program(略:FLP)とは

FLPとは、本学が幅広い学問領域を持つ利点を活かし、各学部に設置された授業科目を有機的にリンクさせ、現代社会の最新テーマについて学ぶことを目的として2003年に設置されたプログラムです。①「環境」②「ジャーナリズム」③『国際協力』④「スポーツ・健康科学」⑤「地域・公共マネージメント」の5分野をテーマに、少数で2年時から3年間系統的な教育を行っています。各プログラムの目標を明確にし、個々の学生がキャリアデザインを描けるように担当教員がその指導を行います。

河田弘道ゼミ

私たち河田ゼミは上記のうち「スポーツ・健康科学プログラム」に所属しています。昨年、一昨年と過去2回、中央大学キャンパスにスポーツを楽しむ文化を根付かせるという目標の下、スポーツシンポジュウムを開催致しましたこのような実践演習活動を通して、物事を分析しながら対処・解決していく事で、スポーツビジネス、オペレーションの一端をも学ぶことを目的として活動しています

2009年度活動

2009年度の活動は、2007年、2008年と同様に中央大学キャンパスにスポーツを楽しむ文化を根付かせるという目標の下、第3回スポーツシンポジュウムの開催を決定する事から始まりました

今年度は、昨年度の反省を活かし、観客人数を増やそうという目標を立て、その目標を達成する為に企画班と集客班の2班に分かれて活動しました。企画班は、今まで以上にシンポジュウムを「観に聞きに行きたい」、観ていて聞いていて「楽しい」と感じられる企画を心がけ、集客班は、1人でも多くの学生にシンポジュウムに足を運んでもらえるように、また今までアプローチが弱かった外部への告知に力を入れながら活動しました。

活動する中で様々な困難や苦労がありましたが、結果無事に第3回スポーツシンポジュウムを開催することができました。当日は予想以上の数のお客様に足を運んでいただき、また終演後のアンケートにもポジテイブな意見を多くいただくことができました

このシンポジュウムに関する一連の活動を河田ゼミ二期生の2009年度の活動として本報告書を冊子として完成し、無事FLP事務局に提出することができましたことはゼミ生一同の喜びであり、誇りであります。

末尾になりましたが、第3回シンポジュウムの会場に早くから足を運んで下さり、終演まで見届けて下さいましたFLP生みの親の鈴木康司先生(中央大学元文学部長、元学長兼総長)には、心より感謝とお礼を申し添えさせて頂きます。

                            河田ゼミ二期生一同 

 担当教員からの補足

FLPスポーツ・健康科学プログラムは、8つのゼミから成り立っています。各担当教員は、各学部に所属された合計8名の教授により毎年本プログラム定員45名を学生達の第一志望を最優先して分担します。本スポーツ・プログラムは、全学部の垣根を超えた専門性の高いゼミ演習です。各学部2年生から選考基準(本プログラムの担当選考委員による面接)をクリアーした学生が履修できます。毎年多くの学生達が河田ゼミを希望してくれましたが、全員を受け入れられたわけではなかった事が中大に於いての唯一の心残りでした。

スポーツ・健康科学プログラムは、選択科目であり1年時の11月に次年度履修希望学生達の申し込みがあり、面接委員(7名の教授が分担して行うのが決まりのようでした)により選考がなされていました。河田ゼミを希望する学生達は、面接時に面接担当教員自身のゼミの履修を先ず進められるそうです。しかし、学生達は、河田ゼミを希望しているのでお断りをしなければならなかったとの報告を受けていました。この面接手法は、如何なものかと心を痛めました。そして、河田ゼミに入れなかった学生達の殆どは、他のゼミを履修せず去って行ったことを聞くに付け胸が痛んだ次第です。

2007年度の河田ゼミ二期生の総勢は、15名と限定させて頂きスタート致しました。毎年河田ゼミへの登録希望者は、約40数名にのぼり担当教員としては全員を受け入れる事はゼミと言う趣旨、目的からしても困難でした。

また他の担当教員のゼミとのバランスにも気配りが必要でしたので、教務課は不本意でしたが15名迄とさせて頂いた次第です。

 

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暑い夏の山梨合宿から(部活等により欠席した仲間達の分も頑張りました)                  

写真提供:河田ゼミ二期生

 

2009年度活動概要 報告1例(河田ゼミ2期生作成)

第3回中央大学スポーツシンポジュウム

課題:中大スポーツシンポジウム

テーマ:中大スポーツを盛り上げる~

スポーツを楽しむ文化をキャンパスに根付かせるための実践活動こそが「中大スポーツシンポジウム」であり、そこには重要なMissionがあります。我々河田ゼミは、中大スポーツの発展の為、学内スポーツの改革活動に3年間、情熱とエネルギーを注いできました。新しいスポーツ文化を中大に根付かせることを目的とするスポーツシンポジウムでした

中大スポーツシンポジウムは、大学キャンパスにおけるスポーツの楽しさ、素晴らしさを青春期の皆さんに知ってもらう文化的な活動です。また、日本には、全く理解と認識をされていないスポーツの大きな概念の一つである「観るスポーツ」に関するコンセプトである、観て楽しむ中にも社会性、協調性及びマナーの醸成を如何にこれから根付かせて行くかが重要なファクターであるか、も考えて行きました

ゼミ生の本活動に対する成果の一つは、中大スポーツシンポジウムの「集客」目標を先ず達成する事でした

 

綜合プロデューサー:清水 翔太 (統括責任者)

1.企画班活動報告

・年間スケジュール作成 工程表

・企画立案:日程決定、会場決定、テーマ決定、企画書の作成、パワーポイン ト版企画書作成(柏葉、高井、嶺岸、浅見、竹村、他)

・出演者交渉:担当責任者―(輿、浅見、竹村、柏葉、塚本)出演者リストアップ、出演者絞り込み、出演交渉、出演者交渉不成立の場合絞り込みに戻る、出演者打ち合わせ、

・企画詳細作成:Introduction、デイスカッション、パフォーマンス、Q&A、ス テイジ設営、パンフレット作成、

・運営(会場、スタッフ):担務例として、

会場設営計画―機材、音響担当(中嶋、押川、東通産業)、ステイジ(押川、竹村、坂本、浅見、輿、須田)、客席、通路、舞台裏(坂本、塚本)、受付(清水、柏葉、佐々木、竹村)、スタッフ配置、ボランテイアスタッフ要請、管理(坂本、清水、川杉、三期生)、 当日スケジュール作成(嶺岸、塚本)、リハーサル(坂本、佐々木、三期生)式典リハーサル(竹村、栗山)、物品準備、第3回スタッフ当日業務リスト及び各担務責任者名、会場内貼紙作成リスト、パネリスト出迎え、リハーサル(輿、浅見)、開閉場担当、音響担当、影アナ担当(竹村)、照明操作担当〔坂本〕、PC(嶺岸、輿)、等、他

・開催後の活動:お礼状の送付(企画班担務)、関係者への終了報告(集客班担務)、アンケート集計

・報道対応:責任者―佐々木 友希

出演者交渉成立:

有馬隼人関西学院大学卒、アメリカンフットボール部、アサヒ飲料チャレンジャーズ所属、元TBSアナ)

五十嵐圭選手(中央大学卒、バスケットボール部トヨタ自動車アルバルク所属)

 

2.集客班活動報告

・年間スケジュール:工程表完成

・集客立案:第1・2回の反省・分析、集客目標人数決定(500名)、タイムスケ

       ジュール作成、集客案を見直す、タイムスケジュールはこまめに確認

       し、修正する

・学内関係:①体育連盟常任委員会、常任委員長への挨拶に行く、マネージャー会議に

       参加、リーダーズキャンプに参加、各部会ポスター回収

      ②提案:選手名鑑作成、DVD作成、観戦ツアーのプロモ、ホームページ作

        成、ポスター新デザイン、等

      ③学員時報、 学員会へご挨拶、7月号記事執筆、打ち合わせ、

        7月号記事掲載、9月号記事執筆、9月号記事掲載、

      ④草野みどり、打ち合わせ、原稿作成、シンポジュウムチラシ持ち込み、

        記事掲載、配布

      ⑤試合観戦 前期試合日程を調べる、前期試合観戦、後期の試合日程を調

        べる、後期試合観戦

      ⑥リーダーズキャンプ アンケート作成、過去のシンポジュウムをまとめ

        た資料を作成、GLCに参加、アンケートを集計

      ⑦授業内告知 各授業訪問担当者を決める、告知方法を検討、各授業の先

        生に挨拶、許可を得る、パワポ映像・原稿作成、授業ない告知、

      ⑧学内広報 SCOOP、中大スポーツ新聞、学内スクリーン告知

      ⑨来賓 来賓者リスト作成、案内状作成、案内状送付

    

・学外関係:依頼書作成

      ①外部学校広報 近隣高校リストの取得、近隣高校への協力依 頼、ポス

         ター、チラシの送付

      ②外部広報 外部店舗へのポスター配布、地域スポーツ施設、地域スポー

         ツクラブ、MIXI

      ③プレスリリース 第一弾記事作成、打ち合わせ、第一弾配信、第2弾記

         事作成、第2弾配信、メデイアへの記事掲載

      ④ホームページ HP内容を検討、HPを立ち上げる、各部会のリンク貼り

         付け、ブログ更新担当者を決める、トップメッセージなどを随時更

         新、携帯HP作成、

      ⑤チラシ 配布先検討、入学企画課と打ち合わせ、チラシ作成、チラシ配

         布

      ⑥ポスター 作成依頼業者選定、原案作成、入稿、完成、掲示、回収

      ⑦卓上広告(POP) デザイン考案、材料購入、作成、設置、回収

      ⑧会場装飾 立て看板、場内装飾、場外装飾、呼び込み看板作成

・情報宣伝ツール:担当責任者 佐々木 友希

 

3.シンポジュウム報告

Introduction原稿

②中村選手(川崎フロンターレ、サッカー選手、中大OB)五十嵐選手(トヨタ自動車、バスケットボール選手中大OB

Introduction映像

④デイスカッション概要

Q&A概要

⑥影アナウンス原稿

⑦観客配布パンフレット

⑧アンケート用紙・集計結果

⑨シンポジュウム当日写真

⑩開催後メデイア掲載記事

 

マスメデイア(朝日新聞社、朝刊掲載)

中央大・河田弘道ゼミ スポーツ企画・広報活動

11月に学内で開いたシンポジュウムで、会場の音響などを事前チェックするゼミ生達

(担当:中島、押川)                  写真  河田ゼミ提供

 スポーツをテーマにした学内イベントなどの企画運営を通して、ビジネスや広報活動を学んでいる。今進めている企画は三つ。大学スポーツの魅力をアピールするシンポジュウムの開催と、運動部選手の写真や試合日程を掲載したカレンダーの制作、そして校内マラソン大会だ。学生にとって、大学スポーツという同世代の友人が打ち込む身近な話題に焦点をあてた。

ゼミ生は、企画書作りからスポンサー探しまで、すべてを担う。経済学部3年の津原祐貴さんは「社会人に提案する経験なんてめったにない。勉強になる」。協賛を求めても相手にされないことは珍しくない。

指導する河田弘道客員教授は、プロ野球巨人の元編成本部付アドバイザー兼監督補佐という異色の経歴の持ち主だ。「日本のスポーツ界の現実を見てこい」と学生を励まし、見守る。「『スポンサーとってきました!』って帰ってくると、なんともうれしいですね」(原田朱美)

◇ カレンダーは、4月に約7千部を発行予定。大学のOB団体などが資金援助する。学内での販売活動はできないため、大学生協が制作費を預かって印刷し、ゼミ生が、学生や父母らに無料配布するという。 ~河田ゼミ2期生作成~    2010121日 朝日新聞朝刊より、

第3回中大スポーツシンポジウムの成果と結果

本シンポジュームは、多くの関係各位の温かい協力、支援、指導の下無事成功裏に終了する事が出来ました。学内外のメデイアを通して高い評価をして頂きまして、ゼミ生一同3年間の血と汗の結晶の証しとして集客750名(目標500名)を遥かに超える集客に成功しました。会場の9号館クレセントホール(集客数1000席)は、最後まで熱気に包まれ河田ゼミ生を応援して下さいました。

2007年:第一回、350名の集客に成功。中大初のゼミ生による企画、制作、

      運営、管理。

2008年:第二回、270名の集客に反省。

2009年:第三回、FANFAN! SPORTS★ 大学スポーツってこんなに面白い!

      750名(集客目標500名を上回った)。3年間の活動目標を達成し

      

2009年12月:活動報告書完成 提出

2010年:春卒    河田ゼミ二期生

 

f:id:hktokyo2017041:20190606010059j:plain終演後、パネリスト、司会者、ゼミ後輩達と共に中大9号館クレセントホールにて~    

写真提供:河田ゼミ二期生

 まとめ

信頼と絆

中央大学のスポーツを盛り上げたい。」その思いで集まった私たち河田ゼミ。

中央大学内で前代未聞のスポーツイベントを開催するという目標を掲げ、中央大学のスポーツを多くの人に知ってもらい、もっと多くの人に試合会場に足を運んでもらうために、スポーツシンポジュウムの開催に挑戦しました。

第1回は初めての事ばかりで、壁にぶつかっては話し合いを重ね、打開策を考え、とにかく開催する事に必死でした。何とか無事に開催する事ができ、達成感を得ることができました。

第2回は、第1回の反省を活かし、シンポジュウムそのものの『質』を高めるよう努力しました。開催が出来ても、観客の方々にいかに私たちの気持ちを届けることができるかが課題でした。その結果第2回は内容の質向上は達成しましたが、集客の面で悔しさが残る結果となりました。

第3回は私たちの集大成となる活動でした。内容をさらに工夫して、観客の方々に楽しんでもらえるシンポジュウムにしようと決意を固め、日々の活動を行いました。その成果が表れたのか、観客の方々の反応も良く、3回目にしてようやく納得のいく内容となりました。また集客面においても今まで以上に工夫を重ね、幅広くアプローチを行なった結果、今年は過去最多の748名のお客様にお越しいただくことができました。これだけ多くの方々に私たちの活動を知ってもらい、中央大学スポーツのことを知ってもらえたことは、とても良い機会となりました。

この3回のシンポジュウム開催は河田ゼミだけの力ではなく、多くの方々の助けがあったからこそ成し遂げることができました。これまでに沢山の方々が、私たちが困っていたら手を差し伸べて助言を下さり、またある時は率先して活動に協力して下さいました。このような絆が私たちの活動を支えてくれたことは言うまでもありません。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。後輩達(河田ゼミ三期生、栗山ゼミ長以下21名、聴講生4名含む)が快く後方支援を引き受けて下さった事に対して、この場をお借りしてお礼と感謝申し上げます。

まだまだ志半ばですが、私たちは今年で卒業してしまうためこの活動を引き続き行う事ができません。しかし、この活動を継続してこそ、これからの中央大学スポーツに影響を与えることができると思っています。今後も「中央大学のスポーツを盛り上げたい」という想いを持った人々によって活動が続けられ、いつか多くの学生で中央大学の試合の観客席が埋まる事を願っています。

                中央大学河田ゼミ二期生一同 ゼミ長:柏葉麻実f:id:hktokyo2017041:20190606010527j:plain後輩ゼミ生達の追い出しパーテイーにて        写真提供:河田ゼミ2期生

(写真撮影は高井さんの為、写真に入っていません。ごめんなさい)

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:K’sファイルNO.104の河田ゼミ二期生の活動は、如何でしたでしょうか。資料、報告内容が膨大な為見落としがあるかと思いますが、お許し下さい。尚、次週は、本プロジェクトの総合プロデューサーを務め責任を果してくれました、清水翔太さんの総括レポートをお送りします。ご期待下さい。

K’sファイルNO.104:中央大学に於けるSAD講義・ゼミ実践活動

K’sファイルNO.104中央大学に於けるSAD講義・ゼミ実践活動

無断転載禁止                    注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定 

f:id:hktokyo2017041:20190529235716j:plain                                                                                                         写真提供:中大河田ゼミ

読者からの便り~

河田弘道様 

真夏日です。K'sファイルNO.103号拝読いたしました。本号は河田さんが教授職で取り組まれていた実践活動を読者が知りうる貴重な機会になりましたのでその関心の赴きは何時もに増して大きく、ことに現在教鞭をとられている先生方にとっては活きたスポーツ授業の取組、在り方を学ぶ好機になったのではないかと思います。私は本稿に触発されながら私自身の当時をあれこれ振り返っていました。多くの内外の関係者の大学スポーツの認識は、学生自治会の体育会組織での経験で、したがって「教育活動の延長」という認識が希薄だったこともありますが随分難儀しました。是非ともスポーツの本質を学んでほしいと願うのは私だけではないように思うのですが。それはともかく、河田さんの実践授業に学んでこれから体育スポーツ系大学及び学部の授業革命に繋がっていく事を期待します。次号を楽しみにしております。

 

             信頼と絆

          中央大学スポーツ・プロモーション活動 

第一期生3年間の実践活動の足跡

本プロモーション活動に付きましての記載内容は、先ず第1期生の3年間の活動を整理しまとめたものです。よって、膨大な各報告書、資料、等に付いての紹介は、紙面の都合で掲載不可能であります事をご理解下さい。

課題:

中央大学スポーツカレンダーの制作

・大学箱根駅伝を通して、大学スポーツの研究

 活動にあたって(第一期生作成)

今日まで中央大学スポーツは数々の種目でトップレベルの競争をしてきました。陸上競技部箱根駅伝6連覇、バレーボール部は天皇杯6連勝、水泳部は11連覇、ボート部は3連覇など、その他多くの輝かしい実績を残しています。しかし、近年は期待されながらも思うような結果が出ていないのが実情で、この状況を打破し、中大スポーツを盛り上げていくために、私たち河田ゼミは、体育連盟と一般学生とのつながりを強くする事、体育連盟のプロモーションを目的に活動していくことにしました

そこで、河田ゼミは、2つの課題を実行する事にしました。1つ目は、体育連盟のプロモーション活動です。中大スポーツ、体育連盟のプロモーションにあたり、ただ単に、「プロモーションする」といっても、体育連盟が今どういった環境の中で活動しているか、どういったことに不自由しているか、そのような体育連盟の現状を知らなければ、何をどうプロモーション、サポートしていけばいいかわからない。

そこで、まず、大学スポーツの現状を把握することから私たち河田ゼミは始めました。現状把握をするに当たり、学内アンケートで興味関心が最も高く、強化重点種目の一つでもあり、素晴らしい成績を残していることから、陸上部を調査対象にし、そして、私たち河田ゼミは、学友会会長兼陸上部部長である永井和之学長への取材をはじめとして、陸上部の田幸監督への取材、加納先生に頂いた中央大学保健体育研究所紀要を参考に調査しましたが、そこでも多くの問題が見えて来ました。サポート体制の不備、施設や寮の生活環境が悪い事、活動資金が少ないといった問題など、これは陸上部に限った問題ではなく、財政的な問題があると考えられましたしかし、今日、いろいろな面で、大学を運営することには、莫大な経費がかかり、既存の予算から体育連盟に対する資金を確保することは難しいということは私たちも重々承知しています。

私たち河田ゼミは、既存の予算から体育連盟に対する財源を確保するのではなく、体育連盟に新しい財源を作るきっかけとなる、体育連盟のサポートを考えたのです。そして、新たな財源の確保のため、中大スポーツのプロモーション活動を通して、体育連盟と一般学生とのつながりを強くするため、河田ゼミは、中大スポーツカレンダーの制作を活動目標としました

2つ目は、大学スポーツについての研究です。私たち自身、大学スポーツについての理解が浅かったため、より大学スポーツについて理解を深めるために、箱根駅伝について研究調査を行う必要がありました

箱根駅伝は、毎年注目を集める大会であると同時に、知名度も高く、中央大学も最多出場記録などの記録を持っています。箱根駅伝を調査するに当たり、大学に関する部門では、陸上部長である永井学長、陸上部の田幸監督、運営部門では箱根駅伝の運営主体である「関東学生陸上競技連盟」に対して、メデイア部門では「日本テレビプロデユーサー」に対して、それぞれ取材を行いこの取材を通して、規約の不明確さ、マネーフロー、大学側への支援不足などの問題がわかったのです。こうした問題の打開策が今後の課題になってくると思います。

                              2006年夏  河田ゼミ1期生作成 ゼミ長:木村優子

 

f:id:hktokyo2017041:20190521161805j:plain夏季伊豆合宿にて                                           写真提供:中大河田ゼミ

 

大学への初年度報告書一例(紹介) ゼミ担当教授

本報告内容は、2006年河田ゼミ1期生活動の1年目の報告内容の1例です。3年間のゼミ生達の日々の様子を推測して頂ければ幸いです。以下~

課題Ⅰ:中央大学スポーツカレンダーの企画・制作・販売・寄付

課題Ⅱ:大学箱根駅伝の「光と影」取材を通して大学スポーツの本質を研究

演習スケジュール

河田ゼミは、本課題を完成する事が最終目的である。必要な基礎知識及び専門用語は、順次演習の中で指導される。

前期予定:第一期生1年目の河田ゼミの趣旨・目的はオリエンテイションの中で説明される。講義では、日本の大学スポーツの現状と米国大学スポーツの現状を学び、今後の日本の大学スポーツのあるべき姿を模索しながら、中大スポーツの現状を如何にポジテイブな方向に導くかを実践を通して思考する。

後期予定:夏季休暇中に業務分担した成果を業務報告会議で各自担当業務を発表する。業務報告内容は、本プロゼクトテイームの共有の資料として「本企画・制作・取材準備室、以降準備室」の初期の知的財産とする。

前期で得られた基礎知識と夏季休暇中に得られた資料、コネクション、問題点、疑問点、等を調査報告書として準備室に持ち込み分析、デイスカッッション、修正を行う。本プロゼクトは、企画検討が再確認された後制作、スポンサーセールス、渉外、法文、内規調査、等を踏まえて各組織・団体、等への実践的なアプローチを開始する。タイムテーブルでのゴールは、学期末の12月22日(後期ゼミ終了日)と設定する。

活動内容

河田ゼミは、中央大学競技スポーツをプロモーション活動によって応援して行こうとの強い信念の基に二つの課題を設定しました

課題Ⅰ:中央大学スポーツカレンダーの企画・制作・販売・寄付

その1つは、中央大学スポーツカレンダーの企画・制作・販売を行い得られた資金をFLPスポーツ基金(仮称)にプールする事を想定。現実的な問題としてアイシングのアイスすら購入できない学友会所属の競技部を支援サポートする事を主たる活動目的にスタートしました

学内外調査、交渉、取材について

実施日:2006年6月1日より現在に至

①対象者及び団体・部署:

大学生協、生協印刷会社、中央大学学員会、南甲倶楽部(卒業生で財界で活躍されている会)、父母会(草野みどり)、大学広報課、ミズノスポーツ株式会社、中大125周年記念委員会、等を含む。

②実施内容:

制作に関しての専門的な知識の習得、協力依頼とその説得活動、印刷工程、デザイン、販売、映像修正・管理、スポンサーセールス活動、資金援助協力願い、配送、在庫管理、趣意書作成、契約書作成、同意書作成、肖像権確認管理、ネゴシエイション、資料収集活動、相手の要望、疑義、質問、問題提起に対する明確な回答準備作業、確認作業、等々。

③成果:

全体として関係者の温かい支援、協力、指導を得られた事は大変心強かった。一方では、ゼミ生達に見下した対応、態度を見せた学内関係者も居た事も事実。此れもゼミ生達の実践演習活動の大きな学習の一つとして受け止めている。学員会の中の南甲倶楽部(財界人の集い)が今後本プロゼクトにスポンサーとしてご協力頂ける方向に話が進んでいる。父母会の草野みどりでは、担当者の粘り強い交渉により見本ができ次第に次なる大きな展開が期待されている。ミズノスポーツ社からは、本プロゼクトスタートと同時に温かい支援、協力のお約束を頂きました

課題Ⅱ:大学箱根駅伝の「光と影」取材を通して大学スポーツの本質を研究

その2は、大学箱根駅伝の「光と影」を研究する為、取材活動を通して大学スポーツの現実と本来の健全な在り方を模索し中大スポーツに役立てる活動にしました

中大スポーツの現状を先ず把握する作業から始めました。学内でのアンケート調査(1000名サンプル)から始め、強化重点3種目の意義と目的を考察し、伝統があり学内で注目されている陸上競技部(男子駅伝)を調査研究対象としました。

河田ゼミは、先ず学友会会長兼陸上部長である永井和之学長への取材をはじめ監督、主務、選手と進めて参りますとそこには多くの問題、問題点が見えて来ました。その問題点の大きな問題の1つがやはり財源であったのです。そこでプロゼクトテイームは、大学箱根駅伝を支えている参加加盟校の1つである中大駅伝部にどのような財政的な恩恵を受けているかを取材目的とし、学外に調査・取材を広げました。

学内外調査、取材実施について

実施日:20068月、9月、10

実施対象者、団体:

中大学友会会長兼陸上部長、監督、主務、選手、日本テレビ箱根駅伝統括責任者、関東学生陸上競技連盟(略:関東学連

 注意丁度この時期、既に読売新聞社東京本社は、「箱根駅伝」を自社に於いて商標登録完了。共催に格上げされ、関東学連読売新聞社東京本社から商標の「箱根駅伝」名称を拝借している形態であったのかも知れません。会社、企業であれば本事業の収益の何パーセントかを商標登録拝借料として関東学連読売新聞社東京本社に納付義務がある。関東学連は、任意団体なので経理公開の義務がないこと、この実態は公にはされないグレーゾーンであるまた個々の加盟大学の代表責任者は、読売新聞社東京本社が商標権を獲得するに当たり「同意書、覚書、等」に各大学が署名、捺印しているかどうかは未だ不明ですこれらは、大学競技スポーツのスポーツ・アドミニストレイションに関わる重大問題を各大学、学生、学生選手、関係者、国民、社会に情報公開がなされていないことです。即ち、大学箱根駅伝は、誰の持ち物であるかが不明確。加盟大学の財産ではないのか、大きな疑問が残されています

成果:

取材を通して学内での問題と学外での組織・団体の視点と認識に大きな矛盾と疑問を発見できた事が最大の成果であった。本取材に対して大変温かく丁重な取材対応をして下さった日本テレビのチーフプロデユーサー氏と関東学生陸上競技連盟の担当者諸氏のご協力に感謝し、貴重な取材から得た資料を今後に活かしてまいる所存です。

担当教員 河田弘道 FLP河田ゼミ担当、所属学部:総合政策学部

 

ゼミ生の実践活動内容報告ゼミ生作成)

課題Ⅰ:中央大学スポーツカレンダーの企画・制作・販売・寄付 

テーマ:このキャンパスには努力し、輝いている学生選手がいる中大スポーツを一般学生、教職員、学員生に身近に感じてもらおう!

まとめ

中大スポーツカレンダーは、スポーツにあまり関心のない人達に対して「このキャンパスにはこんなに努力し、輝いている学生選手がいる」という事を知らせるための装置です

一般学生は、自分の勉強机の前のカレンダーを見て頑張っている仲間達の姿に励まされ自らも勉学、スポーツに励みます。

全国の父母の皆さまもスポーツカレンダー(母校の伝統を背負って他大学生達と競い合う姿)に目をやるとそれぞれ中大への思いと我が子への思いを重ね合わせる事となるでしょう。

その意味で本カレンダーは、全中大関係者の母校愛を紡ぐ「信頼と絆」の証なのです。よって本プロモーション活動は、カレンダー(制作物)を媒体に中大、中大スポーツへの関心を高めて戴く事をMission=使命としているのです。

 

f:id:hktokyo2017041:20190530002338j:plain                                                                           写真提供:中大スポーツ、各部活、河田ゼミ三期生

*裏面:各部試合スケジュール、テイーム成績、代表者宣言、選手名、出身、等

*各月異なる部活紹介(応援席の紹介を含む) 

成果と結果:3年計画

2006年「中大スポーツカレンダー」の企画、制作、スポンサー確保、着手。

事業事務局設置:総務、財務、経理担当者を選任

①個人、グループワークの担務、責務の明確化。

②趣意書 起案、作成

③企画書 起案 作成

Ⅰ:実践活動の開始

①学生生協との話し合いに付いての報告書

②制作に必要な予算見積書の起案と見積書の作成

③販売可能先のリスト作成

④スポンサー(協賛)可能なリスト作成とコンタクト開始

⑤大学教務課、FLP教務総合事務局との打ち合わせ説明

法律問題に付いての打ち合わせ (担当弁護士 池田健司氏)

⑦カレンダー作成:試作品の完成 (前期~夏季休暇中の作業)

Ⅱ:実践活動の開始

箱根駅伝・中大スポーツの調査・研究

②取材並びに報告書作成

③取材対象:日本テレビインタビューに関する報告書

      関東学生陸上競技連盟取材に関する報告書

      中央大学学長兼学友会会長兼陸上競技部部長取材に関する報告書

      陸上競技部監督取材に関する報告書

Ⅲ:担務と作業分担と責務

①編集担当:素材の確保、許認可の交渉、

②制作担当:デザイン、構成、印刷、

③スポンサー担当:学外のスポンサーへのプレゼンテイション準備

        学内―学員会、大学広報、125周年事務局、父母連絡会

        学外―中大に関わっている会社・企業優先セールス

        例:大塚製薬、森永製菓、明治製菓、ミズノ(1社先ず確保)

④営業担当:予算案、予算確保、セールス、商品販売リサーチ、確約

スポンサー獲得:中央大学父母会 予算全学負担 決定

2008年:目標の5800部完成、全国父母会に配布。学友会各競技部及び父母会より感謝及び称賛を受ける。

2009年:FLPスポーツ健康科学プログラム 河田ゼミ活動報告書完成

スポーツカレンダーのプロモ活動は、河田ゼミ三期生の課題Ⅱとして継承する。

ゼミ生報告書より作成・抜粋 2009年春卒 河田ゼミ1期生

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第一期生(4年生)を後輩たちが追い出すパーテイーにて、             写真提供:中大河田ゼミ

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:第一期生の活動は、如何でしたでしょうか。次回は、河田ゼミ第二期生のプロゼクトを紹介させて頂く予定です。いつも多くの読後感、感想、書評、及びご意見を賜りまして有難うございます。

大学箱根駅伝に付いて詳しくは、K’sファイルNO.7780をご参照ください

K'sファイルNO.103:中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

K'sファイルNO.103中央大学に於けるSAD講義授業、実践ゼミ活動

無断転載禁止                     注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定

f:id:hktokyo2017041:20190521161729j:plain125周年記念中央大学リレーマラソン 「襷」     写真:北川外廣志氏提供

                        信頼と絆

               中大河田ゼミのモットー

 

                中央大学スポーツの変革(CHANGE

初めに

読者の皆様からは、日本の大学に於いて学生達にどの様な講義、ゼミ演習指導をしていたのかを紹介して欲しいとのご要望が筆者にありました。そこで大学スポーツのシリーズの最後に紹介させて頂く事に致しました。

日本の大学に於いて講義授業に付帯した実践河田ゼミ活動は、強い「信頼と絆をモットーとしてスポーツ・アドミイストレイションを机上の論理のみならず、担当教員の長きにわたる実践キャリアを基に何かを会得する事を趣旨、目的と致しました個々のゼミ生達は、実践演習を通してその一端を肌で感じる事が先ず大事と位置付けました。この度は、第一弾で「中大スポーツに光あれ!」、第二弾「河田ゼミ第一期生、二期生、三期生の実践成果と結果」、そして第三弾では、「ゼミ生達の生の体験記」の一例をご紹介します。読者の皆様もご一緒に河田ゼミ生になって戴けたら幸いです。

筆者は、2005年秋から中央大学に招かれスポーツ・アドミニストレイション論、スポーツ科学を日本の大学で初めて講義・授業、実践ゼミ活動をスタート致しました。この様な機会を提供して頂きました中央大学には、心より感謝とお礼を申し上げます。そして、日本のスポーツ界にSADを導入した明確な足跡を大学に残せたことは、今後我が国のスポーツ界に寄与できることを確信しています

米国より帰国後は、あっという間に35年間が過ぎてしまいました。日本国内に於いてスポーツ・アドミニストレイションのプラクイカルな経験、体験を長くして来た中で、筆者は、日本の競技スポーツ及び、スポーツ・ビジネス、プロモーション、マネージメント、等々を含む分野に於けるスポーツ・アドミニストレイションの必要性を強く肌で感じた次第です。

そこで、将来を担う若者達が集う大学と言う教育現場でスポーツ・アドミニストレイターの可能性とその魅力、必要性を伝達、指導する事の重要性から学問として研究、そしてそれを実践を通して成果と結果を証明するご縁を頂きました。中央大学では、限られた時間内でどれ程の成果と結果が出せるか、どのような学生達が真剣に取り組み、社会に輩出できるかに挑戦させて頂いた次第です。K’sファイルでは、河田ゼミの厳しい環境の中で活躍、学んだ全ゼミ生の真剣な情熱をぶつけて挑んだ日々の足跡をご紹介させて頂きます。それは、日々壮絶なエネルギーを燃焼させたゼミ生達の足跡です。

本ご紹介内容は、当時中央大学広報室より大学時報に掲載する目的で原稿をリクエストされ、提供した原稿を基にしたものです。また本掲載原稿は、大学広報室を通じて読売新聞社YOMIURI ONLINEにも掲載され当時既に公開されました。http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/research/20101028.html 

一期生、二期生、三期生(各3年間)の河田ゼミ生が、日々全力で取り組み達成した卒業学年での成果と結果を読者の皆様にご紹介出来ます事は、担当教員としての誇りであります。ご笑読下されば幸いです。現在社会の第一線で日々活躍している嘗ての河田ゼミ生達の健康と多幸を心より祈っている次第です。

河田 弘道/中央大学総合政策学部 客員教授

専門分野 スポーツ・アドミニストレイション論、スポーツ科学

 

第一弾:

1.中大スポーツに光あれ!

①日米の大学スポーツにおける光と影

2005年9月、本学理工学部(後楽園キャンパス)において、最初にスポーツ科学の授業を担当させて戴きました。翌年4月からは、多摩キャンパスにある総合政策学部客員教授に就任。スポーツ・アドミニストレイション論(総称:SAD, Sports Administrationを講義科目とし、その付帯ゼミ(FLPスポーツ健康科学プログラム:FLPは、全学部垣根を超えた専門性の高いゼミ演習です。各学部2年生から選考基準をクリアーした学生が履修できます。毎年多くの学生達が河田ゼミを希望してくれましたが、全員を受け入れられたわけではなかった事が中大に於いての唯一の心残りでした)を担当する事になりました。中大キャンパスは恵まれた素晴らしい自然環境の中にあります。米国生活が長かった私にはその環境を有効に活用していないように見え、もったいなく思えました。

日米での大学競技スポーツの最大の違いは、アメリカの大学競技スポーツが明確に「教育の延長線上」と位置付けられているのに対し、日本では「学生の自治活動」という曖昧でグレーな点にあります。前者は、「フェアネス」を基軸に厳格な「ルール」を定めています。例えば、アメリカでは学生選手が大学を代表する対抗競技に出場する為の出場資格には、大学生として維持すべきGPA(学業成績の判定基準)の最低限の数値がルールブックに明記されています。これに違反した学生選手、指導者、及び大学管理者に対する重い罰則も明記されており、実際にペナルティーが課せられます。また大学スポーツは、興業(ビジネス)も行う点で違いがあります。

日本の場合は、「学生の自治活動」と位置付けられているがゆえに全てにおいて不透明で中途半端なアドミニストレーションが絶えないのが実情で、その点で、残念な思いがしてなりません。日本の大学スポーツ及び競技スポーツのありかたに新しい視点が必要であると思います。その為にも、SADの観点から、今後明るい未来を見据えた大学競技スポーツを再考していく必要があると思いました。

 

②講義科目としてのSAD

今日我が国の大学では、スポーツ・ビジネスマネージメント、スポーツ・マネージメント、スポーツ・マーケテイング、等々と称される学科、科目をよく目にする時代になりました。SADは、これら「専門分野、部門、部署をトータルマネージメント(統括、運営・管理)する行為の総称である」と考えて戴けるとわかりやすいと思います

本スポーツ・アドミニストレイション(略SAD)の講義授業、付帯ゼミは、日本に於いて唯一最初に開講致しましたのが、中央大学総合政策学部です

既にスポーツ先進国では、体育(Physical Education略称:PE)という言葉を見聞きすることが難しくなっています。我が国の大学においても近年段々とこの表現を変更する大学が増えています。特に体育と競技スポーツは、本質的に対極に位置するもので、本来体育と競技スポーツは混同されるべきではありません。

スポーツは、専門的に、①スポーツ・リクレーション&レジャー、②スポーツ健康医科学、③競技スポーツ、④観るスポーツの4分野に大別されます。

スポーツ・マネージメントは、こうした概念のスポーツに、マネージメントという「手」を加える事により新しい「ソフト」を生み出し、新しい「生命」をもたらすものです。よってこの分野、部門は、スポーツを生産する為に重要不可欠な要素となります

③大学は、競技スポーツの趣旨・目的を明文化すべし

本来、大学競技スポーツは、大学教育の延長線上に位置するべき重要な意義、目的を有すると考えられます。即ち、大学は、アカデミックな場であり、競技スポーツは、競技活動を通して人が共存共栄して行く為に必要な「フェアネス」を学び醸成する場でもあります。このことからも、大学競技スポーツに参加する大学は、共通の意義、目的、使命を「明文化」する事が必要です

その為にも日本全国の大学競技スポーツを統括運営、管理する組織団体の設立が急がれます次に、大学教育の本質と競技スポーツのフェアネスを維持するためには、「ルールと罰則」を明確にし、これらを裁く「第三者機関の設置」が重要なのです。よって、大学スポーツが伝統的に盛んな中央大学にこそ、率先して大学競技スポーツのルールブックの必要性を発信してもらいたいと考えます。

④学生選手の意義、目的とその使命を明確に

(1)大学競技スポーツの活動の意義・目的は、学生、教職員、卒業生だけでなく、地 域社会にも共通の話題を提供し、関係者の心を1つにまとめるパワフルなツールとなり、これら関係者に還元されることにあります。また大学の士気高揚にも大きく貢献し、母校の名誉と伝統及びそのパワーを内外に誇示するスポークスマンの役割も担うことにあります。

(2)学生選手にとって、競技スポーツは、自己の身体能力と技術を発揮する場であり、それらの限界に挑む場なのです。また、人間形成においては、協調性、社会性を学び、母校のプライドとブランド力を高め、愛校心と連帯感を学ぶ場でもあります。このように学生選手にとっては、「心学技体」のバランスの取れた「志の高い人間を育成する場」であると言えます。

(3)学生選手の大学における使命とは、大学を代表するに値する模範となる事とともに、大学競技スポーツの意義、目的を遂行する実践者となる事です。

 

2.中大での河田ゼミスタートの起因と5カ年計画

契約期間中に何が出来るか決断

理工学部で講義を始めて半年余り、スポーツ専門学部のない中央大学で如何にして学生達にスポーツ活動と競技スポーツの必要性や重要性を指導できるか思案しました。そして、その結果、06年4月から総合政策学部客員教授として5年間の任期中に実行すべき「5カ年計画」を作成、研究課題として実行に移したのです。スポーツ・アドミニストレイターの業務、使命は、与えられた期間に与えられた資産を如何に有効活用して、期待される成果と結果を如何にして導き出し、結論付けるか重要な任務が託されているのです

①テイーチングとコーチングの区別

講義授業のスポーツ・アドミニストレイションは、ティーチング(専門知識付与)の場と位置付け、付帯する河田ゼミは、コーチング(実学としての実践演習活動を通して個人の得意な潜在能力を導き出し、決して不得意を批判しない)の場としてバランスの取れたプログラムでスタートしました

本学における河田ゼミのスポーツ実践演習活動が、スポーツにあまり興味を抱かない人の多い中で、将来の中大スポーツの発展になくてはならない、地道であるが必要不可欠な環境作りの第一歩と位置付けたのです。また、ゼミ生達には、本実学を通して知識の付与のみでは決して体験出来ない個人、集団、組織に関わる人々の思考を体感し、自分達の思いを理解してもらう為にはやはり相手の言い分にも耳を傾ける事の重要性に気付き、社会におけるフェアネスの大切さと実践活動を通して学んで欲しいのです

SADの基盤は、フェアネスにあり、我が国のスポーツ界に必要な次世代のスポーツ・アドミニストレイターに継承し発展して行って欲しいという願いでスタートしました。

②スポーツ・プロモ活動を通してSADの神髄に触れる

河田ゼミは、履修ゼミ生が多く個々のゼミ生達に十分な実践演習活動の機会が行き渡る為にも大きなプロゼクトが必要であると、最終的にスポーツ・プロモーション活動に着手する事にしました

河田ゼミが中大競技スポーツに関わる事を課題、テーマに選んだ理由は、履修学生達の身近に存在する話題であり、課題の成果を求めるに当たり中央大学及び、大学競技スポーツにも貢献でき且つ関係者にゼミ活動の実践成果を即還元できるためでした。それはまた、机上の論理を中心とする演習活動だけでは、イマジネイションだけに終わり、実践では何が起きるのかが学べないわけです。実践演習活動は、受講生達が自身に付いての発見及び、実践演習活動を通して悲喜交々な実体験こそがアクテイブ・ラーニングの神髄であると判断、決断致した次第です。

文責:河田弘道 (中央大学 総合政策学部

略歴

河田 弘道(かわだ・ひろみち)/中央大学総合政策学部客員教授

スポーツ・アドミニストレイション論(競技スポーツの運営・管理)、スポーツ科学、スポーツ心理学、1947年徳島県生まれ、日本体育大学卒業、72年オレゴン大学、76年ブリガムヤング大学(BYU)大学院修士課程(MS)終了後、同大学競技スポーツ部門(Athletic Department)コーチ、監督兼スポーツアドミニストレイターとしてまた、体育学部(Physical Education Department)専任講師を兼務。

実践キャリア:野球、フットボール、器械体操、バスケットボール、バレーボール、等々日米大学スポーツの交流の先駆者たらんとし積極的に活動。米国オリンピック委員会(USOC)と日本オリンピック委員会JOC)との橋渡しの役割を担う。

77年度より米国大学専任と西武鉄道社長室、堤義明氏秘書を兼務。社会人プリンスホテル野球部創設と西武ライオンズ球団創設に立ち会う。

80年には、グループ企業の取締役として野球事業・特命担当、この間、プリンスホテル野球部都市対抗出場。

82年西武ライオンズのリーグ初優勝及び日本シリーズは優勝。

84年(株)SPI(競技スポーツの運営・管理会社)設立。同代表取締役として世界陸上選手権大会87年ローマ及び91年東京大会のホストテレビ局オフィシャルコーデイネイターや、各種国際マラソン大会、室内陸上スーパー陸上大会のオフィシャルコーデイネイターを務める。

85年(株)日本電気NEC SPORTS 2005年春まで(20年間)スポーツ・アドミニストレイターとして陣頭指揮を取る。

94年、東京読売巨人軍編成本部付AD兼監督補佐として当時の長嶋茂雄監督に4年間、97年退任する間にメイクミラクル、メイクドラマという壮絶な球史に残るベースボールアドミニストレイションを実践・完結した。

2005年9月から中央大学理工学部総合政策学部客員教授として、スポーツ・アドミニストレイション、スポーツ科学の講義を持ち、それに付帯する河田ゼミで実践演習活動に注力。(中央大学広報室)

ご参考までに

YOMIURI ONLINE 読売新聞社 企画局

http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/research/20101028.html  

河田弘道戦歴と実績:

http://kawadazemi.blog.jp/archives/16801460.html 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

 お知らせ:K’sファイルNO.103は、第一弾として日本の大学(中央大学総合政策学部)に初めてスポーツ・アドミニストレイションの講義授業・実践演習活動を紹介しました当時のコンセプトを紹介させて頂きました。如何でしたでしょうか。次回第二弾は、各河田ゼミ(一期生、二期生、三期生)の成果と結果をご紹介させて頂きます。嘗ての河田ゼミ生達は、今日日本を代表する会社、企業、社会の第一線でぶれる事無く活躍しています。

K’sファイルNO.102:米国大学競技スポーツと筆者の基軸

KsファイルNO.102:米国大学競技スポーツと筆者の基軸

無断転載禁止           注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定

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後編:契約社会に於ける罰の重み

1.NCAAルール違反者への厳正な対処

①加盟同意の根拠とは

NCAA加盟校は、本NCAAルールブック(Rule Book)を遵守する事を宣言して加盟申請を行い厳重な加盟審査を経て加盟許認可を受けています。よって、NCAA規則・罰則、裁定には、絶対的に従う義務があるのです。加盟組織・団体及びその関係者、個人は、組織の一員としてルールブックを遵守する事に同意しているのです。裁定に異議を持った個人は、個々の権利で司法を活用する事が認められています。また、勿論学生選手は、ルール内であれば個人の自由は尊重され守られます。

日本の一般社団法人 大学スポーツ協会(名称:Japan Association for University Athletics and Sport、略称:UNIVAS)は、2019年3月に設立発表されました。しかし、政府機関のスポーツ庁は、自らの音頭に寄り設立加盟申請をさせ、申請をした大学の数を強調し、国民、社会、大学関係者には、申請した大学は「加盟同意」したかのような印象を招かせる手法は如何なものでしょうか。

設立された協会には、組織・団体としての大義、趣旨、目的の骨子が抽象的な表現のみで、各大学が加盟同意に必要なルール(規則・罰則)、基準も皆無の状態である事です。また、加盟申請に際して、協会は、その大学が加盟基準を満たした大学であるか否かの厳正な審査も無い状態です。

現在の状況は、本連盟を設立した場合どれ程の大学が興味を持つかの予備調査段階との理解と認識が妥当ではないでしょうか。

即ち、組織・団体として運営、管理する基盤のない、云わば「この指とまれ」方式では大学競技スポーツの未来が透けて見えてくるように思えてならないのは筆者だけでしょうか。日本の大学競技スポーツを統括する団体が必要であるという事に気付かれたことに対しては大いに賛同致す次第です

ルールは、学生選手、コーチングスタッフ、監督のみに適用されるものではありません。違反者の対象は、大学競技スポーツに関与する全ての関係者を対象とするので、ルールブックは膨大でバイブルと申し上げても過言でありません。NCAAに於ける対象者は、大学競技部門を統括管理するアスレテイック・デパートメント(Athletic DepartmentNCAA加盟各大学内で運営、管理する専門部門・部署の総称名)の運営・管理者、コーチングスタッフ、監督、他各専門部門、部署をあずかる全スタッフに及び、全員が例外なくNCAAの特別調査委員会(Special Investigation Committee)によりインベストゲーション(Special Investigation:特別調査、査察)を受ける義務を有するのです

違反者、違反組織・団体(大学)に対しては、NCAA裁判所に於いて短期間で結審されペナルテイーが決定する仕組みになっています。勿論、違反対象側には反論の機会が与えられます。NCAAルールブックは、違反行為者に対しては「正義と公正」の旗の下、非情を持ってフェアーな判決をする事が伝統的な約束事なのです。日本で今日よく聞かれている第三者委員会は、このような強い権限を有した一つの独立した機関で在って欲しいと願う次第です

 

②日本の大学競技スポーツに於ける違反行為への対処問題

NCAAは、これぞ法治国家たる権威の象徴と言えるのではないでしょうか。

今日の我が国の大学競技スポーツ、等に於ける「第三者委員会」のようなグレーな方法では、処理、解決に至らないのです。今日学内外の諸般の不祥事、等に於いては、第三者委員会という名の委員会を設置して、審査を依頼する事が頻繁になりました。しかし、この第三者委員会は、何の権限も持たない、いわば関係者により指名、招集された集団で、完全な第三者と呼ぶには余りにも無理があり過ぎると思いますこれでは、「正義と公平・公正」の下に裁く事は出来ません。しかし、依頼する側には、都合が良いのです

三者委員会なる手法は、あくまでもグレーゾーンでの仲裁会合であり、日本の伝統的な談合文化の新種な談合形態を生み出していると言えます。これは、構成メンバーは誰も法的にオーソライズされたわけではなく組織、団体側の責任者が有給で雇用し、調査に当たっては任意に関係者を呼んで事情聴取した後、委員達の総意として雇用主に対して報告書をまとめ提出するという、言わば客観性や責任の所在の無い任意の報告者による報告書に過ぎないと思われます

また、雇用者は、委員の対象を弁護士有資格者としているのは権威主義的でこれまた片手落ち、第三者とは弁護士以外に認められないのか、有資格者がどれ程スポーツに精通、特化した人物か否かの基準も持ち合わせていない次第です。

此のことから生じる問題は、既に竹田恒和氏(JOC会長)の20東京五輪招致委員会の収賄疑惑に関して、JOC内に於ける第三者委員会の報告では「問題なし」と公表されているが、フランス検察当局は「問題あり」と疑惑を肯定しました。これにより同氏は、IOCJOC、⒛東京五輪組織委員会の役職を退任せざるを得なくなった事態に至った事で、お分かり頂けるのではないかと思います。これが第三者委員会の実体であり、現実の姿なのです。

異議を唱える個人が、堂々と司法に訴える勇気を持てる社会で在って欲しいと願う次第です。きっと、近い将来我が国に於いても第三者委員会などでの判断を仰いで組織・団体、機関のグレーな裁定を受け入れる事無く、自身が正しいと信念を持つなら司法の場で明らかにする事により、公正・公平な判断と裁定が受けられるようになる事を切に願う次第です。

しかし、この司法の判断に疑念が及ぶ事が無いように我々国民、社会は、「個々の自由とフェアネス」を守る為にも立ち上がらなければならない時か来るかもしれません。日本国民、社会には、伝統的に諸般の問題を弁護士、裁判、即ち司法で処理する事を好まない慣習、習慣が根強くある事からこのようなグレーな第三者委員会なる手法、手段が都合がよいと活用しているのかも知れません。しかし、この委員会では、正義と公正を期待することは難しいのです

その為にもスポーツ界は、経営、運営、指導管理者並びにその組織、団体に置ける規則・罰則(ルール)をより現実的で明文化する事が重要なのです。全ての関係者は、ルールは競技者、競技だけに特化するものでなく、関係者全てにルールがあり適用される事を指導し、理解と認識を共有する事が重要だと思います。

③ルールは人々の共存共栄を守る基本原則

このようなNCAAルールを日本の大学競技スポーツに当てはめますと選手も大学も全く競技が出来ない大学が多数出て来ると断言できます。勿論、リーグ戦自体も崩壊してしまうと思います。大学競技スポーツに参加する為のルールがリスペクトされず、ないがしろにされている事に慣れてしまって居るので、ルールに沿った管理は、学生選手のみならず関係者一同非常に息苦しく困難を極める事と思われます。

例えば、箱根駅伝やその他の大会で大学名の宣伝や、勝利のために外国人選手や有力な日本人選手を金銭で勧誘する行為。また、入学前に卒業、学位授与を確約したり、Ksファイルでかつてご紹介したメダリスト選手の様に、4年間同学年の学生達すら一度しか見たことが無いという学生に卒業証書、学位を授与したり、毎月数十万円のキャッシュを渡す行為。このような事を行っていても、

マスメデイアさえも、誰もがアンフェアーだとかルール違反だとかとアピールできない、しない無秩序状態が日本の大学競技スポーツの現実です。米国の大学でこのような所業が行われるとどうなるのでしょうか。

米国の場合は、殆どが同じ大学の競技選手、教職員からNCAAへの内部告発、或は対戦相手、他校からの告発、等が行われます。

NCAAは、通告、告発を基に査察班が大学、学生選手に対して直接調査を行い、NCAAの裁判で裁かれます。これにより、NCAAは、調査開始から約2週間で査察用件の結果、経過を先ず公表するのが通例です。これらも、彼らは、基本的に「JusticeFairness」をリスペクトしている証の一つでもあると理解していますそのペナルテイーの重罪例としては、違反大学には4年間以上NCAAに登録している全競技スポーツの出場停止処分が科され、大学の経営責任者、指導者、管理者は解雇、学生選手は永久追放となる可能性が高いです。

筆者が運営、管理に関わっていました時に、例えばこんなことがありましたA大学は、バスケットボールテイームのリクルート活動に於いて、優秀な高校選手を大学キャンパス訪問の為に航空券を発券して招待したのでした(NCAAルールのリクルート規定により)。

しかし、同選手が空港到着後、到着出口で待ちかまえていたのは同大学の後援会が準備したリムジンで車両にはプレイボーイクラブのバニーガールが同乗、高校選手と一緒にホテルに直行した次第です。その後同選手は、キャンパス訪問規定を十分に活用せず、ルール規定の滞在可能期間の殆どをホテルで過ごし、そのまま空港にリムジンで送られて帰宅したのでした。翌週、同高校生はB大キャンパス訪問時に同選手と大学関係者との面談を行ったところ、同選手はB大学に対してA大学で受けた「おもてなし」と異なる事への不満をB大学関係者にぶちまけた次第です。そこで、B大学関係者は、同選手よりA大学の同選手へのリクルート活動違反の言質を取り、翌週NCAA調査委員会に公式に告発、報告を行いました。

当時、本件は、NCAA裁判所での判決が約半年かかる程の出来事だったと記憶しております。ペナルテイーは、大学がNCAAに登録している全競技スポーツ種目が確か2年間出場停止処分となり、大学管理者、運営責任者、リクルート担当者、等を含めた関係者には、解雇処分が大学内で行われ、高校生に対してはNCAAへの競技参加資格が特定の期間失効したと記憶しております。

A大学の全競技スポーツがペナルテイー解除後に、プログラムの再建と復活するまでには約10年以上の年月を要しました。このNCAAルールが現在の日本の大学競技スポーツに適用されると、殆どの大学が競技出場停止、経営者、管理者、関係者は解雇、学生選手は、永久追放、或は停学、退学処分となると思います。

④カンファレンスとリーグの違い

NCAA公認競技スポーツを持つ大学は、指定された各カンファレンス(Conference)に所属する義務があり、その全カンファレンスを統括運営、管理している組織・団体がNCAAという名称で呼ばれています

カンファレンスとは、日本のリーグと本質に於いて異なるコンセプトの下に運営、管理されています。本カンファレンスは、基本的にNCAAの一部校(約380校)を全米約35の地域に区分しています。フェアネスの原理原則から区分は複数年に一度、統廃合が繰り返されており、入れ替えが盛んであるのも事実です。

本カンファレンスは、歴史的にも1カンファレンスが数十校になっている場合もあり、そのようなカンファレンスでは、さらに複数のブロックに分割されます。また、NCAAは、「正義と公正・公平」を基本原則にしている事から、カンファレンス内に於いても不都合が起きる度に統廃合が行われます。

日本の様に各競技スポーツ別に異なるリーグでリーグ名も異なる様な事はあり得ません。日本の大学リーグ制度は、大学競技スポーツが発足する当時から全大学を統括運営・管理する組織・団体が存在しなかったので、大学関係者が自らの大学と同レベルの近隣の大学に声を掛け寄り合って、個々の競技種目ごとにリーグと言う名の下に対抗戦が始まった歴史と経緯があります。

例えば、東京六大学野球リーグは、最初の構想並びに加盟予定校は、中央大学早稲田大学、慶応大学、立教大学明治大学、法政大学で構成され、書類提出手続きに入ったようです。しかし、締め切り期日までに中央大学は、書類の提出を怠った事により、対象外とされ加盟5大学の総意で東京大学が選ばれたと、筆者が中央大学勤務時に関係者から説明された記憶が蘇ります。何故、東京大学野球部が加盟5校により選ばれたかは、読者の皆さんのご想像にお任せ致します。

このようなリーグに於ける歴史的、構造的な問題から各競技種目により異なる格差が顕著になり、各種目のリーグの組織・団体(各種目別の学生連盟、連合)は、各々の利権集団と化してしまいました。そのことは、大学競技スポーツとしてのトータルマネージメント、コンセンサスが困難となってしまって居る現状がその証です。

例として、大学スポーツ協会(UNIVAS)へのこの度の加盟申請には、東京六大学野球連盟関東学生陸上競技連盟(任意団体、箱根駅伝主催、読売新聞社共催)等は、加盟申請を拒否しているのも事実です。

 

2.米大学スポーツアドミニストレーションモデル例 

大学内の組織・運営・管理体制:

大学総長(学長)の直轄組織:

主に副学長(副総長)が統括管理責任者として位置付けられている。

1.大学対抗競技委員会(略:IACIntercollegiate Athletic Committee

 任務と責任(Charge & Responsibilities)

 使命(Mission

 ①大学として学生として学問を修める手本として全学を代表する。

 ②本組織の財政、計画、方針、等に関して本組織のデイレクター、評議員、運営・管理

     に対してアドバイスを与える。

 ③誠実な学生選手を保護、保証し、学業優秀な学生選手を保護し機会を与え推奨する。

 ④学問と競技活動と対抗競技戦の大変さを大学、社会に理解を得られるよう働きかけ

     る。

2.小委員会(Subcommittee

1名:IACの議長

1名:教職員(one faculty member

1名:学生代表(one student)

1名:教職員で競技代表(the faculty athletic representative

3.実行委員会(Executive committee)

実行委員会は、IACの議長により招集される。

実行委員会は、クローズ(非公開)によって行われる。

実行委員会は、アスレテイックデイレクターの要望に基づいて討議、進行されるものである。等々。

4.アスレテイック デパートメント(Department of Athletics

本部門、部署は、当大学のNCAAから許可を受けた大学競技スポーツを統括経営、運営、管理する総称名である。本部署は、1名の統括責任者(Athletic Director)が居る。ADは、プロ球団のGM業務内容より遥かに重労働で在ります。例:規模の大きな大学では、本部門、部署に約300名を超える雇用者を抱えています。

読者の皆様のご要望が在りましたら大学競技スポーツのビジネスアドミニストレイションに付きまして、改めて機会を見て述べさせて頂ければ幸いです。

読者の皆様には、これからの日本の大学競技スポーツ界、スポーツマスメデイア界、スポーツ組織・団体、大学競技スポーツに関して、少しでも専門知識を補強して頂き、今後起きるであろう、より一層複雑怪奇な出来事に対して、理解と適切な判断をされることを切に願う次第です。

 文責者 河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使(Emissary of the SPORT

お知らせ:この度の前編、中編、後編は、如何でしたでしょうか。読者の皆様には、新しい知識を蓄えられますと同時に、スポーツマスメデイア、関係機関が流す理解し辛い情報、内容を解読される一助にして頂ければ幸いと存じます。

次回は、筆者のスポーツ・アドミニストレイションの講義授業に付帯する河田ゼミの実践活動を覗いてみませんか。この様なアクテイブ・ラーニング形式のゼミは、日本で初めてではないかと思います。これらは、個々の学生達の潜在能力を引き出すコーチングの一種です。お楽しみに

K’sファイルNO.101:米国大学競技スポーツと筆者の基軸

K’sファイルNO.101:米国大学競技スポーツと筆者の基軸

無断転載禁止           注:K'sファイルは、毎週木曜日掲載予定

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中編:日米大学競技スポーツの環境と現実

1.日米の学生、学生選手の生活環境の決定的な相違

①学生の授業料と教職員のペイメント

米国の大学に於いては、基本的に3カ月の夏季休暇が在るのが伝統的スクールカレンダーです。既にK’sファイルの読者の皆様は、日米の雇用制度が大きく異なる事をご説明致しました。それに伴い、個々の責任の所在も明確になっている事が挙げられます

筆者自ら学生、教員、指導者、運営・管理者としての体験、経験を通して感じます事は、この3カ月間の休暇は、学生、指導者にとっては大変貴重な期間である事です。それは、米国の学生、学生選手の約75%が授業料、生活費を自ら働いて得ているという伝統的な慣習がある事に起因します。授業料は、年間一括でも、学期毎でも、極端に言えば科目単位でも納付可能なのです。本件に付きましては、「アカデミックとルール」のテーマで述べる予定です。

もう一つ重要な事は、大学を卒業して社会人なるために、社会への適応、適合の準備期間として夏季休暇3カ月の4回分はとても有益で、社会での学びの場ともなっています。また、全教職員にとっては、この3カ月間は、無給で在る事が契約書に明記されています。よって彼らは、この期間は自由に就業する事が認められ、生活の糧を得る事が出来る事も明記されているのです。読者の皆様はご存知でしたでしょうか

我が国の学生、学生選手は、読者の皆さんもよくご存じの生活環境であり、昔も今もそう大きな違いはありません。それは、大多数の大学生達は授業料、生活費、部費を父母が負担している事です。また、教職員は、給与を12カ月得て年2回のボーナスが支給され、夏休み期間中も給与が支給されているのです。

よって、夏休みは、本来夏季休暇ではなく、他の仕事をして糧を得てはいけないはずなのです。このような理屈から、教職員は、部活の面倒を見させられていると解釈するなら、それも業務であると理解可能です。読者の皆さんは、この解釈から致しますと日本の教育機関の教員そして一部職員が部活の面倒を見ているのは彼らの業務(夏季休暇中も有給でペイを受けている)と理解する事が出来るのではないでしょうか。

このような制度と実態の違いを、日本に於いては全く紹介も報道もされないで、ただ単に米国の大学、大学競技スポーツ、NCAAといった具合に夢のような話題のみが報道の対象になっている様に思われます。このような情報は、このK’sファイルが初めて情報公開をしているのではないでしょうか。

②日本の大学競技スポーツとNCAAの基本的な相違

NCAA(全米大学競技スポーツ協会)が、日本の大学競技スポーツと大きく異なる点は沢山ありますが、その中でも代表的なのは「競技スポーツがシーズン制」で、競技種目ごとに決められたシーズン期間が設定され、それ以外は練習も試合も認められていない事です。シーズン以外は、テイーム練習や指導者の指導を受ける事が出来ず、施設は自主トレーニングとしてのみ使用可能です。

ルール違反者は、NCAA(全米大学競技スポーツ協会)のルールに従い厳しい罰則が待ち構えています。また、学生選手達は、シーズン制なので複数の競技スポーツに登録、出場が可能で有能な選手は、複数の競技を兼務する選手もいるのが日本とは大きな違いです

このシステムは、一つの種目に偏らず、秋、冬、春の競技スポーツを経験できることにより、その学生選手が最終的にどの競技スポーツを選択するのか中学、高校時代からこのシステムの中で育って来ているので、大変合理的且つ、賢明なシステムであると筆者は現場で指導してきた経験からも感じます。

幼少期から競技スポーツへの興味を絶やさない手法であり、傷害から身を守る意味でも賢明な制度でありシステムであると思います。また特定の競技スポーツのみしか登録していない学生選手は、オフシーズンに於いては学業に集中、自主トレーニング、仕事による生活の糧を得る時間に当てています。

2.NCAAルールブックは契約社会の掟

①全米加盟大学共通のNCAAルールブックの存在

そして次なる重要なポイントは、NCAAには加盟大学共通共有の「NCAAルールブック」が存在する事です

日本では、20193月に大学スポーツ協会(略:UNIVAS)なる組織・団体が発足しましたが、実質的な中身は皆無です。ルールブック(規則・罰則)も無い大学スポーツ協会への賛同を求め、加盟の意思表示をされた大学は、いったい何を根拠に加盟申請をされたのでしょうか。これは、素朴な疑問です。

加盟申請した大学は、先導役が文科省スポーツ庁)なので、私学助成金補助金の影響を受けるのではないか、或は、加盟すれば何か新たな補助金助成金が得られるかもしれないとの思いからかも知れません。大した確固たる根拠が在って加盟申請を出したわけではないと推測致します。

加盟の意思表示をされなかった大学もあるようですが、その大学は、とても賢明な判断であったとスポーツ・アドミニストレイターの視点から申し上げます

我が国の現在の状況と実態から致しますと、大学スポーツ連盟の発足を発表するに当たり、全加盟大学は、同じルールブック(罰則・規則)の下、フェアネス(公正、公平)の原理原則を約束する明文化された証しが在って初めてその確たる根拠と成り得るのではないのでしょうか。明文化の後に各大学に賛同を求める申請書を配布し、加盟への判断を仰ぐことがスポーツ・アドミニストレイションの基本作業であると思います。既に現在、スポーツ庁より発表されている加盟大学、大学数は、申請をしただけで同意をしたわけではないのです。

この様に政府機関が直接的に先導して、根拠のない協会加盟申請書に「踏み絵」をさせる様な方法は、如何なものでしょうか。お上の権力を持ってして、加盟を強制するやり方では、継続しないように思えてなりません。また加盟校が自立した競技スポーツ部を統括管理できるようになる迄には、気が遠くなるほどの年月がかかるのではないでしょうか。

NCAAに加盟している大学は、NCAAのルールブックの下に競技の規則・罰則のみならず、学生選手の学業から生活面に渡り、また指導者のコーチング並びに運営、管理に至るまでルールを遵守する義務と責務を負う事になります言い換えられば、NCAAオフィスから委託を受けているという理解と表現が正しいかと思います。

片や日本に置いては、このような統一された規則・罰則は無くアンフェアーな状態に於いて、学生競技スポーツが行われている次第です。

②アカデミック(学業)とNCAAルールの共存

米国の大学生は、①フルタイム学生(Full time studentと②パートタイム学生(Part time studentに区別されます。フルタイム学生の定義には、卒業単位数の四分の一を各学年で履修取得する学生が条件の一つに挙げられます。勿論、有能なフルタイム学生の中には、3年間で卒業単位を確保、学位を取得する学生達もいます。

筆者が教員を務めた経験からすると、日本の私学では、優秀なゼミ学生が3年で卒業単位の124単位を取得しても、4年目の授業料を納付、在籍しなければ卒業証書、学位を出さないという露骨な大学、経営者もおり、呆れて言葉も出ませんでした。読者の皆さんは、如何でしたか。此れでは、学生ファーストであるべき学生達を大学経営者は集金マシーンとしか考えていないように思えてなりませんが・・・?日本の他の私学もこのような集金制度を取られているのでしょうか。もしそうであるなら文科省は、私学の学生達を集金マシーンと考えて大学設置基準を経営者有利に定めているのではないでしょうか。このような大学の経営、管理規則は、決して在ってはならない事だと強く思います。これは、学生とは何を持って学生であるかという、そもそもの定義も明文化されていない事に繋がっているのかも知れません。

NCAAルールとアカデミック・ルール

NCAAのルールでは、先ず学生選手(Student Athlete)は、このフルタイム学生である事が大前提なのです

パートタイム学生とは、何らかの事情、理由でフルタイム学生に成れない事を意味し、毎年、毎学期、履修登録する科目数だけの授業料を支払う学生の事を指しています。但し、外国人留学生は、フルタイム学生として毎学期の履修登録単位の取得、授業料の支払いが義務付けられています(移民局の規則にも関係)外国人学生選手には、一般留学生と同様な規則にNCAAルールが加算されます

筆者の経験では、このパートタイム学生の殆どは生活の糧となる仕事を最優先している学生達が殆どであります。勿論、授業料を支払う能力が在れば、既に本学のアドミッション(入学許可)を受けているのでどの学期からでもフルタイム学生になれます。日本もこのシステムは、是非真似て欲しいと日本の大学教学の現場で感じました

毎学期履修登録した全科目は、学生選手にNCAAによって定められたGPAGrad Point Average:履修登録された全科目の成績を数値化した平均値)数値以上の成績を確保維持しなければ、シーズンの大学対抗戦のロースター(出場選手登録)入り、試合の出場が出来ないのです

例えば、日本の大学に於いて、本ルールを適応致しますとテイーム競技は、選手が足りなくてテイームが編成できなくなる事態が必然的に起きると想定されます。

近年日本の大学は、文科省の指導により本GPA制度を米大学に倣い採用していますが、この制度を実質有効活用できていません。その理由として、一つは、各大学の学業の格差が余りにも大きすぎるからだと思います。また文科省の指導により毎年行っている授業アンケート調査を学生達に無記名で行わせ、授業に興味も出席もしないいい加減な学生達にアンケートに回答をさせ、業者に集計を委託して結果は殆ど反映されていません。これでは、米国大学の模倣にしか過ぎないのです。

NCAAの公式戦出場ロースター(登録)にリストアップされた学生選手は、毎試合前日の決められた時間帯に出場選手のアカデミックな現状確認を行い、NCAAオフィスの専門部署にPCを通して報告する義務がありました。 小生は、大学に於いてこのNCAAルールの担当も兼務させられていましたのでその責務は大変重く、非常なストレスとなった次第です。

近年日本から学生選手が複数名、米国の大学で学生選手として登録されて参加されていますが、これはNCAAルールの外国人選手へのアカデミックなルールが少し緩和されて来ている事が大きな要因の一つとなっています。しかし、卒業できるかどうかは、別問題です。また、採用している大学周辺からは、リクルートへの疑念が囁かれているのも否定できないようです。日本の私学のような入学前の「お約束」などとは勿論別の話であります。

これは、大学競技スポーツが教育の一環で在りその延長線上に位置している事を明確にした重要なルールと関係しております。学生選手の根幹となる“学生とは”の定義(Definition)です

これは日本の学生競技者及び大学教育機関には全く欠落している部分です。日本の大学教育機関は、大学及び、大学生、学生選手とは、について何を持ってその資格認定をするかの定義(Definition)が教育基本法に於いても明記されていないので、先ずはこの基本的な重要な問題点を明確にし、明文化する必要があります。その上で全大学の教育機関及び、学生、学生選手の自覚と経営者、管理者の規則遵守が大学スポーツ協会の発足以前に必要な最重要な大前提ではないのでしょうか。

筆者は、常にスポーツ界は自由で平等で、公正、公平の原理原則を貫けるリーダーが真のリーダーであると確信しています

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

 お知らせ:読者の皆様は、日米の大学競技スポーツの違いを少し感じられますか。次回は、このルール違反者に対する処罰が大学、NCAAでどの様に処理されるのか、等を合わせてお伝えできればと思います。また、筆者は、大学代表テイームに帯同する旅先での多くの人達との出会い、関係にも最終章で触れてみたいと思います。