K'sファイルNO.119:純国産の日本代表選手による女子バレーW杯

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K'sファイルNO.119:純国産の日本代表選手による女子バレーW

無断転載禁止          毎月第二、第四木曜日公開予定

 目次:

   荒城の月と化すか来年秋の日本スポーツ界

    1.スポーツイベント開催により何が満たされる

      先ず初めに・・・

      ①女子バレー・日本チャチャチャの宴を終えて

      ②強化の弊害となっている日本のみでの開催の国際大会

    2.TV、マスメデイアの報道の疑問と矛盾

      ①成果と結果を伴わない過大宣伝と告知

      ②日本初の女子代表監督を迎えて

      ③突然消えた外国人コーチ

      ④羅針盤を失った中田ジャパン

   筆者の素朴な私見

 

荒城の月と化すか来年秋の日本スポーツ界

1.スポーツイベント開催により何が満たされる

先ず初めに・・・

隣国では連日連夜母国を守るため若者達が生死を賭けた戦いを強いられ戦場と化している。片やその隣国では、スポーツの祭典と称して競技スポーツの戦場と化している。しかし、後者の戦場は、前者とは対極にあり、平和な環境の下で国民、社会が刺激を求め競技の戦場を誘致し人間の闘争本能を満たしているのかも知れないとふと脳裏をかすめるのは筆者だけなのだろうか。

明日母国を隣国が侵攻して来たら我ら国民、社会はどう対処するであろうか。

2020東京五輪を翌年に控え、此処かしこで各種国際競技大会のスポーツ観戦の竜巻(TORNADO)に国民、社会が巻き込まれ熱病に侵されたが如く、諸般のゴミと共に天高く舞い上がっている此の現象を読者の皆様は如何読み解かれていますか。

此の現象が来年9月迄続くことを考えるにつけ、大宴会の後の空虚で荒れ果てた戦場を月の光に曝された負のレガシーを遺産として背負わされる国民、社会の姿が筆者の目に今から浮かびます。これは、まさに「荒城の」と化した日本スポーツ界が来年秋に迎える姿なのかもと想像するのは筆者だけでしょうか

長期ビジョンなき宴の清算の付けは、やがて全て観戦して楽しんだ国民、社会の責任と化し、公益財団法人の経営、運営、管理者達は盾と矛のマニュアルを非公開で遂行している事に国民は興味すら待たず、来年の超酷暑の宴の後始末を心して於かなければならないと思う国民の1人です。

①女子バレー・日本チャチャチャの宴を終えて

バレーボールワールドカップ(略:FIVB World Cup)は、国際バレーボール連盟FIVB)が主催するバレーボールの世界大会の一つです。本大会は、世界選手権・オリンピックと併せて「バレーボール3大大会」として位置づけられています。1965年に第一回大会が開催されましたが、当時は男子のみでした。その後1977年からは、4年に1度となり1991年からはオリンピックの前年とし、日本で開催される事に成っているのです。

先日、2019年女子バレーボールワールドカップが終演した事は、ご存知の通りです。毎度おなじみの本大会は、1977年より4年に一度開催され今日まで継続されて来ている世界でもまれな長寿ホスト国の国際大会の1つであります。

「ニッポン・チャチャチャ」と叫ぶジャニーズ事務所の芸能タレントさん達の掛け声に合わせ、本大会は、フジテレビによる中継がこの季節が来ると定時午後7時に開演されるシーンです。TV番組の午後7時からは、通常プライムタイム(日本ではゴールデンタイム)と呼ばれ、TV、広告代理店の集金タイムと言われる時間帯なのです。よって、既に何十年も続いている本大会は、日本に於けるスポーツTVエンターテイメントとして、嘗ては「ドル箱」と称されて来たのでした。

しかし、此のドル箱番組は、男女日本のバレーボール代表選手達の血と汗の努力にも関わらずその成果と結果が伴わないが為に本来の競技スポーツの本質を捻じ曲げ、芸能エンターテイメント化へと導いた功罪が此処に在ります。

TV、広告代理店の商品価値の評価の物差しは、ご存知のTV視聴率という数値で番組ごとにその評価がなされているからです。よって、その数値を上げる事の最大の要因は、世界的な大会で勝てる、メダルを取れるテイーム、そして日本テイームにスター選手が何名居るかによりこの視聴率が大きく変動するのです。即ち、現実的には、この視聴率を上げる事で広告代理店、TV事業、営業の番組イベントのコマーシャルタイム(CM)の秒数、分数単位に値段が決まり、代理店はスポンサー相手にイベント企画を商品としてセールスされているのです。

このイメージは、既に何十年も続いて来ているのです。これらは、TV、広告代理店の番組プロモーション活動を兼ねた一つのトリック手法なのです。これらの演出は、番組視聴率の向上がその主たる目的なのは言うまでもありません。それは、裏を返せば純粋なバレーボール競技だけでは今日の日本代表テイームの商品価値が低いので演出効果に頼らざるを得ない、即ち勝てないテイームでは視聴者、スポンサーが満足しないという視点と判断によるものです。しかし、これは、スポーツ・アドミニストレイションの観点からすれば、真の競技スポーツを冒涜した姿かたちを替えたスポーツイベント(観るスポーツを主体とした)と言えるのかも知れません。

 

②強化の弊害となっている日本のみでの開催の国際大会

読者の皆様は、毎年日本で何故こうもタイトルに世界、国際が付くバレーボール大会が開催されるのかと不思議に思われている方も多いのではないでしょうか。これにより日本テイームは、アウエイ(外地)で戦う機会を失っている事も弱体化の大きな要因の一つとなっています。それにもまして、日本は、毎回ホスト国としての恩典、利点を最大限与えられての大会であり、殆どフェアネスを逸脱した環境の中で競技をしている状態です勇気ある複数の男女選手は、Vリーグに所属せず外国テイームでプロとして生活している日本人選手達が、本W杯で活躍されているのは偶然ではないと思われます

国際大会の競技スポーツとしてのバレーボールが、番組宣伝、広告宣伝の為であり、また芸能タレント達のプロモーション活動を兼ねた、ビジネスマーケットを主とし、本来の競技スポーツの熱戦が従の関係にあるような近年の日本の男女バレーボール大会での代表テイーム、選手の置かれた実情ではないかと思われます。誠に本末転倒したバレーボール国際大会は、また今年も日本に於いて開催されているのです。

嘗ての強い日本男女のバレーボールテイームは、どうして弱くなってしまったのか。その客観的な要因の一つは、それまでバレーボールにあまり興味、強化をやらなかった諸外国が、近年強化を始めた事に起因している事が挙げられます。また、其れまで身体的なハンデイーを克服しようと精神論(スポーツ根性論)を主体とした指導法も今や通用しなくなったのです。よって、現在の日本の競技スポーツの特にボールゲームに於いては、商品価値を上げる為にはなりふり構わない外国人選手の投入、外国人監督、指導者投入を憚らなくなってきたのが現状と現実なのです。

しかし、此れを雇用する為には長期的な保証、財政支援が伴わなければ維持できないのが現実です。外国人選手を活用している競技スポーツでは、TV、マスメデイアが個々の外国人選手の美談を競技中、競技外に於いても広報活動しているという様子を読者の皆さんはよく見聞きする事と思われますこれは、違和感を中和する狙いがそこにあるのかも知れません。

現在、男女バレーボールの日本代表は、純粋な日本人選手によって構成されています。しかし、近年の他の競技代表テイームには、外国人選手を投入する方向に急激に向かっている中で、男女バレーボールの選考基準がいつまで維持、堅持されるのか大きな過渡期にも思えてなりません。読者の皆さんは、純日本テイーム派ですか、それとも多国籍テイーム派ですか。筆者は、国民、社会が納得できるルールが設定されるならば、国民ファースト派と言えるでしょう。

 

2.TV、マスメデイアの報道の疑問と矛盾

①成果と結果を伴わない過大宣伝・告知

この度の女子バレーボール代表テイームは、2017年に結成されました

本大会が開催される前から、TVの番組宣伝(略:番宣)、スポーツ新聞紙上に於いては、「男女ともにメダルが取れるだの、優勝も可能だ、等々」と非常に非現実的な論調とキャッチコピーを大々的に告知していました。これは、同時に開催されている国内のワールドカップラグビープロ野球CSJリーグ、等と国外で開催されている世界陸上、卓球、バスケットボール、MLB、等に興味と視聴率を持って行かれる事を危惧した過大宣伝・告知と言えるのではないでしょうか。

それにしましてもTV中継スタッフ達は、毎年、毎回、毎試合飽きもせず同じ様な解説、コメント、顔触れでのワンパターン化した内容でなく、もっともっと勉強して来て頂きたく思うのは筆者だけでしょうか。そうかと言ってナチュラサウンド(会場の自然な音声のみの意味)に切り替えようとしても、副音声のシステムはセットされていないので、消音にしてゲーム中継を楽しむのも味気の無い物でした。試合の進行は、映像で正確に把握、理解できますので自然な音声の副音声があると耳障りな雑音を聞かずとも、会場に身を置いている状態で楽しむのも観るスポーツ特徴でもあるのです。

 

②日本初の女子代表監督を迎えて

今日までの経過

前回のリオ五輪大会までの4年間は、全日本女子ナショナルテイームの監督に眞鍋政義氏を擁立し当時の戦力で成果と結果を出されたのでないかと理解しております。

2017年度からは、新体制となり初の女子ナショナルテイームの指揮官に中田久美氏が採用されました。女子テイームには、女子の監督が理想です。現在世界最強の中国テイームは、朗平氏が女性監督として有名です。

此処で、全日本の女子ナショナルテイームの監督がどのような過程を経て選ばれるのかを読者の皆様はご存知ないかも知れませんので、本K'sファイルではその過程を予備知識としてご紹介させて頂きます。皆様は、日本国内に於いて競技スポーツとして統括運営、管理を行う組織・団体が公益財団法人日本バレーボール協会JVBA)である事をご存知かと思われます。本監督選考、推薦、任命は、全て本協会内に於いて行われます。

①女子強化委員会なる部署には、Vリーグ所属監督が主に委員として招聘されています。しかし、委員会をまとめる委員長は、どのようなプロセスで何処から、誰が推薦して任命したのか公開されていません。

このテイームの編成部門を預かる重要なポジションの委員長は、果して国際女子バレーボール界を熟知した人物か、能力がある人物であるか否か、また編成に於いて戦略に沿った選手選抜の眼力があるのかキーポイントであります3年間の成果と結果から強化委員長の力量に疑念を抱かざるを得ないのです。また、委員長を推薦された方にも責任の所在があると申し添えさせて頂きます。悪しからず

②監督人事に付きましては、女子強化委員会とは別に監督選考委員会なる部署が設けられている様です。この委員会のメンバーは、公開されていないと思われます。

③監督選考委員会で選考された候補は、選考委員会が推薦人として協会理事会で諮られ決定し、協会長が任命する手順に成っているようです。

④任命された監督(Head Coach)は、コーチングスタッフを自ら選考する権限を有しているようです。

⑤外国人コーチ招聘に関しては、監督にスタッフの人事権を持たしているのであるなら、監督がリクエストしたのでしょう。強化委員会の何方かが監督の意向を受けて動いているのかも知れません。本件は、中田ジャパンのキーワードであり、最重要課題、案件えあると思われます。

しかし、上記監督選考に関する過程と真実は、密閉され限られた人達によってなされている事からフェアーか否かも国民、社会には、知らされない公益財団法人日本バレーボール協会でもあるのです。

2017年発足当初からの大会でのコート内での指揮、指導、戦略、戦術、運営、管理に於いて、中田監督の立ち位置は、どうなっているのか。中田ジャパンは、外国人のアシスタントコーチをトルコから招いていたからです。

日本女子バレーボール代表テイームの初代女性監督の中田久美監督と外国人コーチ(フェルハト・アクバシュ氏33歳、トルコ)との関係と役割がバレーボール・アドミニストレイションの視点で申しあげますと、非常に不自然且つ合理性に欠ける状態に思えてならならなかったのです。(これは、男子の中垣内監督と外国人コーチ、フィリップ・ブランの関係も同様です)

試合中の全軍へ、個々への指揮、指導、指示系統は、全て外国人アシスタントコーチにより出されている様子を見るにつけても、このテイームは、本当に中田監督のバレーボールが出来ているのかと疑念を抱いたのも当然です。また、外国人アシスタントコーチの為にコミュニケイションは、通訳を介して選手達、監督にも行われていました。此れでは、中田監督のゲームに於けるトータルマネージメントが行き届かない、ゲーム中に於けるコミュニケイションが出来ないのも無理からぬことなのです。

問題は、中田監督が試合中コートに立ち指揮、指示を出していない事です。イヤホーンを付けてタブレットを持って、選手を鼓舞しているだけのように見受けられる事です。(これは、男子の中垣内監督も同様です)

前回も申し上げましたが、筆者は、外国人コーチが全軍に対しても、個々の選手に対しても全ての指示、指揮(通訳を介して)を行っているように思えてならなかったのです。監督は、何故前面に出て強いリーダーシップを取ろうとしないのか不思議でしたが読者の皆さんはお気付きでしたか。

もう一つの疑念は、外国人コーチ及びその役割が何故か紹介されない、どうしてなのでしょうか。TVアナウンサーは、懸命に中田ジャパン、中田ジャパンと連呼しています。(男子の中垣内ジャパンも同様

そしてアナは、中田監督が何を言った、中田監督のこれがバレーボール、中田監督が云々と、何か勝手にアナウンサーが大声を上げて宣伝しているのが実に幼稚に感じるのです。試合会場での中田監督は、テイームの蚊帳の外という感じです。何かお気の毒な様に窺えたのでした。

ゲームは、アシスタントコーチのアクバシュ氏が全軍を指揮、戦術を個々に与えて監督として役割を担っている様です。これは、アクバシュ・ジャパン?

映像は、アナが何を語ろうが正直です。何故、映像の事実を元に同コーチの紹介、テイームへの指揮、指示の事実を伝えられないのでしょうか。全く蚊帳の外の中田監督の姿の映像は、何度アップされても説得力が無く、かえって映像から何か他意すら感じたのは筆者の錯覚だったのでしょうか。外国人監督、コーチには、何故今回も指導者を招聘する場合の基準、役割、等の情報公開をしなかったのでしょうか。また、現在女子テイームのゲームでの指揮権、指示権が、同コーチに移行しているなら、協会執行部は、記者発表をすべき重大な問題です。同コーチは、アナリストでもスコアラーでもありません。

アクバシュ氏は、確かマスメデイ報道では4年前にトルコ女子代表監督に就任、ルーマニアCSMブカレストの監督も兼ねているという情報が入っています。まさか日本協会が表向きは、アシスタントコーチとしてオファーし、実質は監督として全権を持たせていない事を願う次第です

女子強化本部の中には、私が見つけて来たと自慢している人物が居るとの情報も入っています。日本バレーボール協会は、本件に付いてのロール(役割)を明確にした方が賢明ではなかったのでないかと思いました。何故ならば、公益財団法人日本バレーボール協会は、莫大な公金を強化の目的で活用している事を忘れてはなりません。国民、社会に対する責務の所在を明確にするためにも情報公開は常識であります

 

③突然消えた外国人コーチ

女子テイームのスタッフのロール(役割)は、明確に明文化して中田監督がそのロールに同意しているのかどうか非常に重大な問題です。同意しているのであれば、中田監督は、職務を履行していない事になり、よって監督としてのコートに立つ必要性も無いのです。このような優柔不断なテイーム指導、管理体制にした日本協会の女子強化本部及び責任者は、結果がどうであれ事前のミスを創設当初に既に起こしている事になります。

筆者は、TVの映像を拝見させて頂いている限り中田監督はこのようなスタイルよしとしている指揮官なのだろうか。或は、このレベルの指導、管理者だったのだろうかと疑念がよぎる次第ですこのような状態で、大事な世界選手権、ワールドカップ、オリンピックを指導、指揮、運営、管理する事は、バレーボール・アドミニストレイションに重大な問題があると思います本大会が終わってその成果と結果を見て述べるのは誰でもできることです。本テイームの編成の担当者、管理者に大きな問題があると思います。

選手達はゲーム中外国人コーチの指揮、指示通りに行動している事から、協会女子強化本部から、また中田監督からも指導、指示に従うように指示が出ていると思わざるを得ません。真剣勝負の筈の国際試合に於いて、監督とコーチの業務が本末転倒しているようでは競技をする以前のアドミニストレイションに大きなミスがあり、TV. マスメデイアの告知は、フェイクと言わざるを得ないのです。何故、TV、マスメデイアの関係者は、この事実を視聴者に伝えようとされないのか不思議に思えますが如何でしょうか。もし、告知していたならば、協会側は、そのミスに気付き修正する時間もあったのでないかと思われます。マスメデイアも利権の構図に入っているという事なのでしょうか。これでは、戦う前に勝敗が決まっているに等しいのです。

★驚き

筆者が驚いた事は、つい先だってまで中田ジャパンの真のHead Coachを務めていた(肩書は、Assistant Coach職)アクバシュ氏(33歳、トルコ)が突然辞任して居なくなったことを知った時でした

2017年中田ジャパンが発足した当時から少なくとも2018年シーズン終了までは、中田ジャパンの中核として、実質の監督として職責を果していたのです。しかし、201919日に日本のマスメデイアがアクバシュ氏の退任を伝えたのでした。その事実は、アグバシュ氏自ら自身のインスタグラムで退任のコメントを公表した事がマスメデイアのソースとなっていた次第でした。

筆者のスポーツ・アドミニストレイターとしての経験から申し上げますと、この様な告知の方法は、アクバシュ氏に不満がある事が推測されます。通常は、雇用者側の協会(JVBA)側が本人自身の告知と同時に、明快な理由と共に告知するのが業界の常識であります。それができなかったのは、協会側に何らかの落ち度か、ネゴシエイション力に問題があったのでないかと思われます

読者の皆さんの中で女子バレーボールファンの方が多くいらっしゃる事と思われますが、本件をご存知でしたでしょうか。この辞任問題に付いて、バレーボール協会は、告知されましたでしょうか。少なくとも筆者は、JVBA側の明快な本件に関する記者発表が在ったか否かについての記憶がないのです。

後に漏れ伝えられている情報では、契約問題で辞任したとの噂が流れている様です

これは、ゲスの勘ぐりかも知れませんが、K'sファイルで矛盾、問題、等を指摘させて頂いて来ましたが、筆者であれば、アクバシュ氏は、雇用者である協会に対して「契約内容の変更及び契約年俸の改善」を申し出られたのかも知れません。それは、自身の実際の業務内容が監督(Head Coach)としての重責を果たしているのに対して、中田監督(Head Coach)は、その重責に無いことを指摘したのではないかと思われます。

これは、まさに欧米と日本の「契約=Contract」に関する認識の違いが大きく露呈した証であると思われますJVBAは、中田監督をひな壇に据えてTVマスメデイア受けを好くし、実質の監督業務はアシスタントにさせればよいとの勝手な思い込みをしたところに大きな問題があったのでないかと推測する次第です。この様な勝手な談合じみた考えは、グローバルなスポーツ界に通用するはずもありません。これは、日本のスポーツ界の組織、団体関係者によく見受けられる思考の一つかと思われます。此れもスポーツ・アドミニストレイションのレベルを窺わせる事例ではないでしょうか。(これは、現在の男子監督とアシスタントコーチの関係も同様)

羅針盤を失った中田ジャパン

中田監督は、今回のワールドカップには右腕をもぎ取られた状態で、日本人スタッフを急遽補強して本大会に臨んだのだと思われます。

その結果として、大会期間中には、マスメデイアから集中砲火が中田監督に浴びせられる結果となったのです。これは、まさに中田ジャパンのライフラインを失った、羅針盤の無い漂流船と表現した方が判りやすいかも知れません。

集中砲火の内容も様々であったようです。中でも「中田久美監督は見る目が無い、経験豊富な参謀不在、世界を見て来たキャリのある人が必要でないか、今監督を後退させるべきだ、等々」は、辛辣なキャッチコピーではありますが、競技の世界では、成果と結果が伴わない場合期待値の高い立場の人に対して、マスメデイアは結果論を論じる、弱い者いじめをするのが世の常でもあります。

筆者は、このような痛烈な批判、指摘は中田監督に浴びせるのでなく、中田監督を全日本の監督として推薦、任命した責任ある方々に浴びせるのが筋ではないかと思う次第です。何故ならば、見る目が無かったのは、中田監督でなく彼女を監督に推挙した人物なのです

外国人コーチに監督の業務をやらせなければナショナルテイームの強化、向上が図れないのであれば何故最初からそうしなかったのか。国内のTV、マスメデイア、スポンサー向けに選手時代に名声のあった日本人監督を擁立せざるを得なかったのであれば、正直に外国人コーチに了承を得て、それにふさわしい契約をし、正当なインセンテイブを明記して置けば済んだ話です。

 筆者の素朴な私見

マスメデイアの進言をお借りいたしますと、例えば「経験豊富な参謀不在、世界を見て来たキャリのある人が必要でないか」と指摘されていますが、ひょっとしてこの記者諸氏達は、その存在を知っていて強いシグナルを協会強化委員会、監督選考委員会、理事達に伝えたかったのではないかと筆者は勝手に感じた次第です

このご指摘に符号する人物で思い当たるのは、「吉田敏明氏」以外に筆者は思い当たりません。読者の皆様は、ご存知でないかも知れません。吉田氏は、嘗て日立女子バレー部の全盛期には山田重雄氏の下でコーチを務められ、後に米国ナショナルテイームのアシスタントコーチとして、そして監督を長きに渡り務められ、オリンピック、世界選手権、等でメダルを獲得された唯一の日本人指導者であります。そして後にVリーグに於いては現在も尚弱小テイームを常に一部に押しとどめる指導力、指揮力、運営、管理手腕を発揮されている指導者です。

筆者は、何故このような名実共に実績、キャリアがあり、語学も堪能な方を協会は活用されようとしないのか。本メデイアの進言が吉田氏を指しているなら、当を得たポイントであるので賛同致します

吉田氏は、日立時代から中田氏も勿論十分知り尽くした人物で在り、また同氏は協会女子強化委員の一人でもある筈です。この様な強力な人材を持ちながら何故協会は、活用しないのか、此の場に及んで関係者達は権力の委任を恐れているのかも知れません。東京五輪は、もう目の前です。

組織、フロント、現場の責任の所在を明確にしない日本の競技スポーツ、組織、団体の欠落したスポーツ・アドミニストレイションだと思われます。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

お知らせ:NO.119は、今日大会が進行中の「バレーボール・W杯の女子日本代表をテーマに述べさせて頂きました。読者の皆様に於かれましての疑問点は、少し解消されましたでしょうか。全力で心血を注いでいる選手達に少しでも成果と結果をもたらす為にも、責任ある部署、部門の指導者、管理者は、私欲を捨てて残された貴重な時間に修正、決断をされんことを心より期待しております