河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

河田弘道のコメント:NCAA(全米大学競技スポーツ協会)

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大学スポーツと学業の両立は? 苦渋の棄権が投じた一石

今季の関西学生アメリカンフットボールリーグ3部で、9月9日土曜日の試合に「兵庫医大1―0大阪芸大」という記録がある。(朝日新聞デジタル)

 

上記記事を拝読:

 NCAA(全米大学競技スポーツ協会)と日本の大学競技スポーツ(統括団体、組織無し)は、基本的な理念が異なるのです。歴史に於いても100年異なると言っても過言でありません。私は、長年米国大学のアスレテイック・デパートメントでスポーツ・アドミニストレーターとして、NCAAの大学代表の1人として実践活動をして参りました。

 この記事に取り上げられているような件は、日本の大学競技スポーツが大学教育の一環及び、延長線上に位置しているのかいないのかの大義をグレーにしている事が最大の問題なのです。この大義を明確にして明文化し、競技に参加する全大学が明文化した大義を基軸にしたルール・ブックを作成して、ルールと罰則を遵守する事が大前提なのです。

 これにより、文科省スポーツ庁、各大学経営者、管理者、及びその関係者は、何をどうするべきかが自ずとしてフォーカスされると思われます。何故これに気付き立ち上がらないのでしょうか。

 スポーツの関係組織、団体は、大義なき運営、管理を行なおうとする、その大きな要因の一つは利害と利権が主たる目的となり過ぎて、大事な教育に於ける学生選手、学生スポーツを育てる事を置き去りにしてしまっている我が国の現状と現実を見直さなければ、スポーツ・アドミニストレーションのレベルの向上は、難しいと思われます。

読者の皆さんは、いかが思考されていますか。

                              

 

 

NO.21 河田弘道のトーク・ライブ報告:プロ野球界には、二軍、三軍は無用!

 

NO.21 河田弘道トーク・ライブ報告:プロ野球界には、二軍、三軍は無用!

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北川外志廣氏提供

ご報告とお礼

  2017年10月6日、日比谷コンベンションホールにて開催致しました「河田弘道トーク・ライブ」は、無事終了致しました。

 当日夜は、低気圧の関係で生憎の土砂降りの雨となりましたが、熱心な多くの方々には足をお運び頂き感謝申し上げます。

 スポーツ・トークライブは、二時間の限られた時間ではありましたが、演壇と客席間の緊張したインターラクテイブな関係は最後まで途切れることが、ありませんでした。これは、本ライブの趣旨、目的であります貴重な「この時間、この場所、この縁」を共有し、それを肌で感じさせて頂いた何ものにも代えがたい二時間でした。また、登壇者に取りましては、客席の皆様方とのアイコンタクトや、終始メモを取られているご様子とその心地よい音が、一層モチベーションを高めることにつながりました事もお伝えし、心よりお礼申し上げます。

 ご出席の皆様からは、早速、過分な論評、コメント、感想を沢山頂きました。これらは、もし皆さまのご了解が得られましたなら本BLOGSNS上で幾つかご紹介させて頂こうと思います。本論評は、何らかのご都合で出席できなかった方々に当日の様子と内容をイメージして頂く唯一のツールとなります。ご参考にされて下さい。

 最後に、本スポーツ・トークライブは、日本で初めて「アーガスプロダクション株式会社」様により企画、運営して頂きました事を感謝、お礼申し上げます。

 第一回「河田弘道トーク・ライブ」は、皆様方のご協力、ご支援に寄りまして無事終了する事が出来ました。簡単ではございますが、本BLOGを通じて、ご報告ならびにお礼に代えさせて頂きます。                        

                               深謝

河田弘道

スポーツ・アドミニストレーター

スポーツ特使 ”Emissary” of the SPORT

 

中田久美監督(バレーボール女子ナショナルテイーム監督)

中田久美監督(バレーボール女子ナショナルテイーム監督)

 

中田監督へ:

 元日立山田監督の秘蔵子時代からよく存じています。確か、初めてお会いしたのは、私がまだ米国大学(BYU)のアスレテイック・デパートメントでスポーツ・アドミニストレーター兼教員をしていた頃、日立女子バレーボールテイームが単独で米国遠征された時のような記憶があります。その後、よく小平の日立体育館で、。監督は、当時高校に通いながら日立のセッターを任されて、ロス五輪を目指されていた頃でした。そして、その後は、私が企業スポーツのNEC SPORTSをお預かりしてからは、NEC対日立で長年競い合いました。

  日本の女子のメジャー競技スポーツで中田さんは、最初のナショナルテイームの監督に就任されました。おめでとうございます。

 山田さんがゼラシーを感じているかもね。女子の競技スポーツは、女性が監督を務める事が理想です。中田さんは、日本の女子競技スポーツ界の将来を託された先駆者的指導者です。与えられたこの機会を自身の信念に基づいて、ぶれない指導とリーダーシップを貫徹して下さい。

 そのあなたには、涙は似合わない。監督は、孤独な仕事、企業バレー部の監督でなく、プロの契約をした監督でないのですか。監督のプロ業務は、涙を見せるのでなく成果と結果だけを求められる世界です。監督は、情と非情を使い分けたトータルマネージメントが出来るか否かです。

 

 監督自身に妥協を見せたら、勝負は、敗けます。日本選手達は、精神力云々の問題でなく、根本的な体幹がひ弱いので徹底した専門のトレーニングコーチが必要かと感じました。勝負するには、個々の選手の体幹を強化、向上する事が監督のやりたいバレーボールが出来ると思います。

やるなら徹底的にやる事です。老婆心ながら苦言を申し上げます。強いリーダーには、涙は不要。健闘を祈っています。

 

                      文責:河田弘道

河田弘道のトーク・ライブのお知らせ:

河田弘道トーク・ライブのお知らせ:

日時:10月6日、金曜日、午後18:30分(開場)、19:00(開演)
場所:日比谷コンベンションホール(大ホール)

詳しくは、以下URLをご確認下さい。
【アーガスプロダクション株式会社】
(ニュースに記事がございます)
http://www.argsproductions.com/

【イベント記事】
http://www.argsproductions.com/pdf/170906_kawada_1006.pdf

 
本件に関するお問い合わせ:
アーガスプロダクション株式会社 
TEL:03-6277-7982
FAX:03-6277-7984

E-MAIL:press@argsproductions.com

 

NO.20 河田弘道のプロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍(最終回)無断転載禁止

NO.20 河田弘道プロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍(最終回)無断転載禁止

 

著者からのお知らせ:

 本課題とテーマは、NO.20で最終回とさせて頂きます。Ⅷは、長文となっていますので、テーマを1.巨人軍に於ける補強戦略の必要性~2.巨人の補強に伴う弊害~3.東京読売巨人軍の復活は、新GMの双肩にあり~、と致しました。各テーマを3週に分けて、ご笑読して下されば幸甚です。感謝    NO.21は、9月中旬予定。

 

Ⅷ.東京読売巨人軍から東京読売GIANTSへ、

1.巨人軍に於ける補強戦略の必要性~

 補強とは:

 補強とは、「足りない所や弱い所を補ったり強くしたりすること」広辞苑補強には、補強する側の必要性と仕方により種々異なった理解と解釈が成り立つのも確かです。補強する側は、球団の現有戦力の分析の結果を先ず、

①編成部門のコンセンサスを取りまとめ、

②監督から現場のコンセンサスを取りまとめ、

③編成部長と監督双方のコンセンサスを取りまとめ、

④編成部長よりGMに報告する。

GMは、最終判断を行い、最高経営者の了解を得て、決断、実行する。

このようなプロセスは、通常のベースボール・アドミニストレーションです。

先ず此処で、補強には、幾つかの異なる種類と方法がある事を理解して下さい。それらは、ドラフト(新人選手選択会議)、FAFree Agent,自由契約選手)、トレード移籍(球団間の選手売買)、外国人選手補強です。読者の皆さんは、この中でも特にFA選手、外国人選手を補強というイメージで持たれているのではないでしょうか。

 ドラフトとFA制度の関係:

 MLBに於いてのドラフト制度は、競争の原理と協力の原理を組織・団体の根幹としています。リーグの覇権をめぐっての競争とリーグの繁栄の為の協力(共存共栄の意味)は、全加盟球団(30球団)が共通した「理念」として共有しています。

 ドラフト制度は、このような理念を基にテイーム間の戦力均衡を図り、どのテイームも優勝が狙える力を維持する事により、集客を向上させ、戦力が極端に弱体したテイームを出さない事を目的とした制度なのです。

 MLBに於いては、完全ウエーバー制度を採用している為に、前年度の勝率の最下位のテイームから順番にドラフト指名を行います。

 NPB(日本プロ野球機構)に於いては、完全ウエーバー制度を採用していません。ドラフト一巡目から複数球団が同一選手を指名した場合は、ご存じのような抽選で決めています。本BLOGでは、スペースの関係で詳しくお伝えできないのが残念です。

  FA制度は、上記ドラフト制度により選手の自由を束縛、拘束する事から選手側と雇用側の間で生まれた妥協の産物です。

 MLBでドラフトされた選手は、5年間のメジャーリーグ契約を満たすと、初めて自由契約選手(FA選手)と認められ、選手が望む球団と自由に交渉が出来る権利を得ます。

 NPB(日本プロ野球機構)でドラフトされた選手は、現在7年間1軍での在籍を認められると、選手が望む球団と自由に交渉が出来る権利を手にします。以上基本的なドラフト制度とFA制度の知識を参考までに付記しました。

 球団に於ける補強の必要性:

 補強は、球団の戦力維持、強化の中核をなす編成部門の最重要な課題と責務の一つです。しかし、補強をするに当たっては、現戦力の分析と球団が目標とするテイーム強化戦略に沿ったものでなければ本来の意味を成しません。また、補強には、大きく二つの目的があります。一つは、現テイームが即戦力の必要性がある場合、二つ目は、選手層を厚くする事を目的とする場合があります。日本プロ野球界では、殆どが一つ目の即戦力が目的の場合が多いと思われます。

 本球団は、伝統的に相手球団の主力選手(四番打者、エース級投手、メデイア価値の高い選手、等)を獲得するケースが多いのでマスメデイアに大きく取り上げられる事が多いのも事実です。

  これは、球団側だけでなく、選手側にも巨人に行きたいという強い意思が働いているためです。その理由は、巨人が獲得したいという意思がある場合、FA移籍する事により多くの収入が見込まれる事、人気球団に居て活躍する事による商品価値の上昇と選手生活を終えた後の事に対するメリットなどが主な理由の様です。

 巨人軍は、常に即戦力となる人気と実績を兼ね備えた選手を欲し、即勝利する事を最優先している事は既にご承知の通りです。また、同時にこのようなコンセプトは、即効性のある補強以外に結果として、相手球団の戦力低下にも繋がることもあります。このようにプロの世界では、補強の目的が即戦力と選手層の厚さだけでなく、相手のテイーム戦力低下を狙った戦略もあります。

 日本のFAを宣言する選手の殆どは、宣言する前に移籍希望先から担保を得ている場合が多いと思われます。よって、選手は、移籍宣言をギリギリまで伸ばす理由が此処にあるのです。選手は、移籍先のメドが立たなければ宣言する意味も無く、リスクが高まるからです。

 

 2.巨人の補強に伴う弊害~

 補強で若手、中堅選手の夢を奪う:

 巨人軍の補強には、常に大きなリスクがともないます。特にSFA選手を補強する場合は、相手球団への金銭と人的補償があり、選手には、高額な契約金と年俸、インセンテイブボーナス、長期保証、その他の保証を約束しなければなりません。しかし、此処で最大のリスクは、球団スカウトに寄る情報、資料が正確であるかどうかです。

 本球団のSFA選手が期待通りに即活躍しないケースが目立つのは、何故か。FA後、翌シーズンに怪我をするのは何故か。その問題の多くは、個人差はありますが、このスカウテイング力の問題と、もう一つは、球団側(経営者を含む)の欲しいSFA選手に対してのチエック機能が甘くなり、相手選手側の言いなりの約束事をしてしまう事、移籍後、環境に順応できないケースが多いためです。

  例えば私事ですが、当時このような事にも直面しました。この球団テイームには、他球団からの現役4番をFAで獲得していたにも関わらず、また翌年他球団の4番をFAで確保してしまっていたのです。そしてまたも96年に他球団の4番の獲得指示が出されたのです。これら全ての選手は、走れない一塁手ばかりでした。よって、球団が欲しくて取るのですから、当然その選手へのチェック機能は甘く、後に禍根を残す事になるのです。このような状況下での現場に於ける運営、管理は、困難を極める事を読者の皆さんも理解して戴けるのでないでしょうか。

 その時私は、幹部会議に於いて監督補佐の立場として、監督に素朴な質問を致したのです。「監督、3人もダッグアウトに座らせてどうするつもりですか、これでは、将来の四番として既にドラ1で獲得し、ファームに居る選手は潰れますよ」と球団幹部会で訊ねた事を思い出します。

  このような補強に走った場合は、戦力補強した以上の負の遺産を背負い込む事になるのです。競技スポーツに於けるコンセプトは、最終的に勝利する事が主たる目的です。その為には、戦力を強化する事は重要な戦略の一つです。しかし、そこには、計画的な戦略補強が重要であり、相手テイームの戦力低下が目的の補強は、やがて自軍の内部崩壊を招く火薬庫と化すことを忘れてなりません。

  補強選手組がテイームの主力となった場合は、テイームマネージメントに於ける問題が日々山積され困難を極めます。特にテイーム生え抜き組対、補強組の構図は、水面下で現実のものとなります。このような現実も私は、身をもって体験した次第です。

 此のことは、長いシーズンを戦い抜くに当たって、特に一軍半、二軍の若手、中堅の育成、指導の選手達に多大なマイナス要因を与える事になります。勿論、自軍で育った選手を中心としたテイーム作りの球団は、テイームに対するファンの熱狂的視線を肌で感じます。しかし、補強中心路線を推進する球団は、何か注目がそのシーズンのFA移籍選手に集まり、テイームの一体感を感じられないのです。読者の皆さんは、如何でしょうか。しかし、巨人ファンの方々は、表に出して感情を表現しない独特な気質があるようです。

 若手中堅が育たない要因:

 FA補強の場合の弊害は、若駒のチャンスを奪う物理的な問題と、モチベーションを削ぐ選手達への精神的なダメージが現場に於いて計り知れないです。特に球団側がFA選手に強い興味を持って、獲得に動いた場合は、選手側が主で売り手市場となり、球団が従となりがちなので、余計な約束事をさせられたり、したりするのです。そのような事情の選手達を多く抱える事で、テイーム内のマネージメントにも、見えない約束事がボデイーブロー(負の遺産)となって身動きが取れない状態へ引きずり込まれるのです。

 例えば、補強選手側に、常時一軍枠28名から外さないという約束事をさせられると(外国人選手からもよくあるリクエストの一つ)、その選手が不調であっても貴重な1枠が既に奪われて、若駒にチャンスが与えられなくなるのです。球団側は、補強をする前に戦力分析、テイーム編成のコンセプトを再確認し、強い信念と意思を持って、ベースボール・アドミニストレーションを遂行して欲しいと願います。

 この補強判断と決断は、一軍28名枠を目標に日々努力している二軍の42名の選手達の未来と生活を脅かします。球団の補強体制が、今後も現在のような方向に進むのであれば、二軍の資質の高い選手達は、他球団で活躍されない為のプールにしかすぎず、選手達の夢も希望も無くして、二軍選手に成り切ってしまいます。二軍の選手には、他球団に行けば1軍28名枠に入れる選手達が沢山いるのも事実です。

 

 3.東京読売巨人軍の復活は、新GMの双肩にあり~

 一貫したベースボール・アドミニストレーションの必要性:

 このような環境と状況下で「若手を育てる」という概念は、唯のお題目で成果を期待できるものではありません。本球団は、指導者に対するコーチング、テイーチングの本質的な問題を論ずる前に、球団の補強に関するコンセプトに先ず変革が必要かと思います。読者の皆さんのご意見を伺いたいです。

 指導に対する結論として、巨人軍には、一貫した独自の指導マニュアル、指導システムが必要です。特に監督選考は、歴代のテイームの四番バッター、エース投手という伝統的な基準があるのが特徴です。このような発想から、東京読売巨人軍の監督擁立は、選手としての実績と人気を最優先する事でマネージメント能力は問われないのです。この発想は、本質的な問題の改善、改革が遅れてしまった大きな要因の一つのように思えてなりません。

  このようなコンセプトから、現場の個々の指導者達は、監督にイエスマンを装い、「世渡り術」を先ず身に付け、コーチ、指導者としての競争力が低下してしまっていることを運営、管理者が気付かないか、気付いている管理者が居ても何もできないので知らぬ顔をしているのかも知れません。監督に現場での統括管理能力が無ければ、テイームも選手も壊れてしまいます。

 今シーズン前期に解任されたGMは、この球団に必要な指導者が少ない事に気付かれたのかもしれません。しかし、本体の一軍が機能しなくなってしまい、本球団の伝統的な体質に、志半ばして押し潰されてしまったのではと推察致します。

  近年の東京読売巨人軍、最高経営者は、1993年、12月の最高経営者会議に於いて、一大方向転換をされたと考えられます。それは、V9と称されて参った川上哲治氏率いる東京読売巨人軍体制から長嶋茂雄氏率いる東京読売ジャイアンツへの一大移行プロゼクトであったと強く記憶に残っています。このプロゼクトの脚本を書かせて頂きましたのが、僭越ながら小生でありました。

  この長嶋ジャイアンツは、94年のメイクミラクル、96年のメイクドラマを完結後、最高経営者の政治的判断で本プロゼクトが解体され、プロゼクトの改革のイグニッションキー(自動車を始動する時のエンジン点火スイッチを指す)を失ったのだと思います。それ以後の球団の補強コンセプト(ドラフトを含む)は、育てるのでなく育った商品を買ってくるという手法を以前にも増して強力に推進せざるを、得なくなったのかも知れません。

 そこには、育成、指導のシステムもコンセプトも必要としない、本来の伝統的な問題処理、解決手法に委ねている様です。豊富な戦力を有しますと、そのような球団は、選手の力で10年に1,2度は勝利を味わう事が確率的にも可能なのです。形式的には、長嶋ジャイアンツを継承しながら、実質は、古き良き時代の体質に戻ってしまった感が否めないと感じているのは、私だけでしょうか。

  今此処で一大ギアのシフトチェンジを致さなければ、「本球団は、ステークホールダー(投資者)でありますジャイアンツファンの愛に溺れ、変革という努力を怠れば、気付いた時には既にプロ野球界の歴史が変わっていた」となるような気がしてなりません。現在は、まさにこの状況が進行中であります。

 GMへの提言:

 もしも、新GMが隣の芝生が美しく観え、隣の芝の運営、管理、育成方法をコピーしようと安易な考えを持たれて居たら、このGMには、期待できないかもしれません。

 既に述べて参りましたが、本球団には、特殊な事情と歴史があります。新GMには、今迄と異なる本球団に合致した新しいオリジナルなベースボール・アドミニストレイターでなければ成果と結果を期待できないかも知れないです。

 その為には、球団経営者は、新GMに創造力と実践力のある強いアシスタントを付けられて、補佐して挙げて頂きたく願う次第です。何故ならば、本球団は、伝統的な会社、企業の組織体質から内外に敵を有している関係から、新GM一人では、何ともなりません。先ずは、勝利する為にも強い信念とぶれない一貫した強い意思と意識が不可欠です。また、新GMは、自身判らない事は信頼できる、リスペクトできる方に訊ねる事です。古人曰く、「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」と。

  この度は、「東京読売巨人軍の若手選手が何故育てられないのか」を課題とテーマに、Ⅰ~Ⅷ回に分けて広範囲に述べさせていただきました。如何でしたでしょうか。

 読者の方々からは、「本BLOGは、日本社会、会社、企業組織の縮図への警鐘、提言として、捉えることができました」との身に余る書評、読後感を頂き恐悦至極に存じます。私は、お世話になりました東京読売巨人軍に再び栄光が蘇る事を心より願い、老婆心ながら提案、提言をさせて頂き、他意はありませんことを申し添えます。

  本球団の重大なコーチングの問題に付きましては、読者の皆さんのご要望があれば機会を見て掲載致します。今回を持ちまして、「どうした東京読売巨人軍」の課題、及びテーマは、一旦終了させて頂きます。近い将来、本提言が東京読売巨人軍から真の東京読売ジャイアンツとして生まれ変わる為の一助となりますことを心より祈念致しております。

                      文責:河田弘道

                      Sportsアドミニストレーター

 

*次回NO.21は、9月中旬からスタートする予定です。

 お知らせ:河田弘道トーク・ライブ開催、106日金曜日、1830分開場。1900分スタート。会場:日比谷コンベンション大ホール。席数が限定されます。企画マネージメント会社からの告知は、9月7日を予定致しております。もうしばらくお待ちください。

 

 

NO.19 河田弘道のプロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍 無断転載禁止

NO19 河田弘道プロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍

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Ⅶ.プロ野球選手以前に自立と自己管理を

 

1.自立心、自己管理、自己責任は~

 プロ選手としてのコンデイションング管理の重要性:

     真のプロフェッショナル・アスリートは、通常自らの年俸、契約金で専門家(マネージャー、トレイナー、カウンセラー、医師、等)と契約を結びます。特に競技スポーツ選手は、欠かせないのが専門スタッフの存在です。しかし、プロ野球選手は、所属する球団が専門家を帯同させ、医療機関と提携しているので、選手達は応急処置、及び治療、リハブ、等を球団に委ねているのが現状です。

    本来、メジャーリーグ(MLB)の選手達は、マネージメントを司る代理人(欧米の場合エイゼントと呼ぶ)が選手のメンテナンスから所得の運用活用、管理、そして家族の住居、子供の教育に至るまで、マネージメント契約内の全ての項目を代理業務しているのです。これらは、選手及び家族のプライバシーの保全の為にも球団のルールの下で外部の特定の専門家に委託しているケースが大です。

     プロ・アスリートの生命線は、心身の健康です。その為には、コンデイショニング管理の維持、強化に、自らの年俸、契約金の一部を投資する事はプロとしての義務であり使命です。通常は、選手の年俸、契約金の中に諸経費分が含まれているという解釈が業界の常識です。しかし、日本のプロ野球選手達(全てを指しているのでない)は、自身への投資を怠り、球団の医療関係者に身を委ねる伝統的な習慣があります。彼らは、専門知識が不足しているために選手生命、ビジネスにも大きなマイナス要因となっていることすら理解できていない人が多いです。

    その選手達の大半は、「球団所属の専門家を使えば金がかからないですむ」、との単純な理由です。このレベルの価値観では、思考能力が既に限定されていると考えられます(プロ選手としての自覚不足)。

 

 2.合宿所という閉鎖社会の功罪~

 プロ野球選手の特殊な生活習慣:

 本テーマは、少し視野を広めた視点で述べてみたいと考えました。

    日本の競技スポーツ選手は、幼い頃から学校体育の教員、部活指導者、或は地域スポーツ・クラブの指導者に接する事から始まります。このような指導者達の概念の多くは、伝統的な「全体練習」から、「型」に入れようとする指導法が今なお主流のようです。1人の指導者が多勢を運営、管理する為には、無理からぬ指導状況と環境である事も理解できます。

    このような指導法は、コーチングが「選手個々の潜在能力を導き出し、得意部分を伸ばす」コーチング理論とは異なるようです。これら全体練習は、伝統的な連帯責任的な指導方法が色濃く残っているようで、現代のプロ野球球団の指導体制に於いても現存しています。日本の選手に向いている指導法と過去の負の遺産の指導法は、整理する必要があると思われます。

 合宿所の存在:

「合宿所」は、選手にとって思春期の頃から抜け出せない競技スポーツ選手の閉ざされた生活居住の場です。読者の皆さんは、高校、大学、社会人と競技スポーツに関与された方であれば懐かしい呼び名と環境だと思います。これには、賛否両論があるでしょう。しかし、選手達には、選択(チョイス)が与えられていないのも事実、自由と人権の観点から、矛盾している運営、管理方法の一つです。

    例えば、高校時代から親元を離れて、野球部の合宿所に入れられ社会から隔離され、大学、そしてプロ野球界に入団と、この管理された環境で選手達が過ごしてきている事に対して、誰もが違和感も持たないのでしょか。勿論、管理する側、される側双方には、共同生活でしか得られないメリットもある事も事実です。

     欧米人は、この日本のスポーツ界の管理システムを、選手達を刑務所( the jailhouseの意味)に入れて管理している。とよく揶揄されます。欧米人の文化からは、想像ができない特徴の一つです。

    一方、欧米の指導者達は、日本の指導者、管理者達と異なった努力と苦労を経験しています。それは、個を認めて自由な生活をしている選手達を一つのテイーム、集団にまとめる難しさです。しかし、これは、選手にとって掛け替えのない、「自立、自主性、自己管理、自己責任を学ぶ」への重要な機会と環境なのです。読者の皆さんは、若者にどちらの生活環境を望まれますか。但し、球団と雇用契約にある、外国人選手は、合宿所への入居の有無は自由です。   このような伝統的な生活習慣を幼い頃から強いられてきた若者は、いつ自立心を学び、社会との協調性、社会性を習得できるのでしょうか。

    本BLOGコラムでは、他のテーマで教育機関での実態をご紹介しました。それは、高校生、大学生が「授業は、部活の為の休息の場と捉えて昼寝の時間」としている生徒、学生が多数居る事です(中には、指導者がこのように指導している場合もあります)。

    彼らは、教育から得られる貴重な知識の付与を望んでいないのです。それならば、何故彼らは、高校、大学に高額の授業料を払ってまで入学するのでしょうか。お子さんを持たれている読者の皆さんは、どう感じますか。我が国の教育機関に於ける競技スポーツ活動は、教育の延長線上、一環の筈なのですが、他の目的の為に大人が歪めてしまっているのではと、私は、強く感じてなりません。

     プロ野球選手の自己管理能力の育成は、日々の生活環境に於ける構造的な問題を前向きな姿勢で改善する事が、選手のプロとしての成長に繋がる重要なポイントであると思います。

 球団により管理された選手実態:

  選手にとって、その日常生活は、誰もが憧れるような「個室が与えられ、食事の準備がされ、娯楽室、サウナ、浴室、スイミングプール、トレーニングルーム」と超高級マンション同様な生活です。このような環境が若くして与えられる事で、彼らの自立心を期待する方が間違いなのかも知れません。

 余暇では、選手仲間、時として一部指導者、一部球団職員、等が加わり「賭け事」に乗ずる伝統的な生活習慣が醸成されるのもごく自然の成り行きです。このような環境から、全部でなくとも当然外部の遊戯場へとエスカレートして行く土壌が培養されているのです。選手達は、その行為の良し悪しが理解でき、知識も、自らを律する倫理観も、持ち合わせているとは限らないのです。この特殊な社会構造と生活環境に長年慣れている選手達は、違和感なく、日常生活を営んでいるわけです。

このような環境を与えている球団は、選手達の技術の指導とは別に、1社会人としての一般常識だけでも指導、改善しなければならない事を提案致します。

  各球団には、合宿所規約、ルールが設置され、ある時期が来たら社会での生活を余儀なくさせる事になっています。しかし、これでは、時すでに遅い場合が多いのです。よって、選手達には、自立できていない状態で合宿所から社会に出されるわけです。選手が起こす事件、スキャンダルは、このようなタイミングで多くが発生している場合が多いのも理解できます。この伝統的な生活環境は、今日も断ち切れない問題の温床となっている大きな要因の一つのように思えます。

  多分読者の皆さんは、現実の実態を御存じでないので想像がつかないかも知れません。球団は、高額年俸で契約した選手達を抱えていますが、プロとして契約した時点で「雇用主と個人事業主」の関係なのです。

 雇用主は、個々の選手を1社会人として対等な関係で契約の原理原則に基づき対応して行く勇気と実行力が必要かと思います。選手側には、彼ら個々の知識と理解力に応じた、多種多様な問題が起きるのは当然です。しかし、この失敗を糧に彼らは、多くの重要な問題を自ら解決して行く努力と経験から知恵が醸成されます。

 球団は、合宿所から選手を開放して、1社会人として選手と雇用関係を結ぶ事で、球団の選手管理が集約され、ゲームと育成に集中できる筈です。選手は、プロ契約後、1社会人として、個々の生活環境が確立して初めて、真のプロ選手として扱われる時なのかもしません。

  選手達は、常に高額の契約金、年俸を持っているのでATMに行けば引き出せます。それを狙うジャッカルたちが、内外に潜んでいる事を心して生活して欲しいと願う次第です。また、球団は、元ポリースマンを雇用する事で、形式的な改善を装おうのでなく、如何にして日々の生活の中で実践指導を遂行出来ているか、スキル指導同様に重要な業務だと思います。

  球団は、選手個人の問題として関知しないスタンスであるならば、選手を合宿所から解放する事に真剣に取り組む事をお薦めます。そうする事により、多くの選手達は、自然に社会に対応する能力を自ら会得し、適応力を向上させる為にも一考の余地ありと思います。

この度は、フィールドでの選手育成の基盤となる選手の生活面と環境の視点を広めて述べさせていただきました。本テーマに付きましては、球団の全選手がそうであると申しているのでありません。フィールドに於いても、生活面に於いても、1社会人としての常識を兼ね備えた立派な選手達も居ることを付け加えさせて頂きます。

                      文責:河田弘道 

                      Sportsアドミニストレーター

 

*次回NO.20は、「どうした東京読売巨人軍」の課題とテーマの最終回とさせて頂きます。テーマは、「補強に寄る功罪」、「若い選手が育たない環境、まとめ」、等を予定しています。いつも沢山のコメントメールを頂き有難うございます。

NO.21からは、他の読者の皆さんからの種々のリクエストが既に届いていますので、異なるテーマを取り上げる予定です。

@お知らせ:21日、FacebookTwitterに「私大への公金補助、助成金の情報公開の必要性」をコメント致しました。

@お知らせ:106日、午後18時より、河田弘道のライブトークが企画、予定されています。近日、企画会社より告知が予定されています。

NO.18 河田弘道のプロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍 無断転載禁止

NO18 河田弘道プロ野球の視点:どうした東京読売巨人軍

                                           無断転載禁止

Ⅵ.壊し屋さんへのリスクヘッジ

 1.リスク軽減する為の専門家の導入~

 松井秀喜選手の場合:

    それでは、この壊し屋さんたちの日常の業務を如何にして、その被害から球団の財産を最小限度にくい止めることができるか、例をご紹介しましょう。私が、嘗てジャイアンツのフロント、現場に関係していました時に体験した実例です。

    それは、「松井秀喜選手のケース」です。このケースは、今日までマスメデイアに於いても紹介された事が無かったようです。彼は、ジャイアンツに入団してその年のオフの怪我から、彼が球団を離脱するまでの9年間、彼の身体のメインテナンスとバッテイング、スローイング、等に関する技術指導とコンデイショニングを行って頂いたのは、まぎれもなく市川繁之氏(PTPNFの世界の大家)でありました。「市川氏に付きましては、市川繁之で検索かPNFで検索されると詳しく告知」よって、監督以下コーチングスタッフは、市川氏に松井選手については委ねられていたのです。

   これは、言うまでもなく成果と結果が出るからでした(市川氏は、1994年~97年まで球団との契約、以降、松井選手は、1クライアントとしての関係)。マスメデイアで取り上げられている、同選手の指導者に関する話題とは、全く異なる事を読者は本BLOGで初めて知り驚かれた事でしょう。

     その献身的な情熱と卓越したスポーツ医科学を駆使した理論と実践は、MLB時代の野茂英雄氏、当時のジャイアンツの投手、他現在では、MLBの一線で活躍中の投手、日本プロ野球界で活躍の投手、選手と数えあげれば限がありません。また、過去、現在のオリンピック競技スポーツで活躍し、メダリストの多くは、市川氏のお世話になっているケースが多いのです。

    しかし、日本の競技スポーツ選手達は、自らお世話になっている大切なはずの指導者を公に紹介するという習慣が無いようです。これは、スポーツ選手に必要な礼節の一つが欠けていると私は思います。指導者も生身の人間ですので、公にされる方がモチベーションも高まり、よりインターラクテイブな関係を構築されるのでこの点を改善する必要があると思います。

     日本のスポーツ整形外科医の間では、市川氏を知らない医師はスポーツ整形医ではないとまで言われています。また、市川氏は、一切クライアント(顧客)を売名行為に使用されない方なので、業界以外の方々には、知られていないと思われます。市川氏のクレデイットをさも自分が指導したかの如くマスメデイアに肯定する方々を見聞きするに付けて、スポーツマスメデイアの取材力に一抹の不安と寂しさを感じずにはいられません。

 過酷なトレーニング実態:

    その評価と信頼は、その指導を受けたそれぞれの選手達が一番感謝し、リスペクトしている事でしょう。松井選手に於きましては、遠征から戻った即日に市川氏のクリニックを訪れて、PNFを通しての身体のメンテを受け、その後延々と続くバッテイング練習、一度に必要とする時間は、何と3時間から4時間に及ぶこともしばしばありました。これを松井選手は、根気よく週最低23度、9年間続けた、彼の強い意思、意識と市川氏のプロフェッショナリテイーには、ただただ頭が下がる思いでした。よって、同選手の怪我は、入団一年目のオフの怪我以外、退団するまで松井選手が怪我をして休むなど聞いた記憶が無いのではないでしょうか。

     この9年間の毎回のトレーニング報告書は、松井選手の初年度の怪我から同選手がFAジャイアンツを退団するまで市川氏によって作成されました。市川氏は、本当にこの業界に於いて珍しく律儀で正直な方、私が最初に松井選手をお預け(1994年早春)致して以来、紹介者に対して仕事の成果と結果の報告書を絶やした事は9年間一度もありませんでした。

 松井選手の強い決意と重大決断:

 松井選手は、当時退団を決断し発表した年月日の丁度1年前に、既に巨人軍を退任していました私を訪ねて参りました。 彼は「河田さんのご意見を聞かせて頂きたい、教えて欲しい事があるのでお会いしたい」との事で、市川氏と共に都内の某ホテルでお会いして、会食しながらお話を伺いました。

 そこでは、「松井選手の巨人軍時代に起きた整理、退団の理由、MLBへの夢と現実、退団に対する大義、今後の準備と手順、等々」を確認し合ったのが、今ではつい昨日のような気が致します。

 MLB引退後も当時彼と確認し合った方向性には、ブレも無く全うされている事を大変感心致しております。国民栄誉賞の誘惑にも揺らぐことなく、彼が物事に筋を通す事は、何にも勝る強い信念と強い意思であると信じております。

  当時の打撃コーチの記録では、市川氏のトレーニングを受けた翌日、翌々日の松井選手の打率は、7割を超えていた事が証明されており、PNFによる運動効果と正確さを計る貴重なデータでありました事を、このBLOGでご紹介致します。(Gファイル:長嶋茂雄と黒衣の参謀には、詳述済み、文芸春秋社武田頼政著)

 

2.真の指導者とは、球団の真の救助主~

 本当のプロの指導者とは:

 プロの選手は、ゲームで結果を出せば誰もが認め、誰も非難をしないのです。ユニフォームを着て背番号を付けて居なくても、超一流の指導者が居ることを松井秀喜選手、野茂英雄投手、他の例が成果と結果から証明しています。此のことから、現在ユニフォームを着ているコーチ達が、市川氏のようなスポーツ医科学の専門知識とコンデイショニングの実践スキルを少しでも身に着けて居れば、多くの若手選手達がどれ程救われ、育って行くかを誰もが理解できていないのが問題なのでしょう。

 本球団のコーチングスタッフには、誰もが憧れ、大変興味を持つのも事実です。彼らは、気付かないのでなく気付く為に必要な情報、知識と専門家に学ぼうとする真摯な心と意識が備わっていないのかも知れません。

 市川繁之氏の存在と有効性:

 これは、別の視点で申し上げますと、市川氏のような方が球団に居れば、選手、コーチングスタッフは医科学の必要性とその論理を学べ、医療担当者は野球に必要な医療技術の習得ができるわけです。またスカウテイングとスカウトマン達もスカウテイングのスキルアップや、眼力が養われ、球団にとっては、大きな変革を与えて頂けるでしょう。また、スカウテイングリストの中から、どうしても必要で、欲しい選手のスカウテイングレポートを市川氏のような方に見て頂き、億単位の価値があるかどうか何故見て頂き判断を仰がないのでしょうか。

 私なら選手獲得のリスクヘッジからも、当然見て頂き今後の指導、育成方法に於いても適切な指導を受ける方が、スマートで同時に莫大な経費の削減にも効果を発揮すると考えます。読者の皆さんならどう思考されますか。

  悪例として、1995年秋に球団は、既に8年契約という異常な契約期間と莫大な金額で韓国のスター投手を獲得されていました。趙成珉(ソンミン)投手は、秋の宮崎キャンプで市川PTの身体検査を受けてもらう事にしたのです。その結果、問題を明快に指摘されたレポートを受けた次第です。

 市川氏曰く「球団、監督、投手コーチは、マスメデイアに対して、即戦力の巨人のエースを獲得した、と告知されています。しかし、この投手は、期待されているような活躍は難しいです。テイームは、来季泣きを見る事になり、河田さんの再建ビジョンに支障をきたすと思います。他の信頼できる外国人投手を獲得されておかれた方が賢明です。」とレポートに断言されていたのでした(勿論その原因と根拠を明示)。本レポートの正確性は、その春のオープン戦で先発した趙成珉投手が2回までに大量失点し、3アウトが取れず降板した事がその証の第一弾、その後何度と同投手にはチャンスを与えました。

  このレポートのおかげで、あのバルビーノ・ガルベス投手が入団の機会を得たのです。そして、メイクドラマの主役になったのも事実、市川氏のおかげでした。(Gファイル:長嶋茂雄と黒衣の参謀、で既に紹介済) 

 当時より本球団の補強は、このよう有名で人気がある事を最優先するスカウテイングで、日本選手のFA補強も同様なコンセプトです。よって本年度も旧態依然と変わらぬFA補強でしたので、ファンとテイームに多大な迷惑を掛け、球団経営者には、多大な損失を与えている次第です。これは、プロの有能なスカウトマンが居ないか、最終決断をする責任者にベースボール・アドミニストレーターとしての能力が無かったか、或は、その両方が原因の証であると思えます。

  一日も早く、若い世代の有能なベースボール・アドミニストレーターを育成、醸成され、現代スポーツ医科学を最大限に活用される近代的な球団の環境である事を切に願います。巨人軍の指導方法は、日本の他の競技スポーツ界に多大な影響を及ぼしますので、古い体質の指導方法から脱却し、健全な未来志向への変革(Change)が急務です。その為には、底辺の模範となる機能的システムの構築が急がれると思います。

                      文責:河田弘道

                      Sportsアドミニストレーター

お知らせ:BLOG「どうした東京読売巨人軍NO.18迄予定致しておりましたが、多くの一般読者以外の業界関係者、大学指導者、学生、父母からの要望により、NO.20まで予定致して居ますので、お役に立っていますならこの上ない喜びです。

次回予定:

*次回19回では、「プロの選手としての自立心と自己管理の欠落」、「12軍の指導体制の一貫性と古い指導体制からの脱皮の必要性」。

お知らせ:河田弘道の「ライブトーク106日予定」。