K'sファイルNO.138:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (3) ~東京五輪の誘惑に屈したか輝く太陽~

K'sファイルNO.138:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (3

          ~東京五輪の誘惑に屈したか輝く太陽~

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

筆者からのお知らせ

この度は、NO.138第七弾を持って「政治と政治家達に翻弄される東京五輪」の最終章とさせて頂きます。本章では、東京五輪に関わる五輪関係者達のゲームに巻き込まれ惑わされた「輝く太陽」の姿が、突如表舞台から姿を見かけなくなりました。読者の皆様は、既に気付かれていましたか。この様な時節だからこそ、国民、社会には、この輝く太陽が必要かと思われます。この方こそ、日本の陸上競技スポーツ界のみならず将来を担って行く、行って欲しい可能性を秘めた人物なので、筆者は、この人物には是非スポーツ・アドミニストレイションの本質を社会で実践体験して頂き、真のスポーツ・アドミニストレイターとして自由主義国家に相応しい次世代をリードして頂きたいと切に期待致している次第です。この度は、高い授業料となったかもしれませんが、輝く太陽の視点を変革し是非再度表舞台にあのスマイルを持ち帰って来て欲しいと期待しています。

 

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain


 

目次

K'sファイルNO.138:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (3

          ~東京五輪の誘惑に屈したか輝く太陽~

第七弾:震災復興五輪は政治家の都合よいキャッチコピーか

1.輝く太陽の唐突な変心と変身

東京五輪の誘惑に屈したか輝く太陽

室伏広治氏とは

②肩書は日本社会でのステイタスか

室伏広治氏の不可解な行動と決断

2.水野正人氏に送る

3.震災復興と20東京五輪招致は何処!

4.筆者の素朴な疑問と私見

  宇宙から現実に戻った鉄人室伏

  2019年夏表舞台から姿を消した輝く太陽

 

============================2020年7月23日掲載 

2020東京五輪リマインド・シリーズ(8)         2019-03-21

第七弾:震災復興五輪は政治家の都合よい

              キャッチコピーか

1.輝く太陽の唐突な変心と変身

東京五輪の誘惑に屈したか輝く太陽

読者の皆さんは、「室伏広治」という名前を申し上げますとどの様なイメージが浮かびますでしょうか。陸上競技ハンマー投げ選手、鉄人、五輪、世界陸上大会でのメダリスト、日本人離れした体幹、風貌、等とイメージされるのではないでしょうか。筆者には、ハンマー投げの顔、ミズノMIZUNOの顔、中京大学室伏広治選手の強烈なイメージが焼き付いています。そして、人懐っこい広治スマイル、オリンピックで金メダルに輝いた時には、確か上位選手が薬物違反行為により繰り上げ1位となった時に室伏選手はクリーンなアスリートとしてのイメージを内外に強く印象付けました。そして彼の笑顔、風貌、言動、態度は、自らも「輝く太陽」と言わしめるに相応しい姿でした。

 

室伏広治氏とは

室伏広治氏(Koji Alexander Murofushi)は、1974108日に静岡県沼津市で生まれ、幼少期を愛知県豊田市や米国で過ごし、千葉県成田高校に入学してハンマー投げを始めました。父親は、室伏重信氏で「アジアの鉄人」の異名を持つハンマー投げの名選手でした。母親は、ルーマニアやり投げ選手でした。欧州ジュニア選手権では、優勝経験のあるセラフィナ・モリツさんです。広治氏は、父親の影響を受けて父の職場である大昭和製紙から中京大学1993年に入学。父がコーチを務めての二人三脚でハンマー投げに打ち込んだ姿は人々に感動を与えました。まさに両親の優秀なアスリートとしての遺伝子を受け継いだ、サラブレッドが日本に誕生したのでした。これは、日本の未来のアスリート像を予言するものでした。そしてそれを裏から多くの方々が支え、今日の室伏広治氏があると確信します。勿論、その裏付けとして彼の努力なしには語れないのも事実です

その後、室伏選手は、光り輝く太陽の如く国内競技大会は元より、オリンピック、世界陸上選手権大会と破竹の勢いでメダルに輝き、日の丸を競技会場に掲げてきたのは、皆さんもご承知の通りです。しかし、彼にもアスリートとしての終演が訪れ、20166月の日本選手権大会を最後に競技者引退の意向を表明したのでした。お疲れ様でした。

 

②肩書は日本社会のステイタスか

この頃から彼の人生には、大きな転機が訪れようとしていたのかも知れません。

それは、アスリートとしてより名誉職的な肩書を次から次へと背負い込む事が多く成りだしたようです。日本陸上競技連盟JAAF)の理事として、それに伴うJOC日本陸連代表理事に就任、そして2016東京五輪招致委員会の理事に名を連ねる事になったのです。また、2020東京五輪組織委員会TOCOG)の発足と同時に委員会の中枢を担うチャートに、スポーツ局長としての席が与えられ、現在のスポーツ・デイレクターという要職を、補佐を付けて業務を遂行されているようです。本来、TOCOG東京五輪組織委員会)に何故スポーツ局長なるポジションが必要なのか、どのような職務、責務と組織委員会は位置付けているか情報公開されないのです。

選手生活以外、殆ど学ぶ機会及びキャリアを持っていなかった為に専門分野以外の重責は、大変なことと推測されます。しかし、彼は、全て引き受けてしまったのでした。彼の実質的な業務は、情報公開されないので知る由もありません。

日本社会では、メダリストはオールマイテイーで何でもできると自身も安易な思考があったのかも知れません。はたまた招聘側は、彼を広告塔として利用する目的であったのかも知れません。昨日までアスリートとしての競技生活のみに従事して来た選手に対して、今日からトップマネージメント能力が要求される肩書を渡すことは、渡す組織委員会側も無責任、且つ心配ではあったのでしょう。その証として室伏氏の補佐としてスポーツ局長時には、スポーツ用品メーカー(ASICS社)のベテラン重鎮を付けられ、またスポーツ・デレクター就任後は、省庁からの役人を補佐として付けている事からも実質は有名アスリートを起用した広報としてのポジションだったのかも知れません。このような一部人事を覗いても、本TOCOGは、人件費を湯水のように使っている様子が伺えるかと思われます。

 

室伏広治氏の不可解な行動と決断

中京大学時代から物心両面でサポートして頂いていたのはまぎれもない「ミズノ株式会社」でした。大学卒業後は、大学院に通いながらの選手生活に於いてもミズノ株式会社の社員として長く役員待遇まで受けて来られたようです。

ミズノスポーツは、たぶん商品価値の高いアスリートとしてのみならず、社員として将来の幹部候補生として長期に渡り育てられてきたのでないかと推測致します。社内に於いては、輝く太陽のような扱いを受け、特別扱いをされて来られた様子が目に浮かびます

室伏氏は、長くお世話になった中京大学に別れを告げて東京医科歯科大学(国立大学)の教授にいきなり就任されました。日本の大学教育機関においては、教授職に課せられる業務は通常週最低7コマの授業とゼミ演習、及び研究課題が課せられています。特に国立大学の教授職は、いわば外部での活動は特に制限がされている筈です。本来大学の要職業務を遂行するだけでも教授職は、時間が足りないのです。現在の大学との約束された職責、責務は存じ上げませんが、筆者は、学内外のパーテイーでの席での講演スピーチが主体な広告塔としての室伏広治氏であって欲しくないと願う次第です。まさか国立大学教授に特別業務枠が設けられているとは考えられません。

東京五輪に於いては16東京五輪招致委員会の理事に就任し、IOCに於いてはアスリート委員選挙に3度立候補しましたが、当選を逃しました。選挙活動違反で当選が無効になった時には、自身によるマネージメント力が欠けている事に気付かなかったのかも知れません。その後、20東京五輪招致委員会では理事を外され、日本陸上競技連盟の理事として、また陸連の代表理事としてJOCの理事として在籍しています

20東京五輪組織委会が設立された時には、組織委員会のチャートのスポーツ局長(実質の職責、責務は不明)としての位置付けで迎えられたのでした。丁度このような時期を前後して彼の身辺に異変が起きていたのでしょうか

思えば、中京大学時代から今日までの長きに渡り、ミズノ株式会社の役員待遇社員として物心ともに支えてもらった会社、そして水野正人氏に別れを告げる日がやってくるとは、誰が予期、想像したでしょうか。多分ミズノ社員達は、驚嘆した事でしょう

 

2水野正人氏に送る

水野氏は、2020東京五輪招致委員会に於いて自らの信念と情熱を持ち、勝利に向かって全力を注がれました。その貴殿が組織委員会JOCに居ないのはさぞや無念な事でしょう。また手塩に掛けて自ら優秀なアスリートをサポートされましたが、本人の意思で去って行きました。しかし、信念はぶれることなく、日本のスポーツ界のために私利私欲にまみれることなく、全力で戦われたその姿に対し、日本のアスリート達は2020東京五輪で自国開催の誇りを胸に戦ってくれる事と確信します。お疲れ様でした。貴社の次世代の社員達、貴社のサポートを受けている多くのアスリート達は、貴殿のオリンピックに対する情熱と信念をきっとこれからもキャリーしてくれることでしょう。政治家との巡り合わせでこの度は、貴殿の本懐を遂げる事が出来ませんでしたが、貴殿の誠実な信念は永遠に消える事はないと確信します。ミズノスポーツは、日本スポーツ界に於いていつまでも不滅で在って欲しいと願います。

 

3.震災復興と20東京五輪招致は何処に!

東京五輪招致プロゼクトを掲げるに当たっては、震災復興の為の招致として声高らかに御旗を掲げたはずでした。読者の皆様は、まだ鮮明に記憶されている事と思われます。今日の本プロゼクトは、震災復興を唱える関係者も居なくなりました。K’sファイルに於いて色んな出来事を述べて参りましたが、筆者が事あるごとに述べさせて頂いて来ていますのは、20東京五輪のプロゼクト及び経営、運営、管理方式が1984年のロス五輪方式であったなら、今日尚震災、災害で苦しまれている多くの先が見えない人々に対して、オリンピックで得た資金及びチャリテイーイベントでどれ程の被災者達の苦しみ、苦痛に手を差し伸べることができるかはかり知れません

既にK’sファイルで述べさせて頂きましたように、国内スポンサーに於いては、1業種2社の特例をIOCから受け最終的には、約3200億円以上の収入を民間企業から組織委員会は確保する予定です。莫大な公金(血税)を投入した揚げ句に、さらにこの特例を活用しての資金集めをしている事からも、今からでも間に合うので、この民間企業から得た収入を現在、今尚苦しんでいる震災者達に何故還元する声を誰も挙げようとしないのか此れこそが政治家達の使命であり評議会、理事会関係者達の義務ではないのでしょうか。しかし、何とこの五輪の余剰金と称する裏金を関係者は、東京五輪後の自らの活動資金のために伝統的な組織団体にプルールすることを画策しているとの話が既に一部マスメデイアを通して流布しているとは何処まで東京五輪から利権をせしめれば気が済むのでしょうか。

筆者にはそのことがとても嘆かわしく感じられ、組織委員会の委員の方達には、人としてすべき共存共栄の精神に立ち返って欲しいと強く願う次第です

 

4.筆者の素朴な疑問と私見

K'sファイルNO.136137138のキーワーズは、二つだと思われます。

その一つは2020東京五輪のスポーツ用品カテゴリーのオフィシャルサプライアー権(東京五輪公式スポンサー権)が、株式会社アシックスに決定した事。二つ目は、あれほど長きに渡り物心ともにお世話になったミズノ株式会社の室伏広治氏が突然、それもいとも簡単に自らの手で会社に辞表を提出した事です

読者の皆さんは、このような事を存じ上げないのも無理からぬことです。この件に付きましては、当時小さく報道されていたような記憶があります。マスメデイアは、何故か報道する興味を持たれなかったようでした。まさか、マスメデイアの複数社は、東京五輪のスポンサーになっているので組織委員会への忖度があったとは考えすぎでしょうか。本来、マスメデイアは、東京五輪組織委員会の運営、管理者に対するモラルを正す役目と使命をも担っている筈なのですが・・・。

筆者の視点は、この二つのキーワーズが互いにリンクしていたのは疑う余地がありません。即ち、オフィシャルサプライアー権(東京五輪の公式スポンサー権)の判断・決断、指名権を持っているのは、組織委の最高責任者の森喜朗氏であり、ミズノ株式会社に辞表を出す判断・決断をしたのは、室伏氏本人です。

室伏氏がミズノ株式会社に辞表を提出したのは、組織委のオフィシャルサプライアーが決まった後でした。よって、同氏の判断・決断は、本件に深く関わりがあったと思われても自然な成り行きかも知れません。

その証しは、その後の室伏氏の行動により明確になるのでした。それは、室伏氏が何とミズノ株式会社に辞表を提出し、受理された後、同氏は、返す刀で株式会社アシックスと契約をして自らの看板を掛け代えた事実でしたこの時点では、室伏氏は既にアスリートを引退した後なのでアシックス社と契約する意味は何だったのでしょうか

これに対する自身の説明もなく、ミズノ株式会社に対する感謝の謝辞も見当たらなかったと記憶しています。この時、彼に誰も諭されなかったのか、聞く耳を持たなかったのかは不明です。

宇宙から現実に戻った鉄人室伏

筆者の本件の素朴な疑問は、何故このような行為が簡単に彼には出来たのかという疑問です。勿論、同氏には、発言及びそれに伴う行動とその規範の自由が担保されています。筆者は、誤解を恐れず幾つかの疑問を項目別に挙げてみました。

1.所属先のミズノスポーツ及びCEO水野正人氏は、負け組になったからか。

2.現在の2020組織委のスポーツ・デイレクター(当時はスポーツ局長)の要職に居たいのならば、看板を掛け代えろと強い圧力が掛かって追い込まれたのか。

3.TOCOGの役員でありながらミズノ製品は身に着けられなかったからか。

4.自身の周りの環境が急変し、自分は、「何があっても目先の東京五輪のスポーツ局長のポジションは失いたくない」との思いが優先してしまったが為にコンセプチュアル(大局的)な判断が欠落していたのか。

しかし、後にこのポジションは失い、デイレクターの肩書に変更となった。

筆者は、以上が素朴に頭に浮かんだ室伏氏の心中ではなかったかと推測する次第です。これらは、彼の周りの状況と環境を鑑みてどれも当を得た疑問ではないでしょうか。

ここで見逃してはならない重要なポイントは、もし筆者の素朴な疑問の23.項目がミズノ退社の要因であったならば、これはまさしく現在我が国のスポーツ界に於いて社会問題となっている「ハラスメント行為」が組織委員会の内部人事で起きた由々しい出来事なのではないかと思う次第ですしかし、筆者は、室伏氏にこのような理不尽な環境、関係者に対して彼自身毅然とした態度で「NO」と返す選択肢を持たなかった事が残念でなりません。彼は、宇宙人ではなく煩悩を持った1地球人であったと言う事なのかも知れません。

残念ながら室伏氏が長年物心共にお世話になったミズノ株式会社に突然辞表を出し、ミズノスポーツの室伏広治氏として社会にファンにも何の説明も無いのは、礼節を欠いた、誠に筋の通らない行いと思われても仕方のない行為であります。室伏選手は、アスリートとしてクリーンなイメージであったので、是非社会人としてのクリーンな室伏氏を貫いて欲しかったと願うのは筆者だけでしょうか。将来、JOCの会長の玉座に対外的にも鎮座して欲しい1人なので、社会に於いても信頼できる人物である事を切に願う次第です

2019年夏表舞台から姿を消した輝く太陽

これは、筆者の私見としてお聞き頂ければ幸いです。

室伏広治氏は、自身の中で、「現在の自分の本業は何か」という本質を明確にして欲しいという事です。室伏氏の心の中には、何時までも輝く太陽で在り続けたいとする過去の栄光から抜け出せないでいる自分が居るのかも知れません。これらの現象は、嘗てのプロ野球のスーパースター選手によく見受けられます

筆者は、日本社会に於いて日本人として室伏氏がミズノ株式会社と縁を切り、ライバル企業のアシックス社と契約した事の重大さを十分熟知し、思慮分別あっての行動とは思えませんでした。なぜならば、彼自身には、その判断をするに十分な社会的な知識と経験が足りなかったと思うからです。ミズノ株式会社を去って彼に残ったのは、組織委員会の理事、評議委員ではなくスポーツ局長(意味不明なStatus)とは大会の1広報・渉外担当者のように思えてならないのです。

朝日新聞朝刊(2019313掲載)の記事には、某トーク・セッションで、室伏氏は、「スポーツの裏にこそ大切なものがある」と講演されたようです。彼には、何が本当に大切なものに見えていたのでしょうか

同氏は、これからの長い人生の中でこの度の判断と決断がどうだったのかの答えを得る時が来ると思います。彼は、政治家ではありませんので誠実にそして正直な人生を歩んで行って欲しいと願う次第です。筆者は、いつも個人的に応援しています。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

お知らせ:

本シリーズは、第一弾から第七弾まで掲載させて頂きました。読者の皆様には、何も知らなかった方が良かった、と呟かれている方も居らっしゃる事でしょう。

次回、K’sファイルは、クリーンな招致活動でフェアーな五輪開催に成功した例を「リマインド」として再公開させて頂く予定です。これは、また、広告代理店「電通がスポーツ電通」として世界にパワーを轟かせる「礎」となった五輪ビジネスであります。スポーツ電通の本質を学ぶ機会になるかも知れません

K'sファイルNO.137:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (2)

K'sファイルNO.137:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

読者からの便り

K'sファイルNO.136、拝読致しました。先生の各ブログを拝読しなければ水野正人氏と言う人物について殆ど存じませんでしたが五輪招致において陰の立て役者と言われる存在が判りました。調べてみると氏は英語が堪能で若い頃から世界で商談をまとめる為独学でフランス語やスペイン語をマスターしたと言うバイタリティー溢れる人物との事。JOCの副会長として2011年に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会事務総長に就任するも陰で足を引っ張られる様な工作もされていた様で「大木は風に折られる」と言った所でしょうか。先生が御指摘されている水野氏自らと会社重鎮の対応の甘さについて、もし先生が先立って氏にアドバイスする事が出来ていましたなら、事態は変化していたのかも知れないと思われます。ここ数日は涼しい日々が続いており過ごし易いですがまもなく高温多湿の日々となる事と思われますので呉々もお身体を損なわれない様お気を付け下さい。それでは失礼致します。読者より

 

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain

 

目次

読者からの便り

2020東京五輪リマインド・シリーズ(7) 

第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織委員会設立

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える! 

先ず初めに

①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック組織委員会役員名簿

   役員理事 (2018年11月28日現在

      新役員改正名簿発表(2020年6月12日現在

IOCスポンサーと国内スポンサーとは

④国内五輪協賛スポンサーに本命アシックスがくる

森喜朗会長の言行不一致を黙認する関係者、マスメデイアの不思議 

 

======================================================= 2020年7月9日   木曜日 公開

2020東京五輪リマインド・シリーズ(7) 2019-03-14

第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織

    委員会設立

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える!

先ず初めに

前回のK’sファイルNO.136では、2020東京五輪招致の勝利報告、それに伴う20東京五輪組織委に絡む人事抗争の一環に於いて、招致委員会で活躍され、誰もが次なる東京五輪組織委での活躍を期待した水野正人氏(当時:20東京五輪招致委員会、副理事長、事務総長、専務理事、JOC副会長)が、突然の退場勧告を受けた模様について述べました。

そして、同氏は、その後全ての役職から姿を消し、JOCの副会長のポジションも退任された次第です。当時よりJOC会長で招致委員会の理事長として、水野氏と両輪で闘ってきた竹田恒和氏は、何故水野氏を擁護されなかったのでしょうか

それは、同氏にその力がなかったか。或いは、自身のポジションを守るのに精一杯で事の次第を見て見ぬふりをされたのかも知れません。まさか、この時竹田氏は、今日の20東京五輪招致に関する疑惑の矢が自らに向けられてくるとは思いもしなかったのかも知れません。此れが事実ならば、長年何故JOCの補佐役理事達は、適切なアドバイスをなされて来なかったのでしょうか、JOCの理事達がこのようなレベルの集団である事が残念でなりません。

この度の招致活動の旗振り役は、当初東京都知事だった石原慎太郎氏であり、次に猪瀬直樹氏、さらに舛添要一氏へとバトンが引き継がれて行きました。しかし、どの知事も同様な問題を抱えた方々であった為に職を追われる結果となりました。そして、献身的に活動された企業家の水野氏も姿を消し、竹田氏もまた実質は招致疑惑の責任を問われ、JOC会長職の任期延長を担保していたにも関わらず退場を余儀なくされたのです。

筆者は、竹田氏に付きましてはあくまで疑惑で在り「黒」と断定された訳でないので、自らの手で疑惑を晴らす為にも延長期間を全うされるべきであったと思う次第です。此れでは、本人自らが黒と認めた事を意味すると思われますが、如何でしょうか。(本件は、今日も尚フランス検察当局は捜査を継続しています)

此処に負け組の顔触れは、略出そろった事になるのでしょうか。しかし、国会議員、都議会議員達は、この時期賑やかに飛鳴していた海鳥が巣に戻ったが如く鳴き声一つしなくなったのもこれまた政治家の処世術の一つなのかも知れません。そのような不穏な空気が淀む中、20東京五輪組織委員会の設立に向かっての人事、予算案、協賛スポンサーシップ、等の作業が準備会議を中心に粛々と進行されて行くのでした。

①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(略称:TOCOG、The Tokyo Organizing Committee of the Olympic and Paralympic Games,2020東京五輪組織委)は、2014年1月24日に発足し、2015年1月1日付で公益財団法人となりました。此処で読者の皆様は、本組織委員会が公益財団法人である事をしっかりと記憶して於いて頂ければ幸いです。

20東京五輪組織委会長には、森喜朗(元内閣総理大臣、元文部大臣)が就任し、副会長には、何と現役衆議院議員遠藤利明が就任されたのです。それでは、政府に居る五輪担当大臣の桜田義孝は何をする為の大臣で、遠藤氏は何のための衆議院議員なのかこれでは、政治家による政治家の為の東京五輪である事を証明し、歴史にレガシーとして刻んだ事を意味すると筆者はスポーツ・アドミニストレイターとして申し上げます

そして事務方のトップには、事務総長として武藤敏郎氏(元日本銀行副総裁、現大和総研名誉理事)が就任したのですまた、理事には、複数の国会議員が顔を揃えています。しかし、16年招致委員会で失敗した事務総長の河野一郎氏が副会長に入り、20年招致委員会で勝利した事務総長、専務理事、副理事長、JOC副会長の水野正人は、場外退場を言い渡されたのですこれは、本来ならばスポーツ・アドミニストレイターが行うフェアーな人事ではありません。本件に付いては、一切の情報公開は成されていないのでないかと思われます。読者の皆様は、このような密室での人事が成された理由をご存知でしょうか。まさにこれは日本の政界の総理総裁、閣僚人事の伝統的な人事手法そのもので、スポーツ界に於いてはこの手法は決してやってはならない手法の一つであります。

此れはまさに自民党派閥人事手法をそのまま東京五輪組織員会に持ち込んだだけの様です。この様な大規模な公益財団法人の人事は、本来であれば許認可権を持つ内閣府文科省スポーツ庁が審査時に精査、指導を行う責務があるのですが、出来ない理由は何だったのでしょうか。それは、文科大臣、スポーツ庁長官、等国会議員(文教族と言われる)で理事兼役員を固めてしまっている事に起因しているのかも知れません。

此れだけ国会議員、政治家達がオリンピックというスポーツの祭典の組織、団体に直接的に介入した例が嘗てあったでしょうか。此のことは、置き換えれば国内の各競技団体(NGB)には、強い求心力のあるリーダー達が不在である事を物語っているのかも知れません。

此れもレガシーを第一にする東京五輪の特徴の一つとして東京五輪史に多くの政治家名が刻まれる事でしょう。

派閥のボスにやりたい放題をさせて、これに対する反対、反論する立場の人間が誰ひとりとして居ない事の方が重大問題の我が国のスポーツ界の実情ではないかと思われます。そして委員会の役員の皆さんは、皆本業から生活の糧を得、組織委員会からも莫大な報酬を受け、諸経費も付帯され、バランテイアー活動者の顔をした高額所得者なのです。日本には、真のバランテイアーの文化が育たないのはこのあたりに起因しているように思えてなりません。公益財団法人は、本来なら法人役員全員の報酬、諸経費、等に付いて全て定期的に公開する義務と責務があるのではないでしょうか。それは、国民と社会に対してバランテイアーでない事を示し、責任の所在を明確にする事となるのです。

また、2014年4月17日に組織委員会は、国内の協賛企業獲得を行なうマーケティング専任代理店に株式会社電通(略:電通)を指名しました。そして、電通の代理として高橋治之氏(元電通専務、現株式会社コモンズ代表取締役会長)を組織委員会理事として迎え入れたのです

此処で森喜朗氏は、自身の手で人事のお披露目をした次第です。その後、複数の理事等の交代が在りました。本公益財団法人の理事、役員、評議員達は、どのような理由で推薦され任命されたのかの情報公開も確かされなかったように思います。公益法人の役員達は、国民、社会に貢献、還元できる人物なのか、出来るかが選考基準の根幹を成すのですが、残念ながら本役員の中には意味不明の役員がそれも大挙して名を連ねているように思われます

 また、下記の東京五輪組織委員会の役員、理事達の人事が略定期的に短期間で役員が交代している様子が伺えます。これらの殆どが国会議員、政治家達でありこれらは、派閥の議員に一人でも多く東京五輪に関わった証としての肩書を付与させようとする親心の様です。この様な事には、抜け目がないのは、政治家所以なのかも知れません。これも政治家達へのレガシーなのでしょうか。

 

②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック

 組織委員会(TOCOG)

役員名簿 役員理事 (2018年11月28日現在)

■名誉会長 御手洗 冨士夫

一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長

キヤノン株式会社代表取締役会長CEO 

■会長   森 喜朗

内閣総理大臣 元文部大臣

公益財団法人日本スポーツ協会最高顧問   

■副会長  遠藤 利明

衆議院議員 元東京五輪担当相、元文科副大臣、元自民党幹事長代理

2020年東京オリンピックパラリンピック大会推進議員連盟幹事長

公益財団法人日本スポーツ協会副会長

■津賀 一宏 パナソニック株式会社代表取締役社長

■河野 一郎 公益財団法人日本オリンピック委員会JOC理事、2016年東京五輪招致

       委員会 理事兼事務総長。2020年東京五輪招致委員会理事、組織委会 

       副会長。一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター

       理事長。日本ラグビーフットボール協会元理事。元・独立行政法人日本

       スポーツ振興センター(JSC)理事長。 

       公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構理事長   

■竹田 恆和 国際オリンピック委員会委員 公益財団法人日本オリンピック委員会

       会長JOC     

■山脇 康  国際パラリンピック委員会理事 公益財団法人日本障がい者スポーツ協

       会 日本パラリンピック委員会委員長        

■猪熊 純子 東京都副知事                 

■専務理事(事務総長)武藤 敏郎 株式会社大和総研名誉理事         

■常務理事(副事務総長)布村 幸彦 元文部科学省スポーツ・青少年局

■常務理事 平岡 英介 公益財団法人日本オリンピック委員会副会長兼専務理事

            JOC 

理事

作詞家                      秋元 康

麻生セメント株式会社代表取締役会長        麻生 泰

公益財団法人日本オリンピック委員会理事JOC    荒木田 裕子

公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事   泉 正文

東京都オリンピック・パラリピック準備局長     潮田 勉

福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長

一般財団法人世界少年野球推進財団理事長      王 貞治

日本政府代表 中東和平担当特使          河野 雅治

東京都議会議員                  小山 くにひこ

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長JOC   齋藤 泰雄

スポーツ庁長官                  鈴木 大地

■東京都議会議員                  髙島 なおき

■株式会社コモンズ代表取締役会長         高橋 治之

オリンピアン(体操)               田中 理恵

オリンピアン(柔道)               谷本 歩実

トヨタ紡織株式会社取締役会長           豊田 周平

公益財団法人日本障がい者スポーツ協会       中森 邦男

日本パラリンピック委員会事務局長        

パラリンピアン(水泳)              成田 真由美

写真家 映画監督                 蜷川 実花

衆議院議員                   萩生田 光一

2020年東京オリンピックパラリンピック大会 文科大臣

推進議員連盟幹事長代理            

参議院議員                   橋本 聖子

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長JOC 東京五輪担当相

■東京都議会議員                  東村 邦浩

公益社団法人関西経済連合会会長          松本 正義

住友電気工業株式会社取締役会長

近畿陸上競技協会副会長

公益財団法人日本陸上競技連盟評議員

一般財団法人大阪陸上競技協会会長        

公益財団法人日本スポーツ協会常務理事      ヨーコ ゼッターランド

公益財団法人日本陸上競技連盟会長        横川 浩

国際オリンピック委員会委員           渡邉 守成

国際体操連盟会長                

監事

公益財団法人日本オリンピック委員会監事JOC   黒川 光隆

東京都会計管理局長               土渕 裕

 評議員 名簿

https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/structure/councillor/

≚==================================================

新役員改正名簿発表(2020年6月12日現在)

■新役員改正に於いては新旧交代か新たに推薦、任命された役員

■名誉会長 御手洗 冨士夫

      一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長

      キヤノン株式会社代表取締役会長兼社長CEO  

■会長   森 喜朗

      元内閣総理大臣 元文部大臣

      公益財団法人日本スポーツ協会最高顧問          

■副会長   遠藤 利明

      衆議院議員、元東京五輪

      2020年東京オリンピックパラリンピック大会推進議員連盟幹事長

      公益財団法人日本スポーツ協会副会長  

■     津賀 一宏

      パナソニック株式会社代表取締役社長  

■     河野 一郎

      公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構理事     

■     山下 泰裕 

      国際オリンピック委員会委員

      公益財団法人日本オリンピック委員会会長JOC

      国際柔道連盟理事    

■     山脇 康

      国際パラリンピック委員会理事

      公益財団法人日本障がい者スポーツ協会理事

■     多羅尾 光睦

      東京都副知事   

■     武藤 敏郎

      専務理事(事務総長)

      株式会社大和総研名誉理事     

■     布村 幸彦

      常務理事(副事務総長)

      元文部科学省スポーツ・青少年局

■     福井 烈

    常務理事

      公益財団法人日本オリンピック委員会専務理事JOC

■理事

作詞家    秋元 康

麻生セメント株式会社代表取締役会長         麻生 泰

国際オリンピック委員会オリンピックプログラム委員会委 荒木田 裕子

公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事    泉 正文

東京都オリンピック・パラリンピック準備局長       潮田 勉

福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長

一般財団法人世界少年野球推進財団理事長    王 貞治

日本政府代表

中東和平担当特使 河野 雅治

■東京都議会議員        小山 くにひこ

スポーツ庁長官        鈴木 大地

■東京都議会議員        髙島 なおき

■高橋 治之

株式会社コモンズ代表取締役会長、元電通専務取締役 

■田嶋 幸三

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長

公益財団法人日本サッカー協会会長

国際サッカー連盟カウンシルメンバー   

オリンピアン(体操)           田中 理恵

オリンピアン(柔道)           谷本 歩実

トヨタ紡織株式会社取締役会長        豊田 周平

公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会参事中森 邦男

パラリンピアン(水泳)       成田 真由美

写真家 映画監督      蜷川 実花

■馳 浩 

衆議院議員、元文科副大臣、元日体大理事、元文科大臣

■東京都議会議員      東村 邦浩

公益社団法人関西経済連合会会長

住友電気工業株式会社取締役会長

近畿陸上競技協会副会長

公益財団法人日本陸上競技連盟評議員

一般財団法人大阪陸上競技協会会長  松本 正義

■丸川 珠代 

衆議院議員、前東京五輪

公益財団法人日本スポーツ協会常務理事      ヨーコ ゼッターランド

公益財団法人日本陸上競技連盟会長  横川 浩

国際オリンピック委員会委員  渡邉 守成

国際体操連盟会長     

監事

公益財団法人日本オリンピック委員会監事/弁護士   塗師 純子

東京都会計管理局長   佐藤 敦

 

IOCスポンサーと国内スポンサーとは

IOCのスポンサーシップに関する規定では、1985年から新しい規約、規定が設けられました。それらは、IOCの協賛スポンサーとして最高位(TOP)のスポンサー価値を意味するものです

その為には、一業種一社方式、即ちIOCのスポンサーに成れるのは、例えば自動車メーカーを選ぶ場合、1メーカーを選定すると他の自動車メーカーはスポンサーには成り得ない事を意味するのです。これは、IOCのTOP(The Olympic Partners)と称される所以なのですこれにより、IOCは、協賛スポンサーをリスペクトすると共にIOCの唯一のスポンサーとしての評価価値を最高位に維持する事を目的としているわけです

開催国の組織委が獲得できる国内に限るスポンサー権は、これまたIOCのスポンサーの一業種一社のコンセプトに基づいたスポンサーであり、IOCのスポンサーの評価価値を下げない事が明記されていますしかし、この度国内に於ける大会スポンサー契約は、これまでのIOCのコンセプトの慣例を破る「一業種2」の契約が特例として認められたのです。マーケテイング担当者の発表では、2015年4月の時点で目標収入額の1500億円を突破したとの事でした。そこで、契約枠には、1社150億円以上の契約金の設定が新たに設けられたのです。

本国内スポンサー契約に関しては、2019年2月19日の朝日新聞朝刊に寄りますと、現在3200億円のスポンサー収入を見込んでいるとの事で、これも広告代理店電通の力によりIOCの慣例を特例にした様子が伺えますまた、この朝刊記事によると、大会組織委会長の森氏の記者会見では、森氏が両脇に日本航空JAL)社長と全日空ANA)社長を従え「こうやって仲良くね。オールジャパンの象徴だ」と得意満面な笑顔でしたが、このお方にはスポーツマンシップが必要な環境、組織には似合わないと思うのは筆者だけでしょうか。これは、代理店電通にとっても莫大な手数料が入るのでこの上ないIOCの慣例破りとなった次第です

この森氏の得意満面な笑顔を読者の皆さんは、記憶の片隅に置いておいて頂ければ、同氏の政治家論理が言行不一致である事が後に明らかになるのです

この特例は、IOCがよく許可をしたと筆者は驚いている次第です。何故ならば、IOCの商品価値を低下させ、IOCのTOP精神を否定する事に繋がるからです。これは、IOCのパートナーであり、組織委員会のマーケテイングパートナーである電通の力がIOCを動かした事に繋がるのです。しかし、これによりIOCの商品価値が崩れ出した第一歩となる気配が漂い始めたと申し上げても過言でありません。今後のIOCのビジネスコンセプトに禍根を残すことになりそうです。

 

④国内五輪協賛スポンサーに本命「アシックスがくる」

ここで日本を代表する選手達、役員達が使用する公式ユニフォーム、開閉会式に使用される公式ブレザー、シューズ、等のスポーツ用品・スポンサーサプライアー権の指名が行われたのです。その内容に付いては、明らかにされていませんがどうも最終的に国内2社(ミズノ、アシックス)が競合し、最終的に組織委は、20東京五輪のスポーツ用品のオフィシャルスポンサーサプライアーとして、株式会社アシックス(略:アシックス=ASICSを指名したのです

これでスポーツ用品部門のカテゴリーは、ASICSとなったのでした。しかし、本入札の詳細に付いての情報公開は、勿論なされていないのです。聴こえてくるのは、2社の中でアシックス社の提示価格がミズノ社を上回ったという噂が流布されているだけで、真実はこれまた闇の中です。

これにより、大会の国内スポンサーの最高位(ゴールドパートナー)の中で、唯一のスポーツ用品メーカーがアシックス(ASICS)と決定したのです。

アシックスは、既に創業者の鬼塚喜八郎氏の生誕100周年記念で、アシックス会長兼CEO(最高経営者)の尾山基氏は、本オリンピック開催でのスポンサーとなる事は創業者、鬼塚喜八郎氏の夢・悲願であったかに歓喜極まる中で挨拶されたかに聞き及んでおります。悲願の夢が創業者にとっても、会社・企業にとってもかなった事に対して、筆者は心よりお喜び申し上げます。

しかし、これは、ミズノ株式会社の創業者にとっても同じことであったようです。

 

森喜朗会長の言行不一致を黙認する関係者、マスメデイアの不思議

本件に関しては、本ファイルの「③IOCスポンサーと組織委スポンサーとは」に於いて述べさせて頂きました。本国内協賛・スポンサーに付きましては、IOC電通の協力により特例として1業種2社枠が設けられ、組織委設置後多くの協賛を得ているのは、既にご紹介致しました。そして、その中で森氏は、1業種2社のスポンサーを従えて記者会見を行いました。森氏は、「こうやって仲良くね。オールジャパンの象徴だ」と得意満面な笑顔を既にK’sファイルでは、朝刊から引用させて頂き、ご紹介しましたので読者の皆さんは御記憶にあるかと思います。

それでは何故この度は、このようなスポンサー規定が1業種2社の方向に当初より動いていた事を承知しながら、長年日本スポーツ界の屋台骨に尽力し、支えて来られたスポーツ用品メーカー2社のアシックス社とミズノ社に対して差別的な振る舞いをされたのか何故JALANA同様に仲良く協力したスポンサー契約を図れなかったのかと筆者は、大会組織委会長の矛盾した裁定(言行不一致)に何か不純でどす黒い政治家としての深層心理を感じざるを得ないのです。これには、森会長と尾山アシックス会長兼CEOが石川県金沢の同郷であった事が関係しているのではとの噂までが業界で流布している所以なのかも知れません。此れは、まさに片手落ち裁定だったと残念ながら申し添えさせて頂きます。

このような裁定では、日本国民が納得しないまでもなく、オリンピックの祭典を司る東京五輪組織委員会として何とも筋の通らない一貫性が欠落した論理が罷り通るようではスポーツ・アドミニストレイションの根幹に欠陥があったのでないかと思わざるを得ませんが、読者の皆様は如何でしょうか。

また、筆者は、これでは選ばれた株式会社アシックスに対しても何か傷を付けたような印象を与えてしまったような気がしてなりません。この事に関連して、また新たなる被害者が出現か。

 

文責:河田 弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

お知らせ:第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織委「1.20東京五輪からミズノスポーツが消えた」は、長編となりましたので、今週は、此処までとさせて頂き次週NO.138は、第七弾で続編を掲載させて頂きますのでご了承下さい。

K'sファイルNO.137:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

読者からの便り

K'sファイルNO.136、拝読致しました。

先生の各ブログを拝読しなければ水野正人氏と言う人物について殆ど存じませんでしたが五輪招致において陰の立て役者と言われる存在が判りました。調べてみると氏は英語が堪能で若い頃から世界で商談をまとめる為独学でフランス語やスペイン語をマスターしたと言うバイタリティー溢れる人物との事。JOCの副会長として2011年に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会事務総長に就任するも陰で足を引っ張られる様な工作もされていた様で「大木は風に折られる」と言った所でしょうか。先生が御指摘されている水野氏自らと会社重鎮の対応の甘さについて、もし先生が先立って氏にアドバイスする事が出来ていましたなら、事態は変化していたのかも知れないと思われます。ここ数日は涼しい日々が続いており過ごし易いですがまもなく高温多湿の日々となる事と思われますので呉々もお身体を損なわれない様お気を付け下さい。それでは失礼致します。読者より

 

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain

 

目次

読者からの便り

2020東京五輪リマインド・シリーズ(7) 

第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織委員会設立

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える! 

先ず初めに

①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック組織委員会役員名簿

   役員理事 (2018年11月28日現在

      新役員改正名簿発表(2020年6月12日現在

IOCスポンサーと国内スポンサーとは

④国内五輪協賛スポンサーに本命アシックスがくる

森喜朗会長の言行不一致を黙認する関係者、マスメデイアの不思議 

 

======================================================= 2020年7月9日   木曜日 公開

2020東京五輪リマインド・シリーズ(7) 2019-03-14

第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織

    委員会設立

1.2020東京五輪からミズノスポーツが消える!

先ず初めに

前回のK’sファイルNO.136では、2020東京五輪招致の勝利報告、それに伴う20東京五輪組織委に絡む人事抗争の一環に於いて、招致委員会で活躍され、誰もが次なる東京五輪組織委での活躍を期待した水野正人氏(当時:20東京五輪招致委員会、副理事長、事務総長、専務理事、JOC副会長)が、突然の退場勧告を受けた模様について述べました。

そして、同氏は、その後全ての役職から姿を消し、JOCの副会長のポジションも退任された次第です。当時よりJOC会長で招致委員会の理事長として、水野氏と両輪で闘ってきた竹田恒和氏は、何故水野氏を擁護されなかったのでしょうか

それは、同氏にその力がなかったか。或いは、自身のポジションを守るのに精一杯で事の次第を見て見ぬふりをされたのかも知れません。まさか、この時竹田氏は、今日の20東京五輪招致に関する疑惑の矢が自らに向けられてくるとは思いもしなかったのかも知れません。此れが事実ならば、長年何故JOCの補佐役理事達は、適切なアドバイスをなされて来なかったのでしょうか、JOCの理事達がこのようなレベルの集団である事が残念でなりません。

 

この度の招致活動の旗振り役は、当初東京都知事だった石原慎太郎氏であり、次に猪瀬直樹氏、さらに舛添要一氏へとバトンが引き継がれて行きました。しかし、どの知事も同様な問題を抱えた方々であった為に職を追われる結果となりました。そして、献身的に活動された企業家の水野氏も姿を消し、竹田氏もまた実質は招致疑惑の責任を問われ、JOC会長職の任期延長を担保していたにも関わらず退場を余儀なくされたのです。

筆者は、竹田氏に付きましてはあくまで疑惑で在り「黒」と断定された訳でないので、自らの手で疑惑を晴らす為にも延長期間を全うされるべきであったと思う次第です。此れでは、本人自らが黒と認めた事を意味すると思われますが、如何でしょうか。(本件は、今日も尚フランス検察当局は、捜査を継続しています)

此処に負け組の顔触れは、略出そろった事になるのでしょうか。しかし、国会議員、都議会議員達は、この時期賑やかに飛鳴していた海鳥が巣に戻ったが如く鳴き声一つしなくなったのもこれまた政治家の処世術の一つなのかも知れません。そのような不穏な空気が淀む中、20東京五輪組織委員会の設立に向かっての人事、予算案、協賛スポンサーシップ、等の作業が準備会議を中心に粛々と進行されて行くのでした。

①公益財団法人2020東京五輪組織委員会設置

2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(略称:TOCOG、The Tokyo Organizing Committee of the Olympic and Paralympic Games,

2020東京五輪組織委)は、2014年1月24日に発足し、2015年1月1日付で公益財団法人となりました。此処で読者の皆様は、本組織委員会が公益財団法人である事をしっかりと記憶して於いて頂ければ幸いです。

 

20東京五輪組織委会長には、森喜朗(元内閣総理大臣、元文部大臣)が就任し、副会長には、何と現役衆議院議員遠藤利明が就任されたのです。それでは、政府に居る五輪担当大臣の桜田義孝は何をする為の大臣で、遠藤氏は何のための衆議院議員なのかこれでは、政治家による政治家の為の東京五輪である事を証明し、歴史にレガシーとして刻んだ事を意味すると筆者はスポーツ・アドミニストレイターとして申し上げます

そして事務方のトップには、事務総長として武藤敏郎氏(元日本銀行副総裁、現大和総研名誉理事)が就任したのですまた、理事には、複数の国会議員が顔を揃えています。しかし、16年招致委員会で失敗した事務総長の河野一郎氏が副会長に入り、20年招致委員会で勝利した事務総長、専務理事、副理事長、JOC副会長の水野正人は、場外退場を言い渡されたのですこれは、本来ならばスポーツ・アドミニストレイターが行うフェアーな人事ではありません。本件に付いては、一切の情報公開は成されていないのでないかと思われます。読者の皆様は、このような密室での人事が成された理由をご存知でしょうか。まさにこれは日本の政界の総理総裁、閣僚人事の伝統的な人事手法そのもので、スポーツ界に於いてはこの手法は決してやってはならない手法の一つであります。

此れはまさに自民党派閥人事手法をそのまま東京五輪組織員会に持ち込んだだけの様です。この様な大規模な公益財団法人の人事は、本来であれば許認可権を持つ内閣府文科省スポーツ庁が審査時に精査、指導を行う責務があるのですが、出来ない理由は何だったのでしょうか。それは、文科大臣、スポーツ庁長官、等国会議員(文教族と言われる)で理事兼役員を固めてしまっている事に起因しているのかも知れません。

此れだけ国会議員、政治家達がオリンピックというスポーツの祭典の組織、団体に直接的に介入した例が嘗てあったでしょうか。此のことは、置き換えれば国内の各競技団体(NGB)には、強い求心力のあるリーダー達が不在である事を物語っているのかも知れません。

此れもレガシーを第一にする東京五輪の特徴の一つとして東京五輪史に多くの政治家名が刻まれる事でしょう。

派閥のボスにやりたい放題をさせて、これに対する反対、反論する立場の人間が誰ひとりとして居ない事の方が重大問題の我が国のスポーツ界の実情ではないかと思われます。そして委員会の役員の皆さんは、皆本業から生活の糧を得、組織委員会からも莫大な報酬を受け、諸経費も付帯され、バランテイアー活動者の顔をした高額所得者なのです。日本には、真のバランテイアーの文化が育たないのはこのあたりに起因しているように思えてなりません。公益財団法人は、本来なら法人役員全員の報酬、諸経費、等に付いて全て定期的に公開する義務と責務があるのではないでしょうか。それは、国民と社会に対してバランテイアーでない事を示し、責任の所在を明確にする事となるのです。

また、2014年4月17日に組織委員会は、国内の協賛企業獲得を行なうマーケティング専任代理店に株式会社電通(略:電通)を指名しました。そして、電通の代理として高橋治之氏(元電通専務、現株式会社コモンズ代表取締役会長)を組織委員会理事として迎え入れたのです

此処で森喜朗氏は、自身の手で人事のお披露目をした次第です。その後、複数の理事等の交代が在りました。本公益財団法人の理事、役員、評議員達は、どのような理由で推薦され任命されたのかの情報公開も確かされなかったように思います。公益法人の役員達は、国民、社会に貢献、還元できる人物なのか、出来るかが選考基準の根幹を成すのですが、残念ながら本役員の中には意味不明の役員がそれも大挙して名を連ねているように思われます

 また、下記の東京五輪組織委員会の役員、理事達の人事が略定期的に短期間で役員が交代している様子が伺えます。これらの殆どが国会議員、政治家達でありこれらは、派閥の議員に一人でも多く東京五輪に関わった証としての肩書を付与させようとする親心の様です。この様な事には、抜け目がないのは、政治家所以なのかも知れません。これも政治家達へのレガシーなのでしょうか。

 

②公益財団法人2020東京オリンピックパラリンピック

 組織委員会(TOCOG)

役員名簿 役員理事 (2018年11月28日現在)

■名誉会長 御手洗 冨士夫

一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長

キヤノン株式会社代表取締役会長CEO 

■会長   森 喜朗

内閣総理大臣 元文部大臣

公益財団法人日本スポーツ協会最高顧問   

■副会長  遠藤 利明

衆議院議員 元東京五輪担当相、元文科副大臣、元自民党幹事長代理

2020年東京オリンピックパラリンピック大会推進議員連盟幹事長

公益財団法人日本スポーツ協会副会長

■津賀 一宏 パナソニック株式会社代表取締役社長

■河野 一郎 公益財団法人日本オリンピック委員会JOC理事、2016年東京五輪招致

       委員会 理事兼事務総長。2020年東京五輪招致委員会理事、組織委会 

       副会長。一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター

       理事長。日本ラグビーフットボール協会元理事。元・独立行政法人日本

       スポーツ振興センター(JSC)理事長。 

       公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構理事長   

■竹田 恆和 国際オリンピック委員会委員 公益財団法人日本オリンピック委員会

       会長JOC     

■山脇 康  国際パラリンピック委員会理事 公益財団法人日本障がい者スポーツ協

       会 日本パラリンピック委員会委員長        

■猪熊 純子 東京都副知事                 

■専務理事(事務総長)武藤 敏郎 株式会社大和総研名誉理事         

■常務理事(副事務総長)布村 幸彦 元文部科学省スポーツ・青少年局

■常務理事 平岡 英介 公益財団法人日本オリンピック委員会副会長兼専務理事

            JOC 

理事

作詞家                      秋元 康

麻生セメント株式会社代表取締役会長        麻生 泰

公益財団法人日本オリンピック委員会理事JOC    荒木田 裕子

公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事   泉 正文

東京都オリンピック・パラリピック準備局長     潮田 勉

福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長

一般財団法人世界少年野球推進財団理事長      王 貞治

日本政府代表 中東和平担当特使          河野 雅治

東京都議会議員                  小山 くにひこ

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長JOC   齋藤 泰雄

スポーツ庁長官                  鈴木 大地

■東京都議会議員                  髙島 なおき

■株式会社コモンズ代表取締役会長         高橋 治之

オリンピアン(体操)               田中 理恵

オリンピアン(柔道)               谷本 歩実

トヨタ紡織株式会社取締役会長           豊田 周平

公益財団法人日本障がい者スポーツ協会       中森 邦男

日本パラリンピック委員会事務局長        

パラリンピアン(水泳)              成田 真由美

写真家 映画監督                 蜷川 実花

衆議院議員                   萩生田 光一

2020年東京オリンピックパラリンピック大会 文科大臣

推進議員連盟幹事長代理            

参議院議員                   橋本 聖子

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長JOC 東京五輪担当相

■東京都議会議員                  東村 邦浩

公益社団法人関西経済連合会会長          松本 正義

住友電気工業株式会社取締役会長

近畿陸上競技協会副会長

公益財団法人日本陸上競技連盟評議員

一般財団法人大阪陸上競技協会会長        

公益財団法人日本スポーツ協会常務理事      ヨーコ ゼッターランド

公益財団法人日本陸上競技連盟会長        横川 浩

国際オリンピック委員会委員           渡邉 守成

国際体操連盟会長                

監事

公益財団法人日本オリンピック委員会監事JOC   黒川 光隆

東京都会計管理局長               土渕 裕

 評議員 名簿

https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/structure/councillor/

≚==================================================

新役員改正名簿発表(2020年6月12日現在)

■新役員改正に於いては新旧交代か新たに推薦、任命された役員

■名誉会長 御手洗 冨士夫

      一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長

      キヤノン株式会社代表取締役会長兼社長CEO  

■会長   森 喜朗

      元内閣総理大臣 元文部大臣

      公益財団法人日本スポーツ協会最高顧問          

■副会長   遠藤 利明

      衆議院議員、元東京五輪

      2020年東京オリンピックパラリンピック大会推進議員連盟幹事長

      公益財団法人日本スポーツ協会副会長  

■     津賀 一宏

      パナソニック株式会社代表取締役社長  

■     河野 一郎

      公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構理事     

■     山下 泰裕 

      国際オリンピック委員会委員

      公益財団法人日本オリンピック委員会会長JOC

      国際柔道連盟理事    

■     山脇 康

      国際パラリンピック委員会理事

      公益財団法人日本障がい者スポーツ協会理事

■     多羅尾 光睦

      東京都副知事   

■     武藤 敏郎

      専務理事(事務総長)

      株式会社大和総研名誉理事     

■     布村 幸彦

      常務理事(副事務総長)

      元文部科学省スポーツ・青少年局

■     福井 烈

    常務理事

      公益財団法人日本オリンピック委員会専務理事JOC

■理事

作詞家    秋元 康

麻生セメント株式会社代表取締役会長         麻生 泰

国際オリンピック委員会オリンピックプログラム委員会委 荒木田 裕子

公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事    泉 正文

東京都オリンピック・パラリンピック準備局長       潮田 勉

福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長

一般財団法人世界少年野球推進財団理事長    王 貞治

日本政府代表

中東和平担当特使 河野 雅治

■東京都議会議員        小山 くにひこ

スポーツ庁長官        鈴木 大地

■東京都議会議員        髙島 なおき

■高橋 治之

株式会社コモンズ代表取締役会長、元電通専務取締役 

■田嶋 幸三

公益財団法人日本オリンピック委員会副会長

公益財団法人日本サッカー協会会長

国際サッカー連盟カウンシルメンバー   

オリンピアン(体操)           田中 理恵

オリンピアン(柔道)           谷本 歩実

トヨタ紡織株式会社取締役会長        豊田 周平

公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会参事中森 邦男

パラリンピアン(水泳)       成田 真由美

写真家 映画監督      蜷川 実花

■馳 浩 

衆議院議員、元文科副大臣、元日体大理事、元文科大臣

■東京都議会議員      東村 邦浩

公益社団法人関西経済連合会会長

住友電気工業株式会社取締役会長

近畿陸上競技協会副会長

公益財団法人日本陸上競技連盟評議員

一般財団法人大阪陸上競技協会会長  松本 正義

■丸川 珠代 

衆議院議員、前東京五輪

公益財団法人日本スポーツ協会常務理事      ヨーコ ゼッターランド

公益財団法人日本陸上競技連盟会長  横川 浩

国際オリンピック委員会委員  渡邉 守成

国際体操連盟会長     

監事

公益財団法人日本オリンピック委員会監事/弁護士   塗師 純子

東京都会計管理局長   佐藤 敦

 

IOCスポンサーと国内スポンサーとは

IOCのスポンサーシップに関する規定では、1985年から新しい規約、規定が設けられました。それらは、IOCの協賛スポンサーとして最高位(TOP)のスポンサー価値を意味するものです。zzz

その為には、一業種一社方式、即ちIOCのスポンサーに成れるのは、例えば自動車メーカーを選ぶ場合、1メーカーを選定すると他の自動車メーカーはスポンサーには成り得ない事を意味するのです。これは、IOCのTOP(The Olympic Partners)と称される所以なのですこれにより、IOCは、協賛スポンサーをリスペクトすると共にIOCの唯一のスポンサーとしての評価価値を最高位に維持する事を目的としているわけです

 

開催国の組織委が獲得できる国内に限るスポンサー権は、これまたIOCのスポンサーの一業種一社のコンセプトに基づいたスポンサーであり、IOCのスポンサーの評価価値を下げない事が明記されていますしかし、この度国内に於ける大会スポンサー契約は、これまでのIOCのコンセプトの慣例を破る「一業種2」の契約が特例として認められたのです。マーケテイング担当者の発表では、2015年4月の時点で目標収入額の1500億円を突破したとの事でした。そこで、契約枠には、1社150億円以上の契約金の設定が新たに設けられたのです。

本国内スポンサー契約に関しては、2019年2月19日の朝日新聞朝刊に寄りますと、現在3200億円のスポンサー収入を見込んでいるとの事で、これも広告代理店電通の力によりIOCの慣例を特例にした様子が伺えますまた、この朝刊記事によると、大会組織委会長の森氏の記者会見では、森氏が両脇に日本航空JAL)社長と全日空ANA)社長を従え「こうやって仲良くね。オールジャパンの象徴だ」と得意満面な笑顔でしたが、このお方にはスポーツマンシップが必要な環境、組織には似合わないと思うのは筆者だけでしょうか。これは、代理店電通にとっても莫大な手数料が入るのでこの上ないIOCの慣例破りとなった次第です

この森氏の得意満面な笑顔を読者の皆さんは、記憶の片隅に置いておいて頂ければ、同氏の政治家論理が言行不一致である事が後に明らかになるのです

この特例は、IOCがよく許可をしたと筆者は驚いている次第です。何故ならば、IOCの商品価値を低下させ、IOCのTOP精神を否定する事に繋がるからです。これは、IOCのパートナーであり、組織委員会のマーケテイングパートナーである電通の力がIOCを動かした事に繋がるのです。しかし、これによりIOCの商品価値が崩れ出した第一歩となる気配が漂い始めたと申し上げても過言でありません。今後のIOCのビジネスコンセプトに禍根を残すことになりそうです。

 

④国内五輪協賛スポンサーに本命「アシックスがくる」

ここで日本を代表する選手達、役員達が使用する公式ユニフォーム、開閉会式に使用される公式ブレザー、シューズ、等のスポーツ用品・スポンサーサプライアー権の指名が行われたのです。その内容に付いては、明らかにされていませんがどうも最終的に国内2社(ミズノ、アシックス)が競合し、最終的に組織委は、20東京五輪のスポーツ用品のオフィシャルスポンサーサプライアーとして、株式会社アシックス(略:アシックス=ASICSを指名したのです

これでスポーツ用品部門のカテゴリーは、ASICSとなったのでした。しかし、本入札の詳細に付いての情報公開は、勿論なされていないのです。聴こえてくるのは、2社の中でアシックス社の提示価格がミズノ社を上回ったという噂が流布されているだけで、真実はこれまた闇の中です。

これにより、大会の国内スポンサーの最高位(ゴールドパートナー)の中で、唯一のスポーツ用品メーカーがアシックス(ASICS)と決定したのです。

アシックスは、既に創業者の鬼塚喜八郎氏の生誕100周年記念で、アシックス会長兼CEO(最高経営者)の尾山基氏は、本オリンピック開催でのスポンサーとなる事は創業者、鬼塚喜八郎氏の夢・悲願であったかに歓喜極まる中で挨拶されたかに聞き及んでおります。悲願の夢が創業者にとっても、会社・企業にとってもかなった事に対して、筆者は心よりお喜び申し上げます。

しかし、これは、ミズノ株式会社の創業者にとっても同じことであったようです。

 

森喜朗会長の言行不一致を黙認する関係者、マスメデイアの不思議

本件に関しては、本ファイルの「③IOCスポンサーと組織委スポンサーとは」に於いて述べさせて頂きました。本国内協賛・スポンサーに付きましては、IOC電通の協力により特例として1業種2社枠が設けられ、組織委設置後多くの協賛を得ているのは、既にご紹介致しました。そして、その中で森氏は、1業種2社のスポンサーを従えて記者会見を行いました。森氏は、「こうやって仲良くね。オールジャパンの象徴だ」と得意満面な笑顔を既にK’sファイルでは、朝刊から引用させて頂き、ご紹介しましたので読者の皆さんは御記憶にあるかと思います。

それでは何故この度は、このようなスポンサー規定が1業種2社の方向に当初より動いていた事を承知しながら、長年日本スポーツ界の屋台骨に尽力し、支えて来られたスポーツ用品メーカー2社のアシックス社とミズノ社に対して差別的な振る舞いをされたのか。何故JALANA同様に仲良く協力したスポンサー契約を図れなかったのかと筆者は、大会組織委会長の矛盾した裁定(言行不一致)に何か不純でどす黒い政治家としての深層心理を感じざるを得ないのです。これには、森会長と尾山アシックス会長兼CEOが石川県金沢の同郷であった事が関係しているのではとの噂までが業界で流布している所以なのかも知れません。此れは、まさに片手落ち裁定だったと残念ながら申し添えさせて頂きます。

このような裁定では、日本国民が納得しないまでもなく、オリンピックの祭典を司る東京五輪組織委員会として何とも筋の通らない一貫性が欠落した論理が罷り通るようではスポーツ・アドミニストレイションの根幹に欠陥があったのでないかと思わざるを得ませんが、読者の皆様は如何でしょうか。

また、筆者は、これでは選ばれた株式会社アシックスに対しても何か傷を付けたような印象を与えてしまったような気がしてなりません。この事に関連して、また新たなる被害者が出現か。

 

文責:河田 弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

お知らせ:

第六弾:公益財団法人2020東京五輪組織委「1.20東京五輪からミズノスポーツが消えた」は、長編となりましたので、今週は、此処までとさせて頂き次週NO.137は、第七弾で続編を掲載させて頂きますのでご了承下さい。

K'sファイルNO.136:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (1)

K'sファイルNO.136:政治と政治家達に翻弄される東京五輪 (

無断転載禁止              毎月第二、第四木曜日掲載予定

読者からの便り

K'sファイルNO.135号論考、ちょうど国会で持続化給付金の事業請け負い先と電通関与が揶揄されている時でしたので、大変興味深く読ませて頂きました。巷では、東京五輪の招致、開催に関係して投じられた巨額な電通マネー回収の原資先が「持続化給付金」の税金で、さらに二次補正の旨味も仕組まれているのではないかと、そんな話が聞こえてきます。コロナ禍のこの情勢、果たしてオリンピック開催に漕ぎ着けられるのか、期待と不安が織り成す閉塞気分が続きますが、時折森会長の談話をテレビで拝見すると明るい見通しが伝わってこないのが残念至極です。梅雨空が続きますがくれぐれもご自愛下さい。135号論考ありがとうございました。NO.136号を楽しみにしています。 読者より

 

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain


目次

政治と政治家達に翻弄される東京五輪(1)

2020東京五輪リマインド・シリーズ(6)

第五弾:2020東京五輪招致委員会の役目終了

1.政治家倫理は真のスポーツを歪めてしまった

  本シリーズの経過と紹介

  オリンピック開催地、東京に決定!

  本招致活動に心血を注いだ人物

  水野正人氏の存在が何故特異であったか

  2020東京五輪招致活動を終えて帰国

2.筆者の素朴な疑問と私見

          2020東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧告

 

 

===================================

2020625日  公開

政治と政治家達に翻弄される東京五輪

2020東京五輪リマインド・シリーズ(6) 2019-03-07

第五弾:2020東京五輪招致委員会の役目終了

1.政治家論理は真のスポーツを歪めてしまった

本シリーズの経過と紹介

K’sファイルNO.132、2020東京五輪リマインド・シリーズ(3)の第三弾では、竹田恒和氏(2020東京五輪招致委員会理事長、JOC会長)の疑惑とは何か、をお伝えし、竹田理事長、会長が知っていた事、知らなかった事を要約致しました。NO.133前編に於きましては、2016東京五輪招致敗戦と大勢の政治家及びその関係者達について。NO.135後編では、2020東京五輪の招致の勝因と暗躍する闇のネットワークの存在について述べました。

今回のNO.136では、2020東京五輪招致成功の裏には、リオ五輪招致成功の模倣による勝利との疑惑が深まっていく中、日本国内に於いては、招致決定後に不可解な出来事が起きていた事を述べて参ります。それらは、知ってか知らずか、殆ど語られず触れられずに葬り去られたのではないかと、筆者はふと素朴な疑問に行き当った次第です。これらは、伝統的な日本に於ける政治家とスポーツ利権の特殊な利害関係なのかも知れません。

この不可解な出来事は、2016東京五輪招致活動のスタート時点から2020東京五輪招致を経て、現在の20東京五輪組織委員会発足後に至るまで、国民、社会に対して一切情報公開がなされない相変わらずの隠蔽体質であり、今回はその根幹を解りやすくお伝えできればと思います。

オリンピック開催地、東京に決定!

[NEWS 20130907 1722JST 衛星中継より]

筆者は、この一報を現地ブエノスアイレス(アルゼンチン)からのTV報道で知り、心より関係者の皆さんのご努力にお疲れ様と述べたい衝動にかられました。

しかし、次の瞬間TVカメラが日本のデリゲイション関係者席に振られた時、感激して飛び上がり、抱き合っている歓喜の瞬間の幾重もの渦の中心に大変違和感のある映像が飛び込んで来たのでした。その複数のシーンは、真ん中に内閣総理大臣安倍晋三氏、左に東京都の猪瀬直樹知事、右に元内閣総理大臣、元文部大臣で2020東京五輪招致委員会・評議委員議長の森喜朗氏と全員が国会議員、都知事、元国会議員と政治家オンパレードの映像でしたそしてもう1枚は、安倍氏を中心にやはり左に猪瀬氏、右には水野正人氏が、水野氏と安倍氏は肩を抱き合って喜びの絶頂にありました。映像には、JOC会長兼東京五輪招致委員会理事長の竹田恒和氏の姿を見掛ける事は在りませんでした

この世界最大のイベント招致活動に勝利し、歓喜がほとばしる表舞台とその裏側では、「抱き合い歓喜している人達」、「抱き合い涙していた人達」、「裏仕事で成果を果たし、プロの仕事を完了しホテルのバーの片隅で、TV映像を観ながら静かに笑みを漏らし、杯を酌み交わす人達」、既に国内に於いては、「次の戦いである東京五輪組織委員会の役員人事を目論む人達、等々」・・・と、それは悲喜こもごもの情景が映像と、また筆者の脳裏と瞼に浮かびました。

ただ、筆者の脳裏には、何か引っかかる物がかすめたのです。同時に脳神経にインパルスが駆け巡ったのは、多分長年に渡り競技スポーツ業界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様とその集団の中で実践を経験してきたスポーツ・アドミニストレイターとしての直感だったのだろうと思います。今後、明朝から始まるであろうきな臭い次なる戦いの後処理と今後が思い浮かんだのです。

この時、竹田恒和氏(招致委員会理事長、JOC会長、IOC委員)や招致委員会に対する招致疑惑が世界中を駆け巡る事になろうとは、視聴者、日本国民の誰が予想したでしょうか。しかし、その事実を知っていた人達は、表、裏を問わず今後自身が背負って行かなければならない事、今後身に降りかかった場合の事、等々と考える者達が居ても不思議では在りませんでした。

歓喜は、一瞬にして訪れ、一瞬にして去り、現実の世界に引き戻されます

あの歓喜の最前列に居て、TVの映像に入っていた人達、その輪に入りたかった人達は、どんな思いでその情景を眺めていたのでしょうか。

直接的に関係のない政治家達は、居てもたっても居られずどのような理由と公費であの場に大挙して押しかけていたのか知る由もありません。この様にして、約数百億円と言われるプレゼンテイションショー経費は、一夜にしてシャンペンの泡と化したのでした。此れもTVのショウタイムであったと言えばそれまでですが、実は、国民、都民の汗水たらして納税した税金を湯水のように使われて、国民はそのショウタイムを見せて頂いたその対価として何を得て、何を失っているのかの深層には余り興味も無かったようでした。

その後、国内に於けるポリテイカルゲームは、いよいよ最終戦の火ぶたが切られるのですが、この2コマの映像写真の中で歓喜に酔いしれている方々がこれから主人公を演じ、そしてその勝ち組と、負け組が、今日の東京五輪を明確に色分けされるのです。もちろん、勝ち組の頭領は、神輿の玉座に鎮座し、権勢を思いのままに振い、一方、負け組は、先ず初めに石原慎太郎都知事が突如消え、猪瀬直樹東京都知事が選挙に於ける不正金銭問題を指されて場外退場となりました。そして、次にJOC東京五輪招致委員会のトップの重鎮達が1人、そしてまた1人と退場という陰湿な闇に葬られて行くのです。

 

■本招致活動に心血を注いだ人物

此処で読者の皆さんには、注目して頂きたい人物がいます。K'sファイルNO.1352020東京五輪招致委員会の役員名簿をご覧いただきますとお気付きになられた読書も居たのでないかと推測致します。理事会メンバーの殆どの顔触れは、何らかの形でJOC、各競技団体に関係されている方々です。この方もJOCの副会長の肩書を持たれているのですが、唯一民間企業の経営者で在られる事がその特徴です。その方は、「水野正人氏」でした

筆者は、一般企業経営者の水野氏がどのような経緯でJOCの理事、副会長に、また、20東京五輪招致委員会の事務総長、専務理事となられたのかの経緯を知る由もありません。しかし、この人事は、他の役員メンバーと比較しまして少し特異な存在に感じた次第です。これが後に同氏に大きな災いをもたらすことになるとは、本人及び同氏の企業の重鎮達、関係者も予想していなかったのかも知れません水野正人氏は、日本スポーツ界に多大な貢献をされて来られた人物であり、ミズノスポーツとして企業経営者で在る事は既に読者の皆さんはご承知かも知れません。

水野正人氏 略歴:

2001年 日本オリンピック委員会理事

2004年 藍綬褒章を受章。

2006年 ミズノ株式会社代表取締役会長就任。

2007年 日本オリンピック委員会副会長就任

2011年 東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会事務総長就任

上記名誉職に専念するためミズノ株式会社代表取締役会長を退任。後に、副理事長兼専務理事に役職名を変更。2013年 第125 IOC総会での最終プレゼンターとして大きな身振り手振りを交えたスピーチを行い、東京オリンピック招致の立役者の一人となった姿を覚えている方も居るでしょう。Wikipediaより~

上記略歴の通り、水野氏は、ミズノ株式会社の最高経営者(CEO)であったのです。これが同氏の本プロゼクトの最後の華やかな舞台となるとは、ご本人は夢にも思わなかった事でしょう。

水野正人氏の存在が何故特異であったか

筆者のスポーツ・アドミニストレイターとしての視点から誤解を恐れず申し上げます。私は、水野正人氏が2001年にJOCの理事に就任された時に既に違和感を感じました。しかし、公益財団法人JOC評議員会は、執行機関の理事会に対して何の異議申し立ても無く承認している事、そして、やがて同氏は、2006年にミズノ株式会社の代表取締役兼会長に、即ち最高経営者(略:CEO)に就任、翌年にJOC副会長に就任された次第です。

筆者は、この状況に違和感を感じながら静観していましたが、残念ながら同氏企業内からもJOC評議員会、理事会からも何の異議を唱える方が居ない事に驚きました。僭越ながらスポーツ・アドミニストレイターの視点では、水野氏の企業役員会もこれまたイエスマンの集団だったのでないかと疑念を抱いた次第です。今日のグローバルな会社・企業に於いては、特にこのような特殊で目立つ外部での名誉的重責、活動には慎重な意見とブレーキがかかるのが常識とされています。ミズノ株式会社は、グローバル企業でなかったのかも知れません

何故ならば本JOCは、公益財団法人であり特に日本国内のオリンピック・スポーツ競技に関する経営、運営、管理をIOCから委託を受けた唯一の組織・団体なのですこの組織・団体の理事、副会長氏が総合スポーツ用品・販売・メーカーの最高経営者である事は、常識的に考えて「忖度及び利益誘導」の疑いを招く恐れがあると思われて仕方ない状況とポジションなのです。同氏の企業側近に社会常識を身に着けられた優れた番頭さんが居なかった事は、個人にとっても企業に取ましてもお気の毒と申し上げたい次第です。このような経営者のミスジャッジメントは、企業経営に大きな打撃を与えかねない事になりかねないのは世の常です。

此の事は、公益財団法人の長に「国会議員、政治家」がなるのと同様な利害、利権問題並びに倫理的問題が生じるのです。197080年代の世界のスポーツ界に於いてあれだけの権勢を振るっていた故ホルスト・ダスラー氏(アデイダス社の最高経営者)ですら、IOCIGB国際競技連盟)、NGB(国内競技団体)の長に名を連ねる事はしなかったのです

いわば本業界の最高経営責任者が公的表舞台に立つ事は、同業他社を敵に回すことであり、元来業界に於いてはタブー視されてきた次第です。よって、筆者は、「やられるぞ」との直感、次なるシナリオが眼に浮かんだのです本業界には、国内外に於いても同業他社の存在があることからもJOCの理事会、また2020東京五輪招致員会、評議会が何故ブレーキを掛けなかったか。しかし、既にその裏では、アンチミズノに対する静かなる仕掛けが始まっていたのだと思われます。

まさか招致委員会の評議員会は、同氏に対して招致失敗の折の責任を背負わせ敗戦時のスケープゴートの準備をしていたのでないか、或は、成功した時には他意を持って失脚させる、との穿った見方をしたくなるような対応、姿勢であったような気がしてならないのは筆者だけでしょうか。やはり評議員会、理事会は、意見、異議を持たない形式的な、何方かのイエスマン集団なのかも知れません。この件に付いては、何の異議も裁定もなされなかった事が、後に陰湿でアンフェアーな事件を招く最大の要因になって行くのです。

JOC2020東京招致委員会の理事会、評議員会が何も異議を唱えない、つまり構造的に機能していないと判断される場合、指導的役割を担う内閣府文科省スポーツ庁は強制的な介入を行い「Justice正義 & Fairness公平」の基に指導、改善する責任と使命があったはずです。しかし、この政府機関の機能不全も、今日の我が国のスポーツ界の不祥事、事件を鑑みれば、改善の必要性も脳裏に浮かばないようです。此処に於いても、我が国のスポーツに関する公共の組織・団体に特別査察機関(Infraction Committee)を設置しない理由は、誰かに取って不都合、不利益が起きるからなのかも知れません。

結果として、水野正人氏は、JOCの副会長として2011年に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会 事務総長に就任。名誉職に専念するためミズノ株式会社代表取締役会長を退任。後に、20東京五輪招致委員会の副理事長兼専務理事に役職変更となるのでした。此処で「名誉職に専念する」事を理由に、即ち水野氏自身がお気付きになられたのかどうかはさて置き、1私人として公益財団法人の副会長として、また20東京五輪招致委員会の実務権を持つ副理事長兼専務理事に就任されたのですしかし、株式会社ミズノの代表取締役・会長職を退任するも、会社の個人大株主である事も放棄したとの情報公開はされていません。(中途半端な対応)

筆者は、此処での仕切りの甘さに水野氏自らと会社重鎮の方々の脇の甘さを感じずにはいられませんでした。勿論、JOC、招致委員会の理事会、評議会のいい加減さを既にこの時点で露呈していたのです。このような構造的な問題は、即ちこの度のあらゆる疑惑の温床となっている事を読者の皆さんにご指摘させて頂きます。此れを我が国に於いては、伝統的な談合文化と揶揄される所以かも知れません

 

2020東京五輪招致活動を終えて帰国

国内に於いては、連日連夜と招致関係者は元より、TV、マスメデイアを通してブエノスアイレス(アルゼンチン)での映像が視聴者にサブミラルを起こしかねない強烈な勢いで、テレビ画面から溢れている頃、既に招致を勝ち取るまで情勢を見極めながら様子を窺っていた政治家、その関係者達は、一気呵成に2020東京五輪組織委員会の陣取り合戦のマニュアル作りに夜を徹して会合しエネルギーを消費していた事が伺えます。

招致に邁進し成功した理事達、関係者は、組織委員会の重鎮に当然迎え入れられると期待していたのも至極自然な成り行きではなかったでしょうか。方法は、如何であれ。しかし、2020東京五輪組織委員会設置に対する予備会議が重ねられていくに従い、段々と雲行きが怪しくなり事件は勃発したのです。

 

2.筆者の素朴な疑問と私見

2020東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事への退場勧告

現在我々日本国民、社会には、「Justice(正義感)Fairness(公平感)」はまだ存在するのでしょうか。在るのであれば、何故それを誰もが表現しない、できないのでしょうか。

筆者の理解するところに寄りますと、東京五輪招致決定後、次の五輪組織委員会に関わる予備会議が重ねられていく中で、既に水面下で取り巻きにより神輿に担がれ地位名誉を確保した権力者は、水野正人氏(JOC副会長、20東京五輪招致委員会副理事長兼専務理事)に対して常軌を逸した暴言を吐いたとの情報が、マスメデイアを通じて耳に届いたのですこれは、いよいよ直接攻撃開始かと思わずにはいられませんでした。もしもこの人物による水野正人氏に向けられた言動、態度が事実であるならば、この人物には、既に他意が在りこの機会をうかがっていたとしか考えられないのです。この人物は、常々品性を欠いた暴言、失言を吐き人の尊厳を傷つけても何も感じない特殊な才能と特異な感受性、常識の持ち主でもあるようです。このような人物が我が国の根幹をなす教育機関に携わり、クリーンであるべきスポーツ界をくもらせて来ている事は、我々無関心を装う国民、社会にも重大な責任と問題であったと反省せざるを得ません。しかし、マスメデイアを含め誰もがこの人物に対してお引き取り願おうとしない所にスポーツ利権の巣窟が存在するのでしょうか。これが日本のスポーツ界の現実の様です。

水野氏のこれまでのスポーツ界への献身的な貢献、そしてこの度の20東京五輪招致に関しては、個人的な利害を度外視して心血を注いで来られ副理事長、専務理事、事務総長として担当責務を全うして成果、結果を残された事実をどのように評価されての言動、態度であったのでしょうか。

このような言動、行動ができる方は、いったいどこの誰だったのか。読者の皆さんは、筆者よりよくごぞんじであるのではないでしょうか。このような方が、国民、社会に対して「スポーツマンシップは何たるか、アスリートファースト」を述べられても虚しく響きますしかし、国民、社会には、何も知らされない不幸が此処にあるように思われます。これはまさに2020東京オリンピックパラリンピックは、何たるかを象徴する日本版:スポーツ・アドミニストレイターの現実とレベルなのかも知れません。

残念な事は、2020東京五輪招致に貢献され、成果を上げたJOC副会長でもある方を20東京五輪組織委員会発足手前に何故退場させたのか。それであるなら、20東京五輪招致委員会の評議員である時に何故異議を申し立て理事会に評議会の決議を申し立てなかったのか、自由民主主義国家、社会に於いては、余りにも私情を挟んだアンフェアーで陰湿な対応でなかったかと疑わざるを得ない出来事が罷り通ったのですもしこの方が、本当にそのような暴言を水野氏に浴びせたのなら、真のスポーツ・アドミニストレイターには、相応しくない人物であると断言させて頂きます。その会場に同席していた方々は、誰ひとり異議を唱えなかったという事ですので同罪でしょう。政治家の論理とは、人を利用して終われば使い捨てということなのかも知れません

その会合に居合わせた周りの人達が、誰も同氏を諭されなかった事は、まさに組織委員会は主従関係の親分・子分のイエスマンの利害集団である証で決して国民、社会の為に招致した五輪組織委員会と言い難いのでないでしょうか。勿論、マスメデイア、関係者は、ご承知のようですが誰もこの理不尽極まりない言動、行為を国民、社会に事実の情報を伝えようとはしなかったようです。このような事態を放置しては、我が国及びスポーツ界は、このような人達により蝕まれて永久に闇の世界が継承されて行く事になると思えてなりません

今後本件の様子を静観して参ると自然にこの真意と深層が浮上するのでないかと思われます。この様な理不尽なアドミニストレイションは、今後本組織内に横行し、「正義と公平」は対極の組織構造であり東京五輪の関係者の本質が一段と透けて参ります。

水野正人氏への悲劇は、さらにこれから始まって行くのです。差し支えない範囲で、次回この結末をお伝えできればと思います

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

紹介:Gファイル「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

お知らせ:

本K'sファイルNO.136では、暗く悲しい話題となりました。しかし、このような現実に目や耳をふさぎ、触らぬ神に祟りなしとして、国民、社会に情報を提供しない、できない社会構造は、まさに談合社会と文化そのものが64東京オリンピック、98冬季長野五輪以降も何も変革できていない村社会と呼ばれる所以なのかも知れません。

次回は、目も耳もさらにふさぎたくなるような話題も出て参りますが、読者の皆さんは、決して顔を背けず正面から受け止めて頂く勇気も必要です。此のままでは、政治家によりこの国は滅ぼされるかもしれないと思われます。 

K’sファイルNO.135:東京五輪延期の新たなる現実と試練(4)

K’sファイルNO.135東京五輪延期の新たなる現実と試練(

無断転載禁止             毎月第24木曜日公開予定

f:id:hktokyo2017041:20190718003102j:plain

お知らせ

この度は、NO.134に於いてスペースの関係でNO.133迄掲載致して参りました、「2020東京五輪リマインド・シリーズ・第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編を掲載させて頂きますのでご笑読、ご了承下さい

                 暗黒の東京五輪招致

 

目次

K’sファイルNO.135東京五輪延期の新たなる現実と試練(4)

前編のあらすじ

2020東京五輪リマインド・シリーズ(5)2019-02-21

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に

後編:2.2020東京五輪招致活動とリンクした権力闘争

                 ①2020東京五輪招致創世記

                ②呉越同舟2020東京五輪招致委員会

                ③2020東京五輪招致委員会理事会メンバー

                ④2020東京五輪招致委員会評議会メンバー

                ⑤真に必要な実戦部隊の人材は何処に

          筆者の素朴な疑問と私見

 

2020611日 木曜日 公開

■前編のあらすじ

主題「暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編に入るに当たりまして、NO.133での前編のあらすじをご紹介させて頂きます。

テーマを①2016東京五輪招致経過と結果、②許されない委員会理事・評議委員の振る舞いに続き、2016東京五輪招致委員会の役員をご紹介し、末尾には、「読者の皆さんは、是非このメンバーをご記憶して於いて下さい」と述べさせて頂きました。

これから2020年五輪招致委員会、20東京五輪組織委員会理事、役員名簿をご紹介するに当たりまして、最終的に誰が本2020東京五輪招致結果に対して神輿に鎮座し、そしてその担ぎ手は誰なのかをご想像頂けるかもしれません。そして、ポリテイカル・ビジネスゲームの勝ち組、負け組を理解され、読者のパズルの空欄を埋めることになるかも知れません。汚れたポリテイカル・パワーゲームのアクセルは、これから一気に踏み込まれて加速し始まるのです。本リマインドをよく理解された読者の皆様は、今日の東京五輪に関連する政治家と東京五輪組織委員会TOCOG)、電通IOCとの人間模様をより論理的に理解されると思われます。行間を読み解いて頂ければ幸いです。

 

=========================================

2020東京五輪リマインド・シリーズ(5) 2019-02-21

                                         暗黒の東京五輪招致 

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライ 

              ターは何処に

後編

2.2020東京五輪招致活動とリンクした権力闘争

2020東京五輪招致創世記

概要

石原慎太郎氏は、東京都知事に4期当選した後、2011410日に再度2020年オリンピック開催地への立候補をしたのです。そして同年915日に特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会(略2020東京五輪招致委員会)を設立。会長には石原慎太郎氏が、理事長には日本オリンピック委員会JOC)会長の竹田恒和氏が就任し、第1回理事会が開催されたのでした。

此処で本招致委員会は、何故か活動費の一部として広告代理店電通から約69,000万円借り入れたとされているのです。本件に関する双方の経緯は、書面に一切残されていないのか情報公開が国民、社会にはなされていません。双方の貸し借りへの対価は、何であったのか、またいつ返済したのかこれに付きましたも情報公開がなされないまま今日を迎えているのです。確か電通は、金貸し業も行っている企業とは存じ上げませんでした。

株式会社電通(略:電通)は、営利の広告代理店企業であり、招致委員会は非営利組織・団体でビジネス実践キャリアに於いては素人集団なのです。招致委員会は、電通を利用しようと安易に関係を構築して行ったのでしょうか。それ以降は、物心ともに電通を頼らざるを得ない状況が日々醸成、構築されて行ったのだろうと筆者は推測しています。この貸し借りは、後に東京五輪招致活動に必要不可欠なポリテイカルゲームへの情報の提供、物心の支援と全てを電通に頼らざるを得ない構造へと陥って行く結果となります

電通商法は、まさに日本の伝統的な近江商人の商法に酷似したビジネス手法の一つのように思えます。この手法は、丁度嘗て筆者が西武・国土計画に於いて堤義明社長から直接学んだ商法に驚くほど酷似している事が特徴であることを強く感じる次第です。

電通は、公益法人に対してバランテイアー企業活動をしているわけではなく莫大な収益を求める会社、企業であり本来は広告事業(ビジネス)を主体とした企業です。この事を本委員会の理事、評議委員、役員は、知らないはずがありません。逆に利用してやるくらいの浅はかな思考回路しかなかったのか、或はその時点で電通に公私ともに既に世話になっていた会長、理事、評議員、役人が多くいたのかも知れません

 

呉越同舟2020東京五輪招致委員会

2020東京五輪招致委員会は、上記のように2011915日に第1回理事会が開催さているのに対して、同年1128日には、政財界などの要人で構成した評議会の第1回会合が開かれ、131月には森喜朗副会長が評議会議長に就任したのです。この位置付けは、結果として東京招致が決まるまで同氏の顔(元日本国総理大臣としての)に泥を塗らないとの取り巻きの配慮、気配りであったのかも知れません。

此処に2020東京五輪招致委員会には、理事会のボスと評議会の頭の二頭体制が立ち上がり、これからいよいよ政争、利権闘争が開幕開演の火ぶたが切って落とされたのです。この招致委員会の構造から理事会、評議会は、招致獲得を制することにより、本パワーゲームの勝者も確定すると読んでいたと思われます。よって、理事会、評議会と二股をかけ先読み委員、役員、国会議員、都会議員達が居てもうなずけます。

企業電通は、どちらの勢力が勝利しても利益獲得する為に両陣営に協力、支援するのは当然のビジネスセオリーという次第です。電通は、IOCのパートナーでお墨付きの印籠を持っているのですからそして、委員会は、1130日に「ロゴ・マーク」が制定され、電通をスポンサー担当専任広告代理店として指名、契約を締結するに至った次第です。此処からいよいよ今日のTOCOG(東京五輪組織委員会)ライフライン電通に握られている様子が露骨に出て参る次第です。

本契約の経緯は、明らかにされていませんが入札でなく、当然随意契約であったようです。この事からもオリンピックビジネスには、フェアネスの論理など通じる筈もないということです

読者の皆さんなら、既にお気付きになったのではないでしょうか。東京五輪利権に関する抗争は、この招致委員会の中で既に繰り広げられていた構造と構図が見て取れるのではないかと思われますがいかがでしょうか。

この招致委員会の理事会と評議委員会の二頭体制のパワーゲームがこの度の2020東京五輪招致疑惑へとミスリードされて行くのです。この航路は、暗黒のネットワークへの入り口であったと思わざるを得ないのも無理からぬことなのです。

此の事を予知していた人物がいるとするならば、それは, 20東京五輪招致活動のシナリオライターが全てを見通していたと思われます。このシナリオライターこそが、ポリテイカル・ビジネスのビジネスアドミニストレイターとしてのプロフェッショナルその人なのでしょう。実践に強く頭脳明晰なシナリオライターは、世の中にいる事を後学の為にも是非覚えておいて頂きたく思うしだいです。また、自分だけが偉い、賢い、知恵者だなどと言いふらしているような方々は、このレベルの仕切りが出来る様な人物ではないのです。

この人物は、実在しても完璧なまでにその存在すら明かさない事をビジネスの鉄則としている方の様です。その理由としまして、企業は、この人物を表に出さない方が企業にとって得策であり、次のビジネス獲得への貴重で余人を以ては代えがたい戦力であるからです

2020東京五輪招致委員会理事会 

★は理事会/評議会の両方を兼務 

理事長 JOC会長 竹田恆和

副理事長/専務理事 副会長 水野正人  ミズノスポーツ(株)会長

副理事長 同専務理事 副会長 福田富昭

副理事長 同専務理事 市原則之

副理事長 日本障害者スポーツ協会副会 伍藤忠春

副理事長 東京都副知事 佐藤広

理事 日本体育協会 岡崎助一

理事 JOC理事、国会議員 橋本聖子

理事 同国際専門部会員 鈴木大地

理事 パラリンピアン 成田 真由美

理事 JOC理事、アスリート専門部長 荒木田 裕子

理事 JOC理事、国際専門部長 野上義二

理事 JOC理事(元東京2016招致委員会事務総長) 河野一郎

理事JOC 総合企画・国際部長(元東京2016招致委員会事務次長) 中森康弘

理事 東京都スポーツ振興局長 細井 優

監事 JOC監事 深津泰彦

監事 東京都財務局長 安藤立美

(以上マスメデイア発表より)

 

2020東京五輪招致委員会評議会 

★は理事会/評議会の両方

【会長】都知事石原慎太郎都知事 猪瀬直樹 (都知事は政争に敗れ去る)

[副会長】森喜朗(議長竹田恒和 米倉弘昌 岡村正

【事務総長】小倉和夫

【事務総長代行】樋口修資

【委員】水野正人 河野一郎 細井優★ 

国会議員、遠藤利明(後のオリンピック担当大臣)

猪谷千春 岡野俊一郎 鳥原光憲 張富士夫 山田啓二 達増拓也 

村井嘉浩 佐藤雄平 長谷川閑史 槍田松瑩 中村芳夫 上條清文

松本正之 広瀬道貞 秋山耿太郎 古賀伸明 福井正興 相川敬 

石澤義文 成清一臣 安西祐一郎 島村宜伸 土川健之 仲田和雄

松本好雄 石黒克巳 笹川陽平 王貞治 樋口久子 川淵三郎 鈴木寛 

奥村展三 溝畑宏

(以上マスメデイア発表より) 

以上2020東京五輪招致委員会の理事会、評議会メンバーです。

誰が何の目的で推薦、選考、任命したかの情報公開は一切なされていない。

 

⑤真に必要な実戦部隊の人材は何処に

2020東京五輪招致員会の理事会、評議員会には、まだ株式会社電通の関係者の名前をお見かけ致しません。しかし、電通に通じた代弁者は、姿を変えて同舟している事も見逃せません。本招致委員会の中には、残念ながら真のスポーツ・アドミニストレイターの姿は、お見受けしないようです。よって、メンバーには、オリンピック招致に必要不可欠な真の情報収集力とマネージメント力を兼ね備えた人物は期待できないように思われます。

近年の巨大なスポーツ・ビジネスの成否は、情報の入手力とそのリテラシーを如何に有効活用するか、まとめて判断、決断できるマネージメント力がキーワードとなります。その為のネットワーク力、即ち何処の誰が必要不可欠な情報のイグニッションキー(車のエンジンをスタートさせる鍵)を保有しているか否かにかかってくるという事です。そして、その情報が真の情報か否かを見極める為には、見極める観察・洞察力も必要不可欠であるのです。このように得た高価な情報は、次に如何にして活用するかリテラシーLiteracy)の能力に委ねられると申し上げて過言でありません。即ち、情報を知っているだけでは、その価値は評価できず、何の成果も結果も得られないという事です。それには、アクションが必要であり、アクションを伴う事はリスクをともなう、これがリスクマネージメントなのです。

本イベントを勝ち取る為、上記役員、メンバー達は、組織・団体を形成する為の社会、国民、都民を信用させるいわば担保のような方々なのです。これから必要不可欠な莫大な資金集めの為には、如何にして国民、都民に対して、また民間企業のスポンサーを信用させるための担保であり、集金ゲームの準備をする為の顔見世興行と理解された方が理解し易いかも知れません。日本社会に於いては、実力よりも肩書社会であることがこのメンバーを見てもご理解して頂けるのでないかと思われます。よって、肩書を得たら能力ある人材を登用せず、逆に潰す理由が此処にもあるという事でしょうか。

真に招致を勝ち取る為には、この時点で既にシナリオライターが描いた実践マニュアルに沿った真の情報の収集に日夜心血を注いでいる別働部隊が居たとお見受け致す次第です。そして最前線基地の人達には、このようなお飾り的な委員会、政治家、役人リストは招致を勝ち取るためには意味をなさない事を百も承知しているのです。

それは、既に2016東京五輪招致委員会の活動失敗での経験値から学習しているからでしょうか。勝つための戦略は、此の時期既に水面下で進攻して闘っている企業戦士達の高度な情報収集能力にかかっている次第です。

 

筆者の素朴な疑問と私見

本招致ゲームに勝利する為に必要なキーを誰が握っているか。そしてその確証を握る人物に如何にして近づき票獲得の確約をさせられるか。そこでは、どれ程の軍資金が必要でその確約をどう担保できるか。ゲーム展開からみて、勝敗の分かれ目は、IOC委員の数十票に全てが集約される。それは、リオで見せつけられた開票結果からであったのです。本件のシナリオライターは、リオがモデルと判断し、情報の集約とキーマン達に近づくコネクション作りと闇のルートの構築とその実行に心血を注いだのです。

勿論、本シナリオライターは、勝者リオ招致の分析、IOC委員達の動向、等、全ての情報を入手していたと推測出来ます。要するに、2020東京五輪招致の勝利の方程式は、リオ招致成功マニュアルのコピーであった、と言われても不思議ないと筆者は分析致しておりますその証は、20東京五輪招致疑惑がリオ五輪招致事件の首謀者、中継者、運び屋まで酷似である事からも、疑われてしかるべきなのかも知れません

此処で、プロのスポーツ・ビジネスアドミニストレイターが事を動かせるキーパーソンに近づく為には、最新の情報、手立てを一番よく実践経験を通して持っているIOCの中枢に一番近い組織・団体のコマンド部隊(ロビースト達)を動かさざるを得なくなるのです。また、勝敗の行方を担保する為には、この度の招致疑惑のルート以外に複数のルートを開発している事は容易に想像できるのです。しかし、現時点では、他の複数のルートに付いては、フランス当局が追っている事件(ロシア陸上競技選手のドーピング問題に関するフランスでの資金洗浄に端を発した)との関わりを持たないためにマスメデイアに曝(さら)されていなのかも知れません。

筆者が本プロゼクトGMであったなら、必ず勝敗を左右する為の安全弁として複数の他のルートの開発と担保を確保して置きます。それは、本ゲームのキーとなり裏舞台を預かる指揮官としての鉄則でありプロとしての当然の戦略の1つなのです。

此れが世界を相手に闘うスポーツ・ビジネスアドミニストレイターの真骨頂で、その真価を問われる勝負どころなのす。次回ご期待ください。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

お知らせ:

この度は、2020東京五輪リマインド・シリーズ(5)の第四弾:「暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に」の後編を掲載させて頂きました。今日に於いては、東京五輪開催が延期となりました今、本五輪開催の起源となる招致活動が関係者の権力闘争とリンクしていたなど国民、社会は知る由もありません。しかし、この起源は、開催延期となった現在に於いても利害、利権の闘争は次なる権力闘争に向かって行われています

次回NO.136は、引き続き権力闘争が赤裸々に展開されてゆく様をお伝えできれば、読者の皆様には現在の舞台と此れから起きる舞台裏をイメージして頂けるかも知れません。

紹介:「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

小野塚テル氏の読後感をご紹介します。以下URLを貼り付けてご検索下さい。

https://lp6ac4.hatenablog.com/entry/2019/05/30/055

 

 

K'sファイルNO.134:東京五輪延期の新たなる現実と試練(3)

f:id:hktokyo2017041:20200423141736j:plain

K'sファイルNO.134東京五輪延期の新たなる現実と試練(

無断転載禁止             毎月第2 4 木曜日 公開予定

お知らせ~

2020東京五輪リマインド・シリーズ(4)後編(第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に)は、スペースの都合により次回に予定を変更させて頂きましたのでご了承下さい。

 

目次

K'sファイルNO.134東京五輪延期の新たなる現実と試練(

東京五輪を幻の五輪と呼ばせない為にも

■選手達の時計を停止させたトラジテイー

★疲弊して行くTV、マスメデイア

■今選手達は未知の体験に挑んでいる

■アスリート達に取って競技とは

筆者の素朴な疑問と私見

 選手達の競技目前の「恐怖と葛藤」

 

2020528日 木曜日 公開

K'sファイルNO.134東京五輪延期の新たなる現実と試練(

東京五輪を幻の五輪と呼ばせない為にも

先ず初めに

この度のCOVID19新型コロナウイルス)は、世界中に拡散し、略全世界の競技スポーツ選手達のトレーニングを行う環境を奪っています。この様な事態、状況下に置いて選手達は、嘗て経験した事の無い体験を共有していると思われます。勿論、選手達と申しても個々のレベルも事情も環境、目標も異なるに違いはありません。しかし、選手達に取ってこの状況をポジテイブに捉えるかネガテイブマインドで捉えるかは今後の競技生活の中で、強いては自らの人生の大きな分岐点になりかねない事態に遭遇していると思われます

筆者は、スポーツ・アドミニストレイターを志し、実践して参りました過去四十数年間の中でこの様な事態と状況に遭遇した事は嘗てありませんでした。

この様な未曾有の出来事に対して、特にこの度のような疫病は、人類の進歩発展を逆手に取り、国境を往来する人達をウイルス拡散の運び屋として利用する、まさにAIartificial intelligence人口知能)を内蔵したかのようなウイルスに変身したように思えてなりません。また、このCOVID19は、人が生命を維持する為の呼吸器官に静かに奥深く侵入して身心に苦痛と恐怖を与えるのみならず、人が生活を行うに必要な活動の場を奪い、狭い所に閉じ込めて隔離させ、人間の行動を分断させながら、国家、社会を分断させる特徴を有している事を我々は認識させられている次第です。近年世界を震撼させているテロリストをフリーズさせている人類初の新種のテロなのかも知れません。近年これ程までに発展を遂げている人類の医科学に対して挑戦を挑んでいるのかとも思えてならないのです。

K’sファイルNO.134では、このような事態に遭遇したアスリート(競技者)達、特に東京五輪を目指す日本国内の上級競技者達を対象に述べさせて頂きます事をご承知おき下さい。また、スポーツ・アドミニストレイターとしてポジテイブな方向に導き、マネージメントを如何に成すべきかに付いてお話できれば幸いです。

 

■選手の時計を停止させたトラジテイー

突然目標を見失った選手達

東京五輪を目指していた競技者、関係者に取っては、五輪参加国(206カ国)から感染者が居なくなる仮説も未だ立たないのが新型コロナウイルスの脅威の実態であります。出口が見えない事は、東京五輪の延期開催(現在は2021723日)のみならず、通常の競技スポーツの開始、再会のメドすら立たない事が最大の問題であり不安による焦りを増幅しています。

例年通り何の疑いも無く競技者達は、日々競技開催日に合わせたトレーニング、コンデイショニング、等と指導者と共に日々過ごしていました。しかし、オリンピック東京大会という最終の目標に向かっている選手達の他、あらゆる競技スポーツの開催を待ち望んでいたアスリート達は、2020324日(日本時間JST)を持って時空が止まり、突然目標を見失ってしまったのです。

 

★疲弊して行くTV、マスメデイア

競技スポーツの観戦、話題をスタジアム、TV、マスメデイアを通して楽しみにしていたスポーツファン達の日常生活のサイクルも停止しました。今日のTV、マスメデイアは、今迄何の不自由も疑いも無く連日、連夜、競技スポーツ、選手達の話題を放映、報道、記事掲載とビジネスとして活用し、それによる多大な恩恵を受けて来ていました。しかし、本業界に於いても本年324日を持ってライブでの報道、放映が中断してしまったのです。この事態に伴い、それまでストックしてあったソース(source情報源)は、毎日の取材活動が制限され、出来なくなりそのソースも底をつくに至っているのが現実です。その証としては、TV番組、新聞各社のソースは過去のスター選手達、大会、ゲームを再利用せざるを得ない事態に陥っている事に読者の皆様もお気付きになられている事と思われます。この現実の状況から読者の皆様は、競技スポーツのTV放映の価値は映像をお茶の間の視聴者にリアルタイムで届ける事に商品価値がある事に認識を新たにされたのではないでしょうか。

また、TV、マスメデイアは、選手、競技スポーツをCOREとしてビジネスを展開し生活の糧を得ていた事に対する感謝の念を改めて持たれたのではないでしょうか。しかし、突然このようなトラジテイーにみまわれ、今までの企業のシステムが壊され、ビジネスの糧としての生きたソースを失い、商品が無くなった時の危機感を今現場のみならず経営者達を震撼させていると思われます。この度の出来事は、このようなTV、マスメデイアの弱点を経営者達に対しても生きた教訓として、マスメデイアの義務と使命を再構築して頂くよき機会ではないかと思う次第です

 

■今選手達は未知の体験に挑んでいる

ポジテイブな思考回路がアスリートを救う

選手達は、常日頃から何の疑いもなくトレーニング、競技に集中していましたが、この様な現実に遭遇した今、何を思い考えているのでしょうか。それは、何も起きなかった平和な環境こそが感謝に値することを強く再認識して欲しいと願う次第です。特に東京五輪を目指す選手達は、目前に迫った大会出場への最終関門である国内最終予選への準備も整い待ち構えていた最中の出来事でした。既に東京五輪出場決定、内定を獲得していた選手達は、闘争心を削がれ開催への準備の再構築を余儀なくされていることにちがいありません

東京五輪に挑む選手達の心境

選手達は、これからコンデイショニングのピークを整え最終予選に合わせた調整に取り組んでいた矢先でした。多くの競技種目の最終予選は、全日本選手権を含め本来は5月、6月がその主戦場と予定されていたのです。

選手達に取っては、調整と申してもそう簡単なことではありません。それらは、それぞれの異なる個々の環境、境遇、条件で準備を長年整えながら最終予選出場の権利を獲得する為、重要な予選を潜り抜けて参った選りすぐられたアスリート達なのです。また、この様な選手達を物心共に提供し支えて来て下さった協力者、投資者、等と共に個々の選手達は、代表権を勝ち取る為に心血を注いで参っています。勿論、この予選会、代表権、東京五輪での成績は、その個々の選手達のこれからの競技人生の岐路に対する分岐点となると申しても過言でないと考えられるからです。

 

アスリート達に取って競技とは

近年のオリンピック大会は、「参加する事に意義がある」などとの1974年迄のオリンピック憲章のアマチュアリズムは過去の産物となっています。競技スポーツの定義の最終章は、「選手達は個々の体(身体的能力)、心(精神的能力)、技(技術的能力)を持って最大のパフォーマンスに活かし、その個々の競技種目に於いて個々の競技者、テイームに勝利をもたらす事」が最大の目標なのです

世界のアスリート達は、プロフェッショナルで在り自身の生活、家族の生活を支えている厳しさは日本の選手達と大きく異なるかも知れません。勿論日本選手も近年海外のプロ選手に劣らないプロ選手が台頭してきているのも事実です。

このような事からも代表選手に選考されるのは、ほんの限られたアスリート達で彼ら、彼女らもまた「ワンチャンス」に全てを賭けて集中して臨む一生一大の勝負を決する時であります

 

筆者の素朴な疑問と私見

競技に挑む競技者達は、大なり小なり経験する「恐怖との葛藤」に直面するのです。この恐怖は、アスリートの個々の心的プレッシャーはその最終ゴールの競技に直面する間際に於いて最高潮(MAX)に達することを意味します。これは、選手の心臓の鼓動が今にも飛び出さんとする極限のプレッシャーの状態であると表現した方が判りやすいと思われます。スポーツ生理学的には、丁度アナエロビクス(無酸素運動)状態に陥ると申し上げてもよいかと思われます。

ネガテイブマインドはプラスにならず

筆者は、スポーツ・アドミニストレイターとして、また嘗て現場コーチとしての経験から、このアスリートの心的なプレッシャーをポジテイブな内面的な力に置き換える為のコーチングスキルをここ一番で逆利用し絶大な効果を得、最終結果に導けたことがあります。それは、この様な大事な局面での競技者に対して、内面の恐怖と葛藤に於けるネガテイブマインドを如何にして取り除くかの心理学的手法を用いる事でした此れをコーチングに於いては、選手、テイームをサイクアップ、或はサイキングアップと呼ぶ手法なのです

筆者が何度も実践した経験の中で、特にこの手法を使用して最終目的を達成した例は、1976年の全米大学選手権(NCAA)、全米選手権での決勝戦1994年のプロ野球セントラルリーグの最終決戦(10.8)の中日対巨人戦の名古屋球場に向かう出発前の全軍へのサイキングアップは、そのシーズンの集大成としての結びのキーワードとなった一つとして記憶に残っています

この事は、今日も尚報知新聞の巨人軍紙面でよくキャッチコピーとして引用されている「勝ツ、勝ツ、勝ツ」は、この10・8のあの場面で筆者が長嶋茂雄監督に先導して言っていただいた心理的戦術に於ける仕上げの行動パターンで在った次第です

サイキングアップ(psyching up)とは、選手、テイーム、決戦に今まさに挑もうとする前にポジテイブな集中・興奮状態にするメンタルコントロール法の1つなのです。競技を経験した人であれば大なり小なり経験している試合前の自身に内在する恐怖との闘いに対する心理的コーチングの1つです。

自己管理の必要性

筆者は、日本人のアスリートを目指す人達には是非、自立、自己管理に目覚めて欲しいと願う次第です。何故自立、自己管理が必要かと申しますと、アスリートは、競技レベルが高度になるに伴い指導者のレベルの資質が、自身の競技力の向上に大きく影響を及ぼすという事です。そこでアスリートを目指す人達は、自身の心技体の現実を見きわめられる冷静な観察、洞察力を日々養う事が非常に大事になるのです。スポーツ・アドミニストレイターの立場と視点で長年日本人選手の日常トレーニング、競技を観察、洞察して参りましたが、日本の伝統的な指導方法には、選手の自立、自己管理を養う指導が結果として見受けられません。

本来スポーツは、幼少時から体を動かす事に興味を持ち、興味があるからこそスポーツを始める事がその初歩的な行動パターンなのです。そして次のステップは、人は自身の身体能力、スキルが他とその違いを比較したい、比較する為に競技に参加する闘争本能を持っているのです。此処までは、各個人の興味と能動的な心が行動へと導かれているのです。しかし、此処からもう一歩踏み出し同じ志を持つ仲間と集団に入るころから、そこには指導者が介入、介在してくるのです。

我が国に於いては、どうもこの段階で指導をする大人の強い思惑と片寄った思い込みが、子供達のスポーツへの興味がそれまでとは異なる方向に導かれ、本来の大切で重要であるべき子供達の自主性を消されてしまう指導体系にシフトされて行かれる様ですこの事に対して子供達もその父母達も気付いた時は、もうすでに指導者に抵抗できない伝統的な構造とシステムが内外に確立されているのです。

折角子供がスポーツに興味を持ち、同じ志を持つ友人、仲間と楽しもうとしている時期に個々の子供達を集団指導し、短期間で大人の目的を達成する為に指導者本位の考えや都合を押し付け強いているからだと思われます。

読者の皆様に判りやすい例としては、中学、高校野球がその最たる伝統的な集団指導を通して自主性を奪ってしまう大人達のエゴ(EGO)指導と申し上げても過言でありません。この指導法は、個々の選手達の将来の自主性、自己管理という大事な自立心を潰されている大きなファクターの一つである事を述べさせて頂きます。この様な指導方式の下で育てられた選手達の多くは、競技スポーツ界に所属する間常に指示待ち人間が確立されてしまっている悲しい現実が今日の現場で色濃く見受けられます。これらは、プロの選手達に於いても顕著にみられるのがその証と特徴でもあると思われます。

この様に殆どの選手達は、幼いころから既に自分自身の意思を大人の指導者に取り上げられ、唯ひたすら指示待ち人間化されて来た事から、常に誰かの強制的な指示、指導即ち暴力的な強制指示を受けなければ身も、心も動けない、即ち思考停止の状態にされているという事です

これらは、日本のスポーツ界の伝統的な指導方法の1つで今日も尚美化され継承されている負の遺産と申し上げます。この様な指導を受けて来た選手達には、自立、自己管理という言葉が何を意味するかを理解するに至らない悲しい現状が横たわっている事をご理解下さい。今この様なトラジテイーの時にこそ、自らを変革する為にも関係者が認識を新たにする事が先ずその第一歩であると思われます

この事は、近年に於ける競技スポーツの多様化、国際化により多種多様な情報を通して身近に感じ、思考できる時代となっています。これにより子供達は、自由に思考し、行動する楽しさを自然と身に着けている中で、拘束され自由を奪われるような全体主義的な競技スポーツの指導を避ける様子が顕著になってきているようです例えば子供達の野球離れ、バレーボール離れが極端になっている我が国の現実は、このようなファクターに起因しているように思えてなりませんこの問題の要因を指導者達は、気付かない、認めようとしない所に問題の本質が改善されないでいるのかも知れません

選手達にとっては、この度の新型コロナウイルスによる悲劇は千載一遇のチャンスと捉えて自らの人生を見直し、修正、変革できると思われるからです。それは、選手同様に指導者、コーチ陣にとっても最大の変革へのタイミングでもあるのです。スポーツには、暴力(物理的、精神的)は無意味である事を選手達は、勇気を持って「STOP」と指導者、運営、管理者に声を上げる事です。それにより、多くの有能な若者達が自主独立の精神を学び、自主管理の必要性を自覚すると確信する次第です。

よって、このトラジテイーは、願ってもないタイミングを神から頂いたとポジテイブに捉えることが賢明であると思います。ポジテイブな思考力は、アスリートのみならず指導者、関係者に経験値としての知恵を与えてくれます消去法の指導論理は、ネガテイブ指導の代表格で在り、これはコーチングの本質を逸脱した選手を壊す最大の原因となっているのです

このトラジテイーをポジテイブな視点で思考することにより、東京五輪出場の最後のチャンスを手にしている選手達の思い、まだ代表権を得ていない選手達のこれから、怪我、傷害、準備不足の選手達、全くどうしてよいかわからない選手達、これら様々な状態を抱え現在身動きが取れない選手達に適切な今後の指針と指導を与える事が今必要で重要な事と思われますその為にもスポーツ・アドミニストレイター的な立場の関係者の方々は、これから2021723日開催までの間の指針とその具現化したマニュアルを提供する責務があると思われます

 

JOCが今こそリーダーシップを執る必要性

特にJOC日本オリンピック委員会)は、各競技団体に委託契約をしている事から全選手への適切な管理を徹底する責任があるのです。JOCはこの様な事態の中で国内競技団体(NGB)、代表選手の運営、管理をIOCから委託を受けている国内唯一の団体です。

JOC東京五輪組織員会、IOCは、一日も早く2021723日開催の是非を決断するに当たってのDead Lineに必要な明快な基準と指針」を全世界のアスリート達に告知して頂くことが急務で今求められている最大の懸案事項であると確信します

筆者は、幻の東京五輪にならない事を切に願う次第です

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

紹介:「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

小野塚テル氏の読後感をご紹介します。以下URLを貼り付けてご検索下さい。

https://lp6ac4.hatenablog.com/entry/2019/05/30/055

お知らせ:NO.134は、如何でしたでしょうか。今選手達に思考して欲しいポイントを幾つか述べさせて頂きました。紙面のスペースの関係で予定していました、東京五輪のリマインド・シリーズ後編は、次回に掲載させて頂きます

 

 

K'sファイルNO.133:東京五輪延期の新たなる現実と試練(2)

f:id:hktokyo2017041:20200514000652j:plain

K'sファイルNO.133東京五輪延期の新たなる現実と試練(2

無断転載禁止             毎月第24木曜日公開予定

国民、社会は、この国家の有事を契機として悪しき伝統に別れを告げ、明るいポジテイブな未来を見据えたクリーンな日本スポーツ界の構築に舵を切り替えては如何でしょうか。国民の皆様には、フェアーな新しい日本の春を迎えてほしいと心より願っています。 筆者より

目次

K'sファイルNO.133東京五輪延期の新たなる現実と試練(2

■国民が生命を預ける政府対策本部、専門家会議とは

    イエスマンの集いでは知恵に成らず

■これでよいのか官僚体質の対策本部、専門家会議は

     官僚体質は隠蔽体質と揶揄されるゆえん

■政府対策本部に何故GMを置かぬ

     統括・運営・管理に強権を有したGM

■専門家会議は東京五輪役員選考方法に酷似

    各専門部門は実践力豊富な集団で在るべき

■筆者の素朴な疑問と私見

===================================

2020東京五輪リマインド・シリーズ(4)

2019-02-21

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に

前編:1.2016東京五輪招致活動の無責任な委員達

 

 

2020514日、木曜日 公開

K'sファイルNO.133東京五輪延期の新たなる現実と試練2

国民が生命を預ける政府対策本部、専門家会議とは

イエスマンの集いでは知恵に成らず

この度の世界的な疫病(COVID-19)は、中国武漢市を起源として今日世界百数十カ国に蔓延する事態となっています。しかし、武漢で発生した本ウイルスの発生源が未だ特定されず公表されない異常事態であります。 

我が国では、2020東京五輪開催を目前にしての本疫病が隣国から来襲した事は実に悲しい出来事以外の何ものでもありません。元来この疫病は、持ち込もうとの意図的な要素は無かったと思われます。

東京五輪開催を最優先したが為か、424日の東京五輪延期を決定後急激な感染者数、死者数が発射ロケットの如く増え続けています。国の緊急事態宣言が全国に告知されました。そして再度延長宣言が54日に告知されたのです。これら国の対応、対策は、この疫病発生当時の初動からしっかりとした出口へのマニュアルも無く、紆余曲折する手探り状態であったと申し上げて過言でありません。発生以来約5カ月余りの今日に置いても国民、社会の不安は何ら解消に至っていないのが現実です。

今日まで本件は、国家の非常事態をアドミニストレイトするに当たり、現政府内閣は本新型コロナウイルス感染対策本部を設置し、その傘下の専門家会議を招集し委員達に判断基準を委ね、各担当大臣、総理大臣が陣頭指揮に立ち判断、決断、そして国民に告知、指導、指示、要請を取り行っている次第です。本専門家会議は、2020214日に立ち上げられ招集されて今日に至っています。 

本会議の趣旨・目的は、

新型コロナウイルス感染症対策本部の下、新型コロナウイルス感染症の対策について 医学的な見地から助言等を行うため、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」という。)を開催する。

専門家会議の構成員は、別紙のとおりとする。ただし、座長は、必要に応じ、その他関係者の出席を求めることができる。

専門家会議の庶務は、厚生労働省等関係行政機関の協力を得て、内閣官房において処理する。

前各項に定めるもののほか、専門家会議の運営に関する事項その他必要な事項は、座長が定める。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議メンバー

:脇田 隆字 国立感染症研究所所長

副座長:尾身 独立行政法人地域医療機能推進機構理事長

構成員

岡部 信彦 川崎市健康安全研究所所長

押谷  東北大学大学院医学系研究科微生物分野教授

釜萢  公益社団法人日本医師会常任理事

河岡 義裕 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長

川名 明彦 防衛医科大学内科学講座(感染症・呼吸器)教授

鈴木  国立感染症研究所感染症疫学センター長

舘田 一博 東邦大学微生物・感染症学講座教授

中山 ひとみ 霞ヶ関総合法律事務所弁護士

武藤 香織 東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授

吉田 正樹 東京慈恵会医科大学感染症制御科教授      (五十音順)

以上構成員は、2名の座長、副座長と10名(その内1名は弁護士)構成されています。(政府広報サービス機関より提供)

 

■これでよいのか官僚体質の対策本部、専門家会議は

官僚体質は隠蔽体質と揶揄されるゆえん

発生当初より、本件に関わるスポークスマンは、加藤勝信大臣 厚生労働大臣働き方改革担当、拉致問題担当、内閣府特命担当大臣、(拉致問題)」と

西村康稔大臣 経済再生担当、全世代型社会保障改革担当、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、新型コロナウイルス担当相 」が連日、連夜とテレビ、マスメデイアに出て本件のスポークスマンを兼務しているのを読者の皆さんは、ご承知の通りです。

そして、各TV局は、国会議員の方々を入れ替わり立ち代り(自薦他薦を含め)番組に出演させ、本件に関するコメント解説を求めています。本件に関係があるとは思えない議員諸氏らのコメントは、専門用語を外国語で連発しながら本題とは異なる主観をまじえて話す姿には何か違和感をおぼえます。

ある時期を境に加藤担当大臣は、何か内部で起きていたのかTVに出る機会が激減したかにお見受けしました

本来本件は、厚生大臣の所轄で本疫病対策の統括運営、管理責任者である筈です。しかし、所轄の異なる経済再生担当相の西村氏が新型コロナウイルス担当相の肩書を付けてTV出演を行う事になったようです。筆者は、此のあたりから本プロゼクトは迷路に迷い込んで行ったような気がしてならないのですが、読者の皆様はどの様にお察しされているでしょうか。

西村氏は、本来の所轄ではないにも関わらず新たな担当相になられた現状を鑑みますと政府対策本部のリーダー役の加藤、西村両名の本件に於ける職責、責務の分担が今一つ国民に判りずらく、グレーに感じてなりません。そして、これまた両名共に官僚出身者である事も片寄った内部人事での元官僚同士の葛藤が透けて見えるのは筆者だけでしょうか

政府対策本部は、この2人の官僚出身者が現実に二頭体制でこの国難を左右する実権を握っている事、即ち船頭が2人いてこの船は目的地に着岸できるのかという危うい状況下にさらされている次第です。また彼らは、全く本題と異なるゲームも展開されている事を忘れてはなりませんこれにより、専門家会議の副座長氏が専門的な知見のサポート役でTVでの露出度が急に多くなったのも官僚たちの風除けとスケープゴートと理解すればうなずける次第です。しかし、こんなポリテイカルアドミニストレイションを何時までもやられては、生命を預ける国民はたまりません。やはり我が国の政治、実務は、悪しき官僚構造から抜け出せない事をまたもやここ一番で露呈してしまっているようです。

専門的な知見に関する説明役は、専門家会議副座長の尾身 茂氏( 独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)が此の所前面に出てこられるようになったので、遅かりしではありますがよかったと思われます。それでは、何故政府対策本部の専門家会議の代表として当初より、脇田座長、尾身副座長をマスメデイアの会見に出さなかったのかが、今更ながらに対策本部の目的・目標に矛盾と疑問が此処にも潜んでいるように思えるのは筆者だけでしょうか。

そして今や脇田、尾身氏が率いる専門家会議は、本来真に重要不可欠な各エクスパートの集団であるべきが、官僚出身の政治家、官僚がコンセンサスを取りやすい厚労省管轄の二つの組織・団体に所属する人材を招集したに過ぎないように思えてならないのです。よって、今日に於いては、これまでの専門家会議の施策、方針、指導、指示、要請が現場の現実に即さない矛盾点が結果として白日の下にさらされて参っている次第です。それにより、専門家会議の尾身氏の会見での発言は、歯切れが悪くこれでは専門家会議のリーダーたる責務と使命を果たしていると言い難い今日の実情であります。よって安倍首相の国会答弁、記者会見に於いても歯切れが悪い要因が此のあたりにもあると思われるのです。政府対策本部とその下部組織の専門家会議は、内部の人事を含めた改善を勇気を持って遅ればせながら即刻執り行い風通しの良いアドミニストレイションを遂行して頂きたいと願う次第です

政府対策本部に何故GMを置かぬか

統括・運営・管理に強権を有したGM

強力な統括・運営・管理には、信頼できる各部門部署を統括マネージメントできるアドミニストレイターを政府新型コロナウイルス対策本部に必要且つ不可欠でした。最も初期の段階で本専門家会議の委員の編成に当たっては、慎重且つ厳選する必要があったのでないかと疑念を抱かざるを得ないのです。 政府対策本部は、誰がどのような物差しで推薦、選考し、任命しているのか、このような混乱に乗じて本部がコンセンサスが得やすい都合のよい人材を招聘するのでなく、現場の実践・実務をよく熟知した個々の最高のエキスパートを選考委員会を通して推薦され、任命する構造とそのシステムであるべきなのです。しかし、これらの情報公開がなされない所に国民、社会の不安が倍加している事を内閣はどれ程理解できているか非常に疑わしいと思われます。

政府対策本部が推薦、選考した専門家会議の大部分のメンバーは、「国立感染研究所(厚労省管轄)、地方衛生研究所(厚労省管轄)」からの人材に偏重し過ぎている事です何故、現役、現場の専門家を推薦、選考なされなかったのかと揶揄されても仕方ないかも知れません。僭越ですが、お上に媚びを売るような専門家では実践業務に適さないと断言できるかと思われます。此れも最初に対策本部と専門家会議は、明快で強いコンセプトが在って編成、構成されたアドミニストレイションでなかったのではないのでしょうか。それは、丁度東京五輪の招致、組織委員会JOCの理事、評議委員の推薦、選考の問題にまさに酷似と申し上げた方が理解しやすいかと思われます

 この様な事から、例えばPCR検査の投入が初期の段階から必要不可欠でありながら、投入しようとしない要因は、このような官僚型政治家の思惑のゲームが優先して、苦しむ国民の安全と生命を二の次にしてしまった大罪が此処に起因しているのではないかと考えられる次第です。また、もう一つPCR検査に関しては、37.5度の体温が4日続いていない国民はPCR検査を保健所で受け付けない、との専門者会議での判断基準によりどれ程の国民が苦しみかけ替えのない命を落としたか、今頃言い訳(誤解)がましいこと言っても死者は戻らないのです。この度保健所は、水道の蛇口のバルブ(調整弁)の任務を背負い悪い厚労省の機関の役目をさせられているのです。保健所にこのようなスケープゴート役を押し付けているのは、他でもない厚労省、政府対策本部と専門家会議以外にありえないのです。保健所の関係者の皆さんは、国民、社会、患者から酷い批判にさらされ、その家族が地域社会でどの様な酷い目に合われているか、マスメデイアも報道しないので耐え忍ばれているのが現状です。

政府対策本部は、国民の生命を預かる重要な専門家達の実績及びプロフェールをTV、マスメデイアを通して明かにし、選考、推薦、任命に関する情報を速やかに公開するのが常識であります。本来は、政治家、官僚達の利害利権に関わらない「Justice(正義)とfairness(公正)」の強い信念でトータルマネージメントが出来るゼネラルマネージャー(GM)に委ね、対策本部の本来の最終目的を完結させる事が政府、政治家、官僚のアドミニストレイターとして最重要使命だと強く提言申し上げます

K’sファイルの読者の皆様は、非常に社会常識の在る知識、経験豊かな方々でありますのできっと本件に関して疑念を抱いているのでないかと危惧致す次第です。

専門家会議は東京五輪役員選考方法に酷似

各専門部門は実践力豊富な集団で在るべき

専門家会議は、各部門での実践力を有しマネージメントが出来る実践者集団で在るべきです。これでは、東京五輪招致委員会、東京五輪組織委員会JOCの委員の推薦、選考、任命する構造と手法に酷似であるように思えてならないのです。

特に本件の関係者達は、東京五輪の運営、管理とは異なり国民一人ひとりの安全と生命を委ねる関係者達なので公明正大な選考基準及び公開の義務と必要性が不可欠です

 専門家会議を招集、運営、管理するのは、政府対策本部でありその最高責任者は内閣総理大臣です。内閣総理大臣は、専門家会議での最終報告、指針を判断の基準として決断告知しているのです。それでは、もしこの専門家の方々個々の委員の編成が我が国の「第三者委員会」的な選考方法であるなら許し難いアドミニストレイションであり、決して認めるわけにはまいりません。

それは、政府対策本部から個々の組織・団体とその個人に有形無形の恩恵が受けるのですから、最高責任者の判断と決断が片寄った思惑と判断基準に陥りやすいと申し上げて過言でありませんK’sファイルNo.132では、第三者委員会の実態と真意を解説させて頂きましたのでご参照ください

当初よりPCR検査を国民が自由に受けられない最大の理由は、上記のような政府対策本部及び専門家会議の構造的な問題に起因しているのかも知れない事を多くの外部の専門家からも既に指摘をされています

筆者の素朴な疑問と私見

筆者は、今日国民社会に多大な生命の危機と混乱が生じている中、政府の緊急対策がどのように機能しているか否かを注目させて頂いていますが、今日まであまり機能していないように感じてなりません。僭越ながら此処で私見を述べさせて頂くと、これら会議メンバーの方々は、既に官僚タイプの方々で主従関係者と申し上げても過言でないかと思われます。そして、被害をこれ以上拡大させない為にも不適切、不適任な政治家、省庁の担当役人、専門家には、速やかに退席して頂き能力のある適任適材の専門家を常に準備し、フェアーにセレクトできる構造とシステムの構築こそが、国家、国民に対する政治家、それを支える官僚方の使命ではないかと思います。

このような国の有事の際は、片寄った政治家達の判断、決断は非常に危険であることは既に歴史が物語っています。

そのためには、有能な超党派の政治家、官僚、医科学の専門家で構成される真の日本国最強の人材の編成、構成の必要性が今問われているのでないかと考える次第です。その為にもこのようなケースは、トータルマネージメントに長けたプロフェッショナルなアドミニストレイターとしてのGMが、対策本部に不可欠であったと思われます

 国民を代表する政治家達は、「正直であるべし」が大前提でありますが、真逆な政治家が多すぎるように思えてなりません。人は一度嘘を吐くとついた本人は、また次の嘘で自身を正当化させるのが政治家の本能であり、世の常だからです此のままでは、対策本部の総責任者である安倍晋三首相の発言、告知内容に国民、社会が日々疑心暗鬼の方向に向かいだしている事により母船(対策本部)が東京湾内で漂流しているようにお見受けします。残念ながら内閣の参謀格の誰もが本件に関する戦略、戦術を記したマニュアルが書けていない事が最大の問題ではないのでしょうか。

現在巷では、我が国の国会、国会議員、与党、野党議員への不信、政治家としてのモラル、能力、また各省庁の官僚の正義感の欠落を嘆く声が日を追って増している事を彼らに国民の声が届いていないのでしょうか。筆者は、国家の一大事なこの機会に彼らに実践的な危機管理を学んで頂き、我が国の政治家、官僚として必要な実践力を身に着け、国家国民の為の行政、管理を任せるに相応しい人物に成って欲しいと一国民として願わずにはいられません。手遅れにならない事を切に願います。

 

===================================

2020東京五輪リマインド・シリーズ(4)

2019-02-21

第四弾:暗黒の東京五輪招致シナリオライターは何処に

前編:

1.2016東京五輪招致活動の無責任な委員達

2016東京五輪招致経過と結果

2016東京五輪招致を目的に、当時の東京都知事石原慎太郎氏を会長とした、特定非営利活動法人東京オリンピックパラリンピック招致委員会は、20073月に設置されました

同委員会には、最高顧問として当時の内閣総理大臣福田康夫首相、特別顧問に全大臣、顧問に全副大臣が就任したのです。本招致委員会のスタートは、国会議員で構成する議員連盟都議会議員等、オリンピック利権に群がる政治家の集団、招致委員会と称しても過言でなかったのが特徴のようでした。しかし、2009年のIOC総会で2016夏季五輪開催地は、リオデジャネイロ市(ブラジル)に決定したのでした。結果として、大勢の政治家、役人が大挙したにも関わらず成果と結果を得られず敗戦帰国したのでした。

16東京五輪招致委員会は、2010531日に河野一郎事務総長以下招致委員会全理事が退任71日に東京五輪招致委員会は、「国際スポーツ東京委員会」に改称して、事実上の敗北を宣言したのです。

その後、本招致活動に関する金銭疑惑が国内に於いて次から次と浮上して来たのは読者の皆様も未だ記憶に新しいのではないでしょうか

この問題は、先ず東京都議会議員らから、余りにも高額な支出について招致委員会への喚問に端を発したのです。16東京五輪招致総経費は、約150億円(内東京都分担金18億円)であったと報道されています。しかし、当時の招致本部の担当部長は、本招致活動に関して制作費用、制作会社、また、プレゼンテイションに要した莫大な費用が支払われている事に対する詳細を回答出来なかったのは即ち、支払いが異なる目的に使用されていた証であります。

此処で出て来たのは、東京都が負担した2009年度のIOC委員へのプレゼンテイション費用の総額2475万円、英国の映像制作会社に依頼したプレゼンテイションの為の映像製作費が、何と10分間の映像に5億円費やしている事です招致委員会の理事、評議員達は、委員会設立の趣旨、目的に沿った方々でなく、執行部が運営しやすい片寄った顔触れが招集され、専門家を選考していなかった為に広告代理店の言いなりの値が付いたと評されても仕方のないことでした。国民、都民の血税がこのように使用されても、委員会のメンバーの誰ひとりとして異議を唱える者が居なかったのでした。このことは、招致委員会の理事、評議委員会のコンセンサスが得やすいイエスマン達を集めた集合体であったと言われても仕方ありません。招致活動の問題の本質は、理事、評議委員達の資質にあると考えられるが、これら人材を推薦、選考、任命するのは誰なのかの情報公開さえも行わない所に本組織、団体の闇があると思われます

 

②許されない委員会理事、評議委員の振る舞い

2012年に招致委員会の報告書は、報道陣に公開されたようですが、調査報告によりますと、なんと東京都知事石原慎太郎氏)は、16年度招致活動の8事業支出約18億円分の経理書類を保管期間であったにも関わらず、紛失したとして保存していなかったのです。その他莫大な経費の詳細に付いても、資料を紛失してしまったとの回答で、自らの責任を認めず逃げてしまったのです。このような事を起こしても我々日本国では、誰もがその責任の所在すら正さない、問われない社会構造のようです。

此れらは、またしても「98年長野冬季五輪後の経理の書類を焼却して何もございません」と言っていたのと同類の行為と言えます。長野五輪の悪例は、誰もが学習していなかったという事です。これらは、全て我が国、社会の無責任制度、体質がその根幹をなしており、法治国家と言い難い体質そのものの様に思えます。今日も未だ改善されない最大の問題は、我が国の制度にあり、その制度を逆利用されているのでないかと筆者は思う次第です

16年東京招致に関する経理の資料は、保管期限が義務付けられているにも関わらず、このようなていたらくの委員会、役人達、政治家達の責任感とモラルは計り知れず犯罪者の行為なのです。しかし、何の責任も問われず今日まで誰もが結論を求めない不思議な社会と公共組織、団体である事も確かなようです。このような伝統的な手法は、2020東京五輪招致委員会に引き継がれ、そして20東京五輪組織委員会へと継承し、これ以上な露骨なことが起きようとしているのです

此処で初めて出て来た民間企業は、「株式会社電通」という名の会社名でした

 

2016東京五輪招致委員会の役員紹介

会長 石原慎太郎  都知事

副会長 :竹田恆和、JOC会長  

副知事 :横山洋吉、谷川健次、佐藤広 

事務総長: 河野一郎 

理事:熊野順祥、 荒川満、安藤忠雄猪谷千春岡野俊一郎、林務、遅塚研一、 福田富昭小谷実可子、市原則之、荒木田裕子 

日体協会長: 森喜朗 

経団連会長: 御手洗冨士夫 

日商会頭: 山口信夫 岡村正 

都議会議員 山﨑孝明、 高島直樹 

JPC委員長 北郷勲夫 

オリンピアン:室伏広治 

監事 JOC監事 岩楯昭一、都財務局長 谷川健次、 村山寛司 

以上が2016東京五輪招致委員会理事並びに役員諸氏です。(敬称省略)

読者の皆さんは、是非このメンバーをご記憶して於いて下さい。これから2020年五輪招致委員会、20東京五輪組織委員会理事、役員名簿をご紹介します

最終的に誰が本2020東京五輪招致結果に対して神輿に鎮座し、そしてその担ぎ手は誰なのかをご想像頂けるかもしれません。そして、ポリテイカル・ビジネスゲームの勝ち組、負け組を理解され、読者のパズルの空欄を埋めることになるかも知れません。汚れたポリテイカル・パワーゲームのアクセルは、これから一気に踏み込まれて加速し始まるのです

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports

紹介:「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」文芸春秋社 著者 武田頼政

小野塚テル氏の読後感をご紹介します。以下URLを貼り付けてご検索下さい。

https://lp6ac4.hatenablog.com/entry/2019/05/30/055...

 お知らせ:NO.133は、時事問題の一向に改善しないコロナウイルス検査体制の本質的な問題を政府対策本部とその下部の専門家会にMRIを当て、その病んだ要因を筆者の私見を加味し述べさせて頂きました。後半の第四弾としましては、東京五輪のリマインドシリーズ(4)の前編を掲載させて頂きました。読者の皆様には、我が国独特な共通した社会の構造的な問題と縮図が透けて見えて来たのではないでしょうか。