スポーツ・ドクトリンKファイルNO.210:特別寄稿 日大第三者委員会記者会見より

スポーツ・ドクトリンKファイルNO.210:特別寄稿 日大第三者委員会記者会見より

無断転載禁止                特別寄稿 不定期便

河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ・アドミニストレイションの基軸は「Justice正義&Fairness公正」

日本にスポーツ・アドミニストレイション論の必要性を紹介

日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者

(プロフィールは別途ご検索下さい)

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2023年11月1日

KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada

スポーツ・アドミニストレイター 

日本大学アメフト部事件及び大学、大学法人に対する第三者委員会の記者会見

 

出席者:

三者委員会とは何ですか

10月31日、午後4時、日大本部に於いて上記第三者委員会の代表者による会見が行われました。記者会見に先立ち、第三者委員会なる定義(Definition)を明確に先ず説明する事が大事であったと思いますがなされたのでしょうか。

仮にも元名古屋高裁長官たるが、委員長を務めるのですから形式的にも必要でしょう。ましてや、無料で第三者委員会に招かれた訳ではないと思われますので実質が問われます。(筆者は、会見内容を拝聴いたしておりません。あくまでマスメディア報道を参考に致しました)

また本委員会は、「何処の誰にどのような趣旨・目的で招集され、何名のどのような委員により構成されていたか、等々」の紹介、説明もなくいきなり元名古屋高裁長官が委員長として指揮した様子が、各マスメディアの論調、レポート記事であったかと理解致しました。いささか乱暴な気がいたします。

しかし、本会見の趣旨・目的は、いったい何だったのかと思った次第です。その理由は、会見は一連の事件及びその対応をした大学、法人の対応者(林真理子理事長、酒井健夫学長、澤田副学長)を挙げ連ね、不適切な対応があった事への概論にとどめていることです。このような概論は、事件発生の昨年から今日迄の日大関係者の発言、マスメディアの報道により国民、社会、日大生、教職員、卒業生、等はよく存じている事です。この様な会見ならば報告書のみの公開で充分であったのではないかと思います。この会見より、日本大学側の3首脳による、第三者委員会の報告書を受けての会見が必要であったと認識致していますが、如何でしょうか。

 

委員会メンバーの選出は何処の誰が行うのか、此処が問題

本第三者委員会は、招聘された側であり招聘した側の組織、団体、個人が誰であったのかを明らかにすべきでしょう。いつものことながら日本に於ける第三者委員会なる得体のしれない委員会は、先ずバランティア活動であるなら十分な審査が必要であり、有料で集められた委員会ならその金額も明らかにすべし、後者であるならばそこには忖度が在って当然であり招聘者の意思と意図が含まれるという事なのです。

よって、この第三者委員会なる定義と招聘手段、主催者を明確にしない限り「JusticeもFairness」も働いていない事になるのです。第三者委員会なるは、一見フェアーで正義感ある集りの様にお見掛けしますが、この委員会が問題である事がしばしば起きている事を読者、視聴者の皆さんは、お気づきになられているのではないでしょうか。委員達は、陪審員では無い筈です。

学生達が委員の方が誠実で正直でないか

本委員会の会見の要旨は、包括的に林真理子理事長の理解と認識不足による管理者としての能力を問う内容で一貫している様子が伺えます。理事長をそのようにさせたのは、担当理事で副学長の澤田氏、及び酒井学長兼1号理事であるかを匂わせています。それで、責任の所在となると大学、法人でお決めになる事です、かのような表現に終始している所が、この委員会の特徴の様にお見掛けいたしましたが、視聴者の皆様はどの様に感じ、思考されていますか。

筆者は、「大山鳴動して鼠一匹」との諺がありますが、鼠一匹も出なかったという事か。大騒ぎした割には当たり障りのない内容にしか過ぎず、これが第三者委員会なる評価と定義とお見受けした次第です。

 

文責:河田弘道

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:G-File「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文藝春秋社 著 武田頼政

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お知らせ:本KファイルNO.210は、特別寄稿とさせて頂きました。