KファイルNO.200:日本国民・社会は何故WBCに熱狂したか(Ⅰ)

KファイルNO.200:日本国民・社会は何故WBCに熱狂したか(Ⅰ)

無断転載厳禁              毎月第二、第四木曜日掲載予定

スポーツ・アドミニストレイター

日本に初めてスポーツ・アドミニストレイション論を導入

日米で実践スポーツ・アドミニストレイターの先駆者

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筆者からの便り「NO.200号」記念公開のお知らせ

 読者の皆様は、久しぶりのマスク無しでの五月晴れの下で爽やかな風を肌に感じられましたでしょうか。新緑とその若葉の季節感を味わっている事とお察し致します。  

 Kファイルは、この度「NO.200号」を掲載するに至りました。此れもひとえに読者の皆様のご協力と励ましがあって成し得た事と心より感謝申し上げます。思えば2017年4月17日に思うところあり、それまでの自身の実践キャリアと論理を融合した内容でスポーツ・アドミニストレイターとしての基軸を忘れず書き始めた次第です。年月の経つのは早いものです。本Kファイルが一人でも多くの必要としている方々に役立っています事を願い感謝の言葉に換えさせていただきます。

時事の話題から

■日本国が置かれている極東に置ける現実

国内外における国難の情勢は、如何ともしがたい状況、実状であります。この現実の真の情報をどれほどの国民が持たれ、それらを理解、認識されていますでしょうか。我々は、今日重大な極東情勢に直面している現実を鑑みますと世界の情勢が「軍事バランス」によって、日本国と国民の今後の命運を左右するキーワードになっている事に強い危機感を抱かざるを得ません。この事態を真剣に受け止め、理解をされていない方々に警鐘を発したく思います

ゴールデンウイークには、国内外への旅行、内外での競技スポーツを観戦、テレビ実況中継を楽しみ、家族そろって笑顔での会食を満喫している様子は何にも勝る幸せの一時であります。これらは、安心、安全な日常生活の基盤があっての平和という名の担保です。しかし、今後この平和を維持する為の担保は、何処にもない事をご存じでしょうか。皆様が楽観視されています安心、安全の平和は、今現在日米安全保障条約なる約束事により一応保持されています。しかし、この条約は、お金で買っているのです。このお約束は、10年単位で契約が更新されるのです。しかし、本契約条項は、国民に開示されていません。日本国は、米軍に対してこの莫大な見返りをいつ迄払い続けられるのか、金の切れ目が縁の切れ目となるとどうなるのでしょうか。

 

■国会議員は国民の真の心に耳を傾けては如何か

例えば、我が国と制度そのものが異なる隣国の軍隊が我が国に上陸作戦を実行したなら、我々は如何するかの国民総意のコンセンサスをお持ちですか。日本国の議会制民主主義は、もう今日の日本国を防御、維持する為の制度として限界を通り越しています。その議員達は、国民の代表と声高に叫んでいますが、彼らは国民の代表ではなく、自分たちの選挙区で長年選挙の為に放牧して来た選挙民なのです。このような選挙民に議員を選ばせている実に危険でアンフェアーな選挙制度であり、選挙民達である事を国民は理解し始めています。

この様な議員内閣制で選ばれた議員達は、「国民の声」とおごりも甚だしいと思えてなりません。よって、今日この場に及んでも「隣国が上陸してきたら、我々国民は、どうするかどうしたいのか」の全国民のコンセンサスを取る事さえ避けているかに思えるのです。現状の制度では、国民の真の心をくみ取れないと思われます。

 

■日本国は主体性ある民の集合体であって欲しい

この様な国家存亡の危機の時には、個々の国民の真意を確認する為の直接的な制度が必要不可欠なのです。我々国民は、第二次世界大戦の悲劇の根源は国民が日本政府とその軍組織を盲目に信じ込まされていた、即ち彼らは、日本国民を代表する自由民主主義の政府でも軍部でもなかったのでした。

過去の負の遺産を基に我々国民は、国論を重ねて最終結論を導き出し、国民の総意として国会はこの総意を政の基軸とする事が「JusticeとFairness」を維持、堅持、向上させ得るのでないかと思われる次第です。如何でしょうか。

しかし、現政府、野党も本重大案件を全国民の生の声を聴く事すら避けているように思われます。皆様は、現在の国会議員達にわが命、家族の命を預けられますか

 

■日本国民は他力本願の心を捨て、覚悟が必要

米国との安全保障には、限界がありますことを何故誠実に国民に情報公開しないのか。

最終的には、「我が国は我が国の国民が守らなければいったい誰が守るのか」の国民の意見を直接的に取り入れる事が先決だと思います。読者の皆様は、如何ですか。「そんなことは、百も承知、万が1つにも起きやしないので必要ない」とお思いならば、それが国民の総意として全国民は知る権利があります。

それにより、全国民は、それぞれの責任下に置いて家族のコンセンサスをまとめて、それに沿った今後の心づもりと生活設計に向かわなければならない重大な局面に来ているという事です

 

■過去の悲劇は忘れたころにやってくる

 我々は、悲惨な戦争を起こして既に70数年が過ぎようとしています。宇宙の歴史、人類の歴史は、「流転」と呼ばれることをご存じでしょうか。また、先人からは、「災害は忘れるころにやってくる」と聞かされています。この先人の教訓に耳を傾ける為の拠り所は、我々の心の何処にありますでしょうか。戦後我々国民は、伝統的な信仰心を教育から乖離させられ、心の拠り所を失いました。

戦後日本国民には、「宗教の自由」が憲法で保障され、「政教の分離」が掲げられています。しかし、「宗教の自由」と「政教分離」の法秩序は、国民と社会を蝕み崩壊させる方向に向かっているのは、ご承知のとおりです。

これが戦後70数年を経過した日本の歴史と実態である事を国民、読者の皆様は、今一度足元を真摯に見直すべき時が来たと思いませんか。

この混乱期を迎えた今こそ、我々国民一人一人は、日本国、日本民族、日本歴史を滅ぼさない為の思索を真剣に熟考し構築しなければ、今後次世代に託すに当たり、日本民族の継承は、難しくなっている事をご理解頂きたい次第です。

文責:河田弘道

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目次

KファイルNO.200:日本国民・社会は何故WBCに熱狂したか(第一弾)

Ⅰ.WBCは米国MLBPAの財産か

   1.WBCの国内熱狂に救われた東京五輪の犯罪者達

          東京五輪の主要事件整理

Ⅱ.WBCなるスポーツイベントの新たなる利権

        先ず初めに

  1.IOCに野球球種目を持ち込んだのは日本

       2.2023年3月WBC開催と東京五輪事件との関連

       3.大谷翔平選手のWBC代表選手への起用とその策略

         ■WBC成功への着眼点

      4.魑魅魍魎な国内WBC組織と団体

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2023年5月11日                         公開

KファイルNO.200:日本国民・社会は何故WBCに熱狂したか(そのI)

無断転載禁止               

Ⅰ.WBCは米国MLBPAの財産か

1.WBCの国内熱狂に救われた東京五輪の犯罪者達

東京五輪の主要事件の整理

 本年は、東京五輪終演後、昨年7月8日の安倍晋三元首相の応援演説先での暗殺事件、統一教会と大臣達との深い関係、そしてその前後から東京地検特捜部による五輪組織委員会理事、広告代理店電通、スポンサー会社、企業代表の贈収賄事件による逮捕者、起訴と現在も事件は進行中であります。

東京五輪開催に当たりましては、招致活動での虚偽のプレゼンテイション(おもてなし)と同時にIOCの委員を竹田恒和氏(当時JOC会長、招致委員会会長)の回収疑惑が、英国のガーディアン紙、仏のルモンド紙は、日本のマスメディアに先駆けて、フランス当局が竹田氏を任意聴収をしたとの報道がなされた次第でした。本件は、竹田氏に対して仏検察当局の捜査は現在も進行形であります。

2020年明け早々からは、COVID-19の襲来を受け、開催延期、そして2021年開催に際しては、無観客を条件として開催を余儀なくされました。

延期開催に揺れ動く中では、東京五輪組織委員会、会長の森喜朗氏の「女性への暴力発言」が世界中に拡散され、収拾が付かず最終的にはIOCのT/バッハ会長の幕引きを急ぐ動きから、森喜朗氏は会長職を不本意ながら五輪開催以前に辞する事となりました。

この一連の最終結論は、東京五輪組織委員会の会長であった森喜朗氏、副会長であった竹田恒和氏、事務総長の武藤敏郎氏(元大蔵・財務官僚)は、会計検査院から明確に指摘を受けている総額3兆6800億円の明細書を会計検査院に提出し、日本国民に対して本イベントが此処に至った経過並びに事件の顛末の説明、責任の所在を明らかにして、最後に司法のペナルティーを受けるのが筋だと思います。国民、読者の皆様は、如何思われますでしょうか。何れにしましてもこれら優柔不断な運営、管理者達が逃げ得とならない事だけはさせてはならないと思います。この逃げ得が許されるなら日本国の「JusticeとFairness」は、本件により抹殺された事になり、今以上に日本のスポーツ界はOut of Lawとなると思われます。

 

Ⅱ.WBCなるスポーツイベントの新たなる利権

先ず初めに

 この程の2023WBC(World Baseball Classic)は、2021年の東京五輪終演後から贈収賄罪から始まり次々と止まるところ知らずの一大疑獄事件が東京地検特捜部の手により犯罪容疑者、犯罪者が次々に司直の手に落ちて行っています。

WBCは、この様な東京五輪犯罪疑獄の中で開催された野球の国際イベントであったので国民から大変歓迎された一面があったと思われます

尚、WBCなるCの名称(クラッシック)は、米国に於いては伝統的によく競技スポーツ大会の招待試合に用いられる一般的な名称である事を付記いたします。当初米国では、単なる国際的な野球の招待試合として付けられたのだと理解されている次第です。また、それには、そうせざるを得なかったポリティカルな問題が在った事も事実です。今日も尚本件は、あらゆる問題の起点となっていることに気付いていない様子が伺えます。

それは、どうして[Wワールド Bベースボール Cクラッシック招待」なのか、どうして「Wワールド Bベースボール Cチャンピオンシップ」ではないのかという本大会のタイトルに大儀が掲げられていない問題です。

これら問題は、本イベントを設立、開催に当たり、IOC(国際オリンピック委員会)との関連問題、IBAF(国際野球連盟マチュア連盟)、MLB機構、NPB(日本プロ野球機構)、等々の許認可権並びに利害、利権が割拠しているのが問題を複雑化なっているからです。

2006年の第1回大会よりWBCのイニシアティブを擁しているのは、MLB機構とMLBPA(MLB選手会)の二本立てである事です。何故この重要な主催、運営、管理組織・団体がMLBとその選手会なのかを誰もが触れたがらない奇妙な仕組みなのです。次回、本件に付きましての各論に触れて行きたいと予定しています。

1.五輪(IOC)に野球を持ち込んだのは日本

本件に付きましては、少し解説が必要かと思います。

1970年中盤から日本に於いて、堤義明氏(西武・国土計画を母体とした独裁オーナー企業を率いて)は、日本体育協会(現スポーツ協会)、JOC、スキー連盟、アイスホッケー連盟と次々にスポーツ業界のトップの要職に推挙されました。それは、当時から「西武の堤天皇」と言わしめた時代でした。そして野球界に於きましては、「日本の野球ティームをオリンピック競技大会に出場させる、その為には、プリンスホテルに野球部を持たせて、プロ選手、球団に匹敵するティームを設立する」と堤氏は、高らかにぶち上げたのでした。そして、その後1976年に社会人野球ティーム、プリンスホテル野球部を発足、実動したのでした。

この発想と構想は、同氏の幾つもの野心の一つとして強い信念の基プロゼクトは遂行されました。1984年のロス五輪に於いてオリンピック史上初の野球が準公式種目に認められて参加、その次からは、公式種目に認定され晴れてオリンピック大会に野球が競技種目に入る事と成ったのでした。これに物心共に尽力された功労者は他でもない当時の「堤義明氏」その人でした。

これを機会に堤義明会長とA・サマランチ会長(IOC)との信頼関係は、さらに深まりそしてその後発展と信頼の証として冬季長野五輪招致へと踏み出し、長野に新幹線を走らせ途中軽井沢に下車できるよう権力を有効活用された次第でした

丁度野球事業は、プリンスホテル野球部設立と同時に所沢に野球場の建設が同時進行していたのです。そして折しも野球事業が一大プロゼクトして始まったその時に福岡に拠点を持つ「クラウンライター・ライオンズ球団」を当時先方から借金の肩代わりに引き取って欲しいとの申し出があり、江川卓投手のドラフト権利を付けて、堤会長に持ってこられたのがつい先日の様記憶が蘇ります。

小職は、これら一連のプロジェクトを会長のお側で学ばせて頂きましたので、言わば生き証人になるのかも知れません。

しかし、IOCと野球の関係は、IOCのA・サマランチ会長が退任した後、堤会長が一身上の理由でスポーツ界から身を引いた(現在はJOCの最高顧問)後、IOCでの二人の権力者が権力を失うと共に五輪の公式競技種目の野球は、即外されたのも事実です。本プロゼクト遂行には、大きな無理があったのです。それは、当初野球をまともにスポーツ競技として取り入れている国が10カ国しかなかったのが、最大の理由です。

この問題は、現在も大きな問題であります。(現在は、約20カ国と広報されて居ますが、実質は16カ国程度で、世界基準を満たすのはその内の10カ国が正直なところでしょう。サッカーは、210カ国です)

 

2.2023年3月WBC開催と東京五輪事件との関連

 この度の日本国に於ける本大会には、今までの大会とは異なる要素が含まれていたと思われます。何故ならば、東京五輪組織委員会が仕出かした贈収賄事件、招致活動回収疑惑、等々と多くの刑事事件が東京五輪終演後、今日も尚継続して捜査が行われている現実である事です。東京五輪の犯罪事件の中枢にある広告代理店は、言わばWBCの日本国内でのイベントの成功は国民、社会の東京五輪での犯罪イメージと注目を忘れさせる絶好の機会であったに違いありません。

その暗いイメージから国民の目と注目を他に向ける効果は、絶大でした。

昨年7月8日の安倍晋三氏の暗殺事件後、安倍氏一族、自民党統一教会との一連の実態が、国民社会の知る所となりました。それ以後、東京五輪に関する地検特捜部の動きとその情報がマスメディアから消え始めたのも安部氏の暗殺事件と統一教会、多数の国会議員達の関連性が一大話題になったからです。

そして2020年12月頃からWBCの話題に新聞マスメディア、TVマスメディアは、一斉に東京五輪安倍氏暗殺と統一教会の話題がトーンダウンして行く事になったのです。

日本国民、社会にとっての重大案件は、WBCと共に略消滅してしまった事に気付かれた視聴者、読者、国民はどれほど居ましたでしょうか。これは、決して見逃してはならぬ重要な犯罪者達の隠蔽工作に当たる問題にあたるのかもしれません。

 

3.大谷翔平選手のWBC代表選手への起用とその策略

WBC成功への着眼点

それにもまして、既にオリンピック開催イヤーから日本国、米国に置いては、野球界に超スーパースターが誕生していた事でした。

そして、その人物が日本人であった事は、本年度のWBCが過去のWBCと全く異なるイベントに豹変した最大の要因であったと言えるでしょう。

その人物「大谷翔平選手」が、WBCにまず出場するのか、出来るか否かに第五回WBC開催の成否が掛かっていたのです。勿論他の選手達(ダルビッシュ・有投手、吉田正尚選手、鈴木誠也選手のMLB組)と佐々木郎希投手、山本投手、源田選手、村上選手、他、、、の商品価値の高い選手達が招集できたことに大きな要因があったと思われます。

スポーツ・アドミニストレイターの視線でこの度のWBCの成功を洞察させて頂きますと、国内WBC組織・団体「日本野球協議会」、「侍ジャパン:株式会社NPBエンタープライズ」及び広告代理店が目に付けたのは、日本ハム・ファイターズ監督を退任した「栗山英樹氏」を一早く監督に招聘した事が印象的でした。

栗山氏は、これまでのWBC大会監督とは全くタイプも実績も異なる人物であった事です。日本のWBCの団体が監督として栗山氏を招聘した真の目的は、「大谷翔平選手」を一日も早く代表選手にする為に口説き落とす事でした。

この様な裏作業は、日本の組織・団体では、難しい作業なので広告代理店が外枠及び財政的な支援、処理を行ったのは素人でも理解できるところです

 

4.魑魅魍魎な国内WBC組織・団体

  大多数のファン、国民は、「WBC?」って何ですか。と首をかしげてもこの意味も中身を知る人も居ません。本大会は、近年4年に一度開催される大会で本年度は5回目の大会でありました。WBCたるは、今も尚不可思議な組織、団体と先ず申し上げておいた方が賢明だと思います。

このWBCたる組織は、まだ衣を着せた幽霊のような団体であります。それは、またマスメディアが国民、社会、ファンに今日迄情報を公開してこなかったことに起因しているのも事実です。しかし、そのマスメディアも良く状況、組織を把握できていないのと、大谷翔平選手の夢の様なスーパーマンの出場により、WBC組織・団体への持ちつ持たれつの忖度関係になると真の情報公開できる次元ではないのかも知れません。

この度は、KファイルNO.200の記念でもありましたので、筆者はこの「WBC」に付いての情報公開をできうる限り、スポーツ・アドミニストレイターの視点を基に、客観的、フェア~な立ち位置で解説出来たらと願っております。

次回からは、WBCの組織構造、人間模様、魑魅魍魎の野球界を読者の皆さんと紐解いて行けたらと期待しています。

 

文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the Sports)

紹介:G-File「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文藝春秋社 著 武田頼政

   Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada

お知らせ:

 Kファイルは、200回公開記念に時事の話題から「WBC」について、スポーツ・アドミニストレイターの視点で解説させて頂く事になりました。この度は、その第一弾を掲載いたしました。如何でしたでしょうか。